『PANCRSE 347』でチャンピオンシップ出場の6選手が出場誓約書にサイン!それぞれの試合にかける熱い思いを聞いた!
9月13日夜、都内品川区にて、『PANCRSE 347』(9月29日、立川ステージガーデン)に関する記者会見が行われた。出席した選手は、外国人選手を除き、チャンピオンシップ、ワンマッチ合わせて14名。まずチャンピオンシップの6選手が、廣瀬隆司・キング・オブ・パンクラス評議会評議員長の立ち合いのもと、出場誓約書にサイン。続いてワンマッチの8選手が会見に臨んだ。
本大会で組まれているチャンピオンシップは以下。
▼ライト級キング・オブ・パンクラス チャンピオンシップ 5分5R
雑賀ヤン坊達也(DOBUITA/第9代王者)
vs
久米鷹介(ALIVE/挑闘者/第7代王者/1位)
▼ストロー級クイーン・オブ・パンクラス チャンピオンシップ 5分5R
ソルト(マルスジム/第5代王者)
vs
藤野恵実(JAPAN TOP TEAM/初代王者/1位)
▼ウェルター級キング・オブ・パンクラス チャンピオンシップ 5分5R
押忍マン洸太(DESTINY JIU-JITSU/1位)
vs
佐藤生虎(UNITED GYM TOKYO/4位)
まずはチャンピオンシップに臨む6選手の質疑応答から。
▼雑賀ヤン坊達也vs久米鷹介
――まず、両選手から一言ずついただきます。久米選手からお願いします。
久米「こんにちは、久米鷹介です。ヤン坊選手には以前(※2021年12月)勝ってはいるんですけども、ヤン坊選手は、その後すごい闘いを繰り返してどんどん強くなっていると感じてましたんで、今すごく怖いです。でも、 こういう相手に挑めるということが、格闘技をやっている上で一番ありがたいことなんで、全力で挑ませていただいてます」
――続きまして、王者・雑賀ヤン坊達也選手、お願いいたします。
雑賀「どうも、ヤン坊です。今回、久米さんとの防衛戦、そして2年9か月ぶりのリベンジマッチを組んでいただくことになりました。久米さんに負けてから2年9か月。いろんな強い人と闘って、辛い思いをいっぱいしてきました。 その全てを久米さんにぶつけていきます。よろしくお願いします」
――雑賀選手にお尋ねします。近年、久米戦含め、凄まじい激戦をされてきていますけれども、今回の試合もまた激闘になるのか、それとも全く違う試合になるのか、どう考えていますか。
雑賀「そうですね、疲れてフラフラになるなんじゃないかなと思ってます」
――それを受けて久米選手はいかがでしょうか。
久米「やっぱり前回、一度ぶっ倒されてるんで、応援してくれる方々にはあんまり心配かけたくなくて、そういう姿は見せたくないです。でも、もうどんな闘いになっても最後には勝利を取れるようにしたいです。しんどい闘いになることは想定して準備してきていますので、そこに向かってやっていくだけです」
――ありがとうございます。お2人にお聞きします。前回とはベルトを持っている側が違う、立場が逆になっての試合となります。それについてはどのようなお気持ちでしょうか。久米選手からお願いします。
久米「そうですね、まあベルトは本当に価値のあるものだと思うんですけども、今はもう、本当にヤン坊選手という強い相手に向かっていく、ということだけです。ベルトのあるなしに関係なく、今はそこしか見てないですね。それで勝てばベルトっていう気持ちはありますけども、強い相手に向かえるということが、今回の一番の喜びだと思ってます」
――雑賀選手はいかがでしょうか。
雑賀「今、自分がチャンピオンをやらせていただいてますけど、久米さんとの闘いに関しては、やっぱりベルトは関係なしにリベンジしなきゃいけない相手、そして挑戦していくっていう気持ちでいっぱいですね」
――雑賀選手、2021年12月以来の再選ということになりますけれども、 あの敗戦がご自身をどう変えたのか、どう成長させたのか教えてください。
雑賀「そうですね。格闘技に対する向き合い方。また、応援してくれてる方だったり、支えてくれてる方だったり、そういう人たちに対する考え方がもうガラリと変わりました。あの試合から生まれ変わることができたかなと思っています」
――あれから4連勝で一気にKOPに上り詰めたわけですけれども、この連勝の手応えというのはいかがですか。
雑賀「4連勝もしてましたか、アハハ。そうですね。やっぱり全体的にレベルアップはできてるのかなと思ってますね。で、これまで弱いと思われてた部分、 そうじゃねえぞって言いたかった部分もね、ちょこちょこ見せられてるのではないかなと思ってます」
