【インタビュー】国の指定難病・後縦靭帯骨化症を乗り越えた北方大地が2年半ぶりにPANCRASEへ帰還!初防衛戦を前に「“PANCRASEそのもの”に成長した自分を見せたい」
12月12日『PANCRASE 325』で、初防衛戦を行う北方大地(パンクラス大阪稲垣組)。
2019年7月、念願のベルトを巻いたが、その後ONE、RIZINに出場しパンクラスからは離れていた。しかし、今回約2年半ぶりにパンクラスに戻ってくる。
今年3月に結婚したばかりの北方だが、4月には国の指定難病「後縦靭帯骨化症」にかかったことを公表。しかし、さまざまな想いの中から、格闘技を続けることを選んだ。
北方の、パンクラス、防衛戦、そして格闘技に懸ける今の気持ちを聞いた。
――久しぶりにパンクラスに戻ってくる心境はいかがですか。
北方「ベルトを獲ってからONEに出て、その次はRIZINってなって。でも、僕のホームはパンクラスというのは間違いないんで、自分のホームでお客さんとか関係者を含めて“パンクラスそのもの”に成長した自分を見せたいなっていうのが一番大きい気持ちですね」
――ONEやRIZINは、パンクラスと景色は違いましたか。
北方「まあ雰囲気は違うかなっていう感じです。ただ、当然ですけど、やることはあんまり変わらないので。相手のレベルが上がるとか、周りの環境が変わるとか、反響が変わるとか、そういった違いはありますけど、まあ正味やることは変わらないので『楽しい旅行やったな』みたいな、そんな感じです」
――パンクラスの今のストロー級で一度やり尽くして、今度は外へ求めたということがあったと思うのですが、その間、北方選手の首を狙う若い子たちがたくさん出てきています。そのあたりは、どうご覧になっていますか。
北方「パンクラス内で刺激が欲しいな、とはずっと思っていたんですけど、今のところ、まだないんですよね。だから、ライバルがいるとか、刺激があるってラッキーなことやなと改めて思うし。だから、パンクラスを見なかったっていう部分は大きいですね」
――北方選手がベルトを目指していた時代と、王者になってから見る景色とでは、またちょっと違ったんですね。
北方「そうですね。(ベルトを目指して)上がっていくときに4連勝、5連勝したのかな。あれで、強豪と言われる選手とは全員とやったという実感があって。その都度、成長した実感もあったし、そういう意味で、今とは全然、景色が違うなと思います。
ONEとRIZINで、さらに強い奴が外にいるってのを肌で知ったんで、もっと刺激が強くないと、っていう感じで求めちゃいますよね」
――ファイターである以上は、より強い相手でないと、となりますよね。
北方「そうですね。僕は、最強を求めて、というか、僕の最高のパフォーマンスを求めている感じです。そのために、相手が強くて、観るお客さんが多くて、やってて楽しいという、この3つの要素が必要で、その要素をまあまあ満たしてくれるのがONEやRIZINだったんで。それが整えば、僕は、ホームのパンクラスで出来れば最高ですね」
――自分、相手、お客さん、それが全て最高でないと良いものにならないと。
北方「そういう意味で『一つの作品』かなと。最近は、『試合』じゃなくて『作品』っていう感覚で自分の中で捉えていて。
いろんな大怪我もしたし、病気もしたし、終わりは近づいていると感じるんですよ。『格闘家としての死』が近づいているっていうのはすごい感じてて、だからこそ良いものを残したい。いつ最後の作品になるかわからないので、必死の思いで向き合ってるんで、そういう全体的な(ことを見ている)。1つでも欠けたら駄目なことやと思うんで。だからこそ、そういう考えで向き合えてるんだろうなっていうのはあると思うんですけど」
――北方選手もデビューして12年、いつの間にかベテランです。激闘を繰り広げる中で、ご自身の身体の負担というのは、ずっとあったんですか。
北方「僕がデビューした時って、フライ級ができたくらいの年なんですよ。それまではフェザーでやるつもりで、練習(している周り)もみんな大きかったですし。もう15歳からそのダメージの蓄積があるわけなんで。まあ、時代と言えば時代なんですけど。“ザ・格闘家”っていう身体のダメージはヒシヒシと感じてますね。
