【試合詳細】11・25 HERO新木場大会 【WBCタッグ】友龍&後藤恵介vsガッツ石島&橋之介 藤田峰雄&魔苦・怒鳴門vs長井満也&ホラちゃん ワイルド・ベアーvs豊島会長
バリアフリープロレスHERO『HERO38』
日程:2023年11月25日(土)
開始:18:45
東京・新木場1stRING
観衆:未発表
▼ミクスド6人タッグマッチ 20分1本勝負
リッキー・フジ(2AW)/○大谷譲二(P.P.P.TOKYO)/谷もも(PURE-J)
10分49秒 フロッグスプラッシュ→片エビ固め
梶トマト(飯伏プロレス研究所)/海和択弥(HERO)●/真琴(フリー)
▼ダークソウルvsディアブロ軍Ⅰ シングルマッチ 20分1本勝負
○ディアブロ(フリー)
3分6秒 TKO
●千葉智紹(フリー)
▼ダークソウルvsディアブロ軍Ⅱ シングルマッチ 20分1本勝負
○加藤茂郎(フリー)
4分25秒 足4の字固め
●根本薫(フリー)
▼豊島会長還暦記念試合 シングルマッチ 30分1本勝負
○ワイルド・ベアー(HERO)
10分53秒 ペディグリー→体固め
●豊島会長(GPS)
▼タッグマッチ 45分1本勝負
藤田峰雄(藤田峰雄王国)/○魔苦・怒鳴門(フリー)
11分50秒 スワントーンボム→エビ固め
長井満也(ドラディション)/●ホラちゃん(フリー)
▼WBCタッグ選手権 60分1本勝負
【王者組】友龍(HERO)●/後藤恵介(フリー)
13分17秒 カンクントルネード→エビ固め
【挑戦者組/れいわ鬼神組】ガッツ石島(TTT)/○橋之介(フリー)
※第5代王者組が4度目の防衛に失敗。れいわ鬼神組が第6代王者組となる。
“れいわ鬼神組”ガッツ&橋之介がWBCタッグ王座戴冠!GPS豊島会長が還暦記念試合で玉砕も「頑張って頑張って頑張って生きようぜ!」と絶叫!
オープニング
新宿歌舞伎町のプロレスファンの聖地「BAR & FIGHT 地下闘技場」の佐々木愼店長が来場。GPS豊島会長が同店運営会社の会長に就任したことが発表された。今後はイベントもどんどん企画されるとのこと。
第1試合
まさしく超異色トリオ同士のミクスド6人タッグ戦。6者入り乱れた目まぐるしい攻防となるも、最後は大谷がフロッグスプラッシュで海和にトドメ。海和は大谷が持つベルトへの挑戦を要求していた。
第2試合
遺恨深まるダークソウルvsディアブロ軍のシングル2番勝負第1戦。ディアブロはバックステージで入場を控えた千葉を襲撃した模様で、場内に入った時点で千葉は大流血。千葉もブレーンバスター、スピアでなんとか返していくも、ディアブロがラリアットから凶器シューズで顔面に蹴りを入れ、千葉はダウン。レフェリーがダウンカウントを数えるも千葉のダメージが大きくTKOが宣せられた。
第3試合
第2試合終了後、ディアブロはなおも千葉にチェーン絞首刑。加藤が助っ人に入り、ディアブロのマスクをはぐ。入ってきた根本のイス攻撃、フォーク攻撃で加藤は大流血。ここでゴングが鳴り正式に開戦。セコンドのディアブロが再三介入。根本はまたもや掟破りの足4の字固め。レフェリーのブラインドをついた加藤はメリケンサック攻撃。そこから足4の字固めでギブアップを奪う。試合後、ディアブロが加藤の首をチェーンで絞め上げると、加藤との一騎打ちを要求。
ディアブロは「千葉を地獄に送ってやった。加藤、次は貴様の番だ。覚悟しとけ」と叫び、加藤は「根本はギブアップだ。自分で参ったと認めたんだ。ディアブロ、次シングルって言ってたけど、同じ目に遭わせてやる」と激怒した。
両軍の抗争は泥沼にはまってしまったようだ。
第4試合
HEROの運営協力をするGPSの豊島会長が“同志”のワイルド・ベアーとの「還暦記念試合」で玉砕するも、還暦の男の生きざまを見せた。
豊島会長はこれまでワイルド軍の覆面マネジャーのワイルド・コモンとして活動し、時にはリングに上がってきた。2016年11月にはマネジャーとして大仁田厚と乱闘を展開。2018年11月には選手として有刺鉄線デスマッチにもチャレンジした。
