WBCタッグ王者ワイルド・ベアーが挑戦者Jバード&海和択弥の返り討ちを宣言!大仁田厚もHERO2・23新木場での15周年記念大会に友情参戦!

障害があってもなくても楽しめるプロレス団体バリアフリープロレスHEROの『HERO43~旗揚げ15周年記念大会』(2月23日、東京・新木場1stRING)が目前に迫った。
同団体は新日本プロレス黎明期に練習生として在籍しながらも、聴覚にハンデがあるため、デビューがかなわなかったヤミキさん(故人)が設立し、聾レスラーが闘う場として、2010年2月20日に新木場で旗揚げ。新日本でデビューできなかったヤミキさんは、HEROで念願のプロレスラーになる夢を果たし、健常者プロレスラーと激闘を展開した。
当初、同団体は“聴覚障害者と健常者の架け橋”になるようなプロレスイベントを標榜した。だが、2016年春にヤミキさんが急逝したことを契機に、「バリアフリープロレスHERO」に呼称を改め、健常者のプロレスラーも所属。これに伴い、聴覚障害者にかぎらず、視覚障害者や車イスでの生活を余儀なくされている方を始め、一般のプロレスファン、プロレスを見たことがない方など、誰もが幅広く楽しめるイベント運営に転換した。
聴覚障害者のため、受付やリング4方向に手話通訳を配置し、リング上でのあいさつやマイクアピールなどを手話で説明。会場内には大型スクリーンを設置し、字幕をつけ、映像での演出に力を入れている。視覚障害者向けとして、無料でラジオを貸与し、実況・解説を流している。車イスの方へは、バリアフリーに対応した会場に限定したイベント開催を行うなど工夫を凝らしている。数あるプロレス団体のなかで、障害者が気軽に楽しめるような配慮をしている点では唯一無二だろう。
そのHEROが地道にコツコツと大会を重ね、旗揚げ15周年を迎えた。その記念大会なかでも、大きな注目の一番がWBC(ワールド・バリアフリー・チャンピオンシップ)タッグ選手権だ。同王座は年齢、性別、国籍、障害のあるなしなどあらゆるバリアを取り払った世界で唯一無二のタイトルだ。
現王者組はワイルド軍のワイルド・ベアー&ワイルド・ZEROで、今回の挑戦者はジャングル・バード&海和択弥だ。前大会(昨年11・9高島平)でワイルド軍は元王者組のダークソウル(加藤茂郎&千葉智紹)のチャレンジを受けた。ベアーが勝負を決めにいったところで、ダークソウルのセコンドに就いていたバードがレフェリーにアタッシェケースを投げつけてカウントを阻止。さらに、正規軍の海和が乱入して、アタッシェケースでワイルド軍を殴打。もはや収拾がつかない状況となり、無効試合の裁定が下された。
納得がいかないダークソウルは抗議し、GPS・豊島修二会長は両チームによる再戦を約束。バードは「海和はダークソウルに入れないけど、俺が預かる」として海和との合体を表明した。
この事態に団体側が協議した結果、王者組の意向を尊重することになり、ベアーはバード&海和の挑戦を受けることを決断した。ベアーは「前回、海和に試合を壊されたので、先に海和を叩き潰す。ダークソウルは待ってろって! どれだけバードが海和を引っ張れるかだけど、この前、納得いってないんで海和を潰すだけ」と返り討ちを宣言した。
かたや、バードとのコンビでいきなりタイトル挑戦となった海和は「これからバードと一緒にやっていくということ。そこに集中するだけ。タイトルマッチ? 相手は誰でもいい。俺はバードとのタッグで見せていくだけ」と話し、ベルトがかかっていようがいまいが意に介さず、あくまでもバードとの新コンビ始動に集中する意向。バードは「知らん間にタイトルマッチ? WBCって、そんなに価値ないものなのか? 海和、オマエにすべてかかってる。変えてみろ」と語っている。
バードと海和がどんなコンビネーションで、王者組を相手に戦いに臨むのか注目されるところ。また、ワイルド軍のセコンドには2年8ヵ月ぶりにマネジャーのワイルド・バニー様が就くだけに、その動きからも目が離せない。

『HERO43~旗揚げ15周年記念大会』
日程:2025年2月23日(日)
開始:18:45
会場:東京都・新木場1stRING
▼第6試合 WBCタッグ選手権
