全日本7.25後楽園大会 潮崎&宮原vs.ドーリング&青木の世界タッグ戦、鼓太郎vs.金丸の世界Jr戦、曙プロレスデビュー10周年記念試合
2015 サマーアクションシリーズ【最終戦】
日時:2015年7月25日(土)
開始:18:00
会場:東京・後楽園ホール
観衆:1350人
▼第1試合 タッグマッチ 20分1本勝負
中島洋平/●野村直矢
9分10秒 トラースキック→片エビ固め
石井慧介(DDT)/○高尾蒼馬(DDT)
▼第2試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
渕正信/吉江豊(フリー)/●ジェイク・リー
13分40秒 変形エビ固め
KENSO/○SUSHI/土方隆司(フリー)
▼第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負
○諏訪魔/佐藤光留
12分28秒 万力スリーパーホールド
石川修司(ユニオンプロレス)/●福田洋(ユニオンプロレス)
▼第4試合 曙プロレスデビュー10周年記念試合6人タッグマッチ 60分1本勝負
○曙/天龍源一郎(天龍プロジェクト)/ウルティモ・ドラゴン(闘龍門MEXICO)
17分27秒 ヨコヅナインパクト→体固め
秋山準/大森隆男/●入江茂弘(DDT)
▼第5試合 世界ジュニアヘビー級選手権試合 無制限1本勝負
[王 者]○鈴木鼓太郎
18分20秒 タイガードライバー→エビ固め
[挑戦者]●金丸義信
※第38代王者・鼓太郎が4度目の防衛に成功
▼第6試合 世界タッグ選手権試合 60分1本勝負
[王者組]○潮崎豪/宮原健斗
24分59秒 ムーンサルトプレス→片エビ固め
[挑戦者組]ジョー・ドーリング/●青木篤志
※第70代王者組・潮崎&宮原が2度目の防衛に成功
曙のプロレスデビュー10周年記念試合で“太刀持ち”となった天龍が入江と真っ向勝負!
Evolutionを退けた潮崎&宮原に秋山&大森が挑戦表明!鼓太郎がようやく金丸を撃破
第1試合
石井と野村が先発を買って出ると、まずはロックアップから野村がロープに押し込む。ポンと胸を叩いてクリーンブレイクした野村はバックの取り合いでも譲らない。腕を取った石井は高尾にタッチ。すると野村は中島にタッチ。
ショルダータックルでなぎ倒した中島はロープワークからアームドラッグ。高尾もアームドラッグからドロップキックは相打ちに。中島が逆水平チョップを叩き込むと、高尾は控えの高尾にエルボー。すると野村はタッチを受けて高尾にカウンターエルボー。
しかしドロップキックを返した高尾は石井にタッチ。投球フォームチョップの連打を叩き込む石井にフォアアームで応戦する野村。石井はソバットからスリーパー。そこから控えの中島にフロントキックを見舞った石井は高尾にタッチ。野村をコーナーに叩き付けてから踏みつけた高尾。
さらに逆水平チョップを叩き込むが、野村のフォアアームで応戦。だが、ボディスラムで叩き付けると、タッチを受けた石井は逆エビ固め。だが、ロープに逃れた野村はミサイルキックを返して中島にタッチ。
ミドルキックからダイビング・フットスタンプを狙った中島だが、かわした石井はブレーンバスター、サマーソルトキック。タッチを受けた高尾は一気呵成に攻めていくが、野村もドロップキックを返すと、ノーザンライト・スープレックス。しかしバックドロップを背後に着地した高尾はバッククラッカー。そこに石井がジャンプン具/ダブルニーを落とすと、ドリフは中島にダブルのトラースキック。
ここで野村が高尾の背後を取ってジャパニーズレッグクラッチホールド。カウント2で返した高尾に逆さ押さえ込みを狙った野村だが、高尾はうまく逃れてトラースキックを叩き込んで3カウント。
<試合後コメント>
中島洋平
ーー今日は敗れてしまいましたが、若い世代同士のいきのいい第1試合でした。
中島「ただただ面白くないです。強くなろうと思って全日本プロレスに入って、同じ世代、同じようなキャリアの人間に持っていかれて面白くないですね。悔しいです」
ーーただ中島選手はどうしても体格差のあるマッチメークでの試合を見ることが多いので、今日のカードでは本来の動きを見せられたのではとも思うのですが?
