正義のヒーローと裏切った仲間がプロレスを通して友情復活!増長する悪の組織へ反転攻勢へ!

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 1日、東京都・プリズムホールにて『ACTwrestling 東京ドームシティ プリズムホール公演』が開催。才原茉莉乃が天翔ゆいを下してAWGシングル王座の4度目の防衛に成功した。

 ここ1年、東京・新木場1stRINGでは毎週のように正義の『GENKI戦隊アクトレス5(以下ファイブ)』と悪の『アクトレスキラーズ(以下キラーズ)』が抗争を繰り広げている。
 かつて存在したキラキラした華やかなアクトレスガールズを取り戻すため日夜戦うファイブだが、ストロング暴力スタイルで凶器・乱入なんでもありのキラーズに苦戦を強いられていた。団体の象徴であるAWG王座とKING王座も悪の幹部である惡斗(あくと)と茉莉(まり)に奪われ、「正義は悪に屈しない。最後に正義は必ず勝つ」と言い続けて約1年…今年3月にファイブのレッドである才原茉莉乃(さいはらまりの)がAWG王座を、グリーンの水嶋さくら(みずしまさくら)がKING王座を戴冠し、アクトレスガールズに平和を取り戻したかに思えた。

 だが現実は、ラーメン好きなのにカレー好きキャラを押し付けられたイエローの天翔ゆい(てんしょうゆい)が舞台出演を理由になかなか現れない事で5人が揃わず、初代タッグ王者を決めるトーナメントでファイブが惨敗し惡斗&茉莉がベルトを戴冠。
 さらにキラキラした華やかな時代を作り上げて来た先輩OGたちである安納サオリ(あのうさおり)やなつぽい(旧:万喜なつみ)、清水ひかり(しみずひかり)、本間多恵(ほんまたえ)、尾崎妹加(おざきまいか)らがアクトレスガールズ10周年のお祝いに続々参戦し、ファイブの影が日に日に薄くなっていくとともに負ける姿も目立つ事態に。

 そんな中、天翔は「私は自由で楽しい試合がしたいし見たいんです。ファイブの人たちってベルト2本獲ってからなんかつまんなくないですか!?」と挑発し会場から大きな拍手と歓声を浴びる。これを聞いた天翔は「ここでアクトレス5のイエローを辞めます。アクトレス4として頑張ってください」とファイブの魂である腕章を投げ捨ててて離脱。一転して敵対する立場となった。


 試合が始まると、最近はLIDET UWFにも出場して格闘プロレスの経験値を積んでいる茉莉乃が打投極を織り交ぜたトータルファイトで圧倒。しかし天翔はその体格とパワーを活かして豪快な反撃を見せ、ゴリー・スペシャルや天鵞絨ドライバー(※変形みちのくドライバーII)、さらに大森隆男直伝のアックスボンバーを叩き込んで一気に試合の流れを決定づける。
 天翔は2発目のアックスボンバーで終わらせに行くが、茉莉乃がカウンターのハイキックで側頭部を撃ち抜き、ヒーローキック(※ランニング・フットスタンプ)で追撃。最後はダメ押しのMRNスマッシュ!(※ジャーマン・スープレックス・ホールド)で叩きつけて大逆転勝利を決めた。
 
 マイクを取った茉莉乃が「お前の考えてること。この闘いでようわかった。ベビーズもキラーズも関係なく、自由に闘いたいんだよな?自由に、自分らしく、頂上目指してけ。だけどな、私はこのAWGベルトを守った。どんな、どんな考えか改めて聞くほどでもないぐらい、自由に生きたいらしいから、ファイブのリーダーである私はとめへん。これからも、別々やけど、別々の方向で、上を目指してこうな。今日は、闘ってくれてありがとう」と語りかけて右手を差し出すと、天翔も両手でガッチリと握り返して2人は和解。

 そんな中、今大会のセミファイナルで“強さ”を象徴するベルトであるKING王座を奪取したキラーズのボス、MARUが現れて茉莉乃に「お前の持つベルトなんてな、会社が作ったレールの上を走ってるだけのベルトなんだよ。このKINGベルトこそ、自由なエンタメで、すごーく強い、すごーく怒ってるベルトなんだよ。このベルトが一番だ!」と宣戦布告。

 正義と悪、結束と自由、“台本”と“ガチ”……ありとあらゆるイデオロギー闘争が入り乱れ、混沌としている現在のアクトレスガールズ。人間のナマの感情が直接的にリング上のストーリーに反映されるエンターテイメントは、台本など存在しないプロレスとは別のエンタメとして確立していくだろう。

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