パンクラス11.2有明大会 ジョナサン・ブルッキンズvs.石渡伸太郎、アンディ・メインvs.田村彰敏
PANCRASE 262
日時:2014年11月2日(日)
会場:東京・ディファ有明
観衆:1,869人(満員)
【パンクラス ケージゲート】
▼第1試合 スーパーフライ級 3分2R
△児玉勇哉(和術慧舟會トイカツ道場)
2R終了、時間切れドロー
△渋谷和樹(NEXUSENSE)
▼第2試合 バンタム級 3分2R
●倉井俊輔(FREEDOM@OZ)
1R 0分39秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○鈴木弘之(RISINGSUN)
▼第3試合 フェザー級 3分2R
△伊藤理夫(PUREBRED大宮)
2R終了、時間切れドロー
△山口 亮(RISINGSUN)
▼第4試合 ウェルター級 3分2R
○クリス・ヒルガー(ロデオスタイル)
1R 2分17秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●丸山数馬(nico mma dojo)
【本戦】
▼第1試合 ライト級 3分3R
○岡澤弘太(リバーサル横浜グラウドスラム)
2R 1分51秒、反則勝ち(グラウンド状態の相手の顔面への膝攻撃)
●林 完(ハニートラップ)
▼第2試合 ライトフライ級 3分3R
○宇都木正和(パラエストラ古河)
3R終了、判定3-0
●リトル(GUTSMAN)
▼第3試合 フェザー級 3分3R
●宮路智之(パラエストラ松戸)
3R終了、判定0-3
○土肥 潤(総合格闘技道場MIBURO)
▼第4試合 フライ級 3分3R
○松永義弘(禅道会 新宿道場)
3R終了、判定3-0
●増田“BULL”徹平(総合格闘技道場コブラ会)
▼第5試合 ライト級 3分3R
○長岡弘樹(総合格闘技道場DOBUITA)
3R終了、判定3-0
●佐野哲也(和術慧舟會 駿河道場)
▼第6試合 ライト級 3分3R
●クリスMAN(パラエストラ八王子)
3R終了、判定0-3
○山崎悠輝(パンクラス大阪稲垣組)
▼第7試合 ミドル級 3分3R PANCRASE 対 DEEP 3対3 先鋒戦
●ボブ・アームストロング(ALIVE)
3R終了、判定0-3
○辰己豪人(フリー)
▼第8試合 フェザー級 5分3R PANCRASE 対 DEEP 3対3 次鋒戦
○稲葉 聡(秋本道場jungle junction)
3R終了、判定3-0
●梅田恒介(R-BLOOD)
▼第9試合 スーパーフライ級 5分3R PANCRASE 対 DEEP 3対3 大将戦
○安永有希(東京イエローマンズ)
3R終了、判定3-0
●加藤直之(スプラッシュ)
▼第10試合 ウェルター級 3分3R
○佐藤洋一郎(グレイシーバッハ東京)
3R 2分16秒、チョークスリーパー
●草・MAX(TEAM CLIMB)
▼第11試合 フェザー級 3分3R
○ハルク大城(ボスジム)
3R終了、判定3-0
●中村晃司(パンクラス大阪稲垣組)
▼第12試合 フェザー級 5分3R
○アンディ・メイン(Pure MMA/Hybrid Fighter)
2R 4分34秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●田村彰敏
▼第13試合 バンタム級 5分3R
●石渡伸太郎(CAVE)
3R終了、判定0-3
○ジョナサン・ブルッキンズ(グレイシーバッハ オーランド)
【本戦1部】
▼第14試合 スーパーフライ級 3分3R
△中山ハルキ(GRABAKA)
3R終了、判定0-1
△仙三(FREEDOM@OZ)
▼第15試合 フェザー級 3分3R
○小金 翔(CORE)
2R 1分16秒、腕ひしぎ十字固め
●平山 学(フリー)
第5試合
大ベテラン長岡の復帰戦。約11ヵ月のブランクが空いたが、怪我も治りジム経営も順調と、格闘技に集中できる環境で充実した練習を続けてきた。
対する佐野は、長く見て来たパンクラスの中での長岡を思い出しながら分析、練習してきたという。
長岡は全体的に力強く試合を進めた。単にパワーという意味でなく、ベテランとしての経験や自信、また練習に打ち込める環境が表れたのだろう。テイクダウンを取ったあと、確実に抑え込んでいた。
3R、長岡はマウントからパウンドにも持っていく。佐野も果敢に攻めたが、長岡の堅い攻めを崩すことができなかった。
大山峻護あいさつ
次大会「PANCRASE 263」で引退試合が決まっている大山峻護がケージに入りあいさつ。会場から引退を惜しむ声と激励の拍手が起こった。
大山マイク「次のPANCRASE 263で、13年の格闘技生活にピリオドを打ちます。相手は桜木裕司選手です。最高のコンディションを作り完全燃焼しますので、見に来てください」
第12試合
修斗・第2代世界ライト級王者の田村はパンクラス2戦目。公開練習では「勝ってタイトルマッチ挑戦をアピールしたい」と語った。
