「近づいてくる奴は詐欺師ばかり」「1人だけ裏切らなかった奴は今ここにいない」ケニー・オメガが新日本プロレスに帰還も大ブーイングを受けて怒りと涙の独白

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 5日、東京都・東京ドームにて新日本プロレス『JR東海 推し旅 Presents WRESTLE DYNASTY』が開催。ケニー・オメガが新日本プロレスで復帰戦を行った。

 ケニー・オメガは2010年代後半に新日本プロレスのトップに君臨し続けた存在であり、新日本退団後にはAEWの旗揚げに参画し副社長に就任。一時は両団体の間には“禁断の扉”があるものと目されていたが現在は積極的に交流しており、扉は開けっ放しにされている。

 AEWが躍進を続けているが、ケニー自身は憩室炎を患って1年以上に渡る長期欠場。
 そんな中、昨年11月の新日本プロレス大阪大会に突然ケニーが登場し、1・5東京ドーム大会での復帰を宣言。ファンはケニーの帰還を大歓迎するが、その後のバックステージでゲイブ・キッドがケニーを襲撃するという事件が発生。
 ゲイブは新日本プロレスの選手であることを強く強く誇りに思っている選手であり、AEWおよびケニーを以前から激しく挑発していた。一度新日本を捨てた選手があっさり帰還したことに対しての怒りが爆発した形となる。

 戦前の記者会見ではゲイブが「シンニホンプロレス、イチバン!」と殺気をみなぎらせる中、ケニーは「お前は俺によって最大のチャンスを与えられただけだ。お前は、そしてこの会社はすべてこの外国人救世主、ケニー・オメガのおかげで成り立っている」と傲岸不遜な態度を取り続けた。

 ゲイブは大きくライオンマークを入れたタイツで入場し、その溢れる新日本愛を見せ付けることで一気に会場を味方につける。
 一方、ケニーはファイナルファンタジー14&16の作曲家である祖堅正慶氏が作曲し、ボーカルをジェイソン C. ミラー氏が務める新曲で入場。


 試合が始まるとゲイブの一挙手一投足に歓声が起きる中、ケニーが自らへの声援を煽るも返ってきたのは大ブーイング。
 ゲイブはケニーを道連れに奈落式ブレーンバスターで場外へ飛び込んで行くが、ケニーがテーブルへの投げっぱなしパワーボムを叩き込むとゲイブが額から大流血。そんな中でケニーがスワンダイブ式セントーン・アトミコで飛び込んでいくと、場内からはさらなるブーイングが巻き起こる。
 怒れるゲイブはイスでぶん殴り、テーブルへのブレーンバスター。腕を組みながらあぐらをかく柴田勝頼のポーズでLA DOJO魂を示し、大歓声を背に受けながらケニーの額をかち割る。さらにゲイブは頭から大流血するケニーをイスの山の上へ雪崩式ブレーンバスターで叩きつけて行くが、ケニーも雪崩式ドラゴン・スープレックスで頭からマットに突き刺すなど一歩も引かず。
 ケニーは垂直落下式ダブルアーム・パイルドライバーからVトリガー。さらに片翼の天使を狙うが、憩室炎の影響か脇腹を押さえてうずくまってしまう。その隙を見逃さず、ゲイブは卍固めで“闘魂”を誇示。この日1番の大歓声が起きる中、ゲイブは必殺のレッグトラップ・パイルドライバーを見舞うも、ケニーはギリギリでロープに足をかける。
 ゲイブは延髄斬りでさらに闘魂をぶつけていくが、耐え抜いたケニーが串刺しVトリガーからパワーボム。さらに正調Vトリガー、カミゴェ、片翼の天使と畳み掛けて3カウントを奪った。

 思い詰めた様子でバックステージに現れたケニーは「試合中、ゲイブへの声援を聞き、この試合に向けてのブーイングも聞こえた。裏切られた気分だった。俺はお前たちのために試合をするため、今契約をしているAEWではなく、この新日本のリングを選んでここに来たのに……」とさめざめと泣き始める。
 そして「お前たちは俺から奪っていくばかりだ。いい人だと思っていたヤツらにも裏切られた。だいたい友人だと思っていたり自分に近づいてくるヤツなんて、詐欺師ばっかりなんだよ、この業界では。そしてただ1人だけ裏切らなかったヤツは、今ここにいない。ここにも来たくないと言っていたので、もうここにも来ないだろう」と全方位に怒りをぶつけながらゴールデン☆な誰かへの想いを叫ぶ。
 
 情緒不安定な様子のケニーは「今日の試合前、ホテルで俺の弱い内面が声をかけてきた。ここで誰かが来てくれて、手を差し伸べて『ケニー、やあ、どうしてる?』『ケニー、頑張って!』って言ってくれる人がいればよかったが、そんな人は1人もいなかった。いや、1人来たが、そんな人がもしそばにいてくれたら本当によかったと思う。俺はこの闘いに1人で挑んだ。とはいえ新しいヒーローがここに誕生したな。日本にはゲイブというスターがいる。若くてハングリーで情熱があり、そして熱心ですべてを捧げることができるヤツだ。多分ああいう男を今の新日本は必要としてるんだろう。楽しむがいい」と独白するかのように胸中を語り、ふらりと会場を後にした。

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