【試合詳細】6・22 新日本プロレス無観客試合 棚橋弘至vsタイチ 飯伏幸太vsザック・セイバーJr. SHOvs鷹木信悟 田口隆祐vsSANADA
『NJPW WORLD Special NEW JAPAN CUP 2020』
日程:2020年6月22日(月)
開始:19:00
会場:非公開
観衆:無観客試合
▼8人タッグマッチ 20分1本勝負
永田裕志/●辻陽太/上村優也/ゲイブリエル・キッド
10分33秒 ピンチェ・ロコ→体固め
[鈴木軍]鈴木みのる/○エル・デスペラード/金丸義信/DOUKI
▼「NEW JAPAN CUP 2020」1回戦 時間無制限1本勝負
●田口隆祐
15分47秒 オコーナーブリッジ
[L.I.J]○SANADA
※SANADAが『NEW JAPAN CUP 2020』2回戦進出
▼「NEW JAPAN CUP 2020」1回戦 時間無制限1本勝負
[CHAOS]○SHO
17分06秒 ショックアロー→片エビ固め
[L.I.J]●鷹木信悟
※SHOが『NEW JAPAN CUP 2020』2回戦進出
▼「NEW JAPAN CUP 2020」1回戦 時間無制限1本勝負
○飯伏幸太
15分15秒 カミゴェ→片エビ固め
[鈴木軍]●ザック・セイバーJr.
※飯伏が『NEW JAPAN CUP 2020』2回戦進出
▼「NEW JAPAN CUP 2020」1回戦 時間無制限1本勝負
●棚橋弘至
21分51秒 ブラックメフィスト→片エビ固め
[鈴木軍]○タイチ
※タイチが『NEW JAPAN CUP 2020』2回戦進出
タイチが棚橋から勝利しNJC2回戦進出!次回対戦の飯伏と睨み合い!SHOがついに鷹木超えを果たす殊勲の勝利!SANADAは田口に勝利しタンクトップを贈呈?!
オープニング
大会開始に先立ち、まずは菅林直樹取締役会長がリングに上がり挨拶を行った。
菅林「15日に大会を再開致しましたが、国内外多くの皆さんに生中継を視聴していただき様々な形で皆さんからの応援・激励の声が選手たちに届いております。本当にありがとうございます。お客様のいない会場での試合が続いておりますが、画面越しでも選手たちが皆さんからの声援を力に変えて戦います。引き続き熱い応援をよろしくお願いします。本日は1つお知らせがあってお時間をいただきました。VTRを御覧ください」
VTRでは、7月3日のNJC準決勝をBS朝日で34年振りに金曜8時から生中継が決定したという告知が流される。
菅林「1986年9月以来、34年ぶりに金曜夜8時の生中継が実現致します。4月からBS朝日で放送中のワールドプロレスリングリターンズで7月3日金曜日はNJC準決勝2試合を生中継致します。この日は新日本プロレスワールドも無料開放しより多くの方に見ていただきたいと考えております。どうぞご期待ください」
第1試合
正規軍の選手コールとともに鈴木軍が奇襲し、場外戦から試合開始。
リング上ではゲイブとDOUKIが対面し、ゲイブがエルボー連打からボディスラムを狙っていくがDOUKIがこれを耐えるとバックエルボーからボディスラム。上村にタッチ。
上村はコーナーでDOUKIにエルボー連打からロープに飛ぶがDOUKIは上村の突撃をかわしてロープを下げ、上村を場外に放り捨てると再び全員入り乱れての場外戦へ。みのるは因縁の永田へ放送機材のコードで首を絞め上げながらの三角絞め。
鈴木軍の面々はタッチを回しながら上村を痛めつけていき、DOUKIは上村へバックブリーカーを放ってみのるにタッチ。みのるは上村の顔面を蹴りつけていき、上村のエルボーを受け止めつつ強烈なエルボー一発で叩き伏せる。