中島「その中で今日はこうやって結果出せていないんで。自分にも悔しいし、いいところを持っていかれたのも悔しいですね。鈴木鼓太郎、金丸義信、青木篤志……この三角形を崩していくのはぼくらの世代だと思っているんで。その中でも僕が先頭に立って切り込まないとと思っています!」
第2試合
NHK『みんなのうた』のキャラクターであるつもりヤモリとお兄さんと共に入場したSUSHI。つもりヤモリは体が大きくてリングに入れなかったが、お兄さんが「SUSHI選手頑張ってください!」とSUSHIを激励。入れ替わるようにKENSOと土方が登場。
「ハッピーバースデイ、KENSO!」と声援を贈るファンに投げキッスで応えるKENSOは自ら先発を買って出る。渕と対峙したKENSOはまずはロックアップ。ロープに押し込んだKENSOはクリーンブレイク。バックを取った渕がロープに押し込むが、渕もクリーンブレイク。そこに張り手を見舞ったKENSOは「お前ら渕、渕うるせーんだよ」と吐き捨てる。
なおも張り手を見舞って行くKENSOに「コノヤロウー」と怒りを露わにした渕はトーキックからサミング。さらにヘッドロックパンチをお見舞い。レフェリーにはあくまで掌底だとアピールする渕は早くもバックドロップの体勢。しかしエルボーで逃れたKENSOは張り手をお見舞い。
土方とジェイクがリングインしロックアップ。そこからジェイクがエルボーを叩き込んでいくが、敢えて受け止めた土方は「来いよ」と挑発。すべてを受け止めてから張り手、ソバットを叩き込んだ土方はサッカーボールキック。
続いてSUSHIがカウンターエルボーからエルボー。ジェイクもエルボーを返すと、フロントキック。だが、キャッチしたSUSHIはバッククラッカーを決めていく。タッチを受けたKENSOは控えの吉江にビッグブーツを見舞ってからジェイクに張り手を叩き込んでから場外に放り出す。場外でも張り手を見舞っていったKENSOは、リングに戻ってきたジェイクにラリアット。
さらにコーナー下にジェイクを座らせると、土方が串刺し低空ドロップキック。だが、土方のブレーンバスターを踏ん張ったジェイクは逆に投げて渕にタッチ。渕は土方、SUSHI、さらにKENSOもボディスラムで叩き付けると、土方をもう一度ボディスラムで叩き付けてから吉江にタッチ。
吉江は土方、さらにKENSOを対角線上のコーナーに叩き付けると、連続でスティンクフェイスをお見舞い。だが、土方はハイキックからのミドルキックで吉江の巨体を蹴り倒すとSUSHIにタッチ。ラリアットを叩き込んでいってSUSHIだが、吉江は倒れない。ならばと地獄突きを連打したSUSHIは、エプロンに出るとショルダーをぶつけてからミサイルキック。
それでも倒れない吉江は体当たりしてからエルボードロップを落とす。タッチをアピールしたジェイクはアトミックドロップからフロントキックを叩き込むと、エルボー合戦から走り込んだSUSHIにキチンシンクを叩き込んでのDDT。
バックドロップは体をひねって押し潰したSUSHIだが、ジェイクはフロントキック。しかしSUSHIはそこから巻き投げ固めで丸め込んでジェイクから3カウント。
<試合後コメント>
ジェイク・リー
ジェイク「この前と同じような丸め込みで……。進歩が感じられないですね、自分の中で。今シリーズ中にあれでやられているんで」
ーー5人の先生に囲まれての試合という見方もできるわけですが……
ジェイク「先生っていう風に思ってはいますけど……敵は敵ですし、渕さんにしても吉江さんにしてもいつか(敵として)交わる人なんで」
ーー今日出したアトミックドロップなど、得意技も増えていっていますね。
ジェイク「いい経験をさせてもらっているとは思います。青柳さん、野村さんとの3人の中でも僕が一番、上の人と当たらせてもらっていると思います。これは会社が僕に与えてくれたチャンスなので、そうそうできるものじゃないですし。もっと危機感持たないとなぁというのは感じましたね」
ーー今日は試合前に初めてのファンクラブ撮影会が野村選手、青柳選手との三人でありました。そこでファンからも期待の言葉をかけられたのではないでしょうか?