【王者組】ワイルド・ベアー(HERO)/ワイルド・ZERO(フリー)
vs
【挑戦者組】ジャングル・バード(フリー)/海和択弥(HERO)
<その他の対戦カードの見どころ>
▼オープニングアクト
アクトレスガールズによる「アクトレスタイム」実施&提供マッチ
ワイルド・バニー/茉莉
vs
水嶋さくら/アンリ
かつてHERO、『GPS HOUSE SHOW』で艶やかなファイトを繰り広げていたアクトレスの面々による戦いが3年ぶりに復活。ワイルド軍のマネジャーでもあったバニー、HEROの準レギュラーだった茉莉がタッグを組んで、水嶋さくら&アンリと対戦する。HEROの周年記念大会のオープニングを華やかに飾ってくれるのは間違いなさそうだ。
▼第1試合 太仁田ブ厚引退試合~無刺鉄線電流爆破“風”デスマッチ
太仁田ブ厚(HERO)/こゆき(Hotシュシュ)
vs
リッキー・フジ(2AW )/ミス・モンゴル(フリー)
崇拝する大仁田厚をオマージュしたプロレスラー太仁田ブ厚が難病である後縦じん帯骨化症のため引退を決断。これまで縁が深かった“プロレス界のはるな愛”こゆきとタッグを結成。プロデビュー戦の対戦相手であるミス・モンゴル、敬愛する元FMWのリッキー・フジ組と夢の対決。試合形式はもちろん太仁田の十八番である無刺鉄線電流爆破“風”デスマッチだ。太仁田の最後の雄姿に注目だ。
▼第2試合 真琴(フリー)/鶴姫花(愛媛プロレス)
vs
藤田あかね(フリー)/志真うた(伊藤道場)
女子ではレギュラーメンバーの真琴が2度目の参戦となる鶴姫花とタッグ結成。フリーとなってからは初となる藤田あかね、初登場の志真うたのコンビと激突。真琴と藤田の元アイスリボン対決、鶴姫花の進化ぶり、志真がどんなファイトを見せるか注目度満載の女子タッグマッチとなる。
▼第3試合 GPSフルコンタクトルール 2分3ラウンド
豊島会長(HERO)
vs
飛鳥一撃(フリー)
空手をベースとする豊島会長が打撃系戦士の飛鳥一撃に挑む。「GPSフルコンタクトルール」とは、直接打撃制、オープンフィンガーグローブ着用、手による顔面攻撃禁止、金的攻撃禁止。寝技あり、ダウンして10カウント以内に立てない場合はKO負け、関節技が決まりギブアップした場合は負け。一見して効果的に見える打撃が入った場合でも、相手が倒れなければ無効、規定ラウンド戦って勝敗がつかなかった場合は引き分けとなる。豊島会長は40年ぶりのフルコンタクトルールでの一戦となる。飛鳥一撃は寝技の心得もあるだけに、豊島会長は要注意だ。
▼第4試合 タッグマッチ
加藤茂郎(フリー)/千葉智紹(フリー)
vs
マスクドミステリー(TTT)/神崎ユウキ(TTT)
WBCタッグ王者組のワイルド軍が次期挑戦者にジャングル・バード&海和択弥を指名したことで、怒り心頭の元王者組ダークソウルがTTTの実力派コンビと激突する。ダークソウルはこの一戦を突破して、なんとしてでもWBCタッグ王座挑戦にこぎ着けたいところ。一方のTTT軍も、この試合をモノにして、同王座へのコンテンダーに名乗りを挙げたいところで激戦は必至だ。
▼第5試合 チ〇コ・コントラ・ダンス~チ〇コorダンス封印マッチ
藤田峰雄(藤田峰雄王国)
vs
梶トマト(飯伏プロレス研究所)
昨年4・27新木場で勃発した峰雄と梶の遺恨は泥沼の抗争に発展。今回は峰雄の要求により、負けた場合、峰雄はチ〇コを、梶はトマト・ダンスを封印しなければならず、敗者は大きなリスクを背負う。チ〇コを封印するとはどういうことなのか、いささか意味不明ではあるが、どちらがトレードマークを死守できるのか?
▼第7試合(メインイベント)
大仁田厚(FMWE)/雷神矢口(フリー)/パンディータ(HERO)
vs
ガッツ石島(TTT)/洞口義浩(フリー)/瀧澤晃頼(TTT)
“邪道”大仁田厚がHEROの15周年を祝うべく、昨年4・27新木場以来、10ヵ月ぶり3度目の友情参戦を果たす。“盟友”雷神矢口、常に寄り添うパンディータとのトリオで、“鬼神”ターザン後藤さんの魂を継承するガッツ石島、洞口義浩、瀧澤晃頼組と激突する。ハードコアな戦いに発展しそうな雰囲気がムンムンで、15周年記念大会のファイナルを飾るにふさわしい激しい戦いになりそうだ。