【試合詳細】12・24 PANCRASE横浜武道館大会 【ウェルター級KOP】林 源平vs住村 竜一朗 【フライ級暫定王者決定戦】伊藤 盛一郎vs有川直毅【バンタム級第5代KOP】河村泰博vs透暉鷹

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『PANCRASE 340』
日程:2023年12月24日(日)
会場:神奈川県横浜市・横浜武道館
開始:13:45
観衆:主催者発表なし

▼プレリミナリーファイト フライ級 5分3R
○眞藤源太(KINGCRAFT)
1R 1分51秒、チョークスリーパー(タップアウト)
●梅原規祥(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)

▼ウェルター級 5分3R
●川中孝浩(BRAVE GYM)
1R 1分22秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○佐藤生虎(UNITED GYM TOKYO)

▼バンタム級 5分3R
○田嶋椋(OOTA DOJO)
判定3-0
●笹晋久(パラエストラ柏)

▼キャッチウェイト 71.5kg未満契約 5分3R
●近藤有己(パンクラスイズム横浜)
判定0-3
○美木航(NATURAL 9)

▼フライ級 5分3R
○ムハンマド・サロハイディノフ(Katran Gym)
判定3-0
●松井斗輝(パラエストラ柏)

▼フェザー級 5分3R
○Ryo(グランドスラム/RINGS)
3R 0分33秒、腕十字(タップアウト)
●栁川唯人(K-PLACE)

▼フェザー級 5分3R
△髙橋遼伍(KRAZY BEE)
判定1-1
△キム・サンウォン(KOREAN TOP TEAM)

▼フェザー級 5分3R
●亀井晨佑(パラエストラ八王子)
判定0-3
○平田直樹(トライフォース柔術アカデミー)

▼初代アトム級女王決定4人トーナメント1回戦 5分3R
●ジェニー・ファン(AACC)
判定0-3
○SARAMI(パンクラスイズム横浜)
※SARAMIが決勝戦進出。

▼初代アトム級女王決定4人トーナメント1回戦 5分3R
○沙弥子(リバーサルジム横浜グランドスラム)
判定2-1
●V.V Mei(フリー)

▼ライト級次期挑戦者決定戦 5分3R
●粕谷優介(総合格闘技道場CROWN)
判定0-3
○雑賀ヤン坊達也(DOBUITA)

▼バンタム級第5代王者決定戦 5分5R
●河村泰博(和術慧舟會AKZA)
1R 4分45秒、TKO(肩固め→レフェリーストップ)
○透暉鷹(ISHITSUNA MMA)
※透暉鷹が第5代KOPとなる。

▼コーメイン フライ級暫定王者決定戦 5分5R
○伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム/ZST)
2R 3分05秒、TKO(チョークスリーパー→レフェリーストップ)
●有川直毅(K-PLACE)

▼メインイベント ウェルター級キング・オブ・パンクラス チャンピオンシップ 5分5R
●林源平(和術慧舟會IGGY HAND’S GYM)
5R 2分9秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○住村竜一朗(TEAM ON)

ウェルター級KOPは1Rから試合を支配した住村がベルトを獲得!伊藤盛一郎がフライ級暫定KOP戴冠!透暉鷹が復帰戦でのタイトルマッチを制してバンタム級KOPを戴冠し2階級王者王座に!

第1試合


 眞藤は今年のNBTでデビュー。初戦は1ラウンドTKO、2回戦は1ラウンド三角締めで勝ち上がったが、決勝で山﨑製哉に判定負け、準優勝となった。計量にはサンタクロースの帽子をかぶり登場。「いいクリスマスプレゼントを僕の打撃に乗せて相手にぶつけようと思います」と元気に語った。
 対する梅原は2022年より参戦中。ポテンシャルは高そうなナイスガイなのだが、計量ではいツモの元気がなく「明日は頑張ります」と静かなコメント。

 1R。梅原がいきなり飛び込んだ! しかし眞藤がガブる。梅原は回るが、眞藤がバックに回りバックマウントへ。首を狙う。梅原は殴って外したが、ポジションはそのまま。
 梅原はまた殴るが、眞藤が首を入れ直すと極まった! 梅原がタップ。

第2試合


 川中は2011年、DEEPでプロデビュー。PXC、GRACHAN、BRAVE FIGHT、RIZINを歴戦。2022年5月、GRANDウェルター級王座に就く。パンクラスには今年9月に初参戦するも、押忍マン洸太に1ラウンドKO負けを喫した。
 カード発表会見では「泥くさい試合をしてでも勝ちに行きたい」と決意を語っていた。
 一方の佐藤は今年7月に初参戦。伊藤丈皓、渡邉ショーンを1ラウンドTKOで破っている。今回もKOで連勝記録を伸ばせるか。

 1R。プレッシャーをかける川中。両足タックルを仕掛けるが、佐藤に切られてしまう。またタックルに入る川中。佐藤はこれにも付き合わない。
 佐藤が左右パンチを打ち込むと、川中もジャブを返し、プレッシャーをかけていく。しかし、佐藤が左パンチをヒットさせると川中がダウン! すかさずパウンドに入る佐藤。川中は何とか逃れようとするが、打たれ続けて動きがなくなり、レフェリーが止めた。
 佐藤が3戦連続1ラウンドKO勝利!