金丸に代わると鈴木軍4人で上村の顔面を踏みつけていくが、上村も意地を見せて1vs4の状況でエルボーを連打していく。すると仕返しとばかりに4人で上村をストンピング。金丸は上村に串刺しブート、ブレーンバスターと狙うが上村は逆にブレーンバスターで投げきり永田にタッチ。するとみのるもタッチを受けて飛び出してくる。
両者はNJC1回戦を思い起こすエルボー、ミドルキック、ブートの乱打戦からみのるがこれを制してPK。すると両者は正面から張り手、エルボーを打ち合っていきみのるのスリーパーホールドを切り返してのバックドロップを狙う永田だったが、今度はみのるがこれを耐えてデスペラードにタッチへ。
永田はなだれ込んできた鈴木軍の面々をミドルキックで蹴散らし、デスペラードにはフロントスープレックス。辻にタッチ。
辻はゲイブとともに飛び出していってダブルのショルダータックル、トレイン攻撃から辻のオクラホマスタンピードが炸裂。さらにスピアーで追撃してから逆エビ固めで腰を落とすが、これは金丸がランニングブートでカット。金丸は上村がドロップキックで蹴散らし、みのるが上村をスリーパーホールドで絞め落とすと永田が飛び出してきてみのると打撃戦を展開しながら場外へ。
リング上では辻がデスペラードへブレーンバスターを狙うが、デスペラードが背面着地して十字ロープワークで翻弄してからスピアーでお返し。続いてピンチェ・ロコを狙うがこれを振り払った辻がショルダータックルからブレーンバスター。これを返したデスペラードは起き上がり際の重たい右フックが辻の顔面に炸裂。ふらついた辻へすかさず組み付いてピンチェ・ロコで3カウント。
<試合後コメント>
鈴木軍
デスペラード「あー、楽しい楽しい。あっ!(※と手を叩き、金丸を指して)2回戦進出ですから」
金丸「でもよぉ、石森太二、どこ行ったんだよアイツは?」
デスペラード「そんな小さいのいなかったじゃん。みんなデカかったよ」
金丸「(※バックボードの裏を探しながら)どっか隠れてんじゃねぇのか?」
デスペラード「(※反対側を探しながら)小っちゃいからね。イヤイヤイヤ。俺はもう終わっちゃったんでちょっとアレなんすけど、ノブさん、何か言いたいことあります?」
金丸「まぁ、石森は何やってんだと」
デスペラード「まぁねぇ」
金丸「何やってんだ、オイ」
デスペラード「まぁとりあえずさぁ、1回戦で負けちゃったけどさぁ、やって分かったよ。やっぱねぇ、身長の差はねぇ、あんまり関係ない。重さってのはなかなかデカいけど。石井選手も言ってたじゃない? リングに上がったら一緒だって。デカかろうが小さかろうが、本能の赴くままに戦えって。すごいな、本能だけで動いてる人間だな。『ゴチャゴチャうるさい!』って言われちゃったけどさ、俺、しゃべってないと死んじゃうんだよね! だからまぁ、今もずっとしゃべるんだけどさ。いやぁ……最高だったよ。すんごい刺激だったよ。で、今日やってみたら、辻。重てぇなぁ、アイツなぁ! 最高だぜ! ヘビー級持ち上げるって、気持ちいいんだな! 上げられないわけじゃないんだよ、ジュニアはヘビーのことを。あ!? 見て分かったろ? というわけだ。これからも俺はしゃべるし、鷹木くん、今日の試合を俺は楽しみに見てるよ。その結果いかんでは俺が何をしゃべるかも分かんないけどね」
永田裕志&上村優也&辻陽太&ゲイブリエル・キッド
永田「今日はてっきり、『NEW JAPAN CUP』2回戦の前哨戦かなと思ったら、鈴木軍と。まぁいいじゃない。鈴木がまっすぐ俺に突っかかってきましたよ。完全にヤツの目に俺がとまってるなと。17日の試合で、全てが変わった。アイツの目線が俺に、一本に集中してる。これは、ある意味喜びでもありますけどね。(※階段にいるヤングライオンたちに)オマエらも、いつまでもやられてばっかりじゃしょうがねぇぞ。分かった?」
上村「ハイ!」
永田「やられんの覚悟で行けよ!」
上村「ハイ!」
永田「1発やられたら10倍返しだ!」
