病に倒れた友に捧げる勝利はならず!明るく楽しいナルシストヒールが1分39秒で散る

9日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『チャンピオン・カーニバル2025【開幕戦】』が開催。大森北斗と安齊勇馬が公式戦初戦で対戦した。
チャンピオン・カーニバル(以下:CC)は、全日本プロレスで春の風物詩として行われるシングルリーグ戦。今年はA,Bの2ブロックに分かれて計18選手が参戦。4月9日の後楽園ホール大会から5月18日の大田区総合体育館大会まで全国各地で熱闘を繰り広げていく。
この日の第2試合では、 Bブロック公式戦として大森北斗vs安齊勇馬の一戦が実施。
北斗が率いる【北斗軍】は、その名の通り北斗を総帥とするヒールユニット。超強力なヘビー級選手が勢揃いしているにも関わらず、試合では北斗が調子に乗ったところで連携が乱れて敗れることが多い。全日本の“明るく楽しい”の部分を担いつつ、実力的には“激しい”も担うことが出来るユニットだ。
そんな北斗軍に属する外国人メンバー・サイラスは北斗軍最強との呼び声も高い198cm 164kgの超巨漢レスラーであり、海外から全日本愛を発信し続けて2022年に悲願の初参戦。コワモテの極悪ヒールでありながらどこか愛嬌を感じさせるサイラスは全日本ファンにファミリーの一員として受け入れられ、今年のCC参戦も決まっていた。
しかし、サイラスは体調不良で倒れて来日が叶わず、CCを全戦欠場。これを受けた北斗は「アイツが俺たちの居場所を守ってくれたんだ!だから次はリーダーであるこの俺がアイツの居場所を守らなきゃいけない!」と涙ながらに叫び、CC優勝への決意を固めていた。
この日、北斗の対角に立つ安齊は三冠ヘビー級王座の最年少戴冠記録を持つ最強のエース格。先輩である北斗をあっという間に追い抜いて頂点を獲った安齊に対し、北斗が意地と友情の力で勝利をもぎ取ることができるのかに注目が集まっていた。

北斗は戦前に誓っていた通り、正々堂々の闘いを誓って握手を要求。安齊が一切信用せずにいると、北斗は安齊の決めポーズである小指を突き出しての約束ポーズを要求。安齊が小指を絡めると、北斗は安齊と岡田レフェリーとの指切りを要求。安齊が怪訝な顔をしながらもこれに応じると、北斗が背後から急所打ちで奇襲。北斗が1人で北斗軍スペシャルを狙ったところでゴングが鳴る。
もちろん安齊が雪崩式ブレーンバスターで切り返すが、これを返した北斗がコーナーに上ってナルシスト・プレスを発射。これも安齊が剣山で迎撃する。
北斗はエルボー連打からロープに飛ぶが、安齊がジャンピング・ニーで迎撃。さらに後頭部へのジャンピング・ニーからジャーマン・スープレックスを狙うが、北斗がレフェリーを引っ掴んで後ろ足を振り上げての急所蹴りから無想一閃。これを2で返されると北斗が再びナルシスト・プレスを放つが、安齊が剣山で迎撃しつつ下から首固めで3カウント。安齊はスカジャンを脱がないまま1分39秒で勝利を収めた。

信じられないといった様子の北斗は「な……なんてこった!俺の全勝優勝が!俺の全勝優勝がァッ?!」と声を震わせながら控室へ。友情に燃える男の明日はどっちだ。