――本番はどのようなファイトを見せてくれますか。
雑賀「いつも通り行かせていただきます」
――ありがとうございます。続きまして、久米選手にお聞きします。2年9ヶ月前の前回の試合、逆転一本勝ちをしました。雑賀選手の印象は、その時と今で変わりましたか。
久米「そうですね、変わりました。まず試合の時点で1回ぶっ倒されてるんで、もう怖さは重々身に染みしています。で、なおかつそれ以降ですね、どんどん 自分の弱点にしっかり向き合われていると思うんですけども、どんどん強くなっている。そういう姿を見てるんで、前戦の時点でも怖かったですけど、さらに強くなってるなっていう印象がすごくあります」
――今回久米選手は王者返り咲きがかかる一戦ということになります。この試合に懸ける熱量や思いの丈をぶつけてください。
久米「もう本当に自分は、ここから世界にとか言える立場でもないと思いますし、正直、自分がわがままを言って闘っているだけなのに、本当にいろんな方々が支えてくださるんで、 そういう人たちが喜んでくださるような姿を見せることしかできないと思って……(涙声になる)すいません。そういう人たちにちょっとでも喜んでもらえる姿を見せたいなっていうのが一番の思いでもあります。そのために、今回、全力で駆け抜けていきたいって本当に思っています。すいません、おっさんになってきちゃって、涙もろくなって」
――今回立場を変えてのリマッチ。王者がリベンジ、挑戦者が返り討ちという図式になりました。 今回どんな試合でどんなフィニッシュを見せてくれるんでしょうか。雑賀選手からお願いします。
雑賀「そうですね、僕と言ったらやっぱりKOなので、もちろんKOです」
久米「やっぱりずっとやってきてるのは、しっかり相手をコントロールして、ダメージを与えて、闘いとして勝てるように。(これまで)そういう闘いをずっとやってきたんで、やってきたことしか出ないと思いますんで、とんで、それで最後、勝利に繋がっていくように闘っていきたいと思います」
――ありがとうございました。
▼ソルトvs藤野恵実
――まずは両選手、ひとことずつ意気込みをお願いします。挑戦者・藤野選手からお願いします。
藤野「こんにちは、藤田恵実です。まず、このようなチャンスをいただけたことが本当に光栄です。ありがとうございます。本来だったら、こんなすぐにパンクラスのベルトに挑戦できる立場ではなかったので、すごくありがたい機会です。せっかくいただいたチャンスはやっぱり獲りに行かなきゃいけないと思っています。元々このベルトはずっと『私のベルト』って宣言をしてるので、
もう1回取り戻しに行きます。よろしくお願いします」
――では、ソルト選手お願いします。
ソルト「マルスジムのソルトです。防衛戦、必ず成功させてさせたいと思ってます。普段から応援してくれている方々に勝利の姿を見せるので、期待していてください」
――ありがとうございます。それでは質疑応答に移ります。お互いの印象を教えてください。藤野選手から。
藤野「やっぱり身長が高くて、 そこからの打撃がすごくうまい選手だなと思って見てました。あと、しっかり自分からガツガツ行く、気持ちがいい選手だなと思ってます」
ソルト「体も強くって、メンタルもすごい強いんだろうなって思ってます」
――藤野選手におうかがいします。今、JAPAN TOP TEAMで練習されています。また、ずっと前から津田(勝憲)さんの指導も受けていらっしゃいます。今、どういうバランスで練習して、誰が作戦を立てて、どこ誰がどんなディテールを磨いているのかっていうことを教えていただけますか。
藤野「基本の練習はJAPAN TOP TEAMなので、毎日JTTのプロ練に参加してます。津田の練習は、いつも出ているわけではないんですけど、 一緒にいるので、いつもアドバイスとかしてもらっています。あと、一番ずっと見てきてくれているので、私が何をしているかとか、何ができるかっていうのは一番よくわかってるんで、 その都度、的確なアドバイスをもらいながら、個人的にたまに見てもらったりしてます」
――ありがとうございます。組み立てなどは、どなたが中心なのでしょうか。
藤野「組み立ては基本、自分です。それを周りに確認して、こういうやり方でやっていこうかっていう話を進めていきますが、基本は全部自分でやっぱり考えてます」
――ありがとうございます。ソルト選手は北海道で練習されています。遠い環境で限られたリソースでやらないといけないと思うんですけど、その中でどういう風に工夫されているのでしょうか。
