『PANCRASE 279』のメインで戦う石渡とジョナサンが調印式に出席!石渡「平和な空気にだまされない」
7月21日午後、都内にて、「PANCRASE 279」(24日、ディファ有明)のメインイベント、バンタム級タイトルマッチの調印式がおこなわれた。
調印式にあらわれた第2代王者・石渡伸太郎(CAVE)は黒のスーツ姿、挑戦者・ジョナサン・ブルッキンズ(Trister Gym)はラフなシャツ姿。雰囲気やいでたちは正反対だった。
石渡は2011年12月にベルトを巻いて以来、実に5年間王座を守り続け、今やパンクラスの顔となっている。今回は4度目の防衛戦。
挑戦者のブルッキンズはUFCのTUF12で優勝し、その後UFCにて4試合をUFCで経験し、2014年11月にパンクラス初参戦。ノンタイトルで石渡に判定勝ちしている。現在は米国オーランドからGSP所属のカナダTristar Gymに移籍している。
石渡にとって、この試合はタイトルマッチであるとともに、雪辱のチャンスだ。石渡がブルッキンズを下し王者の貫禄を見せつけるか、ブルッキンズがヨガパワーを発揮するか。見逃せない一戦だ。
両者は廣瀬隆司コミッショナー立ち会いのもと、出場誓約書にサイン。笑顔を握手をかわした。
選手との質疑応答は以下。
ブルッキンズ「日本にまた来られて嬉しいです。チャンスをくれてありがとう。試合、頑張りますので、よろしくお願いします」
石渡「ベルトはこっちにありますが、前回負けているので、強い選手に挑戦する気持ちでいます。あの時はやられたので、今度はボコボコにしてやろうと思っています」
——ブルッキンズ選手は、2014年の石渡戦のあと試合をしていなかったようですが、ブランクには何をしていたのですか?
ブルッキンズ「ヨガをやっていました。ヨガをやることによって、ファイティングスタイルが変わりましたし、気持ちも若くなりました」
——ヨガを始めたきっかけは?
ブルッキンズ「インドに旅行してヨガに出会いました。ヨガのスピリットを学ぶうちに、ファイトはケージの中だけでなく、人生そのものもファイトなんだと気がつきました。そうして、自分の人生と繋がったのです」
——再戦ですが、石渡選手は前戦とどう変わりますか?
石渡「試合を見てください」
——昨年12月以来、7ヵ月ぶりの試合になります。
石渡「怪我にずっと悩まされていましたが、やっと今回の試合で本領発揮できます。前回はジョナサンの平和な空気にだまされましたけど(笑)、今回はそれには乗りません」
——理想のフィニッシュは?
ブルッキンズ「何が起きるかわかりません。ファイトを見てください」
石渡「頭の中で描けています。当日を見てください」
——身長差が14cmありますが、石渡選手はどう攻略しますか?
石渡「頑張るしかないです。日本人が外国人と闘おうとすれば、体格差はつきものです。頑張るしかないです」
——この試合に向けて強化してきたことは?
石渡「基礎から全部見直しました。いま本当に試合前なのかというくらい、基礎ばかりやってきました」
——その理由は?
石渡「基礎が完璧にできれば怖くない。強くなるために基礎を見直しました。対ジョナサンというよりは、自分の動きをしっかり磨こうということです。その成果を、当日感じるままにぶつけたいですね」
——前回は3ラウンドでしたが、今回は5ラウンドです。
ブルッキンズ「何も変わりません。自分の闘いにするだけです」
石渡「日本で5分5ラウンドを3回もやってる奴はなかなかいない(笑)。自信を持っています」
——今回はチームメイト(上田将勝、神酒龍一)も同じ大会に出場しますね。
石渡「はい。みんなで試合を目指して練習できたので、いい時間だったと思います」
ヨガ効果か(?)ますます飄々とした雰囲気を醸し出していたブルッキンズ。石渡の言葉を借りれば「平和な空気」そのものだ。しかし、タイトルに向け、当日は牙を剥いてくるのか。石渡にとっては、タイトルマッチであるという重責はあるが、反面、リベンジには最高の舞台だ。両者ともに1985年生まれの同い年。ケージで最後に立っているのは、果たしてどちらなのか。
(写真・文/佐佐木 澪)