パンクラス12.21大阪大会 北方大地vs.阿部博之、上田将竜vs.オニボウズ
パンクラス大阪主催興行
日時:2014年12月21日(日)
会場:大阪・阿倍野区民センター大ホール
観衆:発表なし
【パンクラスゲート】
▼第1試合 バンタム級 3分2R
○平田丈二(総合格闘技暗愚羅)
1R 1分04秒 腕ひしぎ十字固め
●赤崎友治(創道塾)
▼第2試合 フェザー級 3分2R
△名田英平(総合格闘技道場コブラ会)
2R終了 時間切れドロー
△松野佑哉(タナベMMAクラブ)
▼第3試合 フェザー級 3分2R
●上野藤士(INFINITY)
1R 1分12秒 TKO(スタンドのパンチ→レフェリーストップ)
○室川和登(総合格闘技ゴンズジム)
▼第4試合 ライト級 3分2R
太田裕稀(格闘技吉田道場)
2R 1分12秒 腕ひしぎ十字固め
●鈴木敦順(総合格闘技スタジオSTYLE)
【本戦】
▼第1試合 フェザー級 3分R
○宮谷英樹(Silver Back)
3R 1分11秒 チョークスリーパー
●佐藤裕二(毛利道場)
▼第2試合 スーパーフライ級 3分3R
○NavE(LIL☆STAR三重支部)
3R終了 判定2-1
●石田 源(総合格闘技暗愚羅)
▼第3試合 フェザー級 3分3R
●川端和哉(和術慧舟會奈良 TEAM VAMOS)
1R 0分44秒 TKO(チョークスリーパー→レフェリーストップ)
○摩嶋一整(毛利道場)
▼第4試合 ライト級 3分3R
●NORIMICHI(アブソリュート岡山)
1R 2分15秒 三角絞め
○木内裕太(讃州四心會)
▼第5試合 フライ級 3分3R
○三谷敏生(総合格闘技道場コブラ会)
3R終了 判定3-0
●蒔田伸吾(パラエストラ広島)
▼第6試合 バンタム級 3分3R
○富田浩司(パンクラス大阪稲垣組)
1R 1分04秒 チョークスリーパー
●仁牙ヤスオ(讃州四心會)
※この試合は大会ベストバウト賞を受賞。
▼第7試合 スーパーフライ級 3分3R
●横溝和也(創道塾)
1R 1分27秒 チョークスリーパー
○悠 輝平(パラエストラ愛媛)
▼第8試合 バンタム級 3分3R
○野中 翔(パンクラス大阪稲垣組)
1R 0分54秒 ヒールホールド
●キャプテン禎(修斗GYMS直心会)
▼第9試合 セミファイナル スーパーフライ級 5分3R
○上田将竜(緒方道場)
1R 1分11秒 チョークスリーパー
●オニボウズ(総合格闘技ゴンズジム)
※上田は大会MVPを受賞。
▼第10試合 メインイベント ライトフライ級 5分3R
●北方大地(パンクラス大阪稲垣組)
3R終了 判定2-1
○阿部博之(ドラゴンテイル)
第6試合
稲垣組第二世代、富田の引退試合。相手は前回7月大会で同じ稲垣組に金太郎に勝っている仁牙だ。パンチを振ってくる仁牙をかいくぐり、富田がテイクダウン。そのままチョークスリーパーに入り、仁牙がタップ。富田が有終の美を飾った。
続いて、富田の引退セレモニーがおこなわれた。富田の親友夫妻、師匠の稲垣克臣らが花束を贈呈したあと、10カウントゴング。富田は万感の思いを込め、6年間闘ったリングから去って行った。
富田リング上あいさつ
「パンクラス稲垣組の富田といいます。格闘技は10年くらいやってきて、プロデビューして6年闘わせてもらいました。学生時代から柔道をやっていて、格闘技に移ってチャンピオン目指してやってきました、でも、チャンピオンになれるほどの練習をやれる自信がありませんでした。ここで一発闘って終わってやろうと思いました。
相手をしてくれた仁牙選手、ありがとうございました。打撃で金太郎が倒されたので、打撃の練習を積んできましたが、1本勝ちしちゃいました(笑)。俺、強いかも(笑)。惜しいかも…という、ここで終わっときます。息子が生まれて初めての試合だったので、1本勝ちできてよかったです。ありがとうございました」
<試合後コメント>
富田浩司
「引退はけっこう前から考えていた。でも、退くタイミングがなかった。理由は、思うように練習できないこと。柔道時代からの首の怪我もあり、抑えながらやっていたり、仕事もあったり。怪我が3割、子供が生まれたことが3割ですね。このまま無理してもできたかも知れないけど、ダラダラやるより、相手をボコボコにして終わりたかった。
今回はすごく調子が良かった。負ける気がしなかった。でも、それが続くかといったら…。今日がベストで、それより上には行けないと思った。40歳までやろうと思えばできたかも知れないけど、チャンピオンにはなれない。そう思って引退を決めた。いい終わり方ができて良かった。
プロ生活は、長いようで短かった。続けて来られたのは、師匠の稲垣さんのおかげ。それから、(前田)吉朗さん。あの人は、ああ見えて(笑)情が厚い。かげで支えてくれた。引退のことも相談して、親身になって聞いてくれた。吉朗さんがいなかったら、やって来られなかったと思う。
一番の思い出は、今日の試合かな。最後のいい思い出になった。でも、練習してきたこと、つらかったこと、負けた試合も、全部いい思い出です。だから今、全然さみしくない。
もともと道場の会員で始めたので、プロは引退しても格闘技は辞めない。プロになる、ならないじゃなくて、近い将来、息子にも格闘技の楽しさを教えたい。ボール遊びを教えるみたいに」
第8試合