ソルト「工夫と言っていいのかわからないんですけど、自分のジムで練習するのを軸に、あとは他のジムに出稽古に行かせてもらって、 そちらのチームの代表からも直接見とってもらったりだとか。あと、自分のジムにはいろんな選手の方が来てくれるので、いろんな方からの指導を受けて、自分が一番使えるな、いいなと思ったものを選んで練習しているという感じですね」
――特にどなたのアドバイスが身になったとか、そういったことはありますか。
ソルト「特にどなたというとちょっと難しいんですけど、マルスジムにも選手は何名かいて、その方が普段指導してくれるので、 その方のアドバイスを受けています」
――ありがとうございます。お2人ともパンクラスのトップ選手ですが、 で、しばらく他団体にも出たりされていて、またパンクラスに復帰という形になります。その上で、このベルトを争うという心境、そして、他団体に出たことで何か心境的に変わったところがあれば教えてください。
筋野「私の場合は元々パンクラスの選手で、そこから修斗に行かせていただいたんですけど、(パンクラスの)最後の方の試合、自分が行ききれなかった。なんかすごいジレンマとかあって、修斗に出るからっていうわけじゃないんですけど、心機一転、とにかく相手を倒しに行こうっていうのを心がけて、修斗のインフィニティリーグからはやらせていただいて。で、少しは成長できたかなと思っていて……その時に、このオファーをいただいたんで、もう一度、自分の原点の場所で自分の実力を試したいなと思っています」
――ソルト選手はいかがでしょうか。
ソルト「ベルトを手にしてから、けっこう精神的にプレッシャーとか……なんか色々考えることが多くて、けっこう辛い時もあったんですけど、 色々考えた結果、もう練習するしかなくって。練習して強くなるしかなくて。もうもうとにかく練習して気持ちを紛らわしてます」
――ありがとうございます。両選手、パンクラスをしばらく離れていました。ご自分の中では、この離れていた期間、他団体から何を持ち帰ってここで見せてくれるんでしょうか。
藤野「何を持ち帰った……そうですね、前より強くなった姿を見せたいです。勝ちたいっていう気持ちはもちろん大事だし、あったと思うんですけど、前は、ダメな時は、自分からなんか行ききれずに終わる試合、不甲斐ない試合をしてしまっていました。でも、もう失うものもないんで、全部しっかり出し切って獲りに行こうと思っています」
――ソルト選手は、このベルトを獲ってから1年5か月、RIZINとご自身のホームで試合をされたと思うんですが、ご自身の中で何が成長して、今どんな強さを持っていて、この防錆戦に臨むのでしょうか。
ソルト「負けた試合があったんですけど、その試合で何もできないで負けてしまったんですけども、その時、後悔だけは絶対したくないなっていうのを実感しました。それで、その後の試合は全部迷わずに気持ちでガンガン行けるようになりました。藤野選手はキャリアが上だと思うんですけど、精神的にはかなり鍛えられたので、そこが成長できた部分で見せたいなと思っています」
――今回のチャンピオンシップ5分5ラウンド、どんな闘いをして、どんなフィニッシュを見せてくれるんでしょうか。藤野選手からお願いします。
藤野「はい。もちろん勝ちには行きますけど、あの会場で見てて、5分5ラウンド、何ラウンドで決着がつくかわからないんですけど、 すごい面白い試合だよねっていう試合を、ソルト選手を作りたいなと思ってます。パンクラスの女子も最高に面白いって言われる試合をしたいなと」
ソルト「もともと私、藤野選手の試合がすごく好きで、激しくてかっこいいなっていう風に思ってて。だから、じゃあ自分が試合するってなった時に、5分5ラウンドの試合、スタミナも十分に作ってきて、精神的にも作ってきて、そんな自分で挑みたいなと思っていました。今回、その準備はできて、作ってきたので、グラウンドになるか、 途中でフィニッシュになるかわからないですけど、思いっきり激しい試合ができると思います」
――今回の試合の前にKAREN選手とエジナ・トラキナス選手の試合も組まれていて、またちょっとパンクラス女子が動き始めるぞという空気があるんですが、その辺に関してはいかがですか。
藤野「そうですね。本来、私は一番後ろだったはずなのに、先ほども言ったんですけど、チャンスをいただいて本当にありがたいなって気持ちとともに、(チャンピオンシップに)ふさわしい選手だよねっていうところを見せたいですね」
ソルト「チャンピオンとして強い試合、 チャンピオンにふさわしい強さを見せる試合をしたいです。そしたら、今どんどん人が集まってきているので、面白くなっていくんじゃないかなと思います」