佐藤 「(マイクを持たされ、少し驚いたような表情)今日も勝ってよかったです。来年ベルト獲りに行くんで応援よろしくお願いします」

第3試合


 田嶋は2021年より参戦し、昨年のNBT同級優勝。同年12月の暫定王座決定戦でTSUNEを降し、デビュー1年半でベルトを巻いた。イケイケのファイトスタイルで勝ち続けてきたが、今年4月の統一戦では正王者・中島太一の圧力に屈し、全く攻められず判定負け。技術だけではない格闘技の怖さを思い知った一戦だった。今回は再びのベルト獲りへ向け、再出発の一戦となる。

 対する笹は今年4月、パンクラス初参戦。田中路教の対戦相手に抜擢されたが判定負け。パンクラス2戦目となる今年9月には、矢澤諒に打撃を出させず、テイクダウンを狙い続けて判定勝ちを収めている。

 1R。お互いジャブ。笹が組むと、田嶋がケージへ押し込んだ。笹カカト。ヒザを入れた田嶋が崩すが、笹はすぐ立つ。ケージへ押し込んだ田嶋が肩パンチ。ボディにヒザを打ち込む。田嶋が押し込むが、降着しブレイクがかかった。
 再開すると、笹が蹴りとパンチで攻め込む。田嶋がパンチをくぐり組むが、笹は離れた、今度は笹がパンチから両足タックル、尻もちをつかせてケージへ押し込む。残り30秒。田嶋は笹の首に腕をかけるが、笹は外した。ここで田嶋が立ち、離れ側にパンチを入れたところで終了。
 ジャッジは3名とも10-9田嶋。

 2R。笹のパンチで下がる田嶋。笹がタックルからケージへ押し込む。しかし田嶋が回ってケージへ押す。笹がボディにヒザ。お互いヒザ、パンチを入れる。田嶋が片足をつかむと逃げた笹、逆に笹が足を抱えてケージへ押す。引き込みたい笹だが、田嶋は引かせない。
 残り1分。田嶋がパンチを入れながら立つチャンスをうかがうが、笹が押し付けて立たせない状態で終了。
 ジャッジは2名が10-9田嶋、1名が10-9笹。

 3R。笹がパンチで出る。さらにタックルを仕掛けるが、田嶋がケージへ押し込んだ。笹が入れ替えたが両者離れる。パンチを振る笹。しかしケージへ押し込んだ田嶋。笹はヒザを入れて入れ替えるが、田嶋振り切って離れた。
 笹がケージへ押し込むと、田嶋は正座状態に。しかし立って入れ替えた。パンチを振る笹。田嶋は組んでケージへ。
 笹が入れ替えたが、田嶋は両足を抱える。笹が立ってケージへ押し込む。殴りたいが打撃を防がれてしまう。ケージ際で首を狙った田嶋、残り1分。笹、頭を抜いた。残り20秒。笹はパンチ、蹴り。田嶋はケージへ押し込んでヒザ。笹は最後の力を振り絞り「オラァ!!」と声をあげて入れ替えたところで終了。
 ジャッジは3名ともに29-28、3-0で田嶋が勝利した。

第4試合


 近藤は4度ベルトを巻いた近藤は、1996年1月、横浜文化体育館でデビューした。以来27年間闘い続けている、まさにレジェンドだ。前戦は今年7月、5年半ぶりの復帰となる佐藤豪則と対戦。判定負けを喫している。

 パンクラス初参戦となる美木は、7年半ぶりの試合。パンクラスは旗揚げの頃から見ていたという。本格的復帰への足がかりとなる一戦だ。

 1R。近藤がパンチでアグレッシブに前に出て行く。美木もパンチを返す。近藤はパンチ。ローでさらに前へ。しかし、美木がゆっくり組んでテイクダウン。ハーフマウント。押さえ込んで細かく殴る。ボディにヒザ。なんとか返そうとする近藤だが、ガッチリ押さえ込まれている。
 残り1分。さらに乗っていく美木。ヒジで顔面を押し、細かく殴る。近藤は立てないまま終了。
 ジャッジは3名とも10-9美木。

 2R。近藤がパンチで前に出るが、美木が組んでテイクダウン。近藤はクローズドガード。立ちたいところだが、美木がボディを殴り、さらに立ってパンチを落とす、すぐサイドを取り顔面に鉄槌。近藤を立たせない。
 残り2分。近藤は相手の右腕を外すが、美木が鉄槌、ヒジを打ち続けて終了。
 ジャッジは3名10-9美木。

