観客の心無い野次を受けた女子王者が怒りを糧に王座防衛!「馬鹿にする余地もないくらい強くて未来が明るいような試合をお見せする」

13日、新木場1stRINGにてACTwrestling STEP63『【DARK SIDE OF THE DAIUCHU】series NOTORE UFO DAIUCHUJIN HOKAKU SAKUSEN』が開催。メインイベントでは水嶋さくらの持つKING王座に石川はるかが挑戦した。
KING王座ことキング・オブ・リングエンターテイメント王座は、プリンセス天功さんのペットであるホワイトライオンのKINGくん(1歳)がコミッショナーに就任し昨年10月に創設された王座。
現在のアクトレスガールズは、WWEのように台本があることを公表してプロレスを展開中。【実力】【努力】【人気】【運】といった項目で得たポイントを数値化して大会前に集計し、ポイントで上回った選手が試合で勝利することが決まる『ポイントマッチ』が主流となっている。
そんなアクトレスに於いて、ポイントマッチではない“強さの象徴”とされるベルトがKING王座。過去にはラダーやイスが乱れ飛ぶハードコアマッチで王座戦が行われたこともあり、しっかりとした“プロレス”が出来る選手のみが挑むことを許されていると言っても過言でないベルトだ。
今年3月に初代王者・茉莉を倒してKING王者になったGENKI戦隊アクトレス5のさくらは、アクトレスガールズが新体制となってからデビューした新世代エースの1人。新体操をバックボーンに持つ華やかなパフォーマンスだけではなく、激しい試合も見せられるようになった現在のアクトレスガールズの象徴的存在となったさくらは、忍者ガールURAN、福永莉子、植原ゆきな、汐月なぎさを相手に防衛を続け、この日は悪のアクトレスキラーズを相手に防衛戦をすることに。
2ヶ月半前にシングルマッチを約束していたはるかとの対戦は、お互いの技と想いをぶつけあうような一進一退の攻防へ。場外戦でははるかが客席に叩き込む大暴れを見せるも、リングに戻ればさくらが619からキルスイッチと連撃しイーブンへ。最後ははるかが起き上がりこぼし式ラリアットで痛めつけていくが、切り返したさくらが変形ヨシタニックからStorming Blossom(=バックラッシュからの笑顔120%スクールボーイ)で3カウントを奪った。

だが勝利したさくらの背後からキラーズのボスであるMARUが殴りかかり「私はお前のこと大っ嫌いなんだよ。何が笑顔、勇気だ!そのベルトはな、笑顔とか勇気のベルトなんかじゃねーんだよ。怒りのベルトなんだよ!」と挑戦表明。さくらもブチ切れながら10月1日東京ドームシティ・プリズムホール公演での防衛戦を受け入れた。
キラーズのノリに釣られてしまったものの冷静になったさくらは「自分の中で茉莉さんからベルトを取った時に、まず必ず5回防衛するぞと。絶対に同じところまでは行くんだって決めてたので、達成できたことがすごい嬉しい。MARUさんの強さはわかってるし越えなきゃいけない相手だって思ってるので、このベルトは未来に繋がるような明るいベルトであってほしいって私は思ってるので絶対に怒りのベルトにするのは阻止したいって思ってます」とコメント。
前回大会で観客から『アクトレス5がベルトを取ってからつまらない』というような野次が飛んだ事で戦前は怒りに飲まれていたさくらだったが、「綺麗事じゃなくてアクトレス5っていう仲間のことがほんとに大好きで。それを馬鹿にされた感じがしました。なので正直怒ってた。でもお客さんの反応ってそれぞれだと思うし、お客さんの反応が全てだと思います。なのでつまらないと言われればつまらなくないものを届けるまでなので、逆にそのお客さんの反応で、怒りもあったけど、私のやる気に火がついたというか、あぁもっと私自身成長しなきゃいけないって思いましたね。なのでつまらないとも言わせたくない。絶対に言わせないし、もう馬鹿にする余地もないくらい強くて未来が明るいような試合をお見せする。そんなキングでありたいなって、改めてこの前の試合で思いました」と思いを語った。
ベビーの中で優等生を貫いてきたさくらは『王者はこうあるべき』という理想像を体現してきた。だがこの日KING王者として自分の感情を爆発させたさくらは今までにない魅力を出して勝利を手にした。最多防衛記録更新がかかった10月1日はある種ベビーとヒールの頂上決戦となり、今までにない王座戦を見ることができそうだ。