還暦(誕生日は10月26日)を迎えるにあたって、「Growth」7・29新木場でベアーと「還暦記念試合」を行う予定だったが、6月16日に小脳梗塞で倒れ、いったんは流れた。しかし、その後の療養の結果、豊島会長の体調は回復。医師から「発症前と同等の運動をしてもいい」とのお墨付きをもらい、仕切り直しで、この日の一戦に臨んだ。豊島会長は生涯初のシングルマッチとなった。
序盤、豊島会長は得意の蹴り連発で攻め込むと、ベアーは足攻撃で反撃。場外戦でベアーは豊島会長の頭を鉄柱にぶつけるなど容赦なし。リングに戻ると、豊島会長はミドルキック、スリーパー、突き、ソバットで攻めるも、大車輪キックが自爆。ベアーはギロチンドロップ、頭部にニードロップ、パイルドライバーを繰り出すと、最後はペディグリーでトドメを刺した。
ベアーは「ワイルド軍の師匠・大仁田厚が言ってました。60過ぎて、バカだよな。豊島はって。でも、今日リングに上がって試合をしたことは素晴らしいことだと思います」と発言。豊島会長は「初めてのシングルで節制したりしたんですけど。55歳のときにここで有刺鉄線やって、96キロから83キロまで落ちたんですけど、今回、落とそうとすると具合が悪くなったり、どうしても落とすことができませんでした。60歳という年齢による体の変化があると思いました。6月に脳梗塞になって、初日はやや半身が動かなかったけど、集中治療室に入って、次の日、全身が動く。前日の絶望から、うれしくて。夕べ、いろんなことをあきらめたけど、あきらめなくていいじゃないかと。現状で与えられた条件で最大のことを棺桶に入ったとき、後悔のないようやろうと。生きてれば、病気とかイヤなこともあるだろう。人間関係で悩むこともあるでしょう。でも、そのなかで頑張って生きよう」とマイク。最後はHERO終身GMで、2019年5月に亡くなったワイルド・セブンさんの決めゼリフだった「頑張って頑張って頑張って生きようぜ!」で締めくくった。
コメントスペースには2人で一緒に現れ、豊島会長は「ベアーが全部受け止めてくれて」と満足げ。ベアーは「ここまで回復したのは、そういう病気で苦しんでる人に勇気与えたと思うし、あきらめるのは簡単だけど、“頑張って頑張って頑張って生きてようぜ”というセブンの言葉にあるように。それがすべてじゃないかな」と話した。
ワイルド軍のセブンさん、ワイルド・シューターさんは、もうこの世にはいない。だが、豊島会長の魂は天国の2人に届いたに違いない。
第5試合
終わりの見えない長井と峰雄のハレンチな抗争。前大会(9・30浅草)では、長井が信頼するパートナー・冨宅飛駈の力を借りて勝利したが抗争は終わらず。長井はなぜか狂乱のホラちゃんと組むこととなってしまい、国王&変態ピエロと対戦。前半は峰雄、怒鳴門、ホラちゃんのトリッキーな動きに終始。対戦相手が認識できないか、ホラちゃんは再三、仲間の長井を攻撃。ホラちゃんがようやく覚醒したか、怒鳴門、峰雄にボディスラム。ホラちゃんが羽交い絞めにした怒鳴門めがけ、長井がビッグブーツを叩き込むも逃げられてホラちゃんに誤爆。すぐさま怒鳴門はホラちゃんにスワントーンボムを決めて、今回は国王&変態ピエロの勝利。
試合後、2人は豊島会長の衣服をはぐ暴挙。怒鳴門は「俺たちに敵はいない。WBCタッグベルトに挑戦させろ」とまさかの要求。豊島会長は「WBCは崇高なベルト。コンプライアンス的に無理」と拒否されると、峰雄が豊島会長に急所攻撃を見舞い退場。
バックステージで怒鳴門は「俺たちのストロングスタイルだ」、峰雄は「最近緩い試合が多いんで、厳しい試合で。挑戦表明したとき、客の反応見た?求めてるでしょ。WBCタッグベルト、次挑戦するから」と訴えていた。
第6試合