 3R。最終ラウンドも打撃で前に出る近藤。プレッシャーをかける美木。近藤のローからの右フックをくぐりタックル、テイクダウン! サイドから抱える。そこからバックを奪い、さらに上に。近藤はクローズドガード。パンチを落とす美木。
 立てないならと、近藤が殴りながら三角を狙うが、これはかなわず。美木はヒジ、ボディブロー。「勝つ勝つ勝つ!!」と言いながら殴る。
 立ちたい近藤。ケージまで移動したいが、なかなか進めない。一方の美木はセコンドに時間を聞く余裕。しかし右目の端から出血している。
 残り1分。なんとかケージまで来た近藤。
 残り10秒で近藤が立ち上がった! パンチを振るが終了。
 ジャッジは3名とも30-27、3-0で美木が勝利。
 ここ何戦かで一番積極的に打撃を出していた近藤だが、テイクダウンから立ち上がることができなかった。

第5試合


 アマチュアIMMAF王者・サロハイディノフは、今年9月のパンクラスでプロデビュー。いきなり5位の秋葉太樹と対戦したが、組みで圧倒、パウンドで衝撃のKO勝ちを収め、パンクラス・フライ級の台風の目となった。間を置かずの再登場だ。

 対する松井も今年初参戦。3月の初戦ではベテラン・佐々木亮太にTKO勝ち、2戦目の7月は8位の大塚智貴に判定勝ちし、ランキング入りを果たした。いきなり5位にランクインしたサロハイディノフを倒し、下剋上するか。

 1R。サロハイディノフがロー。松井もローを返す。サロハイディノフが左パンチ。松井が左ジャブ。サロハイディノフが大きくパンチを振り、あからさまなタックルから片足をつかむ。しかし松井立った。
 サロハイディノフが再びタックル、ケージへ押し込んで尻もちをつかせる。サロハイディノフがさらに投げる! しかし松井は立つ。ケージへ押し込んだサロハイディノフだが離れた。
 サロハイディノフがまたタックル。しかし松井が切った。サロハイディノフが松井のミドルをキャッチしテイクダウン! しかし松井はまた立つ。すかさずケージへ押し込んだサロハイディノフだが、引っこ抜けない。殴って立った松井が振り解いた。左ハイキック! パンチを振っていく。
 サロハイディノフは片足タックルに入るが、逃れる松井。しかしサロハイディノフはバックに回りケージへ。
 残り30秒。引き込んだ松井。離れて立ったサロハイディノフが蹴ったところで終了。
 ジャッジは3名とも10-9でサロハイディノフ。気の強さが滲み出るファイト。

 2R。松井がロー、ジャブ。しかしサロハイディノフがタックル、松井に尻もちをつかせる。松井は立つが、バックに回っていたサロハイディノフが投げを打つ。胴を抱えて崩すが、松井立った。バックに回ったサロハイディノフはヒザを打ち込む。
 サロハイディノフがタックル。しかし松井に切られる。さらにタックルに入るが、松井が切る。松井の片足を取ったサロハイディノフだが、松井は離れる。
 サロハイディノフのタックルが決まらなくなってきた。サロハイディノフは松井の足をつかみケージへ押し込んだ。残り30秒で夏井が離れる。さらにタックルに入るが、松井が切り、バックハンドをヒットさせたところで終了。
 ジャッジは3名ともに10-9サロハイディノフ。

 3R。松井がワンツー! さらにボディ! サロハイディノフは蹴りからタックルに入るが、松井がケージへ押し込む。しかしサロハイディノフが投げた! バックを奪う。バックマウントになるが、立って離れた。
 サロハイディノフがパンチから片足タックル。ケージへ押し込む。なんとか立った松井。しかしサロハイディノフはケージへ押し込んでヒザ連打。さらに投げ。松井は立つが、サロハイディノフがバックを取る。正対した松井。サロハイディノフが投げ、片足をつかんで離さない。
 両者離れて、松井がパンチで出るが、サロハイディノフが組んでケージへ。足を抜いて離れた松井だが、サロハイディノフはさらに組みにいく。ここで終了。
 ジャッジは3名ともに30-27、3-0でサロハイディノフが勝利。
 2Rからタックルを切れるようになった松井だったが、サロハイディノフのしつこさに、攻めるまでに至らなかった。サロハイディノフの、恐ろしいまでの勝利への執念!

第6試合


 第3代THE OUTSIDER 75-70kg王者・Ryoは2020年より参戦中。2021年には透暉鷹にフロントチョークで一本勝ちするも、次戦で中田大貴に判定負け。そのあと、昨年は3連敗を喫している。昨年12月大会より、リバーサルジム横浜グランドスラム所属としても闘っており、そろそろその成果を見せたいところ。