頭が良くなればなるほど、知識や経験が増えれば増えるほど、自分の身体というものを客観的に見られるんで、全然フレッシュじゃないなと(笑)。それは感じてます。良い部分もあるんですけどね」
――トップファイターであればあるほど、怪我から逃れられないというところはありますよね。
北方「外傷でいうと、一番はやっぱり目、網膜剥離ですね。網膜剥離の手術をした時、うまくいかなかったんですよ。それで、結局2回手術をしてるんです。2回の手術が繰り返されたことによって、精神的にも肉体的にもダメージを負いましたね。
やはり、目は私生活においても大事な部位なので、気がかりというか『失明したくない』っていう気持ちもありますし。外傷でいえば、そこですね。確か2018年とかやったと思うんですよ。チャンピオンに挑む2試合前くらいですかね。順調に勝ってきてて。2018年ぐらいですね」
――もしかして、格闘家生命が……ということは考えましたか。
北方「考えましたね。失明はしたくないなって。手術がうまくいかなくて、精神的にも肉体的にもつらいなって。だから、そのときに、もう引退なのかな(という考えが)よぎりましたし、当然ですけどドクターも『基本的には良くないよ』と。
という中で、両方イメージしたんですよ。引退してる自分と、それでも何か試行錯誤して格闘技をやってる自分と。リスクを背負いながらでも闘ってる自分の方が圧倒的にカッコよかったんで。だから、進む道はもう決まってるんですけど、一瞬だけ考えはしました」
――そこには、やり残したこと、やらなくてはならないことがあったんでしょうか。
北方「自分の格闘人生の中で、最高傑作の作品ができてないんですよ」
――あれだけ激闘していてもですか。
北方「まだまだなんですよ。全然まだまだなんですよ。だから辞められない。最高傑作さえ出してしまえば、早く辞めたいんですよ(笑)、気持ち的には。(辞めたら)第二の人生で、格闘技をやっていたから作れなかった時間が増えるわけなので、残りの人生を謳歌したいなと。チャレンジしたいことがいっぱいあるんで。
でもやっぱり、この仕事をやると決めたときに、最高の作品を出していなかったら絶対に後悔するって分かっていたんで。後悔する前から、後悔することがもう分かってるんで、僕は。だから辞められないんですよね」
――最近、病気のことも公表されましたね。
北方「今年の4月に発症しましたね」
――どういった状況でそうなったのでしょうか。
北方「ある朝、急にです。本当に。僕は、外傷はいっぱいして来ましたけど、病気とは無縁や、身体は強いと思ってたんですけど、朝、急に首が動かなくなって、あれ?みたいな。
今まで首はヘルニアとかムチ打ちとかもありましたし、いろんな怪我はして来ましたけど、なんかコレはすごいなと。しかも、大した理由がなかったんです。その前の練習で何かあったとか、そういうのがなかったんで。首がガチガチやなと(思ったんですけど、その時は)まあ慌てることなく様子をみようという感じだったんです。
でも、1週間経っても2週間経っても治りそうになくて、どんどん悪化している感じがしたんで、ただごとじゃないなと思ってドクターに診てもらいました。診断の結果、原因不明で治療法が見つかっていない難病の『後縦靭帯骨化症』という、首の靭帯が骨化してしまうという病気でした。
つまり、首が動かなくなってくるんですよ、角度的にも。で、痛みとか痺れとか、そんな感じの病気に、いきなりなっちゃったという」
――なかなか耳にしない病気で、しかも原因不明と聞いた時は……。
北方「ずっと頭の中で『なんで俺が?』みたいな。病気って、身体の弱い人とか運の悪い人がなるものだと思っていたし、僕とは縁遠いものだと思ってたんです。でも実際、自分の首が動かなくなって、手が痺れだして、痛みで夜も眠れないくらいの日々が続いたときに『これは本当に俺の身体で起こっているのか?』『俺が病気なのか?』『なんで俺が』と。
