4.26『PANCRASE 266』でマルロン・サンドロと対戦するISAO「勝ったら色々なことが見えてくる。結果を出すことに集中」
4月20日午後、神奈川県横浜市の坂口道場で、ISAO(坂口道場一族)が『PANCRASE 266』(4月26日、ディファ有明)に向け、公開練習をおこなった。
この大会でマルロン・サンドロ(ノヴァ・ウニオン)と対戦するISAOは、アメリカ・カリフォルニア州、チーム・オーヤマでのトレーニングを終え帰国したばかり。公開練習では、窪田幸生をパートナーにオーヤマで身につけた動きを披露した。
アメリカには3月24日から約3週間行ってきた。もともとは謙吾が行っていたジムで、ISAOは昨年5月頃からトレーニングに行くようになった。
初めての渡米のあと、打撃に大きな変化が見られた。今回はどんな練習をしてきたのだろうか。
「四つに組んでからのヒザや、エルボーを入れたり、あとテイクダウンするという打ち込みをやってきました。組み技で打撃を入れて効かせて、スキを逃さずKO狙いするような、相手をどんどん削っていくような動きですね」と言うISAO。公開練習では、ゆっくりではあったが、流れるような動きを見せた。相手を決して逃さず、スキがあればヒジやヒザを打ち込む。大胆な攻撃だけではなく、緻密さが加わり、これが本番ならばさぞや…と、早く試合が見たくなるような動きだった。このような練習をひたすらやってきたという。「アメリカの選手は、技術も体力もって、常に動き続けていてムーブが止まらない、すごく面白い試合が多いと思います」とISAOは笑った。
前試合は昨年大晦日のDEEP DREAM IMPACTで横田一則に判定負け。パンクラス代表、パンクラス元王者として悔しい結果となってしまった。「精一杯やりましたが、力が出し切れなかった試合でした。不完全燃焼に近い終わり方でしたね。技術もですけど、気持ちの上で弱気なところが出てしまいました」と振り返る。しかし試合後、これをいい経験、教訓として、反省し今後に生かそうと努力してきた。
今回の相手はマルロン・サンドロだ。サンドロの印象を訊ねると「打撃もすごく強いけど、打撃だけじゃない。打撃がだめだったら寝技に切り替えて、極める力もあるし、場合によっては判定に持ち込んで勝つ。すごく賢く、頭を使った試合をする選手だと思います。ものすごくモチベーションの上がる相手。とても楽しみです」と言う。
そんなサンドロに対して、ISAOはどう闘うのか。
「多分、最初な様子を見てくると思います。最初は僕のことを打撃の選手だと思うかも知れませんが、僕も打撃は練習してきているので、いけないと思ったら組んで寝技の勝負にくると思います」と言う。「全てにおいて練習してきたので、それが出せれば。あとは思い切り力を出し切るだけです」と話した。
アメリカでの練習は、特にサンドロを意識したものではないと言う。「特にサンドロ選手への対策ということではなくて、技術の向上はもちろん。スパーリングをたくさんして、走り込んでスタミナをつけて、という練習をずっとしてきました。それが出ればいいなと思います」とISAO。先ほど話した『気持ちの部分』は激しい練習を乗り終えることで強化してきた。「とにかくスパーリングは常に全力です。試合に近い感覚ですね。ちょっとでも迷ったり油断したりすればやられてしまう。そういう中で気持ちの部分も強くなったと思います」。
昨年はパンクラスのライト級王座を返上。VTJ、DEEPとパンクラス以外のイベントで闘ったISAOがパンクラスに戻ってきた。「パンクラスも金網に変わって、ルールも変わりました。自分の力を思い切り出して、盛り上がってくれたらいいなと思います」と話す。前パンクラス ライト級王者と、元パンクラス フェザー級並びにSRCフェザー級王者の激突。どちらかがすぐにベルトを巻いてもおかしくない存在だ。これが他の選手たちの注目を浴びないわけがない。しかしISAOは「特別に意識はしていません。今はランカーでも王者でもありませんから」と穏やかに笑う。「今はとにかくこの試合に集中しています。勝ったら色々なことが見えてくると思うので、結果を出すことに集中していきたいと思います」と語った。ISAOの、パンクラス第2章が始まる!
【写真・文/佐佐木 澪】