開始直後、野中が電光石火のスライディングでキャプテンをキャッチ! 素晴らしいタイミングで入った。野中はスライディングヒールホールドを狙っていたというが、最初は膝十字がはまった。しかし、キャプテンが耐えたためアンクルホールドに移行。完全に極まるも、キャプテンは諦めずに耐える。そこで切り替えたヒールホールドで、ついにキャプテンがタップ。野中が秒殺勝利を挙げた。
第9試合
大阪初参戦の上田。パンクラスで対抗戦を組んでほしいとアピールし、大阪で望みが実現した。相手のオニボウズは修斗8位。パンクラス4戦無敗、5位の上田がどうぶつかるか。
1R、ローキックや前蹴りでお互い様子を見る両者。オニボウズが先にパンチで前へ! 上田はもらってしまうが、距離を取る。そして、右ハイキック一閃! 倒れたオニボウズにすかさずかぶさり、そのままチョークスリーパーを極めた。
上田マイク
「福岡からやって参りました上田将竜と申します。対抗戦をやらせてほしいとお願いして、組んでくれたパンクラスさんに感謝します。これで、僕もパンクラス5戦無敗です。そろそろタイトルに絡ませてください! 福岡の田舎で格闘技をやっています。応援してください」
<試合後コメント>
上田将竜
「実は、試合を全然覚えていない。気がついて、あれ? 試合は? と思ったら、セコンドのみんなが良かった! 良かった! って。最初のパンチを食らって記憶が飛んでいた。身体が勝手に動いてくれた。
田舎では、練習相手を見つけるのも難しい。緒方道場も1人しかいない。初めはシューターを目指していて、新人王でコケた。そんなとき、福岡でグラジエーターをやっている鬼木さんにパンクラスに出たいと相談して、道を拓いてもらった。そういう中での闘いなので、常に負けられないという気持ちでやっている。ネオブラッドも絶対獲るしかないと思っていたし、安永(有希)選手との試合のときも、支えてくれる人たちのために負けられないと思ってきた。
それから、フェイスブックで知り合った石渡(伸太郎)選手にもとても良くしていただき、東京へ出稽古に行ったときにとてもお世話になっている。そのつながりで、上田将勝選手とも知り合えた。名前が1文字違いだねということで、良くしていただいて。本当に、そういう人たちのことを考えると負けられない。そういうところは、練習環境の良い東京の人より強い気持ちで上がっているかも知れない。
格闘技は最高に楽しい。練習も、試合も、最高に楽しもうというのが僕の流儀。今日も、福岡から見に来てくれた友達がいる。勝てて最高です!」
第10試合
新設されたライトフライ級の初代王者決定4人トーナメント開催が決定。Aブロックでは宇都木正和(パラエストラ古河)と松永義弘(禅道会)が激突。Bブロックにエントリーしている江泉卓哉との対戦相手が、この試合で決まる。初代王座獲得に向け、階級を落とした両者が激突する。
1R、回りながらパンチを出す阿部。タックルには入れない。北方がパンチを出すと、これをかいくぐった阿部がタックルに成功。しかし、北方は首を取っている。阿部はコーナーに押し込むと北方は入れ替えるが、阿部はそのまま倒して上に。ここでドントムーブがかかる。腕を抜き、パンチを落とす阿部。立とうとする北方を離さない。しかし、身体をずらした北方は上になりコーナーへ。阿部は下からパンチ。三角絞めにはいけない。残り10秒で北方が立ち、パンチを落とそうとしたところでゴング。
2R。ジャブを出しながら回る阿部。身体を左右に振る。阿部は北方の片足を取り、そのままバックに回る。ここでドントムーブ。阿部は引っこ抜きたいが、踏ん張る北方。ブレイク。阿部はパンチ、北方はローキック。北方は阿部のタックルに付き合わない。北方、右ハイキック! 阿部は左右パンチからタックルへ。付き合わない北方だが、阿部3度目のタックルでテイクダウンに成功! 北方はフロントチョークの体勢になっているが、これは極まらず。阿部がボディにパンチを入れてゴング。
3R、阿部はパンチを振る。前に出た北方の片足を取り、そのままバックに回る。ここでドントムーブ。阿部はボディブローを入れるが、北方が倒して上に! 再びドントムーブ。阿部はオープンガードからガードに。北方はヒジを落とすが、三たびドントムーブ。顔に鉄槌を落とす北方。阿部は細かくパンチを入れている。さらにドントムーブ。北方が立って猪木アリ状態になり、阿部が足に組み付いていこうとしたところで終了。
北方もよく守り、攻め、微妙ではあったが、全体に主導権を握って闘った阿部が勝利した。この結果により、阿部と江泉がライトフライ級初代王者決定トーナメントBブロックで闘うことに決定した。
阿部マイク
「初めまして。大阪が大好きになりました。この階級の主役は俺だ! 覚えておいてください。また大阪に呼んでください!」
<試合後コメント>
阿部博之
「厳しい闘いだった。勝ててホッとしている。最後までもつれたけど、ペースを取って落ち着いて闘えた。北方選手はパワフルだった。一発もあるし、怖い相手だった。
階級を下げたのは、チャンスがあるならば、そちらに挑戦してみようと思ったから。お話をいただくのはありがたいこと。やってみよう、そこで力を出そうと思った。
初代王者決定戦で待っている江泉選手も怖い相手。怪我もないし、来週くらいから練習を始める。正月はなしです(笑)」
【写真・文/佐佐木 澪】