ジェイク「あ、僕よりあの二人の方が。たぶんいろんな意味で(僕は)生意気に映るんじゃないですか?だっていきなりデビューして上の人に当たらせてもらって。あの二人だけじゃなくてファンの人も「なんだこいつ?」って思ってる人も中にはいると思いますよ」
ーーそれだけ期待も大きいということではないですか?
ジェイク「逆にそういう見方で見てくれる方が僕としてはやり易いですけど。思い切ってできるんで」
第3試合
開幕戦に続いて王道マットに参戦した石川&福田のユニオンコンビ。今大会では諏訪魔&光留のEvolutionと対戦。いきなり諏訪魔と石川の先発で試合開始すると、諏訪魔がグラウンドに持ち込んで腕十字の体勢に。石川は上体を起こして抑え込むことで脱出。
続いて光留と福田となり、福田はジャブで威嚇するが、光留は強烈なローキックを叩き込む。続いて諏訪魔が逆エビ固めに捉えると、光留は石川がカットに入れないようにすうr。諏訪魔はシャチホコ式にスイッチするが、福田は何とかロープに脱出。
光留が容赦なく掌底と蹴りのコンビネーションを叩き込むが、福田もカウンターでクロスボディーを浴びせると石川にタッチ。キチンシンクからジャーマンで光留を思いきり投げ捨てた石川は、諏訪魔にもコーナー二段目からミサイルキックを発射。さらにかんぬきに捉えるが、諏訪魔は逆にベリートゥベリーで投げていく。
諏訪魔のラリアットを2発受け止めた石川はカウンターのフロントキックから逆にラリアットでなぎ倒して福田にタッチ。10分が経過し、福田はダブルスレッジハンマーを投下すると、首をかっ斬るポーズからパーフェクトプレックス。だが、カウント2で光留がカット。
石川が光留を場外に放り投げると、ユニオンコンビは諏訪魔にトレイン攻撃。さらに石川がニーリフトからバックドロップで投げると、福田がレッグドロップを投下。福田は雄叫びを挙げてからアックスボンバーを狙って走り込むが、ラリアットで迎撃した諏訪魔はラストライドの体勢。
石川がカットに入るが、ダブルチョップを叩き込んで福田を吹っ飛ばした諏訪魔は石川もドロップキックで吹っ飛ばしてから福田をバックドロップで投げる。どうにかカウント2で返した福田だが、諏訪魔は背後から万力スリーパーホールドでグイグイと絞め上げていきギブアップを奪って勝利。
試合後、諏訪魔は石川と睨み会うと「1vs.1でやってやる」というジェスチャーをしてみせた。また、試合後の休憩時間には全日本プロレスの新テーマ曲が流された。
<試合後コメント>
※Evolutionはノーコメント
第4試合
曙のプロレスデビュー10周年記念試合に11月に引退する天龍が電撃参戦。入江は曙そっくりなコスチュームを新調して登場したが、秋山と大森から「あっちのチームに行け」と言われてしまう。先に入場した天龍は10周年の曙をロープを開けてリングに招き入れる粋な計らい。しかも天龍はTシャツを脱ぎ、上半身裸で試合に挑む。
まず曙と大森の先発で試合が始まるが、曙がショルダータックルでなぎ倒してエルボードロップを落とすとかわした大森に入江がタッチ。曙を睨み付けてショルダータックルでぶつかっていった入江だが、曙が逆になぎ倒し、さらに張り手を見舞ってから天龍にタッチ。
入江は天龍をロープに押し込むと、離れ際にエルボーを連打。天龍もグーパンチを返すと、倒れた入江の頭をチョン蹴り。しかし入江はヘッドバットで反撃すると、両ヒザをマットについた天龍にエルボーとヘッドバットで向かっていく。天龍もボディへのヘッドバットを返すが、入江は強烈なヘッドバットをお見舞い。