 栁川唯人は2022年プロデビュー。今年のNBTで優勝を飾っている、今後のパンクラスを面白くしてくれそうな期待の若手だ。

 1R。お互いロー。Ryoはパンチを振るが、お互い距離をとっている。栁川ロー。プレッシャーをかけ合う両者。組みに行ったRyo、栁川ガブった。ケージへ押してヒジを打ち込む。Ryoはヒザ。Ryoは回るが、栁川がさらに回ってケージへ押し込む。入れ替えさせない栁川、組み力が強い。さらに投げ! 立とうとするRyoだが栁川ガブった。ケージへ押していき跳びヒザ! 跳びヒザを返したRyoが「来い!」のジェスチャー。
 残り30秒、Ryoがパンチ、近距離でのバックハンド! 栁川もパンチを打って終了。
 ジャッジは3名10-9で栁川。

 2R。Ryoが蹴り、バックハンドから組み付き、バックを奪いバックマウント。細かく殴りながらチョークを狙う。しかし、向き直った栁川が三角絞めを仕掛けた! これを外したRyoはパンチで攻める。
 栁川は入ってきたRyoをガブって立つと、殴って離れる。Ryoパンチ。栁川もパンチかと思いきや組んでケージへ。バックを取っているが正対して再びケージへ押し込む。
 入れ替えたRyo、さらに入れ替えた栁川。パンチから投げて上に。さらにバックに回って殴る。残り2分。栁川は細かく殴って立たせない。なんとか返したRyoが上になるが両者立つ。
 パンチから栁川が投げ、すかさず組んでケージへ。お互いヒザを打ち込んで終了。
 ジャッジは2名が10-9 Ryo、1名が10-9栁川。

 3R。Ryoがフック。これをかわした栁川が組み付いた。さらに投げてテイクダウン、バックに回る。しかしRyoがこれを前へ落とし、すかさず腕十字! なんとか逃れようとする栁川だが、Ryoが表に返して腕を伸ばすと、栁川がタップ。Ryoが大逆転の勝利を収めた。

Ryo 「皆さん、今日はパンクラス30周年に来てくださって、ありがとうございました。日本の格闘技は、パンクラスが一番なんです。だから皆さん、応援してください。
 自分はグランドスラムでずっと練習してきて、みんなに見せたい、言いたいことは、最後の1秒まで諦めちゃダメだってことなんだよ! 支えてくれた皆さん、今日はありがとうございました。またこの後、試合もっと熱いのが続くので、応援してください。ありがとうございました」

第7試合


 修斗環太平洋王者・高橋がパンクラスに電撃参戦! 2019年からONEに参戦していたが、しばらく試合が組まれず離脱。今回は1年3ヶ月ぶりの試合。新天地・パンクラスで復活を目指す。

 一方のキムはパンクラス2度目の参戦。前戦は今年11月で、名田英平を判定で破っている。短いスパンでの参戦となったが、どのような闘いを見せるのか。

 1R。高橋が左ハイ、キムはワンツーを打っていく。髙橋もパンチで前に出ていく。ミドルキックも混ぜ、上下と単調にならず攻撃。キムがパンチ、首を抱えた高橋だが、キムがケージへ押し込んだ、お互いヒザ。さらに入れ替え合う。ケージの中ほどに移動したところで終了。
 ジャッジは2名が10-9髙橋、1名が10-9キム。

 2R。お互いジャブ、ロー。高橋は右目尻から出血している。キムがハイキック、ロー。キムが組むが、回って離れた高橋。両者パンチを出し合っていく。
終盤は高橋がパンチをたたみかけて終了。
 ジャッジは2名が10-9キム、1名が10-9高橋。

 3R。開始直後にタイムストップがかかる。1Rで起こった偶然のバッティングによる高橋の目の負傷で、続行不可能と判断されドクターストップ。2Rまでの採点で勝敗を決めることとなった。
 ジャッジは、高橋とキムにそれぞれ1名、残りの1名はイーブンということで、結果はドローに。
 1Rで起こったアクシデントで、2R初めから高橋は出血していた。それなのに3R で止め、ドローというスッキリしない結果となった。

第8試合


 亀井は2017年にパンクラスで往路デビュー、翌2018年NBTで優勝している。2022年には透暉鷹との暫定王者決定戦に臨むもチョークで一本負け。今年に入り、透暉鷹を苦しめたパン・ジェヒョクとの対戦を経て第10代王座決定戦に臨むも、新居すぐるにレッグチョークで一本負け。
 透暉鷹、新居というグラップラーに続き、今度の相手もまたグラップラーで試練の一戦。組み技にも重点を置いて練習してきたという亀井、その成果を見せることができるか。

 対する平田は今年4月にパンクラス初参戦。ここまで3連勝で波に乗る。小柄あだが組み力の強さは一級品。ここで勝てば、タイトル挑戦に一歩近づく。亀井の打撃をどう凌ぐか。

 1R。亀井が左ハイキック。慎重に距離を取りパンチ。さらに左ミドル。しかし平田が組んでケージへ押し込んだ。亀井の片足を両足ではさんでいる。
 じわじわと立とうとする亀井だが、平田がゆっくり上に。さらにマウントを奪いパウンド。
 亀井が片足を抜くと、平田は小さく叩きつける。苦しい亀井だがハーフに戻す。
 残り1分、亀井が脱出してケージへ押す。残り30秒、正対した平田がチョークを狙う。極まりそうだが、亀井が耐え切った。
 ジャッジは3名10-9で平田。

