【試合詳細】12・15 PANCRASE351 ニューピアホール大会 【フェザー級KOP】平田直樹vs三宅輝砂 猿飛流vsジョセフ・カマチョ 寺岡拓永vs船田電池
『PANCRASE 351』
日程:2024年12月15日(日)
会場:東京・港区 ニューピアホール
開始:17:10
【試合結果】
▼第1試合 フライ級戦 5分3R
○水戸邉 荘大(TRIBE TOKYO M.M.A )
判定3-0
●小林了平(SONIC SQUAD)
▼第2試合 ライト級戦 5分3R
○平 信一(綱島柔術/ZST)
2R 3分22秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●張 豊(Tri.H.Studio/頂柔術)
▼第3試合 ストロー級戦 5分3R
○リトル(HIDE’S KICK!)
判定3-0
●織部修也(CAVE)
▼第4試合 65kg契約 5分3R
○合島大樹(ROOTS)
判定3-0
●安藤武尊(和術慧舟會AKZA)
▼第5試合 ストロー級戦 5分3R
●寺岡拓永(ROAD MMA GYM)
判定0-3
○船田電池(和術慧舟會HEARTS)
▼第6試合 コーメイン フライ級戦 5分3R
●猿飛流(リバーサルジム川口REDIPS)
2R 0分48秒、チョークスリーパー(タップアウト)
○ジョセフ・カマチョ(Spike22)
▼第7試合 メインイベント フェザー級キング・オブ・パンクラス チャンピオンシップ 5分5R
●平田直樹(トライフォース柔術アカデミー)
1R 1分22秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○三宅輝砂(ZOOMER)
※三宅が第11代王者に。
千載一遇の好機を掴んだ三宅がフェザー級KOP戴冠!カマチョが猿飛流との激戦を制し勢いに乗る連勝!船田電池が改名後初試合で快勝!
第1試合
水戸邉は2022年より参戦中。昨年は試合がなかったが、今年5月に復帰戦で勝利。しかし、8月、ジョセフ・カマチョに一本負けし初黒星。巻き返しを狙う。
対する小林はFighting NEXUSでプロデビューし、昨年よりパンクラスに参戦中。パンクラスデビュー戦は黒澤亮平にKO負け。しかし、前戦、今年6月には大野友哉に判定勝ちしている。
1R。お互いプレッシャーをかける。小林の右で水戸邉が尻もちをつくと、小林がパンチでたたみかける。しかし水戸邉が組んでケージへ押し込みテイクダウン! ハーフマウントに。ヒジを落とす。徐々に立ちあがろうとする小林。背負って立とうとするが、水戸邉はバックに回りチョークを狙う。しかし、決まらず終了。
ジャッジは3名とも10-9水戸邉。
2R。小林が左右ジャブで出る。水戸邉はタックルに入れない。しかし、組んでケージへ押し込んだ。尻もちをつかせた水戸邉。しかし小林は脱出し立つ。
水戸邉がヒザ、ローから組んでケージへ押し込む。投げてテイクダウン。ハーフマウントからヒジ、鉄槌を落とす。小林はガードポジションから殴る。水戸邉がパウンド。小林はヒジを入れてカットするが終了。
ジャッジは3名ともに10-9で水戸邉を支持。
3R。あとがない小林、左右ジャブで出る。しかし、水戸邉に組まれ、ケージへ押し込まれてしまう。離れた小林。ロー、ジャブ。水戸邉は左目の端あたりをカット。出血している。
水戸邉が組んでケージへ押し込むが、小林はこらえて離れた。水戸邉が出てくるところにパンチを合わせようとする。さらに水戸邉が組みに来たところにヒザを合わせる。倒したい水戸邉、こらえる小林。
水戸邉がまた組んでケージへ押し込んでいく。小林が入れ替え、ボディにヒザを打ち込む。倒したい水戸邉だが、小林が投げてパウンド連打! さらにバックマウントに。一瞬チョークを狙うも、パウンドに切り替える。脱出したい水戸邉。しかし、小林がバックをキープ。小林が下になり、三角を狙ったところで終了。
ジャッジは3名とも29-28、3-0で水戸邉が勝利。1R、2Rは攻勢だった水戸邉だが、ダメージもあってか3Rでは精彩を欠いた。しかし、しのぎ切っての勝利。逆に、小林は1R。2Rではペースをつかめなかったが、3Rの追い上げと気迫が素晴らしかった。両選手とも、次戦が楽しみだ。
第2試合
“暴走柔術”こと平は2019年より参戦中。5勝7敗と黒星がやや上回るが、強烈なキャラクターで強い印象を残している選手。現在3連敗中で、前戦は今年7月の鈴木悠斗戦。今回も若い選手相手だが、もう負けられない。ベテランの意地を見せるか。
