【試合詳細】11・9 HERO高島平大会 【WBCタッグ】ワイルド・ベアー&ワイルド・ZEROvs加藤茂郎&千葉智紹 藤田峰雄vs梶トマト 櫻井匠vsジャングル・バードvs海和択弥 パンディータ&ボニータvs太仁田ブ厚&工事現場の親父
『HERO42』
日程:2024年11月9日(土)
開始:18:00
会場:東京都・高島平区民館
観衆:未発表
▼太仁田ブ厚復帰戦~無刺鉄線電流爆破”風”デスマッチ 15分1本勝負
○パンディータ(HERO)/ボニータ(フリー)
11分37秒 無刺鉄線電流爆破”風”バットで一撃→体固め
●太仁田ブ厚(HERO)/工事現場の親父(GPS)
▼3WAYマッチ 15分1本勝負
○ジャングル・バード(フリー)
10分37秒 悪魂ヒザ→体固め
●海和択弥
※もう1人は櫻井匠(A-TEAM)
▼20分1本勝負
○藤田峰雄(藤田峰雄王国)
13分48秒 スワントーンボム→片エビ固め
●梶トマト(飯伏プロレス研究所)
▼WBCタッグ選手権 60分1本勝負
【王者組】ワイルド・ベアー(HERO)/ワイルド・ZERO(フリー)
12分58秒、収拾つかず→無効試合
【挑戦者組】加藤茂郎(フリー)/千葉智紹(フリー)
※WBCの規定により、第7代王者組が2度目の防衛に成功
ワイルド軍vsダークソウルのWBC王座戦は大混乱の無効試合で再戦へ!太仁田ブ厚が難病のため来年2・23新木場での引退を表明
第1試合
聴覚障害レスラーも在籍するバリアフリープロレスHEROが11月9日、東京・高島平区民館で「HERO42」を開催。崇拝する大仁田厚をオマージュしたプロレスラー・太仁田ブ厚が難病である後縦じん帯骨化症のため、来年2月23日、東京・新木場1stRINGでの「旗揚げ15周年記念大会」で引退する意向を表明した。
太仁田は学生プロレスを経て、プロのリングに上がるようになると、“本家”大仁田から黙認されて、超戦闘プロレスFMW、FMWE、HEROなどでファイト。ところが後縦じん帯骨化症を発症して手術を受け、長期欠場。一時は歩行もままならなかったが、懸命なリハビリの末、病状も快方に向かった。この度、HEROの所属選手となり、約2年ぶりの復帰戦に臨んだ。
太仁田は「大仁田厚50周年記念興行」(8月24日、富士通スタジアム川崎)で初登場した工事現場の親父と組み、“終生のライバル”パンディータ、HERO初参戦のボニータ組と対戦。試合形式は太仁田の十八番である「無刺鉄線電流爆破”風”デスマッチ」で行われた。
先発は太仁田とパンディータで、レスリングの攻防。パンディータがロープ拝み渡りも落下して急所を強打。親父はボニータにコスチュームの一部とみなされているヘルメットでヘッドバット。さらに親父はパンディータにスコップ攻撃、ローキックを見舞うと、無刺鉄線ロープに飛んで被弾。パンディータは無刺鉄線をちぎり、太仁田にパンチ。その後、4者がもつれるように無刺鉄線ロープで被弾。パンディータは無刺鉄線電流爆破”風”バットで太仁田を一撃し、勝負あり。
試合後、マイクを持った太仁田は「オイ、オイ、オイ! 人生1度きり。こんなくだらないことを20年以上やってます。難病で手術して動けなくなってました。この試合でどうするか決めるつもりでした。おまえら、俺の引退爆破“風”を見たいか? 豊島(修二)会長、次回、俺の引退爆破“風”組んじゃもらえないですか?」と衝撃発言。豊島会長は次大会で太仁田の引退試合を組むことを決断した。
バックステージで太仁田は「ふがいない。自分の頭で描いてた2割くらいしか動けなかった。想定の1割くらいしか動作としてできてなかった。これでは現役は厳しいと判断しました。それで次回、引退試合を組んでいただきたいと直訴しました。ホンモノの大仁田さんは7回引退して復帰していますが、私の場合はそうはいかない。次回で見納めです。ファイアー!」とコメントした。