 2R。プレッシャーをかける亀井。やはり慎重に距離を取りながらパンチ、蹴りを出していく。平田は少しずつ距離を詰めてタックル! 振り切ろうとした亀井だが振り切れず平田がテイクダウン! 力が強い。
 亀井はガードで細かく殴る。平田はヒジを落としながらケージへ持っていく。亀井の苦しい時間が流れていく。平田が肩パンチ。
 残り1分。ボディを細かく殴る亀井だが、平田がサイドに移行、さらにマウント! 残り20秒で平田が首を狙うが、時間がない。平田は離してヒジを落とす。終了。
 ジャッジは3名10-9平田。

 最終ラウンドも、亀井は距離を取りジャブ、ロー。組み付かれないよう注意しながら早い段階で打撃を倒したいところ。さらにジャブ、蹴りを出していく。
 平田がタックルに入るが、切った亀井。再び平田がタックル。これは切りきれなかったが、すぐ立った亀井。しかし、平田がケージへ押していき、倒して上に。細かく殴る亀井。
 残り2分。平田はハーフマウント。殴る亀井だが、返せない。残り1分。立ちたい亀井だが、平田はケージへ持っていく。残り30秒、平田がヒジを落とすが終了。
 ジャッジは3名とも30-27、 3-0で平田が勝利。

 平田は一本は取れなかったものの、テイクダウン後、一度も脱出させず、組みの強さ、テイクダウン力を存分に発揮した。
 亀井は予想して対策を練ってきただろうが、平田の組みを返すことができなかった。打撃で倒したいという亀井には試練のとき。悔しい結果となったが、落ち込んでいる暇はない。課題は明らか。2024年はさらに成長した姿を見せてほしい。

第9試合


 初代アトム級クイーン・オブ・パンクラシスト決定トーナメントの1戦。
 1位のジェニーは台湾出身で、日本語学校に通いながらAACCで練習を積んでいる。ONEにも参戦しており、トーナメント別枠のV.V Meiとも対戦経験がある。パンクラスには昨年12月に初参戦、沙弥子にチョークで一本勝ちしている。

 パンクラス初参戦のSARAMIは第2代修斗女子世界スーパーアトム級王者。11年のキャリアを誇り、RIZINにも参戦している。今年5月、修斗で防衛戦に臨むもKO負けを喫した。新天地・パンクラスで2本目のベルトを手に入れるか。

 1R。ジェニーがパンチで出る。SARAMIもパンチ。ジェニーが組むが、すぐ離れてパンチ。SARAMIはジェニーのパンチを潜ってタックル、ケージ際で尻もちをつかせる。立ったジェニーだが、SARAMIは崩して上に! ハーフマウントから殴る。
 立ち上がりたいジェニーだが、SARAMIはガッチリ押さえて立たせない。細かく殴っているジェニー。SARAMIが上をキープして終了。
 ジャッジは3名とも10-9 SARAMI。

 2R。体を振るジェニー。SARAMIがタックルを仕掛けるが、これは切られた。SARAMIが再度タックル、テイクダウン! ハーフマウント。ボディ連打。
 ジェニーはエビで返そうとするが、SARAMIは立たせない。回りながら殴流。
 残り2分。なんとか立とうとするジェニーだが、SARAMIは逃さない。やっと立ったジェニーだが、SARAMIはバックを取っている。ケージへ押し込んで蹴る。苦しいジェニー。残り3秒ほどで何とか離れたが、SARAMIがパンチを打って終了。
 ジャッジは3名10-9 SARAMI。

 3R。苦しそうなジェニー。焦りが表情に出ている。ジェニーのパンチをかわしてSARAMIがタックル、テイクダウン! ケージを使って立とうとするジェニー。SARAMIは顔面、腹を殴る。何とか立ったジェニーだが、バックを取られている。苦しい。
 足をかけて田遅しとするSARAMI。ジェニーはヒザをつくがすぐ立つ。いったん離れるが、SARAMIはすぐに組んでケージへ。ジェニーが突き放した。
 お互いパンチ。SARAMIが組んでケージへ押すが、崩せず。大きくパンチを振るジェニー。
 残り20秒、打ち合うが終了。
 ジャッジは3名30-27、3-0でSARAMIが危なげなく勝利。リードしていても、ブザーが鳴る瞬間まで闘う気迫が素晴らしかった。

第10試合


 初代アトム級クイーン・オブ・パンクラシスト決定トーナメントのもう1戦。
 2位の沙弥子は2019年パンクラス初参戦。ホン・イェリンに判定勝ちを収めたが、その後ブランクを経て2022年9月に復帰、藤田よきにアームロックで一本勝ちを収めた。次戦ではジェニー・ファンに一本負けを喫したものの、今年7月の前戦ではMIYUに判定勝利。満を持してベルト獲りに挑む。

