「誠実に生きて努力すれば必ず誰かが見ていてくれる」苦節10年を経て元スターダムの澄川菜摘(翔月なつみ)が初のシングル王座戴冠!3期生同期の惡斗との防衛戦を熱望!
24日、東京都・後楽園ホールにて『ACTwrestling 後楽園ホール公演』が開催。澄川菜摘(すみかわなつみ)が初のシングル王座戴冠を果たした。
翔月なつみこと澄川菜摘は女優を目指して上京し、舞台でプロレスラー役を演じたことがきっかけとなって2012年1月にスターダム3期生としてプロレスラーデビュー。
同期の宝城カイリ(現:カイリ・セイン)とともにデビューから1年3ヶ月でゴッデス・オブ・スターダム王座(※タッグ王座)を戴冠するなど将来が期待されていたが、腰の負傷から2013年7月にスターダムを退団して事実上の引退状態となり、2015年に惜しまれつつ正式引退。一時は女優業からも離れていたが、2019年から復帰。2021年11月にはアクトレスガールズとしてリング復帰を果たした。
その後、澄川は自身のユニットである【The Royal】を結成。かつてのプロレスのキャリアを活かして後輩の育成に尽力し、The Royalの若手たちは今や全員トップ戦線で活躍するスターに成長した。
澄川自身は一歩引いた位置にありタイトル戦線には中々絡めずにいたが、貪欲にベルトを目指すThe Royalの後輩たちの姿に刺激を受けて奮起。茉莉の持つアクトレスガールズの至宝・AWGシングル王座への挑戦を宣言した。
試合が始まると、互いに得意とする蹴り技の応酬が続いて一進一退。しかし、澄川が巧みなサブミッションでグラウンドに引き込んでいきイニシアチブを握っていく。
澄川はロープを絡めながらのコブラツイストやエプロンから場外へ飛び込む空対地ジャンピングニーなどの変則的な動きで攻め立て、得意の卍固めで絞り上げる。茉莉もカウンターのハイキックから熨斗紙を決めて必殺の鼯鼠の術(※フロッグスプラッシュ)を発射するが、澄川が剣山で迎撃。
激しいエルボー合戦を経て再び茉莉がコーナーに上ってくが、澄川が追いすがってパワーボム。さらに延髄切りからハイキックを見舞い、必殺のダイビング・ダブルニードロップを突き刺して3カウントを奪った。
試合後、マイクを取った澄川は「私は、この“澄川菜摘”という個人でスポットが当たるまで10年以上かかったと思ってます。私はお休み期間も長かったけど、でも、こうやって諦めずにやり続けたことで皆さんと一緒にベルトを巻くことが出来ました。皆さんの生きてる環境、過ごしてる環境は分からないですけど、生きてたらつらいこととか、理不尽なこととか本当にたくさんあると思います。それでも、本当に誠実に生きて努力してる人は、必ず誰かが見てくれていると思うので諦めずに自分と闘っていってください。今日は仲間のみんなにも伝えたくて、今日はこの場を借りて伝えさせていただきました」と自身のキャリアを振り返りながらファンや後輩へメッセージ。
さらに初防衛戦について触れ、「私を昔から応援してくださってる人には、ちょっと思い当たる節があるのかなと思うんですけど、私はやり合いたい相手がいます」とスターダム3期生の同期である惡斗をじっと見つめる。
しかし、惡斗の隣りに立っていた澄川のチームメイトである後藤智香が自身のことであると勘違い。歓喜の涙を流しながら「菜摘さんがベルトを獲ったら一番に挑戦したいと思っていました!同じ気持ちでいてくれてありがとうございます!」と挑戦表明を行ったため、澄川も流されてこれを受諾した。
バックステージに戻った澄川は、「自分にスポットライトが当たるということは、10年以上かかって成し遂げたことだと思っていて。スターダムの時もタッグのベルトを獲ることができたけど、それも自分の力ではなかったし、そこから防衛ということもできなくて、すごく心残りがずっとある現役時代で。ここで、プロレス業界とは違うかもしれないけど私はこのベルトっていうのはすごく重い想いがあると思ってるから、こうやって自分の力で、皆の力で獲ることができて本当に、なんかやっと、やっと、一人前になったみたいな気持ちになりました」と晴れやかな笑みをたたえて語る。
そして、「元々のスターダム時代から見てくれてる方はやっぱり惡斗との1戦を望んでいるのかなと思いますし、私自身スターダムの時は惡斗に勝つことが一度も多分できてないので。なので、やっぱり一度シングルで勝ちたいという相手が惡斗だなと思います」と将来的に惡斗との防衛戦を熱望した。