さらに秋山vs.天龍になると、秋山はグラウンドに持ち込んでスリーパー。どうにか逃れた天龍。さらに入江が曙にヘッドバットを見舞っていくが、曙は入江を突き飛ばして天龍にタッチ。ローキックからブレーンバスターを狙った天龍だが、秋山と大森がカットに入る。
タッチを受けた秋山は大森と一緒に天龍を踏みつける。これにはブーイングが起こるが、秋山は容赦なくストンピングを落とすと、ハーフダウンの天龍にランニングニー。さらにエクスプロイダーの体勢に。ウルティモがカットに入るが、入江が場外に連れ出す。そこに大森が入ってきて天龍をコーナー下に座らせると、秋山が串刺しランニングニー。
さらに大森がパイルドライバーで叩き付けるが、天龍はカウント2で返す。大森はフルネルソンに捉えるが、振り解いた天龍は逆水平チョップ。大森もチョップで対抗すると、アックスボンバー。ラリアットの相打ちに持ち込んだ天龍は、走り込んできた大森をレフトハンドラリアットで迎撃すると曙にタッチ。
コーナースプラッシュからエルボードロップを落とした曙は、合体攻撃を狙った秋山&大森をぶちかましで吹っ飛ばすと、大森にボディプレス。間一髪でかわした大森は入江にタッチ。ウルティモがドロップキックで迎撃するが、2発目をかわした入江。しかし下から両足で入江を捕まえたウルティモはコークスクリュー・シザースで投げる。
入江は串刺しラリアットを返すとブレーンバスターを狙ったが、ショルダースルーで切り返したウルティモ。15分が経過し、ウルティモは蹴りのコンビネーションを見舞ってから天龍にタッチ。グーパンチを叩き込んでいった天龍はパワーボムの体勢。秋山と大森がカットに入ると、天龍は曙にタッチ。
曙はコーナースプラッシュからエルボードロップを落とすがカウントは2。ランニング・ボディプレスを投下したが、これは秋山と大森がカット。ウルティモが大森を場外に連れ出すと、天龍が秋山を捕まえ、入江を捕まえた曙と同時に河津落としを決める。そして曙が入江をヨコヅナインパクト(=ジャンピングパイルドライバー)で叩き付けて3カウント。
天龍が笑顔で蹲踞し、土俵入りポーズの曙の“太刀持ち”となって記念撮影に応じると、秋山も曙と握手。そしてリングに一人残った曙はマイクを持つと、「お陰様でプロレスラーとして10年が迎えることが出来ました。これからも10年、いや20年目指してもっともっと全日本プロレスを面白く、強く、そして熱くしていきます! 応援よろしくお願いします!」とデビュー10周年の挨拶をした。
<試合後コメント>
曙
ーープロレスデビュー10周年記念試合を自らの手で勝利を飾りました。
曙「勝利はいいんですけど、相当の人がお祝いしてくれて本当にありがたい話だし、相変わらず、相変わらず天龍さんを見て、習うもの、感じるものはありましたね。更に、もっともっと自分のためにプラスになることだし、これからも天龍さんのおかげでもあるし、ためでもあるんだけど、もっともっと上を目指していきたいと。全日本のためにもますます思いましたね」
ーー土俵生活は約13年くらいですが、それからプロレスデビューして10年。しかもその時点で三冠王座を持っているというのは想像もされていなかったと思いますが。