病気になったのが4月だったんですけど、ちょうどその1ヶ月前の3月に結婚したばかりで。嫁の連れ子3人と、嫁のお腹の中に自分の赤ちゃんがいたんで、ヨッシャー、気合い入れるぞー! と思った翌月に病気になって。
この、男として一番気合いが入るタイミングで病気にかかるってすごいな、と逆に思いましたね。
もちろん僕も(今までは)一般の周りの人が病気だったとしても、病気の人の気持ちなんか分かってなかったし、『病気ってつらいですよね』『お気持ちお察しします』とは言いながらも、察することができなかったんですよ。大変だろうな、くらいの感じで。
だから、周りの人も(自分の病気に対して)当然ピンと来てなかった。僕がいきなり首の病気になったと言っても『あ、そうなん』『大丈夫? それ治んの?』って、ピンと来てないのもすごく感じたし。ただヒシヒシとヤバイと感じてる自分だけがいたんですよ。この首、ちょっとただごとじゃないなと。その辺のギャップですね。ああ、なんか自分だけつらいな、みたいな。
RIZINもあるし、パンクラスの防衛戦もあるし、後輩たちも育って来てるし。応援してくれている人たちからしたら、次の試合はどうなんだ、っていうのもあるし。でも、心の中では『それどころじゃない』みたいな。父親としての役割も果たされへんかも知れへんな、とか、格闘家として、これちょっとキツイかもな、とか。……っていう不安に対する孤独感はありましたね」
――どのような治療やリハビリをされたのでしょうか。
北方「まず、治療法がとにかくないんで、手術するしかないんですよね。痛みの出てる箇所を切るという、ただそれだけです、手術は。で、手術をすると基本的に2〜3ヶ月は動けなくなるんで。
やっぱり、パンクラスにもチャンピオンのけじめとして防衛戦を絶対したいっていう思いがあったし、パンクラスでも僕はまだ最高傑作を出してないんで、まだ胸を張れない部分が少しあるんです。
そういう意味で、手術は回避。手術しないということにしました。首が悪いということは、首に負担をかけない動きを自分の中で作り出せれば大丈夫なんじゃないかって思ったんです。それで、今見てもらっているパーソナルトレーナーと相談しながら、手術以外の部分でやっていくことにしました。
身体っていろんな骨があって、いろんな筋肉があって、すごいうまく作られているというか、どこかが悪くても、どこかが支えられるんですよ。身体ってそういうものなので、それをうまく応用して、首の骨が動かないんだったら、胸の骨と腰の骨と、あと股関節と、支えてるもので補えばいいじゃないか、っていう考えで今やってますね」
――ちゃんと治してからやるっていう選択肢もあったと思います。でも、今闘わなくてはいけないという使命感があったのでしょうか。
北方「今回、ちょっと時期を早めて防衛戦をやるって決めた一番の理由は、息子たちです。長男が小学校6年生で、次男が小学校3年生で、三男はまだ赤ちゃんなんですけど、もう見てるじゃないですか、僕を。父親として、家で息子たちの日常生活に助言したりとか、トレーニングに助言したりとか、『男とは』『格闘家とは』みたいなことを言ってる上で、まあ見せるのが早いなと。自分が見せるのが早いと思ったんですよ。まだ現役やし。
で、今年の6月のRIZINを息子たちも楽しみにしてくれてて。うーん、今だから言うんですけど、コロナとかいろいろあって、すごいバタバタで、そバラ でもなんとか辿り着いた。でも、当日、原因不明の高熱で欠場することになってしまって。息子たちも悲しんでたんですよ。だから、悲しませたまんまが嫌だったんですよね」
――これまでの人生もいろいろあったでしょうけど、この半年は特に、いろいろなものを背負って……
北方「今年は、すごくパワーアップできてる気がします。僕は、精神的に負担をかけることが、人間的に一番成長できると思うんです。トレーニングはいっぱいしてきたし、吐きそうな思いとか、痛い思いなんかはいっぱいしてきました。でも、自分以外のこととか、自分ではどうにもならない負担をかけることが、一番メンタルが強くなる方法だと思ってて。今年それをたくさん経験してきたから、今の俺は強いぞって、胸を張って言えるんですよね」