 V.V Meiは第3代JEWELSアトム級王者、元VALKYRIEフェザー級王者。ONE、RIZINにも参戦した女子格闘家のレジェンドだ。パンクラスにも参戦経験があり、2011年4月にWINDY智美と女子初のメインイベントで判定勝ち、翌4月にベティコに腕十字で勝利している。今回は12年ぶりの参戦。「負けたら引退」を宣言してのトーナメントエントリーとなる。

 1R。沙弥子がローを蹴っていく。Meiがパンチ。沙弥子ワンツー。プレッシャーをかけるMei。パンチを振った沙弥子がスリップすると、Meiがすかさず組んでケージへ押し込む。沙弥子がボディ連打、入れ替えてヒザ。パンチを入れて離れた。
 Meiが組んでバックに回りチョーク! これは外れた。起き上がりたい沙弥子だが、Meiは押さえこみ、パウンドを落として終了。
 ジャッジは1名が10-9沙弥子、2名が10-9Mei。

 2R。お互いパンチ、ロー。Meiが片足タックルからバックを奪う。速い! そのままチョークを狙うが、沙弥子が外した。殴りながら首を狙っていくMei。バックをキープしたまま逃さない。
 残り2分。沙弥子が殴り、腿にヒジを落とすが、脱出できない。Meiはガッチリ捕らえている。
 残り1分。沙弥子がエビで少し回ったが、それでもMeiは逃さない。残り30秒で沙弥子が上に! パウンドを落とす。Meiは腕を狙うが終了。
 ジャッジは1名が10-9沙弥子、2名が10-9Mei。

 3R。お互い笑顔を見せる両者。パンチを打つ。Meiがタックルに入るが沙弥子が切った。Meiが右のパンチを大きく振ると、沙弥子が楽しそうにパンチを返す。Meiがタックルに入るが、沙弥子は付き合わない。Meiはタックルに入りにくそう。
 沙弥子がパンチ。Meiが組んでケージへ押し込んだ。お互いヒザを入れ合う。残り2分で離れた。
 パンチで攻め込む沙弥子だが、Meiが組んでテイクダウン! 残り60秒。沙弥子が立つが、Meiがケージへ押す。蹴って離れた沙弥子。
 残り30秒。Meiがパンチから組むが、沙弥子がケージへ押し込んだ。離れてMeiがパンチ。楽しそうな表情のままブザーを聞いた。
 ジャッジは2名が29-28沙弥子、1名が29-28Mei、2-1のスプリットで沙弥子が決勝へ勝ち上がった。

 この結果、決勝はSARAMI VS沙弥子に決定。

第11試合


 ライト級王座次期挑戦者決定戦。
 UFCを経験してきた粕谷は2017年よりパンクラスに参戦中。フェザー級で2戦したあとライト級に階級変更。直近では平信一、岡野裕城、葛西和希から3連勝し、波に乗る。

 対するヤン坊はFighting NEXUSでプロデビュー。パンクラスには2019年7月より参戦中で、2020年9月、林源平を破りライト級暫定王者となる。翌2021年12月、正王者・久米鷹介との統一戦に挑むが敗退。パンクラス初の黒星となった。
 その後は松岡嵩志、シュウジ・ヤマグチに2連勝中。再びのベルトを目指して闘う。

 1R。いきなりタックルに入った粕谷だが、ヤン坊が組んでケージへ。肩パンチ。粕谷が投げるが、ヤン坊が上となる。粕谷が立ち、ケージへ押し込むとお互いヒザを入れ合う。ボディを殴る粕谷。
 粕谷が顔面、ボディを細かく殴るが、ヤン坊が入れ替える。ここで、残り1分でブレイクがかかった。
 再開。粕谷がミドルを放つと、ヤン坊はパンチラッシュ! 粕谷は両足タックルに入るが、ヤン坊が潰した。残り30秒、粕谷が立つ。ケージ際ではなく、体の力だけで立ち上がる力が素晴らしい。そのままケージへ押し込むが、ヤン坊が入れ替えて殴ったところで終了。
 ジャッジは3名10-9でヤン坊。

 2R。粕谷が低いタックル。座っている状態で倒れないヤン坊。粕谷はケージへ押し込む。お互い細かく殴る。粕谷が立ち、ケージへ押し込む。
 残り2分。粕谷が崩すが、ヤン坊はすぐに立ち入れ替えた。粕谷がさらに入れ替えてヒザ。ここでブレイクがかかった。
 再開。粕谷がフェイントをかける。ヤン坊の右パンチがヒット! 粕谷効いた。さらに右パンチ。粕谷が組みにきたところにヤン坊がチョーク! しかし、極マラず終了。
 ジャッジは3名とも10-9ヤン坊。

