PANCRASE304でライト級KOP戦に挑む久米鷹介とトム・サントスが調印式に出席!KOPの久米はHEAT王者のサントスの打撃力を警戒
4月12日夕、都内新宿区のパンクラスで、『PANCRASE 304』(14日、新木場スタジオコースト)における初代フライ級クイーン・オブ・パンクラス 決定戦ならびにライト級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチの調印式が行われた。
セミファイナルで闘う端貴代(和術慧舟會AKZA)とシッジ・ホッシャ(ROCHA TOP TEAM)、メインイベントで闘う久米鷹介(王者/ALIVE)、トム・サントス(挑戦者/Team Brazilian Thai)の4選手は、廣瀬隆司コミッショナーの立ち会いのもと、出場誓約書にサインした。
初代フライ級クイーン・オブ・パンクラス決定戦に続き、メインイベントのライト級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチで闘う久米鷹介(王者/ALIVE)、トム・サントス(挑戦者/Team Brazilian Thai)が、出場誓約書にサインし、意気込みを語った。
この試合ではアントン・クイバネン(同級1位)の挑戦が予定されていたが、左上腕二頭筋断裂により欠場。代わってトム・サントスが挑戦することとなった。
挑戦者のサントスはムエタイをベースとし、KOを狙っていくアグレッシブなスタイルのファイターだ。パンクラスには昨年3月より参戦し、井上雄策、冨樫健一郎にパウンドでTKO勝ちを収めた。
また、2017年にはROAD FC、2018年にはRIZIN、HEATなどアジアの大会に出場しており、HEATではこの3月、ライト級王者となったばかりだ。「パンクラスのベルトを巻くためにHEATのベルトを獲る」と語っていたサントス。果たして2本目のベルトを手に入れることができるか。
迎え撃つ王者の久米は、柔道をバックボーンとし、2007年、修斗でプロデビュー。10戦無敗という記録を残した。パンクラスには2012年より参戦するも、ROAD FCにも上がっている。2015年4月、3年ぶりにパンクラスに復帰、2016年9月に徳留一樹を破り、第7代ライト級キング・オブ・パンクラシストとなった。
しかし、昨年7月、UFCにも上がったアントン・クイバネンに2RパウンドでTKO負けを喫し、このタイトルマッチがリベンジマッチになるはずだった。しかし久米は「サントス選手、急なオファーを受けてくれてありがとうございます。サントス選手がとても強いのは、3月2日のHEATで5Rをフルに戦いベルトを奪った試合を見たので知っています。一層気を引き締め、残りの日々を全力でつくりあげ、最高のパフォーマンスを発揮します!」とコメント。モチベーションを下げることなく試合を迎えられそうだ。
――まずお互いに一言お願いします。
久米「急遽、相手に変更がありましたが、すぐにこういう素晴らしい相手を用意していただき、パンクラスに感謝しています。また、試合を受けていただいたサントス選手にも感謝しています。復帰戦になりますが、強い相手を用意していただいて、モチベーションも途切れることなく闘う準備もしっかりできています。明後日それをぶつけて、自分の全てを出してKO、1本を狙って行きたいです」
サントス「久米選手はすごいファイターであり、今度の闘いは私にとって新しいステップになるでしょう」
――相手が変わってからは、どのような気持ちで過ごしていましたか。
久米「初めはアントン選手に集中してやっていましたが、サントス選手に代わりました。サントス選手はHEATの王者ですが、HEATは名古屋の大会なので見ていましたし、強い選手だと知っていました。ですので、特に相手の交代に惑わされることはありませんでした。いいモチベーションを保ったまま試合に臨むことができると思っています」
――相手の変更後、修正してきたところは?
久米「すぐサントス選手という強い選手を用意してくれましたし、連絡もすぐにいただいたので、気持ちはそのままで落ちている暇もないというか。サントス選手も、アントン選手と同じく自分のもの全てを出して闘わないといけない相手ですし、相手が変わっただけという感じで、特に混乱なく自分を作り上げてきました。準備はしっかりしてきたので、それを皆さんの前でしっかり出したいです」
――サントス選手には急遽のチャンスとなりました。どのように作ってきましたか?
サントス「先月もタイトル戦があり、相手は韓国でタフな試合をしている選手でした。私はHEATの王者、久米選手はパンクラスの王者。王者どうし、どちらが強いのか決着をつけたいです」
――前戦はどのように影響していますか?
久米「前回も準備はしっかりしてきましたが、相手に勝負所で仕留められてしまいました。でも、これも勝負の世界です。変わらず自分の持っているものを出すことに集中して行きます」
――お互いの印象を教えてください。
久米「やはり打撃の攻撃力がすごくて、KOもしくはKOに近いシーンまでいくところを目の当たりにしていますし、映像でも見ています。そこを意識して闘います」
サントス「私は早くに終わった試合もありますが、相手が殴りかかってきたので応戦して勝っただけです。1ラウンドでも2ラウンドでも5ラウンドでも勝つつもりです」
――サントス選手の打撃については?
久米「他の試合でもKOしているので、気をつけて行きたいです」
――サントス選手はHEAT、RIZIN、パンクラスと、日本での試合が増えています。
サントス「2015年から日本に来るようになって、日本が大好きです。日本の環境にもだいぶ慣れました。日本はチャンスの国です。今回タイトルマッチができてすごく嬉しいです。おそらく日曜日は私の手が上げられて王者になるでしょう」
――さて、パンクラスはONEと提携して、今後、王者はONEで闘うことになりますが、このことについてどう思いますか。
久米「自分の中では、選択肢を一つ増やしていただいた、自分の道が一つ増えたという感覚です。でも、今はそれよりもこの防衛戦に集中しています。全てをかけなければいけない相手ですし、この試合に勝たなければ、その先も考えられません。今はこの試合に集中しています」
サントス「ONEとの契約は大変新しい面白い契約だと思います。でも、私も今はパンクラスで勝つことに集中しています」
――今回は、どのようなフィニッシュで勝ちたいですか。
久米「どのラウンドというよりは、常に1本、フィニッシュを狙っていく中で、フィニッシュが訪れると思います。それを狙いながら試合を進めたいです」
サントス「今度の試合は、グラウンドもスタンドも両方あると思います。私はKOして勝ちたいです」
――最後に意気込みをお願いします。
久米「たくさんの人のサポートで、この日を迎えることができました。お世話になった人たちのためにベルトを守りたいです」
サントス「日曜日は、日本とブラジルで観戦する人たちのエネルギーをもらってチャンピオンになります」
奇しくも同い年対決となった2大タイトルマッチ。それぞれ全く違った道を歩いてきた4人が、ここパンクラスでタイトルを懸けて闘う。そこから生み出されるドラマはどんなものとなるのか、目が離せない。
(写真・文/佐佐木 澪)