第2試合
3人のロックアップで開戦。櫻井が海和の足を攻めれば、バードは海和に首4の字。海和が櫻井にドロップキック、ジャックハマー、フェースクラッシャー、丸め込み連発もフォールは奪えず。櫻井が海和にその場飛びムーサルト、セカンドロープからムーンサルトプレス。櫻井が変型フェースバスターからムーンサルトプレスを海和に敢行も、バードがレフェリーのカウントを阻止。バードはステッキ攻撃から、海和の顔面にヒザを叩き込んで3カウント奪取。
「スリー入ったと思ったけど、バードが悪いことしたんですよね。絶対この借りは許さない。次は絶対に倒す」(櫻井)
「(友龍の欠場でカード変更になったが?)洞口さんとやりたかったんですけど、それはいつかやるとして。(友龍は)リングの外でああだこうだ言って、この会場にいないじゃないですか。リングの上に上がってこない奴はもう知らない。この話は終わり。(凶器攻撃は?)今年色々試してやってみて、相手のやり方も、考えさせられる試合だったかな。(反抗期は続ける?)今後のことは近々ハッキリさせる。とりあえず反抗期終わりでいいのかなと思います」(海和)
「急きょカードが変わったけど、桜井選手、動きいい。海和、何をやりたいのか分からないけど、この試合で何か感じることがあったら変化があると思う。ダークソウルの加藤、千葉が上がってるリングなんで、またこのリングに帰ってくる。チャンスはつかむものなんで。メインもセコンド付くんで、何か残したい」(バード)
第3試合
峰雄と梶のチ〇コvsダンスの遺恨マッチ第3戦。意外にも序盤はレスリング勝負。梶が踊ろうとすると、峰雄が徹底阻止。5分過ぎには峰雄が急所を攻めていく。峰雄が弓矢固めの体勢から股間にクロ―。梶が雪崩式フランケンシュタイナー、タイガースープレックスもカウントは2。ムーンサルトプレスは自爆。峰雄が急所蹴り。梶が首固めで丸め込むも返される。峰雄がジャンピング・ハイキック、マンハッタンドロップ、後頭部へのキックからスワントーンボムへとつなぎ3カウントを奪取。
峰雄は「どっちが大切なのか? トマトよりチ〇コだろ! 今日トマトよりチ〇コが上だと証明したから、これからチ〇コがHEROのすべてを牛耳る。チ〇コの団体にする」と意味不明なマイク。梶は「今日は負けた。だけどHEROに出続けてる自信がある。俺はトマトの命をかけてる。だから、もう1回シングル組んでください」と再戦要求。峰雄は「もう1回、やりたい、見たいなら、今日は勝ったんで、次梶トマトが負けたら、ダンス封印それでよければやってやる」と条件を付けた。梶は「トマトダンス封印は痛手だよ。でも俺はトマトに命かけてる。俺が負けたらトマトダンスを失う。その代わり、あなたが命をかけてるチ〇コを失うってどうですか?」と提案し、峰雄が受諾。次大会(来年2・23新木場)での「チ〇コ・コントラ・ダンス」の一戦が決定した。峰雄は握手すると見せかけ、急所打ちから梶のコスチュームを剥ごうとする暴挙に。
「トマトよりチ〇コのほうが強いと証明した。次回やるなら、大事なプチトマト、ダンスを封印するならやってやる。向こうが望むなら、チ〇コかけてやってやる。敗者封印マッチだ」(峰雄)
「確かに今日は負けた。でも、何で毎回襲ってくんの? 次、リベンジする。おまえはHEROをチ〇コにすると言ったけど、そんなことはさせない。俺だってHEROに参戦させてもらってHERO愛があるんだ。だから梶トマトがHEROを守る。梶トマトがHEROのスーパーHEROになる」(梶)
第4試合
聴覚障害レスラーも在籍するバリアフリープロレスHEROが11月9日、東京・高島平区民館で「HERO42」を開催。WBC(ワールド・バリアフリー・チャンピオンシップ)タッグ王者組のワイルド軍(ワイルド・ベアー&ワイルド・ZERO)に、元王者組のダークソウル(加藤茂郎&千葉智紹)が挑むも大混乱となり無効試合に。両軍によるリマッチが決まったが、ジャングル・バードが海和択弥と手を結び挑戦への動きを見せた。
