PANCRASE285出場の神酒・上田が公開練習!"防衛"と"リベンジ"それぞれの決意を語る!
3月3日午後、都内中野区のGOLD’s GYMウェスト東京で、神酒龍一(CAVE/第3代フライ級王者)、上田将勝(パラエストラ東京/バンタム級2位)が公開練習をおこなった。
3月12日、ディファ有明で開催される「PANCRASE 285」において、神酒はマモル(シューティングジム横浜)を挑戦者に迎えタイトルマッチを、上田はビクター・ヘンリー(CSW/Hybrid Fighter/3位)と対戦する。
前回(昨年12月、古間木崇宏戦)では、王者らしからぬ判定負けを喫してしまった神酒。しかし、原因はすでに解明済みで、この負けをステップにして勝利すると言う。スパーリングでも、上田をはじめ、TEAM OTOKOGIのメンバー(石渡伸太郎、廣田瑞人、越智晴雄)らと回したが、鋭い打撃とスピードを見せた。
挑戦者・マモルは、アマチュア時代から共に練習していた大先輩。修斗で活躍してきた先輩・後輩が、時を経てパンクラスでベルトを懸けて闘う。不思議な縁だ。調印式ではやや緊張気味に見えた神酒だが、「変なことを考えず、容赦なく勝ちにいく」という言葉通り練習に打ち込んできた。
上田はこれが再戦となる。前回は2015年2月、GRANDSLAM 2で、3ラウンド3分22秒、膝十字固めで1本負けを喫した。ヘンリーは上田に勝ったその場でパンクラス参戦を望み、実際に参戦したという経緯がある。約2年を経ての再戦。いつもはもの静かなイメージのある上田だが、穏やかな口調の中にも、リベンジに懸ける熱い気持ちが溢れていた。
神酒龍一
「いま、色んなことが絞られてきて良い感じ。相手は、ひと言で言えば「ベテラン」。調印式でも、力が入り過ぎるわけでもなく、場数を踏んでいるという印象があった。修斗時代からの繋がりは、振り返ればたくさんある。でも、試合が決まってからは意識せずにやれている。正直、意識している余裕もないし、気にしていない。ただ、不思議と言えば不思議な巡り合わせだとは思う。でも、自分も昨日、今日始めたわけじゃないし、デビューしてから10年以上やっている。
前回の試合は、どうしてそうなったのか、自分の中で理解している。あの闘いを踏まえて、この試合に臨めると思う。僕は5分5ラウンドは結構やっている。不思議なことに、修斗でタイトルマッチは5分5ラウンドになった途端、タイトルマッチをやらせてもらっているし、5分5ラウンドに関しては、自分の方が経験を積んでいる。スタミナに関しては、5分5ラウンド用に作っているという訳ではない。試合というものは、瞬間、瞬間が大切。その瞬間、瞬間を積み重ねていったら5ラウンドになる、ということ。しかも、この競技は必ず5ラウンドやるというわけではない。マモル選手はオールラウンダーだし、どんな試合になるか予想するのは難しい。ただ、どんな展開になったとしても、気持ちの出る試合をやりたい。練習では、相手の構えとか特徴とか、向き合ったときにどんな感じかなど、仲間に相談しながらやっている。
今はフライ級という階級が盛り上がってきている。僕が格闘技を始めた頃は、こんな時代が来るとは思っていなかった。
マモル選手は56kgの、世界初のチャンピオン。でも、自分だって泥まみれになりながらやってきた。色んなものを味わって、この世界で生きて来た。そういうお互いの“生き様”が、この試合のカギになると思う。当日は、何も考えずに仕留めに行くだけ」
上田将勝
「今は少し疲れているので、自分と闘っているところ。この試合が決まったときは、前回ボコボコにされているので、正直怖かった。前回は、自分が何をしているか分からなかった。ただ、闘っているうちに、(ヘンリーの)拳がすごく硬いな、強いなと思った。そして、最後に苦しくてタップしてしまった。あの試合は、自分に負けた。
でも、今の自分はあの時とは違う。前回ヘンリー選手と闘った頃は、なかなか試合が出来なかった時期。あのあとパンクラスでコンスタントに試合をやれるようになって、試合勘が戻った。今は良い動きができていると思う。(勝てば、チームメイトである王者・石渡とも闘うかも知れないが)今はこの試合のことしか考えていない。この試合に向けて、石渡選手にもアドバイスをもらいながら打撃を一番やってきた。前よりパンチをもらいにくくなっているし、効果が出ていると自負している。
ヘンリーは、石渡選手との試合(2015年12月)を見て、強くなっているなと思った。でも、僕も強くなっている。前回は取り返しのつかないことをしてしまったと思っている。今回のテーマは「リベンジ」。負けて終わりたくない、必ず勝ちたい」
それぞれ、防衛(神酒)、リベンジ(上田)という大きなテーマをもって練習に取り組んできた。「気持ちを見せる」と異口同音に話す両者。当日、2人の放つ熱い必勝オーラを感じたい。
(写真・文/佐佐木 澪)