PANCRASE306でウェルター級KOP戦を行う手塚裕之と髙木健太が調印式に出席!2年ぶりの再戦に両者意欲!

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 6月24日夕、都内新宿区のパンクラスで、「PANCRASE 306」で行われるウェルター級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチの調印式があった。
 王座を狙うのは手塚裕之(ハイブリッドレスリング山田道場/TGFC)と髙木健太(リバーサルジム川口REDIPS)だ。
 現王者はグライコ・フランサ(第12代)だが、現在PFLに参戦中。今年は防衛戦が行えないため、手塚と髙木が暫定王者決定戦を行う。当初は手塚と、元同級王者・三浦広光の対戦が発表されていたが、三浦の靭帯損傷により4位の髙木がタイトルマッチへの切符を手にした。
 黒のスーツに身を包んだ手塚と髙木は、2016年7月に一度闘っている。この時は、激しい打ち合いの中、髙木が手塚の左目をカットしTKO勝ちを収めた。
 2年ぶりに再戦を行うことになった両者に余計な力みはなく、久しぶりに拳を交えることが楽しみで仕方ない様子。時おり笑顔を見せながら試合への意気込みを語理、廣瀬隆司コミッショナーの立ち会いのもと、出場誓約書にサインした。

▼髙木健太
「前回(今年4月)の試合が終わったあと、すぐに練習を始めて、いつでもオファーが受けられるように準備していました。なぜかというと、6月にタイトルマッチがあると聞いたからです。もしものことがあった時に、いつでもやれるように、休まずに練習を続けてきました。試合を想定して、体重も81〜82kgぐらいに保っていました。
 そうしたら、オファーをいただいたという形です。タイトルマッチですが、相手が手塚選手なら5ラウンドはいりません。必ず倒してベルトを奪って、そして休みます(笑)。

 (手塚との)前戦と変わったことと言えば、精神的に落ち着いてきたことですね。でも、パンチ力とかは上がっています。
 実は、この4月の試合の時、第1試合だったんですけど、予定時間が早まったんですよ。それで、入場直前なのにファールカップもまだ着けてない状態だったんです。慌てて用意してケージに上がったんですけど、そのおかげで無になれたっていうんですかね。余計なことを考えずに『無』の状態になれたというか。そうしたら結果がついてきたんです。
 とにかく全く緊張していなくて、コーナーに立ったときもまだ『無』に近い感じで。『無』になったところに結果がついてきた。これが僕にはいいんだなと思いました。

 練習環境が変わったというのもあります。
 今は、KAZZ選手や、以前KOPだった阿部大地選手など、同じ階級の選手と練習しています。同じ階級の選手との練習は、負けちゃいけないというという気持ちが出てくるので妥協しません。練習の環境は、以前より良くなっていると思います。

 手塚選手の印象は、前回闘ったときは、昔の僕みたいに1分1秒でも早く倒そうとしていましたけど、1つ前の試合(2018年12月・村山暁洋戦)なんか見るとクレバーに闘っています。今回はどうなるか分かりませんが、僕がガツガツいって、MXの放送枠に入るように倒します。
 お互い、いわば豪速球ピッチャーみたいなもの。手塚選手は栃木の山奥で練習しているだけあって野生味を感じます。グダグダした試合はしたくないですし、ギラギラしたバチバチの試合がしたい。必ずどちらかが倒れると思います。

 パンクラスに上がるようになったのが2011年で、プロデビューして2〜3戦で上がるようになったんですけど、いいところまでは行って、ランキングは上の方をキープしながらコケて、勝ったり負けたりでギリギリ、タイトルには届かないというところでした。でも、今回、いきなりこのビッグチャンスが訪れて。長かったなぁ。
 佐藤天選手を倒したのは日本人で僕だけですし(2015年8月)、タイトルマッチをやるのは僕しかいないだろうというときもあったんですけど、なかなか試合が決まらずにモチベーションが上がらなかったこともありました。手が届きそうで届かない。本当に長かったですね。

 その間には、HEATのベルトを巻いたこともありました。佐藤洋一郎選手と外国人選手のタイトルマッチで、その外国人選手が出られなくなって、その代役に選ばれたんですよ。僕、そのエドワード・ファロウとやってるんで(2012年6月、GRACHAN 6)。佐藤洋一郎選手とは既に2戦していた(2011年11月・CAGE FORCEにて勝利、2013年3月・修斗にて敗退)ので、すぐ受けました。結果、勝ってベルトを巻くことができました。
 僕は、ハートが燃えないと試合に勝てないんです。言葉にしたことはないですけど、HEATに出た時は、これで辞めようかという気持ちもあったくらいでした。でも、勝って今に繋がりました。今回は嬉しすぎて眠れないくらいで、トレーニングしたくてしたくて仕方なかったです。

 KOPになったら、ベルトを守るために闘うというのはないかも知れません。この階級では、同じような選手とまた闘うような感じになると思うので。まだ、具体的に考えているわけではないですけど、この試合は、パンクラスで闘ってきた8年の集大成になると思います」

▼手塚裕之
「急遽、相手が変わってしまいましたが、髙木さんには、3年前にドクターストップでやられているので、その借りを返してKOPになるといういいストーリーが出来たと思っています。3年前、髙木のダイナマイトパンチを食らって、落ち着いた試合運びが出来るようになりました。僕がKOPになります。

 髙木さんは、前回(今年4月・丸山数馬戦)も一発で倒していますし、相変わらずパンチ力がありますね。世界でもトップの攻撃力を持っている選手だと思います。そこに挑んで、パンチをもらわずに僕が当ててリベンジしたいと思っています。髙木さんはスリルのある試合ができる相手。強い選手と闘えることがすごく嬉しいです。

 確かに、髙木さんは豪速球ピッチャーかも知れません。でも、僕は変化球も持っていますから。髙木さんは直球でくると思いますけど、試合は総合ですから、打ち合うだけじゃない。お互い、一番のポイントは打撃なので、そこで勝負が決する可能性は高いと思います。でも、栃木の山奥でもグラップリングはやっています(笑)。(打撃の他にも)持っていますから」

 「長年の願いが届いた」と言う髙木と、リベンジを狙う手塚。KO率は髙木が88%、手塚が83%と、圧倒的だ。最後にケージに立ってベルトを巻くのはどちらなのか。KO決着必至の一戦だ!


(写真・文/佐佐木 澪)

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