WBCとは国籍、性別、年齢、障害のあるなしなどあらゆるバリアを取り払った世界で唯一無二のベルト。挑戦者組のダークソウルは第4代王座に君臨し、同王座の最多防衛(4回)、最長保持(1年半)の記録を持つ名タッグチーム。昨年2月25日、東京・新木場1stRINGでディアブロの乱入という不本意な形で王座陥落して以来、1年9ヵ月ぶりの王座奪回戦となった。
両軍ともにヒールだが、その実、4選手とも実力者。序盤はオーソドックスなレスリングの攻防が展開される。だが、5分過ぎ、ダークソウルのセコンドに就いたバードが場外で介入し、怪しい雲行きに。ワイルド軍は合体式ギロチンドロップを決め、加藤にダメージを与える。ただでは転ばない加藤は蘇生するとベアーを足4の字固めで締め上げるも、ZEROがカット。ZEROが加藤にハイキックを叩き込み、ベアーが必殺のバックドロップで投げて勝負あったかと思われたが、バードがアタッシェケースをレフェリーにぶつけてカウントを阻止。ここで、正規軍の“絶賛反抗期”海和がリングに上がり、バードを制止するのかと思いきや、アタッシェケースを奪って、ワイルド軍を殴打。もはやリング上は収拾つかない状況となり、レフェリーが無効試合の裁定を下した。この結果、WBC王座の規定により、ワイルド軍の2度目の防衛となった。
納得がいかない加藤はGPS・豊島修二会長に「(海和の乱入は)HEROが仕組んだのか!?」とすごむが、豊島会長は全面否定し、両チームによる再戦を組むことを約束。バードは「あいつ(海和)はHEROで行き場がないんだよ。ダークソウルには入れないけど、俺があいつを預かる」と海和との合体を表明。不本意な防衛となったベアーは「俺たちも納得いかない。次の大会(2025年2月23日、新木場)でもう1回でもいいし、覆面の奴(バード)と海和でもいい」とマイク。
バックステージでベアーは「バードが海和を預かると言うならいいんじゃないの。あいつが海和を育てると言うなら育てればいいじゃん。納得いかないのは俺らもお客さんもそう。ダークソウルもそうだろうし。次のタイトルマッチ、バードと海和が来てもいいし、誰の挑戦でも受ける。今日は防衛したけど、ベルトは巻けない」と吐き捨てた。
加藤は「海和は何をしたいの? 目立ちたいのかヒールになりたいのか? 一つ、興行のメイン潰したんだから。バードがあいつら2人で考えて、ああいう出方をしたなら許さない。とにかく、もう1回というのは豊島がリングで約束したからね」と、千葉は「HEROが俺らにベルト渡したくないとしか思えない。(再戦の)約束守らなければ事務所に行くから」と怒気を強めた。
乱入した海和は「今年1年、一人であれこれやってきたんですけど、身になるものがなかった。何かしら変えてやろうかなと思って。今日バードと試合してみて、面白いことやってきてるんで。いい刺激になるんじゃないかと。それでタイトルマッチをぶち壊しに行った。次回、タイトルマッチでも何でも、このチームで行きたいと思います。(正規軍から抜ける?)正規軍なんてあってないようなもの。結局あのトカゲ野郎(友龍)の一人正規軍でしょ? だったら、正規軍なんてくくりなくてもいいんじゃない。そういう問題提起もあります」とバードとの合体を明言。バードは「自分の団体のメインのタイトルマッチをぶっ壊したんだ。いい根性してるよ。ダークソウルでも正規軍でもなく、俺がおまえを預かるから。それでおまえが変わるんならサポートする。ヤル気がなかったら、すぐおまえを潰す。それくらいの覚悟で来い」と海和にゲキを飛ばした。
予想だにしなかった事態に、豊島会長は次期挑戦者組について「検討します」と話すにとどめた。