対する張は、これが初参戦。柔道、レスリング、柔術をバックボーンに持つ。グラップラー同士の対戦となる。
1R。パンチを振って出た平。そのままタックルに入ると、張はガブる。そのまま推していく平。頭部にヒジを落とす。殴り、足を取ろうとするが、外した張。パンチを入れる。立とうとする平を押し倒す張。
しかし、平が立ってバックに回りヒザ。片足をかかえて投げる。平はバックにつく。しかし、前に落として張が上に。ボディを殴る。残り10秒で平が上を取り返し、パウンドを落としたところで終了。
ジャッジは3名ともに10-9張。
2R。プレッシャーをかける平。右テンプルにパンチをヒットさせる。さらに右フック、アッパーとパンチを振っていく。さらにヒザ。バックにつきさらに殴る。立ち上がった張だが、平はヒザから投げ。再び立つ張だが、平はバックを取りケージへ押す。片足をつかみ、引いて上に。殴る。
平がバックに回りバックマウント。殴る。張は反転するが、平は逃さずマウントに。平がパウンド連打し、レフェリーが試合を止めた。平が3年ぶりにKO勝利。
《平 ケージ上コメント》
「ああ、勝ったぞ! でも投げてない。負け! 次、松本(光史)選手とか、どうですかね、復帰戦。無理だったら、ダンプ松本連れて来い!」
第3試合
リトルは2014年より参戦中。コンスタントに試合を行い、今年4月にはしとロー級暫定王座を黒澤亮平と争い敗れた。今回は復帰戦となる。
一方の織部は昨年8月にパンクラス初参戦。今年はNBTで準優勝。NBT後の初戦は8月で、米山雅人に判定勝ちしている。
両選手はパンクラス元バンタム級王者・石渡伸太郎に関わりがある。リトルは元GUTSMAN所属で、石渡の後輩にあたる。織部は現在、石渡のもとで練習に励んでいる。リトルは石渡が現役時代に使っていた入場曲で入場した。
1R。リトルがタックルからヒザ。離れてお互いロー。リトルが再びタックルからケージへ押し込んだ。入れ替える織部。リトルがヒザを入れ離れる。お互い、ロー、ミドル。織部がパンチで出ると、リトルが首相撲に取りヒザ。
しかし織部がケージへ押し込んだ。ヒザ連打。リトルガ離れた。お互い蹴り、パンチを出し合って終了。
ジャッジは3名ともに10-9でリトル支持。
2R。リトルがローから片足タックルへ。織部は付き合わない。両者打撃は出すものの、大振りになりなかなかヒットせず。また、グラウンドの展開にもならない。
残り1分で織部が片足をつかみケージへ押す。リトルはボディを殴る。リトルが離れて、両者パンチ、蹴りを出して終了。
ジャッジは3名とも 10-9リトル。
3R。リトルがタックル。織部はこらえ、離れる。リトルが織部のパンチを掻い潜ってタックルに入るが自ら離れた。リトルがバックスピンキック。ポイントを取れていない織部だが、攻め手がない。
リトルが左右パンチ、前蹴り。織部がバックハンドブロー。しかしヒットしない。
残り1分半、織部がタックル、テイクダウン! パウンド、ヒジを落とす。リトルはガードポジション。パウンドを落とす織部だが、リトル立った。織部がケージへ押すと、残り20秒、ケージ際で激しい打ち合いに。終了。会場から大きな拍手が湧き起こった。最後の打ち合いはリトルが押していたか。
ジャッジは3名30-27、3-0でリトルが勝利。
第4試合
合島は 2014年より参戦。コンスタントに試合をしていたが、2018年11月の原田惟紘戦を最後にパンクラスから遠ざかっていた。しかし、佐藤ルミナのROOTSに移籍し、今年9月、6年ぶりに復帰。小原統哉をTKOで下している。
安藤は昨年9月、パンクラス初参戦。ともにプロデビュー戦のアマチュアエリート・山口怜臣に判定勝利している。前戦は今年9月で、ギレルメ・ナカガワに判定勝ち、
この試合は、当初、合島VS山本歩夢で組まれていたが、山本が交通事故のため欠場、安藤が急きょ代理出場することに。試合直前のオファーため、安藤の減量が間に合わず、キャッチウェイトでの試合となっている。
1R。プレッシャーをかける合島。安藤はロー。合島がジャブ。安藤がタックルに入るが、合島切った。しかし、安藤は片足をつかみ、バックに回ってケージへ押し込む。ヒザ連打、さらに投げる。
合島すぐに立った。安藤はバックを取ったまま。合島蹴って離れた。