上村「ハイ!」
永田「どうせやられるんだったら、10発でも100発でも叩き返してやれ!」
上村「ハイ!」
永田「そのうち勝てるようになるから」
上村「ハイ! ありがとうございました!」
※永田は先に控室へ。
上村「俺は、すごい怒ってるぞ! あんなもんで済むかよ! しつけぇぞ、俺は! オマエから来ねぇんだったら、何回でも俺から行ってやるよこの野郎! 覚悟してろコラ!」
ゲイブ「……また連敗記録が更新された。それだけだ」
辻「デスペラード! 無差別級だって!? まずはじめのヘビー級ヤングライオンから攻めてこうってことか! 負けたのは事実だ。ジュニアの選手に……。前回、真壁刀義にも敵わず、今日、ジュニアのデスペラードにも負けて、俺のヘビー級としてのプライドはズタズタだ! でも、ここで引き下がるのは、新日本のヤングライオンじゃない。真壁刀義、アンタ言ったよな? 谷底に落とされてから這い上がってくるのが、新日本のヤングライオンだって。倒れたら何度でも立ち上がってやる!」
第2試合
かつてSANADAをタグチジャパンに勧誘していた田口は、この日も試合前にグータッチを求めていくがSANADAはこれを無視。
ゴングが鳴ると、ロックアップからバックの取り合い、腕の取り合い、スリーパーホールドからヘッドロック、SANADAがテイクダウンを奪うと田口がヘッドシザースで切り返しクリーンブレイク。田口は再びグータッチを要求するとSANADAは恐る恐るといった様子でグータッチに応じるが、その後の田口のガットショットまで読んでおりこれをキャッチ。田口が言い訳をするとSANADAはそっと足を下ろすが、田口はエルボーで襲撃。これをSANADAがかわし、両者同時にドロップキックを放って空中で相打ち。
すると今度はSANADAからグータッチを要求。田口はカメラに「押さえてください!これは歴史的瞬間です!」と証拠映像を残すよう要求し、満面の笑みでグータッチ。そして両者同時にガットショットを放ち、両者ともにこれをキャッチ。両者同時に足を離すように示し合わせるが、田口だけ足を離さず、先週の無観客試合でも披露しミラノコレクションA.T.が苦笑いした雑なパラダイスロックを見せてひっくり返すが、この時点でSANADAの腕のロックは外れており、田口が踊りながらアピールしている間にSANADAが立ち上がって足を刈りパラダイスロック。動けない田口の尻に低空ドロップキック。さらにSANADAはアトミックドロップ2連発と尻への集中攻撃を展開すると、田口は「フグゥー、フグゥー」と顔を歪めながら荒い呼吸に。3発目は回避してヒップアタックを放つ田口だったが、SANADAに回避されて尻から自爆。
SANADAはスリーパーホールドから串刺し攻撃を放つが、これをブートで止めた田口がヒップアタックを放つ。SANADAはこれを回避し、田口は今度は着地に成功するが、SANADAは飛びついて回転エビ固め。しかし田口はこれを読み切って後転し低空ドロップキック。
田口は往復ランニングヒップ、場外からの地対空ヒップアタック、スリーアミーゴスを放っていくが、3発目を背面着地したSANADAがドラゴンスリーパーへ。それでも田口はさらにスイッチして3発目の高速ブレーンバスターを決める。そして田口は「オヤァィ!」とギタってケツイェを放とうとするが、SANADAはこれを冷徹にヒザへのドロップキックでカウンター。SANADAは場外に逃れた田口はプランチャを発射も、これをかわした田口がコーナーに飛び乗り三角飛びプランチャ。