――藤野選手。ちょっとこの先の話になってしまうんですが、KAREN選手に対して何か思うところありますか。(※藤野は2022年3月、KARENに敗れベルトを失った)
藤野「今は特にないですね。今はとにかくこの試合に集中しているので、今後のことは終わってから考えたいと思います」
――ありがとうございます。ソルト選手、先ほど、藤野選手の試合が好きだとおっしゃっていました。 今回、防衛する立場ですが、ご自身の気持ちとしては、クイーンとして臨むのか、それとも憧れの選手と対戦するのか、その辺はいかがですか。
ソルト「クイーンとしてっていう気持ちと憧れっていう気持ち、多分どっちでもなくて、まだまだというか、まだ私、毎回試合では挑戦者の気持ちでいて、 常に1試合ごとに強くなってっていますし、試したいこととかもいっぱいありますし、もうそれをやるっていう気持ちしかないです」
――ありがとうございました。
▼押忍マン洸太vs佐藤生虎
――まず、両選手より一言ずつお願いします。
佐藤「UNITED GYM TOKYO所属、佐藤生虎です。いつも通り試合を盛り上げて、勝ってチャンピオンになるんで、応援お願いします」
押忍マン「チャンピオンシップに選んでもらってありがとうございます。素晴らしい熱い試合しますので、よろしくお願いします」
――では、質疑応答に移ります。お互いの印象と、この試合が決まった時の気持ちを教えてください。
佐藤「押忍マン選手は、打撃が強くて、寝技は本当にできるのかなって感じですかね。試合が決まった時は嬉しかったです」
押忍マン「佐藤選手は体も強そうで、打撃も強いし、試合が決まった時、けっこう熱くなりました」
――両選手にお伺いします。佐藤選手は中村K太郎選手が師匠、押忍マン選手はDESTINIYJIU-JITSUという。お二方ともグラップリングがベースになっているのかなと思うんですが、お互いのグラップリングをどのように評価しますか? また、どんな試合展開になると思いますか?
佐藤「その前に打撃で決まっちゃうかも。うーん、わかんないです」
押忍マン「自分は、試合では打撃しかしてないですけど、本当は寝技できるんで、グラウンドになれば自分もできると思います」
――佐藤選手におうかがいします。前回(※今年4月)、非常に粘り強い長岡(弘樹)選手相手に最後まで闘いました。それまでの、打撃で倒す形とは違った形で勝ったあの試合を経て、どんな自信を持ちましたか。
佐藤「あ、自分って意外とスタミナあるんだ、と思いました」
――押忍マン選手、前回(※今年5月)は『きっちりMMAをします』ということで、村山(暁洋)選手と闘って勝ったという試合でした。あの試合で、どのようなものを得たのでしょうか。
押忍マン「3ラウンドまで闘い抜くっていうのをやりたかったんで、あの試合で得たのは大きかったです」
――今回の試合は打撃勝負になるのかなという予想がありますが、佐藤選手、 打撃に関しては今どなたに教わっているのでしょうか。
佐藤「ボクシングジムで、柴田さん(※柴田明雄/第59代日本ミドル級王座、第45代OPBF東洋太平洋王座、第33代日本スーパーウェルター級王座、第28代OPBF東洋太平洋スーパーウェルター級王座、第30代日本スーパーウェルター級王座を持ち、現在ボクシング&フィットネスジム「SOETE」主宰)に教えていただいています。あと、UNITED GYMの(中村)K太郎さんや宮澤(元樹)さんに教わっています」
――その中で、ご自分の打撃について自信を持っている部分はどんなところでしょうか。
佐藤「スピードと終発力です」
――ありがとうございます。押忍マン選手、佐藤選手の打撃をご覧になって、警戒すべき部分はどの辺でしょうか。
押忍マン「すごくハンドスピードが早いので、打ち合いになるかなと思ってますね」
――どの局面でも闘うっていう感じですか。それとも、けっこう打撃を楽しみにしてる感じですか。
押忍マン「正直、打撃を楽しみにしてますね」
――ありがとうございます。今回の試合、どんな勝ち方で、どんなフィニッシュでベルトを巻いて見せてくれますでしょうか。まずは佐藤選手、お願いします。
佐藤「前戦はちょっと対応できなかったんで、ここでしっかりKOしてチャンピオンになります」
――ありがとうございます。押忍マン選手、お願いします。
押忍マン「自分も前戦は判定だったんで、今回しっかり白黒つけます」
ウェルター級は、第16代KOP・住村竜市朗がベルトを返上したため、現在空位となっている。第17代王座を手にするのはどちらか。
(構成・写真/佐佐木 澪)