12.13パンクラス273で対戦するフライ級ランキング1位の安永に「ヒジで勝ちたい」というマモルが公開練習

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11月17日午後、神奈川県横浜市のシューティングジム横浜で、マモルが公開練習をおこなった。マモルは『PANCRASE 273』(12月13日、ディファ有明)で安永有希(東京イエローマンズ)と対戦する。
公開練習のパートナーは、パンクラスに参戦しているアキラ(久我山ラスカルジム)が務めた。取材陣の「ゆっくりでいいですよ」の言葉をよそに、いきなりスピーディーな動き。スタンドでもグラウンドでも得意のヒジ攻撃を見せ、好調をアピールした。

マモルは修斗で活躍したあと、今年8月からパンクラスに参戦。今回が2試合目となる。参戦発表時から「ベルトを狙う」と宣言している10位のマモルにとって、ランキング1位の安永との試合は大チャンスだ。話の中でも、ベテランの余裕を見せながらも、決して油断はしない冷静さと緻密さを感じさせた。
マモルとの質疑応答は以下。

パンクラス_マモル②ーー今日の公開練習のパートナーはアキラ選手でした。
マモル  知り合ったのは、選手練習にアキラが来るようになったのがきっかけで、仲良くやっています。それで今日お願いしました。知り合ってもう2〜3年になるでしょうか。なので、アキラがパンクラスに出るようになる前から知っていますね。パンクラスの雰囲気も、アキラを通してなんとなく味わっていました。
ーーこれでパンクラス2戦目になりますが、前回、初めて参戦(今年8月、北郷祐介戦=判定勝ち)してみていかがでしたか。
マモル  どこでも同じとは言いませんけど、仕事をするという点では変わらないですね。対戦相手と向き合ったら、どこの団体でも同じです。スゲーことをやってやろうとかじゃなく、いつも通りキッチリ仕事をしました。リーチ差があって、だんだん距離を作ってきたので、最後は少しやりづらかったかな。相手の出方でなかなか仕留めに行けなくて判定になってしまいましたね。
ーー会場の雰囲気などはいかがでしたか?
マモル  雰囲気とかあまり気にしない方なんです。どこへ行っても、海外でも、何千、何万人いても、あまり気にならない。どこでも、やるべきことは自分の仕事ですから。
ーーすごいですね。
マモル  そうでないと集中できないし、自分を発揮できないタイプなんですよ。この世界も長いので、自分のことはよく解っていますし。名は体を表すで、いろいろ守ってるんですよ。守る君なんです(笑)。
ーーさて、2戦目はランキング1位の安永選手が相手です。
マモル  チャンスですね。「チャ〜ンス!!」っていう感じです。1位に勝てば、タイトルマッチをやらせてくださいと言える。私はただ参戦しているわけじゃなくて、目指しているのはベルトです。そうでないと団体に対して失礼ですし、それなりに私に期待していただいているのかなとも思っていますので。
ーー安永選手の印象はいかがですか。
マモル  変則的なイメージがありますね。でも、まだハイライトシーンしか見ていないので、これから考えます。ただ、よく動き回って相手が焦れたところにバッとくる選手だというのは聞いているので、我慢しようかなと思っています。あっでも、つまらなくなっちゃうかな(笑)。人それぞれ作戦はありますけど、私は自分を貫くのが信条です。判定だとしても完封で勝ちたいですし、その先にフィニッシュがあれば。相手は強い選手だと思いますし、向き合って肌を合わせるまで何が起こるかわかりません。自分のやるべきことをしっかりやりたいと思っています。
ーーマモル選手は修斗で、安永選手はパンクラスで実績を積んで来た選手です。修斗VSパンクラスという見方をする人もいるかも知れません。
マモル  今は修斗にタイトルを持っていませんし、若くて強い選手もたくさん出て来ています。見る側がそう見たとしても、それで喜んでくれるのなら、それでいいと思っています。私は毎回シューターの誇りを持って闘っています。もう40戦していて、ベテランに入ると思いますし、そのあたりは自分の心の中にあればいいと思っています。でも、相手も元は修斗でデビューしているんですよね。師匠も朝日(昇)さんですし、修斗同士じゃん!って(笑)。
ーー安永選手は、マモル選手のムエタイスタイルを意識しているようです。
マモル  そうですね、ここ何年かムエタイのテクニックを駆使したスタイルが定着しています。ヒジ、ヒザ、ミドルでコントロールできたらと思っています。ヒジがいい感じで当たれば勝利が近づくと思います。でも、やれることをやっていくので、テイクダウンにいくかも知れませんよ(笑)。
ーーどんな試合にしたいですか。
マモル  納得いく内容で勝って、気持ちよくお正月を迎えたいですね。やはりヒジで勝ちたいですけど、甘くはないと思います。どんな形でも自分が勝てればいいです。できれば、いい勝ち方をしてタイトルマッチに繋げられればいいですね。でも、まずは目の前のことに集中していきます。
ーー今回は、フライ級王者(清水清隆)が王者査定試合をします。
マモル  その情報が入ってきたときは、いろいろあるんだなと思いました。でも、(自分がそれを気にするのは)結果が出てからでいい。今は人のことを気にしている場合ではないですし、王者の勝敗がどうこうより、自分が負けたら話になりませんから。気になったら、自分の試合が終わったあとに結果を見たり
映像を見たりすればいいので、今は気にしません。いい時代になりましたよね(笑)
ーーこの大会でも5試合も組まれていますが、パンクラスのフライ級は激戦区になっています。
マモル  神酒(龍一)までが参戦してきて、お前もかっ!エライことになったと思いました。リルデシ(・リマ・ディアス)とか、身長が182cmもあるなんてイヤですね、考えられないですね(笑)。でも、とにかく1位とやれてタイトルマッチを見据えない選手はいないでしょう。目標はベルトですけど、すぐにやれるわけじゃない。目の前の奴を1人ずつ片付けていくだけです。今までもそうして来ましたから。
ーー参戦前と参戦後では、ベルトに対する気持ちや思いに変化はありましたか?
マモル 最初からラストチャンスくらいに思っているので、特に気持ちとして変わったところはないですね。新しい場所なので手探りです。参戦したことがスタートじゃなくて、タイトルマッチまで辿り着けてようやくスタートラインなんだと思っています。まだ私は(パンクラスファンからすれば)敵というかエイリアンみたいな感じで見られていると思いますし、タイトルを獲って、やっとパンクラスの敷居をまたげるんだというつもりでやっています。全力を尽くして、お客さんに喜んでもらえたらと思います。

修斗vs.パンクラスでもあり、修斗vs.修斗でもあるこの試合。しかし、こういった肩書きや枠を外して、裸のマモルと安永のぶつかり合いを見たいと思わせられた。激戦区・フライ級で、タイトルに名乗りを上げるのはマモルか。安永か。

【写真・文/佐佐木 澪】

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