田口はスワンダイブ式ヒップアタックはかわされたものの、返す刀でヒザへの低空ドロップキックを見舞ってオーマイ&ガーアンクル。SANADAはコーナーにしがみつくが、さらにこれを踏み台にして飛び上がり田口の背後に着地しドラゴンスリーパー、さらにSkull Endに入ろうとするが、田口が足を取って再びオーマイ&ガーアンクル。田口は奪取を試みるSANADAに食らいついてしつこく絞り上げていく。しかしSANADAは体勢を入れ替えて田口の足を勝ってひっくり返しスイングドラゴンスリーパー。そのままSkull Endへ持ち込もうとしたところで田口が首固めで切り返し、さらにラ・マヒストラル、延髄斬りを見舞い、SANADAのオコーナーブリッジも読み切ってスクールボーイ。さらに田口はヒップアタックを放つが、SANADAはこれをアトミックドロップで迎え撃ち、すかさずオコーナーブリッジ。これで3カウントが入った。
SANADAは田口へのリスペクトの意味合いからか、この試合のために用意したと思われるタンクトップを田口にお土産として置いていき、田口はそのタンクトップを身にまとって虚空に向けてグータッチを決めた。
<試合後コメント>
田口隆祐
「事実上の決勝戦で破れてしまいましたけれど……。ま、準優勝ということでしたけれど、非常に悔しいっすね。はい、悔しい……。SANADA選手……。事実上の決勝戦と言いましたけど、これでSANADA選手、優勝決まりでしょう。SANADA選手、優勝、最後まで気を引き締めて、頑張って下さい。その後、(SANADAのシャツを指し)このシャツの意味はしっかり受け取りましたんで、はい。SANADA、イ、タグチ。ノスオトロス、タグチジャパ〜ン!」
第3試合
かつてジュニア戦線でしのぎを削ったSHOと鷹木の一戦は、試合前から額を突き合わせて睨み合う緊迫した空気のなかでゴング。
ゴングと同時にSHOが突っ込んでいってラリアット、エルボーと連撃するが、鷹木も串刺しラリアットで反撃。SHOも即座に追走して串刺しラリアット、ショルダータックルの打ち合いからSHOがぶん殴るような勢いでラリアットでなぎ倒してから腕十字。
鷹木が足を伸ばしてブレイクすると、SHOはサッカーボールキック、PKと叩き込んでいくが、鷹木はこれをキャッチしてエルボーで反撃。両者足を止めてエルボーで打ち合っていき、鷹木が打ち勝つとSHOはドロップキックを放つが、鷹木は倒れずに耐えてロープに飛びショルダータックル。さらにSHOをラリアットで場外まで吹き飛ばす。
鷹木は鉄柵を用いた攻撃やエプロンへのホイップ、DDTなどでSHOを痛めつけ、リングに戻してチンロック、首へのニードロップ、「最初の勢いはどうした!最初だけかコラ!」と叫びながら顔面を蹴りつけていく。SHOはエルボーで反撃していくが、鷹木はナックルから逆水平チョップ。さらにロープに振りながら追走ニー、SHOのスピアーをキャッチしてブレーンバスターを狙うが、SHOが気迫のブレーンバスターで返していく。
SHOはエルボー連打から串刺しラリアット、さらに鷹木のラリアットをかわしてスピアーを突き刺し、ジャーマンスープレックスを狙っていくが、鷹木がバックエルボーで外そうとするとその右腕を取ってショルダーアームブリーカー。さらに追撃を狙うが、鷹木は敢えて痛む右腕のバックエルボーでSHOへカウンターし、左のショートレンジラリアットでなぎ倒す。
SHOは腕十字、三角絞めと狙っていくが鷹木はその腕力でぶっこ抜いてパワーボム。続けて熨斗紙を狙いに行くが、SHOはクラッチを切って腕を取りながら前から後ろからのローキック乱れ打ち、首元へのトラースキックと連撃。さらにラリアットを放つが鷹木もラリアットで迎撃。正面から打ち合っていき、鷹木がラリアットをラリアットで撃ち落とすと高速バックドロップ。そして今度はSHOが鷹木のラリアットをラリアットで撃ち落としてロコモーション式ジャーマンスープレックス。