曙「試合前のコメントでも言ったんですけど、曙が本物のプロレスをやっているのはここ2、3年ですね。さっき言ったようにいろんな団体に上がって、自分で活かせるものがあったからこそ今、プロレスラー曙があるというのは自分が一番分かっているんで。いつも言っているように三冠チャンピオンとしていろんな所に行って王道プロレスがこういうものだって証明していきたいですね」
ーーここ最近の大きい試合でも20分前後の試合で、なおかつ勝つというところからもいかに普段鍛錬されているかというのがわかるのですが。
曙「やっぱりプロとしてね、全員そうじゃないかもしれないけど、こんだけたくさんのお客さんが集まっている中で、プロとして与えられた課題に応えるというのは相撲時代から思っているし、信じているし。体が許す限りというのはおかしいですけど、ど真ん中にいられる限りはもっともっといいものを見せたいとは思っています」
ーー今日は天龍さんに今の三冠王者の凄さを見せたいとおっしゃっていましたが。
曙「でもやっぱり50%ですね。やっぱりあんな大きい存在がコーナーにいると、本気が出せないというか、飲み込まれちゃうんですよね。やっぱりコーナーでもこうした方がいいとか言われて、さすがですねと思いながら指示に(従っていたんですよ)。やっぱりすごいですよ。試合を見てるんだなぁって。さすがですよ。天龍さんがリングに入ると同じプロレスラーなんですけど、やっぱりファンの1人になりますよね。タッチ来る時も「お!」と思う時もありましたけれど(笑)」
ーー今日は天龍さんの引退ツアー下半期第一戦という位置づけでもありましたが、横綱自身は引退される前に対戦したいという気持ちはありますか?
曙「いやぁ……でもね。いいですよ。絡めるだけで幸せです。いいですよ、というのは失礼に聞こえるかも知れないですけど、やっぱり何も意味はないんですよね。今の天龍さんと今の曙が当たるというのは。もう本当に同じくらいの歳に当たりたかったですね。僕が相撲に上がっている時に若貴・曙と言われた時代に前の時代の人とどっちが強いのかとか。でも答えが出ないんですよね。僕らの中ではロマンとして考えていきたいんですよね」
ーー10年間のプロレス生活で一番の思い出は何になりますか。
曙「10年間の一番の思い出……。やっぱり初めて(全日本プロレスで正式な所属選手として)契約した時ですね。いろんなベルトとかも獲ったんですけど、契約しようと誘われたということは自分のことを(プロレスラーとして)認めていると感じました。初めてプロレスラーとして契約したのが(秋山体制の)全日本プロレスですからね。だから言うんですけど、契約した瞬間からプロレスラーとして生まれてきたんですよね。ただ(リングに)上がってやってるだけじゃなくて、中心(選手)として。楽しいですよ(笑)。……早く天龍さんのところへ挨拶に行かないと怒られるんで(笑)。相撲の先輩であるし、三冠の先輩でもあるし。おつかれさまでした。またこれから10年間、よろしくお願いします(笑)」
第5試合
開幕戦で壮絶な両者KOという結果に終わった鼓太郎vs.金丸の世界ジュニア戦。王者・鼓太郎が再戦による完全決着を熱望し、最終戦でピンフォールかギブアップのみで決着がつく無制限1本勝負による再戦となった。
金丸のセコンドには試合を終えたばかりのウルティモがつく。握手はせずに試合開始。ロックアップからジリジリとロープに押し込んだ金丸はクリーンブレイク。腕を取った鼓太郎に対し、足をすくって倒した金丸だが、鼓太郎はヘッドシザースで脱出。