安藤タックル。合島は顔面にパンチ。ブレイクがかかった。
安藤がタックル。ケージへ押し、殴るが離れる。合島、左右パンチ。安藤が右ハイキックからタックルに入るが、合島は切る。入って来ない合島。安藤立つ。その後も安藤は果敢にタックルを試みるが、合島は付き合わない。さらに安藤タックル。合島は首相撲に取りヒザ連打。合島がパンチで入ったところで終了。
ジャッジは3名とも10-9合島、
2R。安藤がロー。これが軽くローブローとなり、タイムストップ。ごく軽いモノだったたため、すぐ再開された。
安藤が組むと、合島がヒザ。安藤はケージへ押していくが。離れる。安藤がタックルに入るが、合島は付き合わない。展開がなくブレイクがかかる。
合島のジャブで安藤がスリップ気味にダウンしたが立つ。合島はパンチを入れていく。安藤が片足タックルに入るが、付き合わない合島。終了。
ジャッジは3名とも10-9合島。安藤は上手くかわされ、やりたいことをやらせてもらえない。最終ラウンドで打開できるか。
3R。安藤パンチ、バックヒジ。合島もジャブを振る。安藤、跳び蹴りからバックハンドブロー。安藤のローがローブローとなりタイムストップ。すぐ再開される。
安藤はジャブを出しながらタックルを狙うが入れない。合島は間合いを保ち、自分のペースでパンチを入れている。しかし合島はここまでほとんどもらっていないが、ややパンチをもらい始めているか。安藤は止まらずパンチを振って前に出る。右フック。両者、鼻から出血している。終了。
ジャッジは3名とも30-27、3-0で合島が勝利。お互い譲らない闘いだったが、合島のキャリアが上回った。
第5試合
寺岡は昨年のNBT優勝者。NBT後の第1戦では、ベテラン・リトルに判定負け。今年に入って氏原魁星に判定勝ちしているが、前戦7月には高島俊哉に判定負けを喫している。連敗は避けたいところ。
船田は今年のNBT優勝者。NBT後第 1戦では野田遼介を判定で下している。今回から「船田電池」とリングネームを変えて参戦。由来は、ずっと動き続けるファイトスタイルから。名付け親は師匠の大沢ケンジ・HEARTS代表とのこと。
1R。船田が走り出るとジャブに打ち合いに。離れると船田がタックルからテイクダウン! 殴る。立ちそうな寺岡をギロチンに取った。立とうとする寺岡。船田はそんままケージへ移動していく。
寺岡立った。船田は片足を抱えている。ヒジを劣る寺岡だが、船田は寺岡に尻もちをつかせた。寺岡が回ってカメになると、船田バックマウント。腕を狙う。背負って立ち上がる寺岡、船田の腕を狙っている。
船田が寺岡の腕を外し、おぶさったままバックチョークを狙う。パンチを入れながら狙っていく。船田は後ろに倒れてそのまま絞める。耐える寺岡。決まったと思われたが、ブザーが鳴り終了。
ジャッジは3名とも10-0船田。
2R。パンチを出し合う。船田が組みに行きテイクダウン。サイドにつく。下から殴る寺岡。脱出したいが、船田はガッチリ押さえ離さない。船田、殴る。うつ伏せになった寺岡。船田はバックに回り、バックマウント! パウンドを落とす。逃れようとローリングする寺岡だが、船田は逃がさない。
残り1分、ついに返した寺岡が殴る。船田は絡もうとするが、寺岡がパウンドを連打して終了。
ジャッジは3名とも10-9船田。
3R。開始するタックルに入る船田。寺岡は切ろうとするが、船田は粘り強く入っていきケージへ押し込んだ。寺岡立ちたいが立てない。立とうとする寺岡の足を払って立たせない船田。寺岡は尻もち状態。
バックになった船田は首を狙うか? 殴る。起き上がりたい寺岡だが、船田はさせず首を狙う。しかし寺岡外した。
船田は反転すると、カメになる寺岡にパウンド! 寺岡が仰向けになると、船田マウント。寺岡は返すが、船田はすぐ上を取り返し殴る。終了間際、両者立つが、船田が両足タックルで倒したところで終了。
ジャッジは3名30-27、3-0フルマークで船田が勝利。
《船田 試合後コメント》
――勝利おめでとうございます。今の気持ちをお聞かせください。
「結構思ったよりも自分のペースで試合を作れたんですけど、判定はちょっと。やっぱりフィニッシュできなかったのが課題というか、申し訳ないなと思います」
――対戦相手選手の印象はいかがでしたか。
「そこそこやるオールラウンダーっていう印象で、闘ってみてもそんな感じがしたんですけど、圧力とか体がぶつかった時の感覚は、僕の方がドーンって力強さがあるなって思ったので、そこから組みだと余裕で作れるなと思って、組みで2ラウンド、3ラウンドを作っていきました」