パンピングボンバーを狙う鷹木に対し、翔破ジャンピングニーでカウンターしラリアットを狙うが、鷹木は十字ロープワークから横殴りのパンピングボンバー、スライディング式のパンピングボンバー、熨斗紙、左ラリアットからコーナーに挙げて雪崩式ブレーンバスターを狙っていくが、SHOはコーナー上で鷹木の右腕をアームロックで捕らえ、ヘッドバッドで怯ませると回転して組付き、パワーブリーカー。さらに雄叫びを上げてラリアットを叩き込み、鷹木は垂直に突き刺さるもカウント1で返す。SHOは倒れ伏す鷹木をぶっこ抜きジャーマンスープレックスホールドで叩きつける恐るべきパワーを見せるが、ショックアローの体勢に入ったところで鷹木がショルダースルーで切り返し、SHOの後頭部へのラリアットを耐えてラリアットで反撃し、「もっと遊ぼうぜ!」と想いを叫ぶ。
鷹木とSHOは正面から打ち合っていき、鷹木がナックル、ヘッドバッドからMADE IN JAPAN。これを返されるとロープに飛んでパンピングボンバー。これも返されると鷹木も衝撃の表情を浮かべ、ラスト・オブ・ザ・ドラゴンの体勢に入るが、これを待ち構えていたSHOは腕のロックを外してアームホイップからダブルリストロック。鷹木の抵抗に合わせてもう片方の腕も取り、クロスアーム式パイルドライバー、さらにショックアローで突き刺すとカウント3。
約1年8ヶ月の期間苦杯をなめさせられてきた鷹木をついに超えをて見せたSHOはリング上で号泣。現IWGPジュニアタッグ王者のSHOが、ヘビー級へ転向しNEVER無差別級&NEVER6人タッグの二冠王である鷹木から勝利するという結果となった。
<試合後コメント>
SHO
「正直、今日のこの一戦は、いろいろな思いがあった。そして、こうして勝つことができた。『NEW JAPAN CUP』エントリーも、棚ぼただったかもしれねぇよ。鷹木とこうしてシングルまでこぎ着けたのも、棚ぼただったかもしれねぇ。でも! この1勝、鷹木さんからの……鷹木さん、あなたからの勝利は、棚ぼたとは言わせねぇぞ! でも、俺には喜んでるヒマはねぇんだ。まだ1回戦だ。それと、鷹木さん、あなたとも、まだ1勝1敗です。喜んでるヒマはない、俺には。喜んでるヒマはないんだ。でも! 鷹木さん、あなたとのシングルのこの1勝は、俺の一生の誇りです」
鷹木信悟
「(※肩を借りてインタビュースペースに現れると、壁に頭をついて)あー、チクショウ! やりやがったな、あの野郎! やりやがったな、SHO! クッソー……。この負けで、全てパーだよ! 俺が思い描いてた構想も、全てパーだ。チクショウ! SHOごときが、よくも……。ただじゃ済まねぇからな!」
第4試合
IWGPタッグ王座を巡って最近抗争を展開する飯伏とザックの対戦。両者のシングルは昨年、一昨年のNJCではザックが勝利している。
NJC優勝経験を持つ両者の対戦はリングを広く使いながら距離を詰合い、ザックがグラウンドに引きずり込んでいくが飯伏も互角のグラウンドテクニックで対抗。再びスタンドとなると飯伏は掌底を放って刻んでいくが、ザックは低空タックルからグラウンドに持ち込み腕十字を狙い、飯伏が抵抗すると胴絞スリーパー狙いから再び腕十字の体勢。飯伏も体勢を入れ替えて腕を取っていくが、そのまま転がっていきブレイク。
再びスタンドで向き合うと飯伏のローキックが先にヒットし、ザックがよろけた隙を見逃さずに飯伏が連打して倒すとスリーパーホールドへ。これをザックがブレイクすると一旦距離を取る。