 3R。プレッシャーをかける粕谷。パンチで出るが、ヤン坊のパンチで下がる。粕谷、タックルに入るがヤン坊がガブる。さらに押さえ込んで殴るヤン坊。粕谷が下から腕を狙うが、これは極まらず。ヤン坊は粕谷を立たせず殴る。
 残り1分。一気に立とうとした粕谷だが、ヤン坊に押さえられる。上体を起こしたヤン坊。粕谷が下から殴る。鉄槌を落とすヤン坊。残り20秒、ヤン坊のパウンドラッシュで終了。「しんどいな! しんどい」と口にするヤン坊。
 ジャッジな3名とも30-27、3-0 でヤン坊が勝利。
 負けた粕谷が、ヤン坊の手を取り高く挙げた。

第12試合


 バンタム級KOP決定戦。
 1位の河村のパンクラス初参戦は2015年2月。以来パンクラスを主戦場としてきたが、2021年からFighting NEXUSに闘いの場を移し、2戦目でバンタム級王座を獲得した。
 今年9月、NEXUSのベルトを持ちパンクラスに凱旋。当時1位の井村塁を1Rフロントチョークで破り、タイトルマッチの切符を手にした。

 対する透暉鷹は元フェザー級KOP。しかし、昨年12月のパン・ジェヒョク戦後、ケージを遠ざかっていた。その間、手術をし、階級をバンタムに変更。カード発表会見では、河村の「復帰戦、バンタム初戦でタイトルマッチをやれるなんて、いい身分ですね」と揶揄されたが、涼しい顔で受け流した。「コンディションはバッチリ」という透暉鷹。フェザー時代以上の動きを見せるか。

 1R。透暉鷹が左ハイキック。タックルからテイクダウン! サイドにつく。河村が足関を狙うが、透暉鷹は抜けて再びサイドへ。透暉鷹が立つと、河村が下から足を狙う。足をガッチリはさむが、透暉鷹は素早く回って上に。
 透暉鷹がハーフマウント。肩固めに入る。耐えている河村。しかし、透暉鷹がさらに絞めると落ちた! 透暉鷹がフェザー級に続き、2階級王者となった。

透暉鷹「皆さん、応援本当にありがとうございました。対戦してくれた川村選手も、本当にありがとうございました。
 昨日もちょっと会見の時にも言ったんですけど、パンクラスを代表して一言言わせてください。パンクラスなめんなよ!
 河村選手もすごいいい人なんですけど、盛り上げるためにいろいろ言ってくれてて、盛り上がったんで、本当にありがとうございました。
 そして、フィニッシュできてよかったです。1年ぐらい空いちゃって、手術もして、階級も変更して、サポートしてくれた練習仲間とか周りの方たちに本当に感謝してます。
 これから世界で活躍できるような選手になるんで、皆さん自分についてきてください。これからも応援よろしくお願いします。ありがとうございました」

第13試合


 フライ級暫定王者決定戦。正王者・鶴屋怜がRoad To UFCに参戦中のため、この試合が組まれた。

 「七色のチョークを持つ男」伊藤は第3代ZSTフライ級王者。パンクラスには昨年より参戦。上田将竜、秋葉太樹をいずれもチョークスリーパーで倒している。
 今年6月の秋葉戦の後、タイトル挑戦をアピール。試合が実現した。

 対する有川は2019年より参戦中。直近では今年4月、コルトン。ィエルバサにTKO勝ち。デビューはZSTで、伊藤とは旧知の仲。一緒に練習したり、同じ大会に出たりしたこともあるという。
 30歳、同い年同士の対決。

 1R。プレッシャーをかける有川。伊藤は寄ってパンチ。有川もパンチを放つ。
 伊藤がタックルからケージへ押し込んで殴る。が、両者離れる。離れ際に有川がヒザ。伊藤が右パンチ。
 伊藤の足をキャッチして殴る有川。しかし離れる。伊藤がローからパンチラッシュ! ケージへ押し込む。有川がヒザを入れて離れた。
 パンチで攻める伊藤。有川はタックルに入れない。伊藤がタックル。有川が上になるが、殴って立った。
 さらにパンチで出る伊藤。タックルからケージへ押し込んでいく。立ちたい有川だが、伊藤は殴って立たせない。
 ケージ際で首を狙う伊藤だが、これは極まらず、腕十字へ。しかし終了となる。
 ジャッジは3名とも10-9伊藤。

 2R。有川がパンチ。伊藤はロー、パンチ。さらにパンチで前に出て崩す。有川は尻もち状態。伊藤は腿にヒジ。細かく殴る。有川はボディを殴る。
 伊藤が片足をパス、さらにマウントへ。流れるようにバックを奪い、ヒジを落としてチョーク! 完全に極まり、有川が落ちた。
 伊藤が一本勝ちでフライ級暫定王座を獲得した。

伊藤「ありがとうございます! ずっと連敗して勝てない時期もありましたけど、家族やジムの仲間が支えてくれたおかげでここに戻ってくることができました。ありがとうございました。
 前半の、うちの選手2人(Ryo、沙弥子)がすごくいい試合したんで、すごいプレッシャーだったんですけど、勝ててよかったです。
 ちょっとまだ泣いてるんですけど、でも暫定なので、ここで気を緩めずに、さらに気を引き締めて 練習を頑張って、ちゃんとパンクラスを背負って、チャンピオンですと胸を張って言えるように、これからも頑張ります」