――寺岡選手も去年のNBTウィナーで、船田選手は今年のウィナーですが、そのあたり、何か感じるものはありましたか。
「そうですね、NBTの後の1戦目、2戦目とかってすごい大事な試合だと思ってて、やっぱりそこでみんな格上と当てられちゃって勝てないことが多いですよね。そこで勝てないと、そこから勝ったり負けたりの選手になっちゃうじゃないですか。周りからもすごい大事だよと言われてたんで、胃が痛いなとかって思ってたんですけど。でもなんか、すごくいい形で勝つことができて、あれ、俺って意外と強いんだなって自分で思って。自信がつきました」
――これで4連勝されました。今後の展望をお聞かせください。
「そうですね。やっぱりまだ課題は多いですし、全然まだタイトルとか絡めるような実力じゃないと思っています。そうですね、まだ時間はあるので、今後は1個ずつステップアップしていければいいかなと思います」
――ありがとうございます。最後にファンの方にメッセージお願いします。
「そうですね、改名して初戦だったんですけど、電池らしいドロドロの試合を見せられたと思います。これからも僕、ひたすら動き続けるしんどい試合をするので、しんどい試合好きの、泥試合好きの皆さんは、僕の名前を覚えといても損はないんじゃないかなと思います。注目して見てください。押忍」
第6試合
猿飛流は2017年よりパンクラスに参戦。2019年、NBTにて優勝。2022年には小川徹を破り第7代フライ級KOPに輝いている。同年12月に初防衛戦を迎えるが、鶴屋怜に一本負けし、防衛は成らなかった。
一時期は進退を考えたというが、練習は続けており、今年3月にオーストラリアのEternal MMAフライ級タイトルマッチに挑戦。KO負けを喫したが、パンクラスからのオファーがあり、現役続行を決めた。
カマチョは昨年7月にパンクラス初参戦。前田浩平を判定で下している。その後、浜本“キャット”雄大に判定負けを喫したが、8月には水戸邉荘大にフロントチョークで勝利している。
1R。カマチョがパンチで前に出る。猿飛流は組んでケージへ押す。カマチョが離れた。
カマチョがジャブ、猿飛流はケージへ押し、ケージ際でパンチ連打。ヒザで蹴り上げてさらにケージへ押し込む。入れ替えたカマチョがバックに回り、尻もちをつかせる。
立った猿飛流はヒジを入れて入れ替え。さらにヒザ! カマチョが鼻から出血している。カマチョが入れ替えて殴るが、猿飛流すぐに戻した。投げてバックを取りチョーク。決まらず、殴りながら再び首を狙うがカマチョが防ぐ。終了。
ジャッジは3名とも10-9猿飛流。ブランクを感じさせない、素晴らしいスピード。カマチョはかなり顔面に傷ができている。
2R。カマチョがミドルキックから片足タックル、尻もちをつかせる。体を多そうとする猿飛流に、カマチョがバックチョーク! 猿飛流は耐えていたが、タップ。
1Rは素晴らしいスピードとパンチで圧倒した猿飛流だったが、カマチョがワンチャンスで決めた。一度は引退を考えたという猿飛流だが、まだまだやれそう。今回、敗れはしたが、また試合を見てみたいと思わせる素晴らしい試合運びだった。
《カマチョ ケージ上コメント》
「皆さんに感謝しています。自分のチームメイトのみんなにも感謝しています。パンクラスありがとうございました。そして、皆さんの前でいい勝利ができてとても嬉しいです。ありがとうございました」
第7試合
平田は昨年4月からパンクラス参戦中。昨年は組みの強さを武器に4連勝し、今年6月、次期挑戦者決定戦でRyoを破り挑戦権を獲得した。
対する三宅は2020年より参戦中。2021年にはNBTで優勝している。NBT後は亀井晨佑、田村一聖、中田大貴など上位どころには敗れているが、昨年11月から今年にかけて3連勝している。
この試合は、当初、平田直樹VSキム・サンウォンで行われる予定だったが、サンウォンが他団体と契約し試合を辞退。3位につけている三宅にチャンスが巡ってきた。千載一遇の好機をものにできるか。
1R。平田が開始直後、いきなりタックル。三宅が切った。平田がまたタックルに入るが、三宅は付き合わない。平田はケージへ押し込もうとするが、三宅かわした。圧をかける三宅。左右ジャブ。
平田がタックルから押し込もうとするが、三宅が顔面にヒザ! 平田ダウン!
