『PANCRASE 325』でバンタム級KOP暫定王者決定戦を行う井村塁と中島太一が調印式で火花!判定決着の可能性に両者「ないです」と即答!

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 10月26日、ライト級統一戦に続き、バンタム級暫定王者決定戦の調印式が行われた。
 バンタム級暫定王座を争うのは、井村塁(Nexusense)と中島太一(ロータス世田谷)。
 井村は、去る17日に行われた『PANCRASE 324』でZST王者ジェイク・ムラタに1ラウンド三角絞めで快勝したばかり。ケージで暫定王座戦挑戦をアピールし、実った形だ。
 中島はフェザー級で闘っており、今年5月にはISAOの持つフェザー級KOPに挑戦するも、激闘の末に判定で敗れた。しかし、もともとはバンタムの選手であり、2012年にはNBTバンタム級で優勝している。今回は本来の階級に戻っての王座戦となる。

 両選手のコメントは以下。
――まず、両選手から一言ずつ意気込みをお願いします。

中島「中島です。積んで来たものが違うっていうところを見せたいですね。それだけです」

井村「コンニチハ。Nexusenseの井村塁です。この間、試合をしたばかりで、まだ感覚が残っているうちに試合をしたいなと思っていたら、この暫定戦のお話をいただきました。12月、しっかり勝って、自分の目標としているUFCに行きたいと思っています」

――お互いの印象をお聞かせください。
中島「井村選手のことは最近知りました。勢いがあって、若さがあって、高い目標があって、素晴らしいと思います」

井村「僕から見ても、中島選手はけっこうオールラウンドな選手だなと思ってます。以上です」

――どんな試合をしたいですか。
中島「自分のやりたいことを押し付けて、相手の得意な部分は全部潰していこうと思っています。作戦はこれから立てて行きますけど、試合をパッと見た感じ、何となく作戦は思い立ったので、もう何となく決まってますね」

――井村選手は6戦6勝されていますが、その辺はいかがですか。
中島「6戦しかしてないんで、別に6戦全勝がすごいとかは思わないですね。僕も最初はね、5戦勝ってたし。まあまだ未知数なところはあるから、油断せず行こうと思ってます」

――井村選手はいかがですか。
井村「中島選手は寝技のイメージがあったんですけど、この間のISAO選手との試合を見て、打撃もけっこうできるんだなって思いましたね」

――井村選手はどういう試合がしたいですか。
井村「これまでやって来たように、1ラウンドか2ラウンドでフィニッシュしたいと思ってます」

――中島選手が見せたい“差”とは、どういったところなのでしょうか。
中島「経験の差というか、そういうのを見せたくて。でも、油断すると危ないから、しっかり対策は練って、万全の状態で臨みます。
 もう20戦以上やって来ているので、そこは見せなきゃいけないと思っているから」

――井村選手は、キャリアの差についてどう思われますか?
井村「キャリアの差はもうどうしようもないです。自分は今、勢いしかないので、この勢いを潰したくないんで、このまま行きたいなあと思ってます」

――タイトルマッチは5分5ラウンドです。どう闘いますか。
中島「前回同様、最初から最後まで攻めて行きます。体力は考えないです」

井村「5分5ラウンドは初めてなので、頑張って競り勝ちたいと思います」

――中島選手、バンタムに戻すことは、いつ頃から視野に入れていたのでしょうか。
中島「フェザー級でも、普段の体重はバンタムの人と同じくらいなんですよね。69kgとかそのくらいあって。ロシアから帰って来たらバンタム級に戻そうと思ってたんですけど、フィジカルの差をあまり感じなかったので、その流れでそのままフェザー級でやってたっていうだけで。
 今回はちゃんと脂肪を落として、っていう、みんながやっているようなちゃんとした減量をやって、バンタム級に落とすっていう感じなので、これでコンディションを崩すっていうことはまずないと思います」

――練習での手応えは出ていますか?
中島「少しずつ脂肪を切って体重を落としてるんですけど、どんどん体が軽くなって、さらにスピードも上がって来てるので、バンタム級に戻して、また進化した自分を見せられると思います」

――現在の練習環境は?
中島「今はロータスと、佐々木憂流迦選手とかも見てもらっているKJっていう方にトレーニングを見てもらっています。あと、修斗の小野島恒太選手と一緒に練習していて、自分の中ではかなり良い練習環境を作れていると思います」

井村「自分の所属しているNexusenseと、CAVEの練習に参加させていただいています。そこでMMAの練習だったり、寝技の練習だったりをしていて、前回の試合より確実に強くなっているなと思います。いろいろな人に手合わせしていただいて、その人たちの力を借りているので、結果で返していきたいなと思います」

――前回は「殺気のある練習ができた」とおっしゃっていましたが。
井村「そうですね。毎回、毎回、殺気があるんで。でも、試合と同じ感覚でできるのがいいなと思っていたので、それは良かったなと思います」

――パンクラスのバンタム級には、今、金太郎選手、瀧澤謙太選手、アラン“ヒロ”ヤマニハ選手など実力者がいますが、現在は他のイベントに上がっています。それらの選手がいない中で暫定王者を決めることに関しては、どのように考えますか。

井村「力的には十分ある選手だと思うし、僕からすると、バンタム級の中でも頭3つ、4つ抜けている選手だと僕は思っています」

中島「出て来たばかりの選手なので、まだどのくらい強いのかハッキリしてないから、うまく言えないんですけど……。まあ、瀧澤選手、金太郎選手、ヤマニハ選手と比べると、実績的には下だと思うので、しっかり勝たなきゃいけない相手だなと思います」

――中島選手、小野島選手と練習をしているということですが、Road to ONEなどを見ても、彼の闘う姿勢に何か感じるものはありますか。
中島「僕はなんでもできるファイターだと思っているので、1つにこだわることなくやっていきたいですね。その方が自分らしさを発揮できると思うし、持っている強みを活かすためにも、試合でいろいろ仕掛けていきたいですね」

――井村選手、中島選手との試合や、今後、レベルの高い選手たちと闘っていくとき、セコンドは前回と同じで大丈夫だと思いますか。
井村「ダメだと思ってます(笑)。植松(直哉)さん、前回はDEEPのレフェリーに行っちゃってて。今回は、しっかり植松さんにお願いしたいと思います」

――あ、ありがとう(笑)

 井村の、まさかのストレートな答えに一同笑いに包まれ、和やかに会見は終了した。

 「判定になると思いますか」と訊かれると「ないです」(井村)、「ないと思います」(中島)と同時に答えた両者。
 確かに、今現在のパンクラス・バンタム級は、上位ランカーだった選手が抜けてしまっている。しかし、だからこそ、この力と魅力に溢れる両者の闘いにいっそう注目したい。
 コロナ終息後、正王者ハファエル・シウバと統一戦を行うのはどちらなのか。見逃せない一戦だ。

(写真・文/佐佐木 三桜)

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