第14試合


 ウェルター級KOPチャンピオンシップ。
 第15代王者・林は2013年よりパンクラスに参戦しているパンクラス育ち。今年6月、村山暁洋との王者決定戦で判定勝ち、選手生活10周年の記念イヤーにKOPとなった。パンクラスや、パンクラスのベルトに思い入れがある分、カード発表会見では、肩の力が抜けすぎている住村に対してイラつく場面も、何としても勝ちたい一戦だ。

 DEEP、RIZIN を歴戦してきた住村は第9代DEEPウェルター級王者。パンクラスには2015年、2017年にスポット参戦しているが、本格参戦は今年7月から。草・MAXに判定、藤田大にTKOで勝利している。「ベルトを目指すことは格闘技へのモチベーション」と語った住村。林の打撃を避け、塩漬けにできるか。

 1R。開始直後、住村が低くゆっくり組んでテイクダウン。林は立ったが、住村がバックを取っている。ヒザを入れ、足をかけるが倒せない。離れたい林だが、住村は逃さずヒザ連打。正対した林が入れ替えて離れた。
 住村がパンチから片足タックル、ケージへ押し込む。そのまま林をガッチリ捕らえ、コツコツとヒザを入れていく。住村がこのままキープして終了。
 ジャッジは3名ともに10-9住村。

 2R。林がパンチを出していく。住村が低いタックルからテイクダウン。サイドに回り肩パンチ。さらにハーフマウントへ移行し、細かく殴る。逃れたい林。住村はバックに回るが、林が住村を背負って立った。住村はボディを殴る。カカト、ヒザを打っていく。林が離れた、
 住村がタックル。林が切る。住村が再びタックルに入るが、林が切ったところで終了。
 ジャッジは3名10-9住村。

 3R。住村が前蹴り。林が右ボディブロー! 住村がタックル、林が切る。住村が再びタックル。林はこらえるが、住村はケージへ押し込んでいく。住村投げたが、林が立ってパンチを繰り出す。住村もパンチを返すが、タックルからテイクダウン! ハーフマウント。林は立つが、バックを取られている。正対する林。
 いったん離れて、林が放ったローがローブローに。タイムストップ。
 1分ほどインターバルを取った後、再開。
 住村がローからテイクダウン。林はクローズドガード。コツコツ殴る住村。林も下から殴る。残り20秒で林が立つが、住村はバックを取っている。離れた林がジャンプして蹴る。終了。
 ジャッジは3名とも10-9住村。林は別れ際、住村を鋭い目つきで睨んだ。

 4R。住村が左ミドル。林がパンチ。住村が組みにいく。なぜこんなに簡単に? と思ってしまうほど、すんなり組まれる林。バックを取った住村がケージへ押し込む。正対した林が入れ替え。
 しかし、住村は崩して潰した! 肩パンチを打ちながらサイドに回る。住村はさらに鉄槌でコツコツ攻めていく。立ちそうな林だが、は叩きつけるように投げて上に。
 住村、さらにサイドから押さえ込む。起き上がれない林。残り20秒で住村がマウント!ヒジ、パウンドを連打して終了。
 ジャッジは3名とも10-9住村。

 ついに最終ラウンド。林はKOか一本を取らなければベルトを失ってしまう。
 林がパンチ。住村がパンチから低いタックル、テイクダウン! 林は立つが、住村が足をつかんでいる。投げて上に。ボディ、肩パンチからマウント、さらにヒジ連打!
 上体を引きつけた林だが、動けない。住村はバックムントからマウントへ移行し、パウンドラッシュ! 林の動きがなくなりレフェリーが止めた。
 1Rから試合を支配し続けた住村。判定になるかと思われたが、最後はTKOでベルトを奪った。

住村「こんにちは! 住村竜一朗です。すごく悔しい思いをした時もありましたけど、こうやって今日まで来て、それを形にできたことがすごく嬉しいです。何か1つでも一生懸命取り組めば、えー、こうやって良いことがあるんだなと今日思いました。本当に応援ありとうございました」

 今大会では、寝かされて返せず、そのまま勝敗が決まる試合が多く、グラウンドの力量に差があることが浮き彫りになった。倒されて何もできない試合は、見ていていたたまれない気持ちになってしまう。
 打撃が強くても、それだけでMMAは闘えない。倒されたときの対処、また倒されないための工夫が必要だ。勝負は力が拮抗していてこそ見応えがあるものだ。改めてMMAの難しさを感じるとともに、負けてしまった選手たちの一層の奮起に期待したい。
 また、初代アトム級女王決定トーナメント決勝の組み合わせ決定、ライト級次期挑戦者決定、そして3人の新王者戴冠と、今後へつながる試合も盛りだくさんだった。31年を迎える2024年も、パンクラスから目が離せない!

(写真・分/佐佐木 澪)

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