対するアンディはパンクラス3戦目。前回までは、パンクラスに参戦したいがために上の階級で闘った。過去2戦は判定勝ち、ドローという結果を残しているが、今回から本来の適正体重であるフェザー級で闘う。
1R、パンチで前へ出る田村。ローキックからさらにパンチ、組んで金網へ押し込む。膝の入れ合い。ここでアンディの膝がローブローとなり中断するが、まもなく再開する。
田村は組んで金網へ押し込み、膝、足踏み。アンディに入れ替えさせないが、ブレイクがかかる。アンディがタックル、テイクダウンを奪う。アンディはマウントからバックマウントに移行し、パンチ連打。田村は一瞬立ちそうになるが、再び亀の姿勢になる。アンディは首を狙うが、これは決められず終了。
2R、アンディがパンチで出て組み、金網に押し込む。離れようとする田村だが、アンディはボディブローを効かせ、金網際でパンチを当てる。田村はダウンしてしまうが、組んですぐに立つ。金網へ押し込むアンディ。田村は膝、アンディはボディブロー連打。田村は入れ替えて投げるが、アンディは倒れず上を取る。アンディがマウント奪取! そのままパンチを連打すると、田村の動きがなくなりレフェリーが止めた。
第13試合
パンクラス初参戦のブルッキンズはもともと日本で試合をしたいという夢をもっており、今回の参戦で夢がかなったという。TUF12で優勝、UFCに出場経験のある強豪だが、突然、格闘技を引退、ヨガを学ぶためインドに渡っていた。公開練習ではヨガのポーズも見せ、ヨガと格闘技の精神的共通性を語っていた。TUF優勝の実力とヨガ精神をどう融合させるのか。
対する石渡はパンクラスで10戦9勝1分けと負けなしの第2代バンタム級王者だ。このところ日本人選手が多数UFCに参戦しているが、やや出遅れた感のある石渡。以前は「急がない」と話していたが。対戦相手や仲間のUFC参戦に刺激されたようだ。そんな石渡にとって、UFC参戦経験のあるブルッキンズとの試合は、世界への試金石となる。パンクラス王者としても、ホームリングで負けられない。石渡はどんな闘いを見せるのか。
1R、身体を振り相手を挑発するかのような石渡。スロースターターというイメージを払拭するかのように積極的にパンチで前に出る。対するブルッキンズは淡々とした雰囲気だが、急にタックルから金網へ押し込む。石渡はヒジ、顔へのパンチを放って片足を抜き逃れるが、ブルッキンズは追って行きテイクダウンを奪う。石渡は寝かされず、尻もちをついた状態。石渡はボディブロー、顔へのパンチ、ヒジを打って立つが、ここでドクターチェックが入る。石渡の左目の下が青黒く腫れているが、すぐに再開される。石渡は大振りのパンチを放つがブルッキンスはもらわない。ここでブルッキンズの指が石渡の目に入り再びドクターチェック。石渡の回復を待って再開。石渡タックルから持ち上げるも倒せず。走って距離を空けると、ブルッキンズが追い、テイクダウンしたがここで終了。ジャッジは三者ともブルッキンズを支持。
2R、プレッシャーをかける石渡だが、ブルッキンズは片足タックルからテイクダウン。石渡はすぐに立つが、金網へ押し込まれ尻もち。苦しい体勢だが、右腕を引っこ抜きヒジを連打して一気に立つ。しかし、再び金網へ押し込まれてしまう。石渡は再びヒジを連打、振り切ってパンチで前に出るがゴング。このラウンドも三者ブルッキンズを支持。
最終ラウンド。もう後がない石渡は積極的に前に出る。石渡はスタンドでアームロックを狙うが、ブルッキンズは淡々と片足を取り金網へ押し込む。バックを取り、バックマウントからチョークを狙う。石渡は反転するが、ブルッキンズはバックを取ったまま。石渡はなんとか反転に成功し、パンチ、鉄槌を落として離れる。残り1分。石渡はパンチ、ヒジ連打。腫れた目のまま鬼気迫る猛攻。片足を狙ってくるブルッキンズをパンチで突き放し、さらに連打するもタイムアップ。3Rは猛攻を見せた王者だったが、判定27-30、28-29、28-29でパンクラス初の敗戦を喫した。
ブルッキンズは最初から最後まで淡々としたまま。「強さ」を感じさせるタイプではなく、虚を衝いたような攻めをする「巧い」タイプ。「UFCとパンクラス、どちらの王座を選ぶかと言われたら、パンクラスを選ぶ」と話していたブルッキンズ。再びの参戦、そして石渡とのタイトルマッチはあるのか?
ネオブラッド・トーナメント表彰式
今年の第20回ネオブラッド・トーナメントでMVPを獲得した神部建斗(フライ級優勝)がケージ上で表彰。受賞理由は、ネオブラッド史上、最年少の18歳で優勝し、得意としているグラウンドだけでなく、決勝戦では打撃も進歩している技術を見せたところ。パンクラスのオフィシャルジャケットを贈られ、健闘を讃えられた。
神部はまだ幼さの残る笑顔を見せながら「記念すべき20回目のネオブラッドトーナメントで優勝できたこと、そしてパンクラスで戦えていることを心から光栄に思います。さらに、6人の素晴らしい優勝者の中からMVPと評価していただき、本当に光栄です。僕の目標は、たくさんの人から尊敬されるような選手になることです。これからも一生懸命、練習しますので、応援よろしくお願いします!」と喜びを語った。
【写真・文/佐佐木 澪】