ザックへ飯伏の蹴りを誘う挑発からキャッチしてヒールホールド。飯伏がブレイクするとさらにダブルトゥーホールドも飯伏は必死にロープへ。ザックは突っ込んでいくが飯伏はカウンターのミドルキックで薙ぎ払うとその場飛びムーンサルトプレス。飯伏はさらにエルボーで追撃していきフランケンシュタイナーでザックを場外に放り捨てると三角跳びプランチャを狙うが、これはザックが場外で距離をとって事前に回避。飯伏はザックがエプロンに上がってきたタイミングでビッグブートも、ザックは飯伏の足を刈って場外に引きずり出しながらアキレス腱固め。ザックはリングに戻ってからも飯伏の足を絡め取っていき、飯伏がブレイクして反撃に転じようとすると水面蹴り。さらに飯伏のラリアットをビッグブートで撃ち落とし、腕へのオーバーヘッドキック。さらに突っ込んでいくが、飯伏は痛む腕でのラリアット。
飯伏はパワーボムを狙っていくが、ザックは組み付いて胴絞フロントネックロックで切り返す。飯伏が振り払おうとすると足に絡みついていき、飯伏がぶっこ抜いて投げようとすると指絡めでクラッチを切りアームブリーカーから卍固め。飯伏の回避運動に合わせて足を取ってヒールホールド+逆片エビ固めへ。
飯伏がブレイクするとザックは挑発的に飯伏を小刻みに蹴りつけていき、立ち上がった飯伏に組み付いて十字架固め、さらに下から三角絞めに入るが、飯伏はこれをパワーボムのように放り捨てて切り返しオーバーヘッドキック。続けてシットダウン式ラストライドの体勢もザックはこれを着地。スライディングしながら飯伏の足を刈りに行こうとするが、飯伏は上からフットスタンプ。ザックも即座に起き上がってPKを叩き込みザックドライバーの体勢も、着地した飯伏がクイックのニーバッド。間髪入れずにカミゴェを叩き込み、これでカウント3。
飯伏のNJCでの鬼門であったザックを破り、飯伏が2回戦進出を果たした。
<試合後コメント>
飯伏幸太
「あ~、両足とも無駄に苦戦しましたけど。結果、トーナメントなんで勝たないと。これからまだまだ、楽しいプロレスもそうですけどトーナメントは勝つプロレスをやりたいと思います。オシッ! 次棚橋さん? 絶対負けられない!」
第5試合
セミファイナルに続き、 IWGPタッグ王座を巡って最近抗争を展開する棚橋とタイチの対戦。
タイチが先に待ち受ける中で入場した棚橋がコーナー上でポーズを決めたところでタイチが奇襲していきなりのパワーボム。棚橋はリング上で大の字になって動かなくなってしまい、ヤングライオンたちがリングに上ってくるがタイチはこれを蹴散らしていく。レフリーチェックが入り、棚橋が戦う意志を見せたためここでようやくゴング。
ゴングとともにタイチがバズソーキックを叩き込み、場外へ蹴り出していくとDOUKIが飛び込んできて場外で棚橋に暴行。レフリーが飛んでくるとDOUKIがレフリーの気を引き、放送機材のコードで棚橋の首を絞め上げる。
リングに戻ってからもタイチは棚橋の顔面をかきむしり、セカンドロープに棚橋の首を引っ掛けて絞り上げる。棚橋は太陽ブロー連打もタイチは棚橋を突き飛ばして顔面を踏みつけ、再び場外に放り出す。棚橋は場外に降りてきたタイチに太陽ブローから鉄柵に叩きつけるが、DOUKIが棚橋に襲いかかる振りで棚橋を引きつけるとタイチが背後から襲撃して場外を引き回していき、椅子を持ち出して殴打。
タイチは棚橋をリングに戻してサッカーボールキック。棚橋は雄叫びを上げて気迫を見せるがタイチは「このブサイクが!」と顔面へキック。棚橋はエルボー連打で反撃していき、タイチのロープスルーからフライングフォアアーム。さらにエルボー、太陽ブローと連打し、ボディスラムで叩きつけてからセカンドロープからのサンセットフリップ。さらにタイチの蹴り足を取ってドラゴンスクリュー。さらに串刺し攻撃を狙うが、これをかわしたタイチがジャンピングハイキック。
