BreakingDown最強の井土徹也が元PANCRASE三階級王者の近藤有己のローキック地獄に沈む!「倒される覚悟で前に自分から詰めていかないと」
14日、東京都・後楽園ホールにて『GLEAT MMA Ver.0』が開催され、井土徹也と近藤有己がMMAルールで対戦した。
GLEATは、田村潔司とNOAHの元親会社であるリデットエンターテインメントが2021年7月に本旗揚げした新進気鋭の団体。GLEATには令和のUWFを創ることを目的とする“LIDET UWF”と、純プロレスを追究する“G PROWRESTLING”の2部門が存在していたが、今大会から総合格闘技の新ブランド“GLEAT MMA”がスタート。
井土は2016年に田村潔司の弟子である田村和宏(現:TAMURA)が代表を務めるプロレスリングHEAT-UPでデビュー。朝倉未来&朝倉海がアドバイザーを務めるBreakingDownにも出場。初代BreakingDownミドル級王者に君臨し、“キング・オブ・アウトサイダー”啓之輔にも勝利しプロレスラーの強さを体現している。
GLEATのエース格として期待を集め、G PROでもLIDET UWFでも一線級の強さを見せる井土は、今回のGLEAT MMAでもメインイベンターに抜擢。元パンクラス三階級王者のリビングレジェンド・近藤有己との対戦が決定した。
47歳の近藤に対し、井土は22歳。実力・実績では近藤が圧倒的に上ではあるものの、勢いに乗る井土の金星も十分にあり得るものとして期待を集めていた。
試合が始まると、互いにしっかり距離を取りながらローキックの打ち合いに。
パンチは井土の方が上手く当てていくものの、近藤はローキックを精密機械のように同じ場所へと幾度も打ち込んでいき、2Rの終わり頃には井土の右足は紫色に腫れ上がって機動力は大幅に低下。
3R目に入ってもローキック地獄から抜け出せずにいた井土だったが、ラスト1分に入ると一気呵成に攻め立てパンチのラッシュ。足を温存できていた近藤はリングを広く使って捌いていくものの、井土は幾度もロープ際やコーナー際まで追い込む気迫のファイト。
しかし、近藤もクリーンヒットは許さず逆に膝蹴りをみぞおちにめりこませるなど的確な反撃。井土も1分間で仕留めきることは出来ず勝敗は判定に委ねられ、近藤が3-0で勝利を収めた。
バックステージに戻った井土は、「自分が“プロレスラーの強さ”と言っている中で、応援していただいてる方とか見ていただいた方を裏切るような形になってしまった。もっとガンガン行くべきだったなと。もっともっと倒される覚悟で前に自分から詰めていかないといけなかった。やっぱりこの試合で終わらせたくないですし、こういった言葉が今まで通りの負けたプロレスラーと同じ形になってしまうと言えばそうなっちゃうですけど、ただ、もう1度チャンスがほしいです。もう1回GLEAT MMAやらせてください」と再起を誓う。
対する近藤は「井土選手、すごくいい選手なんですけど、『まだ蹴りに対してのディフェンスが少し甘いかな』と試合に臨む前に映像を見て感じたので、自分の攻め手お選択肢が合ったかな、ハマったかなと思います。もうちょっと踏み込まれたら難しかったかな。自分が後手に回ることもあったんじゃないかと思います」と評価。さらに、「闘う姿勢ですよね。目線というか、感じるものがあります。前を見続けるというか、生き方がいい意味で真っ直ぐなんですよね。もっと強くなると思います」と井土に期待を寄せる。
そして、「自分はまだ試合がしたいです。MMA・格闘技の試合をやりたいですね。どんどんやりたいです」と笑顔で未だ衰えぬ闘志を表した。