ヘッドロックに捉えた鼓太郎をロープに振った金丸だが、凝ったろうはショルダータックル。金丸は飛び付きスイングDDTを狙ったが、着地した鼓太郎はアクシズ(=急角度バックドロップ)。着地した金丸は鼓太郎のビット(=ハンドスプリング・エルボー)をキャッチすると垂直落下式ブレーンバスターで叩き付ける。
辛くもカウント2で返した鼓太郎を場外に連れ出した金丸は鉄柵に叩き付けてから、ジャンプして鉄柵の上に飛び乗ってからレッグドロップを落とす。鼓太郎をリングに戻した金丸はカバーするがカウントは2。スリーパーに捉えた金丸だが、エルボーで脱出した鼓太郎。
しかし再びスリーパーに捉えた金丸は首4の字固めへ。反転した鼓太郎だが、金丸は両足で顔を挟んでマットに叩き付ける。ロープに逃れた鼓太郎だが、金丸はエルボースマッシュから飛び付き式のヘッドシザースからクルックヘッドシザース。これもロープに逃れた鼓太郎だが、金丸は再び場外に放り出すと鉄柵に叩き付ける。
さらに場外マットを外して床にDDTで叩き付けた金丸はリングに戻ってきた鼓太郎をきゃめるで追い込む。そこからエルボー合戦になると、鼓太郎はビットを狙うが、着地した金丸はフロントキック。だが、鼓太郎もケブラドーラ・コンヒーロを返して両者ダウン。
場外に出た金丸は場外ダイブを狙ってダッシュした鼓太郎に対し、エプロンに飛び乗って顔面蹴りでカット。エプロンに上がった金丸は断崖式ブレーンバスターを狙うが、踏ん張った鼓太郎は断崖式ツームストンパイルドライバーで切り返す。
10分が経過し、鼓太郎はコーナーに登っていき、場外で立ち上がってきた金丸に地獄の断頭台を投下。金丸をリングに戻した鼓太郎はダイビングエルボー。金丸も飛び付き式スイングDDTを返すと、串刺しラリアットから鼓太郎をコーナーに乗せる。そして雪崩式ブレーンバスターを狙うが、踏ん張った鼓太郎は、最上段から雪崩式ブレーンバスターを金丸が出した際に体を捻って押し潰す。
エクスカリバー(=旋回式ツームストンパイルドライバー)でカウント2まで追い込んだ鼓太郎は続けてブルーディスティニー。そしてタイガードライバーを狙った鼓太郎だが、リバースで切り返した金丸。ならばと鼓太郎はレクイエム(=高角度前方回転落とし固め)を狙うが、金丸は高角度前方回転エビ固めで切り返す。
カウント2で返した金丸はエルボー合戦からディープ・インパクトを決めると垂直落下式ブレーンバスター。だが、タッチアウトをツームストンパイルドライバーで切り返した鼓太郎。お互いかなりキツそうだが、ブレーンバスターを狙っていく。どちらもなかなか落ち上がらない中、鼓太郎はタイガードライバーの体勢。
必死で踏ん張る金丸だが、どうにか少し持ち上げた鼓太郎はそこから自分のヒザの上に金丸を叩き付ける。面食らった金丸に間髪入れずタイガードライバーを決めた鼓太郎がついに3カウント。
試合後、両者倒れたままなかなか立ち上がれない。どうにか世界ジュニアのベルトを死守した鼓太郎は先に引き上げていく金丸の背中に正座して一礼。そしてカメラマンに背中を向けると、表面を向けて肩に担いだベルトを指差した。
<試合後コメント>
鈴木鼓太郎
鼓太郎「聞くことがなければ俺から言うことは何も。もう言葉は全部リングに置いておきました」
ーー苦しい戦いを乗り越え、これで次のステップに行けると?
鼓太郎「今日、守護神・金丸義信はそれ以上のものだったように感じました。完全復活したと思います。全日本ジュニアは大丈夫だと思います」
ーー金丸選手からそこまで引き出したというのは鼓太郎選手もチャンピオンとして上がっているという実感がありますか?