――今回、試合をやるっていうことに関しては、周りの人の反応はいかがでしたか。
北方「嫁はすごく女前で『そうか』と。大丈夫? と心配はしながら、僕の決めたことには一切口出ししないです。そういう覚悟を持った女性なので『分かった』と。一言も言わないですね。『そうか、分かった』と。『気をつけて頑張ってね』と。もうそれだけです」
――夫婦間の絆ですね。
北方「向こうがあんまりああだこうだ言わないところが、僕は好きだし。多分、向こうも、僕のこういう真面目っていうか、別にそこまで頑張らんでもええんちゃうかっていうところで頑張る僕のことを好いてくれているのかなって思いますね」
――お子さんたちは、ご結婚されて初めて見るお父さんの試合です。どのような気持ちでいるんでしょうか。
北方「どうなんですかね(笑)。それは僕には分からないですけど、RIZINとか好きでいろいろ見てる中の、ただの1試合と思ってるかも知れないし、あいつらは口には出さないけど、意外と深く理解してるのかも知れないし。ちょっと僕には読めないところではあるんですけど、今、ありがたいことに(試合は)映像として残るし、何か頑張ってたなっていうのが伝わればいいかなと思いますね」
――発症した4月以降、練習はどのように変わってますか。
北方「やっぱりまあ、以前とスタイルチェンジって言ったらネタバレになりますけど、以前みたいなドーンと構えて、っていうスタイルよりかは、軽量級らしくしっかりとステップを踏んで。むやみやたらに被弾しない、自分の身体をできるだけ削らないで済むようなファイトスタイルにチェンジしていってます。
歳とともに“賢い闘い方”かつ“強く”っていうのをテーマにしているので。そういった意味でもレベルアップしているところを見せられるんじゃないかと思っています」
――ジム代表の稲垣(克臣)さん、そして先輩の前田(吉朗)選手は、現在の状況をどう捉えているのでしょうか。
北方「稲垣さんも吉朗さんも多くを語る人ではないので。でも心配はしてくれていると思いますし、僕が決めたことを最大限、応援してくれているなと感じます。
だから僕は『しっかりやるんで、見ていてください』。いつまで経っても成長している姿を見せたいし。『こんな状況でもこんな風に考えて、こういう風に僕は調整するから、それを見てください』と。それに尽きますね」
――相手は宮澤選手です。どのような印象がありますか、
北方「ネットでしか見てないですけど“ヘラクレス”。肉体が強いと。確かに、身体を見たら、そんな感じなんかな。でも逆に、それ以外の特徴がないと言うか。1個でもチャームポイントがあって、分かりやすくていいんじゃないかな、ぐらいですね。あとは、真面目そうで、良い子そうだなって。印象はこの2つですかね」
――宮澤選手は、自分がパンクラスのベルトを巻いて盛り上げると話していました。チャレンジャーの発言や、下からの突き上げといったところはいかがですか。
北方「宮澤選手の立ち位置でそういう発言をするのは当然かなと思います。でも、僕と彼は違う。立ち位置そのものが違うから、考え方も違うわけであって。その立ち位置でその考え方、状況である限りは、完全に僕の方が上なんでね。まあ、僕がパンクラスからいなくなって、彼がベルトを巻く時がきたら、少しは気持ちが分かるんじゃない? みたいな、ほんま、そんな感じです。彼が分からない理由を、僕は分かるんで。『これが君と俺との違いやで』って、そんな感じですかね。
まだ彼が知らないところに僕は存在してるし、彼が通ってきた道は僕は(すでに)通ってきていますから」
――どんな試合になると思いますか。
北方「うーん、まあ、打撃でも組み技でも、全局面で僕が圧倒するんだろうなって。客観的に考えてもそう思いますよ。もちろん、主観的にそうするつもりでもありますし。やっぱりMMAやから、全局面を見せたいですし、でももし打撃だけになったとしても、質の高い、精度の高いものを見せたいと思ってますね」
――王者が強すぎたら、今回も最高の作品にはならないのでは?