聴覚障害レスラーも在籍するバリアフリープロレスHEROが11月25日、東京・新木場1stRINGで年内最終戦となる「HERO38」を開催した。WBC(ワールド・バリアフリー・チャンピオンシップ)タッグ王者組の友龍(聾レスラー)&後藤恵介が「れいわ鬼神組」のガッツ石島、橋之介組に敗れ、ベルトはTTTに流出。新王者組には2024年2月24日、新木場でワイルド軍のワイルド・ベアー、ワイルド・ZERO組が挑むことが決まった。
WBC王座は年齢、性別、国籍、障害のあるなしなど、あらゆるバリアを取り払った世界で唯一無二のタイトル。友龍組は今年の2・26新木場でダークソウル(加藤茂郎、千葉智紹)を破り王座戴冠し、3度の防衛を重ねた。
V4戦の相手はTTTマットで猛威を振るう「れいわ鬼神組」。王者組はこれまで個々での戦いが目立っていたが、この日はしっかり修正。橋之介にダブルタックル、ダブル・クローズラインを決めるなどコンビネーションも上々。友龍が橋之介に串刺し式チョップ、河津落とし、逆片エビ固めで攻め込むと、ガッツは2人まとめてラリアットで吹っ飛ばし、後藤にブルドッキングヘッドロック。後藤はガッツにブレーンバスター、セントーンで逆襲。10分過ぎ、王者組が橋之介にダブルブレーンバスターを繰り出し、友龍、後藤が続けて串刺し式ラリアット、友龍がジャンピング・ラリアットを決めるもガッツがカット。後藤とガッツがラリアットの相打ち、ガッツが後藤にニールキック。友龍と橋之介がチョップ合戦。橋之介は友龍にみちのくドライバーⅡ、スワントーンボムも後藤が阻止。ならばと橋之介はカンクントルネードを見舞って友龍から3カウントを奪った。
橋之介は「宣言通り、ベルト一発で獲りました。余裕ではなかったけど、これをずっと防衛していきたい」と歓喜のマイク。ここで、前大会(9・30浅草)で元王者組のリッキー・フジ&大和ヒロシを下したワイルド軍が現れ、ベアーが「ガッツは初代チャンピオン。俺は2代目チャンピオン。久しぶりにベルト巻きたいと思うんだよね。ワイルド軍、次挑戦させてください」とアピール。ガッツは「ベアーと友龍に、俺と(マスクド)ミステリーがチャンピオンのときに獲られたんで、ベアーは資格あり。次、2月24日? やってやるよ」と受諾。豊島修二会長も即決し、次大会での王座戦が決まった。ガッツは「このベルトを持ってるということは、所属はしてませんけど、俺たちがHEROのエース。俺たちがこのリングを守っていきます」と決意表明。
バックステージでガッツは「組んでる回数が違うから負けないよ。攻め込まれても信頼関係あるから。必ず返してくれると思ってたし。チャンスのときは俺もガッと行けばいいと思ったし。(最後は橋之介に託した?)そうですね。俺が獲ったんじゃ初代と何も変わらないから。若い選手と組んでるから、伸び盛りのいいとこを出していかないと。持った以上は俺たちがHEROのトップ。俺たちが正常な状態にしていく」、橋之介は「チャンスもらえたのはありがたいし、経験積んでいかないと。2月に防衛戦ありますので、自分がもっと頑張らないといけないと思いました」と喜びのコメント。次期防衛戦について、ガッツは「ガッチリ防衛して。ベルト持ってた、いろんな人いると思うから、そういう人たちから防衛して、真のチャンピオンになってやろうと思います」と力を込めた。
かたや、戴冠から9ヵ月で王座から陥落した後藤は「悔しいのが一番ですけど、約1年間、友龍とタッグ組んで、ベルト獲って、防衛も3回して、そういう意味ではHEROのなかで1ページは刻めたんじゃないかと思う。でも、負けたままでは終われないので、タッグかシングルか分かりませんが、あの2人には勝負を挑みたいと思います」、友龍は「負けて悔しい。また機会があれば、もう1度挑戦したい。後藤選手でも、新しいパートナーでもいいので」と巻き返しを期した。
また、メイン後の記念撮影後、前大会でのWBCタイトル戦で友龍と遺恨ができた海和択弥がジェスチャーで友龍に一騎打ちを要求も、友龍は拒絶していた。