ブランコ・シカティックがPANCRASE286に「チーム・シカティック」を率いて殴り込み!公開練習の模様とコメントを発表!
あのブランコ・シカティックが格闘技界に帰ってくる!
4月20日午後、都内渋谷区の和術慧舟會HEARTSで、「PANCRASE 286」(23日、ディファ有明)に参戦する外国人3選手が公開練習をおこなった。
ブランコ・シカティックは、1993年、チャンプア・ゲッソンリット、佐竹雅昭、アーネスト・ホーストを倒し、K-1 GRAND PRIX初代王者となった伝説の選手だ。衝撃的なKO勝利は、のちのK-1人気を決定づけたといって過言ではない。
そのシカティックが、「チーム・シカティック」を率い、パンクラスに殴り込みをかける! シカティックはパンクラスとプロモーター契約を締結、「ロード・トゥ・パンクラス」と銘打ち、クロアチアでトーナメントを開催している。
今回、参戦するアントン・ラッドマン、マルコ・ブルシッチ、マティヤ・ブラジセビッチの3選手を「技術だけでなく、ハートで闘う選手ばかりを連れて来た」と語る。
迎え撃つのは佐藤天、ISAO、久米鷹介と、トップ選手がズラリ。技術のみならず、こちらもファイティングスピリットでは負けない選手たちだ。シカティックは「私がK-1で優勝した年に生まれたパンクラス。そんな、同じ歴史を持つ者同士が組んでやっていくのは良い流れだと思う」と語った。
各選手のコメントは以下。
ブランコ・シカティック
「今回、日本でMMA参戦の機会を得るために、パンクラスと提携し、「ロード・トゥ・パンクラス」としてトーナメントを行ない、その中から2選手と、もう1選手を連れてきた。3人には、技術はもちろん、ハートを見せてもらいたい。自分が現役だった時代は、スピリットを非常に重視していた。今回の対抗戦で、皆さんにクロアチア・スピリットを感じていただければと思う。
私が今回MMAと関わったのは、私はもともと柔道から格闘技を始め、テコンドーやキックボクシング、ボクシングなど色々やってきたからだ。そして、ご存じのように、K-1で闘っていた。
日本は大好き。長く闘ってきたし、食べ物や文化も好きだ。でもやはり、日本での闘いが好き。あれだけ多くの人の前で、東京ドームで闘ったことは思い出に残っている。
今回の選手たちは、ザクレブでやったトーナメントに出てた選手たちだ。いい打撃もグラウンドも見せ、さらにいいファイティングスピリットを持っている。もちろん3人ともとても危険な選手たちだ。
パンクラスはK-1と同じ1993年に始まった。同じだけ歴史があり、今でも大会を続けている強い団体であり、良いMMA団体だ。同じ歴史を持つ者同士が組んでやっていくのは、良い流れだと思う。今後もクロアチアの選手を日本にどんどん紹介していきたい」
アントン・ラッドマン 先鋒・ウェルター級/VS 佐藤 天
「いま27歳で、MMAを始めて7年になる。MMAを始めて2ヵ月で、クロアチアのアマチュア大会で銀メダルを獲った。そこから半年後にプロデビューした。そのあと、数ヶ月でロシア、クロアチア、スロベニアなどで試合を重ね、現在、クロアチアの77kgのMMAチャンピオンだ。
MMA以外にバックボーンはない。MMAから始めた。柔術はできるが、基本的にはスタンドでのファイトが得意。
相手に関しては、見ていないし、知らない。普段から相手のことを研究しないのが自分のやり方。ただ、情報として、10戦で負けが1回ということは知っている。しかし、見たところ、そこまで強い選手とやっているわけではないんじゃないかと思っている。先鋒として闘うのは初めてではない。見る人を倒しませるような試合をしたい」
マルコ・ブルシッチ 次鋒・フェザー級/VS ISAO
「いま24歳で、ザクレブ出身。MMAはアマチュアから始めて9ヵ月でデビューした。もともとはボクシング、テコンドーを少しやっていたが、本格的に格闘技を始めたのはMMAから。MMA歴は7〜8年で、成績は15戦10勝5敗です。得意技は特にない。MMAなので、全てできるようにしている。1本やKOで勝ったことももちろんある。
相手のビデオは何試合か見た。立っても寝ても危険な相手だと思う。しかし、自分も同じようにデンジャラスな選手。見る人を楽しませる試合をしたい。以前はライト級でやっていたが、ここ数試合はフェザーでやっている。でも、フェザー級でやるのは今回が最後。タイトルマッチを組んでもらえるなら、頑張って落とすけど(笑)。ライト級に戻したいというのが本音。
クロアチアでは、日本と同じように、シカティックはレジェンド。K-1初代チャンピオンでもあり、多くの人に感銘を与える存在です。シカティック マルコは、とても良いスタンドの打撃を持っていて、さらに強いハートも持っている。怖れずに、どんどん攻めるのが彼のスタイルだ。皆さん、日曜日の試合を楽しみにしていてください。いい試合をお見せします!」
マティヤ・ブラジセビッチ 大将・ライト級/VS 久米鷹介
「ザクレブ出身の29歳。アメリカン・トップチーム・ザクレブに所属している。MMAの前は空手をやっていて、クロアチア代表チームに入っていた。MMAは、アマチュアで5戦したあと、プロになった。プロでは20戦11勝9敗の成績です。負けは、1回はドクターストップで、その他は判定。勝ちのうち、6勝はサブミッション、2勝はTKO。
得意なのはスタンド。でも、グラウンドになっても、柔術の技術で対応する。今のチームに入ってから1年ぐらいになる。その前は3つくらいチームに入っていた。練習はクロアチアで続けている。このジムは、全ての練習が1ヵ所で出来るところが大きい。また、多くの人と練習が出来る。UFCファイターの(ハビブ・)ヌルマゴメドフも来る。練習環境はとても良いです。
相手のことは、チームでしっかり分析・研究している。相手はすごく強くて、動きは速いし、コンプリートファイターと言えると思う。闘えることを誇りに思う。スタンドでもグラウンドでも、どの局面でも対応できるよう準備してきた。シカティックが日本に衝撃を与えたのと動揺に、世界に衝撃を与えたい。いい試合をお見せします」
シカティックは、3人それぞれのインタビューの間、ずっと隣に座り、慈愛に満ちた目で選手たちを眺め、「強いハートを持っている」「ファイティングスピリットを見せてくれるだろう」と語った。
シカティックが現役時代に最も大切にしていたことは、心の強さを見せること、そして気持ちで闘うこと。この教えを直接受けている3人は、きっとファイティングスピリット全開の闘いを見せてくれるだろう。
日本勢も気持ちを前面に出し、意地と気持ちのぶつかり合いを見せてほしい。
(写真・文/佐佐木 澪)