北方「最高かどうかっていうのは僕の中だけのものなんで、僕が最高だと感じたら最高なんですよ。だから、僕の想像を超えるくらい彼がいい選手であることを望んでいるんですよね。
試合が終わって、その晩(試合を)振り返って、『楽しかったな』『今日はええ作品できたんちゃうかな』と、身体の傷を眺めながらそう思えるような、そんな日やったらいいなと思いますね」
――この試合でキーになるのは、どういったところでしょうか。
北方「うーん。キーになるポイント……それ、考えたことなかったかも知れないです。油断してるわけじゃなくて、僕が普通にしっかり倒すところを見せようということしか考えてなかったんで」
――攻防よりも、自分の圧倒的なパフォーマンスを出したいと。
北方「そうですね。“攻防”っていうことは、ディフェンスのことも考えてるわけじゃないですか。でも、正直あんまり考えてないですね。僕がいかに攻めて、どんな倒し方をするか。そのことだけに集中してますね」
――どんなフィニッシュにしたい、またはなると思いますか?
北方「うーん、『差があったな』と(思われたい)。打撃だろうが組みだろうが、やっぱり差があったな、チャンピオンが二枚ぐらい上手やったなっていうフィニッシュシーンを見せたいと思ってます」
――2年ぶりに帰ってきた王者。やっぱりすごいなっていうところは見られますか。
北方「見せます。それを見せることが僕の今の楽しみですし、仕事だと思ってます。2年間、出張させてもらって、ちゃんと手土産を持ってきた、って。で、また僕が旅に出るときも文句言わせない、そう思ってますね」
――今大会は今年のラスト興行でもありますし、スタジオコーストでの最後の大会でもあります。
北方「ラストのスタジオコーストで、メインの久米(鷹介)さんとか、タイトルマッチが3つ並んで。(僕が)ベルトを獲ったときも、タイトルマッチが3つ並んでたと思うんですよ(※2019年7月大会)。確か、フライ級と、僕とバンタム級と。あのときも良い大会だったと思うんですよね。だから今回も、過去のパンクラスの大会でナンバーワンに匹敵するような『熱かったな、あの日』というような、記憶にも記録にも残るような1日にしたいと思っています」
――今、思い描く未来とは。
北方「具体的なことを言うと、やっぱりパンクラスのチャンピオンとしてRIZINに出て負けてしまったので、その借りを返したいです、RIZINの舞台で。パンクラスを疎かにしてるって言われると少し傷付いちゃうんですけど、俺は疎かにしてないです。むしろ、このベルトの価値を世に知らしめるためにもRIZINで強さを見せつけたい。
もちろん、周りのランカーたちは僕じゃないから、僕の気持ちなんか分からないけど、やっぱり僕はチャンピオンやから、僕がパンクラスを一番大事に思ってるし、一番パンクラスを強く思ってるから、僕の腰にベルトが巻かれてるわけであって。その思いを、来年は形にしたいなと。
そして、パンクラスでも引き続き強さを見せられるようなチャンピオンであり続けたいと思っています」
――病気のことも含めて、北方大地の描く未来がある。
北方「そうですね。病気とかって、一般の人もなるじゃないですか。だから、共通の悩みとして、僕は良かったと思うんですよ。
格闘家なんで、取り方によってはハンデとも取れますけど、僕は『みんなとともに闘える』ぐらいの気持ちでいるんで。だから、病気がたくさんある世の中で、病気に負けずに闘うファイターが一人くらいおってもええんちゃうかと。
『え、あいつ病気なの?』みたいな。『病気ってこんなものなの? これだけできるの?』と(病気の)概念を変えてみたい。
ネガティブなことが多い世の中で、僕のパフォーマンスが1つでもポジティブな要因になれればいいなと、プロのアスリートとして思ってます」
――最後に、改めて意気込みをお願いします。
北方「2年半ぶりに、チャンピオン・北方大地が帰ってきた。チャンピオンの強さをみんなに見せつけたるわ、と思ってます」
(写真・聞き手/吉田了至、構成/佐佐木 三桜)