タイチはバズソーキックを放つが、棚橋はこれをキャッチしてエルボー。タイチも強力なローキックで棚橋を攻め立てていき棚橋が太陽ブローを連打していくと胸板へのミドルキックを連打。さらにソバットで棚橋に膝をつかせると「来てみろコラ」と挑発しながらデンジャラスバックドロップ。タイチはタイチ式ラストライドを狙っていくが、棚橋がこらえるとステップキックを見舞ってからタイチのアックスボンバーをキャッチし、久々に解禁するオールアウトで叩きつける。続けて棚橋はスリングブレイドを狙うが、タイチがこれを空中でキャッチしてバックドロップの体勢。しかし棚橋は持ち上げられた状態から上から下への90度傾けた形のスリングブレイドを見舞い、ツイスト・アンド・シャウト、正調スリングブレイドを決め、コーナーへ上がってハイフライアタック。さらにハイフライフローを狙うためにコーナーへ上がろうとするが、ここでDOUKIがエプロンに上がって棚橋を威嚇。
棚橋はDOUKIを張り手で撃退してタイチに向き直るが、タイチはレフリーを突き飛ばしてから棚橋の股間を蹴り上げ、タイチ式ラストライド外道クラッチもカウントは2。そしてタイチが天翔十字鳳を放ち、棚橋がかわすとアックスボンバー。さらにタイチ式ラストライドで叩きつけるもカウントは2。タイチがブラックメフィストを狙うと棚橋は必死に抵抗してエルボーを放つが、タイチがカウンターのエルボーで棚橋をダウンさせるが、タイチが無理やり引き起こしたところで棚橋が強烈な張り手を見舞い今度はタイチが地に伏す。さらに棚橋はタイチをロープに振ろうとするが、その腕を引き寄せて組み付きタイチがデンジャラスバックドロップ。さらに後頭部へのアックスボンバー、ジャンピングハイキック、パンタロンを脱ぎ捨てての天翔十字鳳、ブラックメフィストと畳み掛けて3カウント。タイチが棚橋超えを果たしてNJC2回戦進出を果たした。
試合後もタイチは収まらず、大の字の棚橋を無理やり引き起こして聖帝十字陵。ここに棚橋のタッグパートナーであり、2回戦で対戦も決まった飯伏がリングに飛び込んでくるとタイチは飯伏に詰め寄り、額を突き合わせて睨み合う。ここでDOUKIが飯伏の背後から殴りつけ、タイチとDOUKIが飯伏へ暴行。両者は直接対決を前に遺恨を深めた。
<試合後コメント>
タイチ
「オイ、悪いな。俺はよぉ、棚橋と違ってよぉ、…疲れた。すぐ疲れるんだよ、俺はよ。でもよぉ、その疲れる男に疲れねぇ男が負けたんだ。オマエも疲れてんだろ。バレてんぞ、俺には。何が愛だ。何が愛してますだ。これで必要ないことが分かったか。テメェら聞きたかったか、『愛してます』。そんな甘くねぇんだよ、愛はよ。いらねぇんだよ、そんなもんは。愛や情は人を狂わすからな。テメェら、見てろよ。棚橋のブスのファンどもよぉ、オマエらが狂ってんだよ。アイツが愛だとかと言うからこうなんだよ、オマエらみてぇなブスがよぉ。飯伏ファンも一緒だよ。アイツにキャーキャー言ってるヤツも一緒だよ。コイツらが愛だ何だ言うから狂ってよぉ。いない方がせいせいするぜ、オマエら。邪魔だよ。言った通りだ。タッグはもうやらずとも決着ついたな。俺一人で十分だっただろう。この、試合がなかった4ヵ月間、オマエら、俺が何してたかも知らずによぉ。…毎日、食っちゃ寝してただけだよ。その成果がこれだよ。オマエらみたいに必死こいて練習してるヤツらとは違うんだ。オマエらとはな、持って生まれた肉体が違うんだ。秘孔の位置も全て逆なんだ。おっと、これ以上言うと…(※と、口を押さえる)。トーナメントは始まったばかりだ。次は飯伏、オマエだな。珍しい顔合わせだけどな、勝負は見えてる。タッグも見えた。いいか、もう棚橋や飯伏は相手じゃない。俺はその先を見てるから。内藤、待っとけよ。俺が来るかもしんねぇぞ。全部、全部この俺が奪ってやるよ。楽しみにしとけよ」
DOUKI「すげぇ、生成堂々の、1vs1のシングルだったな! すげぇ3カウントだったな!」
棚橋弘至
「(※足を引きずりながら現れ)まーじカテぇ! ちょっと見とらん間に、でーれぇ強くなっとるけぇ。はぁ…信じられへん。信じられへんねん。はぁ…春は終わってまった」