三宅が代役で巡ってきたチャンスをガッチリつかみ、第11代KOPに。
《三宅 ケージ上コメント》
「こんな形で終われると思ってなくて、めちゃくちゃ安心してます。ほんとに、実力的には全然チャンピオンの実力じゃないと思うんで。もっと強くなって絶対王者になれるように頑張るんで、これからも応援お願いします。
あと、名古屋から来てくれたり、いつも応援してくれたり、練習してくれる皆さん、本当にありがとうございます。それからもう1つ、 今一緒に練習してもらってる人で、久米(鷹介)さんがパンクラスのライト級チャンピオンで、透暉鷹さんがフェザーとパンタムでチャンピオンになっていて、僕もそれに続きたいなと思っていたので、夢が叶ってよかったです。これからも頑張ります。ありがとうございました」
《三宅 試合後コメント》
――三宅選手、見事1ラウンドで王座戴冠おめでとうございます。
「ありがとうございます」
――もっと嬉しい感じでお願いします(笑)
「ちょっと緊張してます」
――実感は湧いてきましたか?
「そうですね。でも、自分がチャンピオンの実力とは思わないので」
――いやいや、胸を張っていいんじゃないですか。ケージで「夢が叶った」とおっしゃっていましたが。
「そうですね。ほんとに夢でしたね」
――今、久米選手や透暉鷹選手が巻いたのと同じベルトを見ていかがですか。「パンクラスのベルトが一番かっこいいと思うんで、ほんとに嬉しいです。マジでかっこいいです」
――今回。試合が決まったのは1ヶ月前。1ヶ月前って急ですよね。準備は大変でしたか。
「いや、そんなことなく。僕は減量があんまりないんで。そうですね、減量は1週間あれば大丈夫です」
――そうなんですね、でも、何か持ってますね。急にチャンスが巡ってきて、しかも1ラウンドKO勝利とは。
「いやー、びっくりです。自分が1番びっくりしてます」
――最後のあの膝は狙っていたんですか。
「いや、嫌がらせ程度で打ったんですけど、効いちゃって」
――綺麗に顔に入ってましたね。手応えはありましたか?
「手応えはなかったんで、倒れた瞬間、なんか狙ってんのかなと思って、ちょっと殴るの躊躇しちゃって」
――引き込んだのかな、と思ったのでしょうか。
「はい、びっくりしました」
――では、最後に一言お願いします。
「パンクラス第11代チャンピオンになることができました。 いつも練習してくれる皆さんや応援してくれる皆さん、ほんとにありがとうございます。これからこのベルトにふさわしいチャンピオンになるので、応援よろしくお願いします」
メインイベントの選手が交代になり、また、2024年を締めくくる大会にしては、一見、地味なカードが並んだように見えるが、ふたを開けてみれば、どの試合も非常に見応えがあり、会場は大いに沸いた。
同日昼の部の『PANCRASE 350』もそうだったが、夜の部でも若い選手の活躍が目ざましかった。勝った選手も負けてしまった選手もそれぞれが素晴らしく、来年からの活躍が今から楽しみになってきた。
そして、大きなチャンスをものにしたメインの三宅。久米鷹介、透暉鷹と同じベルトを巻くという夢を叶えた。まだ25歳、パンクラスのベルトの価値をますます高めてくれるチャンピオンになってほしい。
また、今大会ではベテラン勢も素晴らしく、平信一の熱いファイトや合島太樹のファイトも光った。コーメインの猿飛流は一本負けはしたが、ブランク前よりもさらに進化しているように感じた。背水の陣で臨んだ復帰戦だからこその気迫も、見る者の心を動かしたのではないか。2025年、再びタイトル戦線に絡んでくることを期待したい。
(写真・文/佐佐木 澪)