鼓太郎「引き出したというか、やっと本気になってくれたというだけじゃないかな。金丸選手にはありがとうございましたと言いたいですね。何回でもやりたいです」
第6試合
シリーズ開幕戦のキャプテンフォールマッチでXceedのキャプテン潮崎からピンフォールを奪った青木はドーリングとのタッグで世界タッグ挑戦を表明。ドーリングとお揃いのスタジャンで登場したドーリング&青木のセコンドには諏訪魔と光留がつく。そしてたくさんのちびっ子に囲まれる中、潮崎&宮原の王者組が入場。
観客の期待感はドーリング&青木の王座奪取のほうが上回っている様子。ジャンパーを脱いだ青木のTシャツには「何か楽しいbyあおき」と書かれてある。いきり立った様子だが、自らコーナーに下がったドーリング。
潮崎と青木の先発で試合が始まると、まずは潮崎がロープに押し込むが警戒しながらブレイク。もう一度押し込んだ潮崎がブレイクすると青木がチョップを叩き込む。腕を取った潮崎だが、コーナーに押し込んだ青木はショルダーをぶつけていくと潮崎の逆水平チョップを腕でブロック。さらにロープに飛ばされた青木だが、ロープを掴んでストップするとドーリングにタッチ。
大「ジョー」コールから宮原の背中にハンマーを落としていったドーリングだが、宮原はフロントキック。ショートレンジラリアットでなぎ倒したドーリングは青木にタッチ。なおも宮原にハンマーを落としていくドーリングは憮然とした表情。
青木が控えの塩飽にフロントキックを叩き込むと、怒った潮崎は逆水平チョップで青木を場外まで吹っ飛ばす。追いかけていった潮崎をドーリングが追撃するが、潮崎はドーリングを鉄柵に投げつけてからラリアット。その間にリングに戻った青木だが、潮崎が戻ってくると場外に転がり出る。だが、追いかけていった潮崎はローリング袈裟斬りチョップを連打。
グロッキー状態の青木に逆水平チョップを叩き込んでからリングに戻した潮崎は宮原にタッチ。王者組はダブルのカウンターエルボー。宮原はスリーパーに捉えると、潮崎にタッチ。青木を場外に連れ出した潮崎は鉄柵に投げつけると突進。しかし青木がかわして鉄柵に誤爆させると、鉄柵の外に出てイスで殴打。
ドーリングも宮原を鉄柵や鉄製の仕切り板に叩き付けると、青木はリングサイドをダッシュし、鉄柵に飛び乗ってから潮崎にダイビングエルボー。さらにドーリングが潮崎を鉄柱に叩き付ける。ようやくリングに戻った潮崎に青木がドロップキックを叩き込むと、ドーリングもドロップキック。そこからコブラツイストに捕らえたドーリング。
10分が経過し、青木がコーナー下でヒザを押し付けていく。潮崎はムッとした表情で逆水平チョップを打っていくが、青木はエルボーで応戦。そして潮崎をロープに飛ばして勢いを付けたところにドロップキック。さらにドーリングがワンハンドボディスラム2連発。潮崎もローリング袈裟斬りからDDTを返すが、ドーリングはすぐに立ち上がってショルダータックル。
青木がエルボー合戦を挑んでいくと、睨み付ける潮崎の足を踏んづけた青木はバックを取ってスクールボーイ。だが、うまく立ち上がった潮崎は蹴り斬りチョップを振り落としていき、宮原にタッチ。エルボー合戦からトーキック、側頭部への低空ドロップキック、串刺しジャンピングエルボー、ノーザンライト・スープレックスと畳みかけた宮原はバックを取る。
だが、そのまま青木が自軍のコーナーに引っ張り込むと、コーナーで控えていたドーリングがエルボー。タッチを受けたドーリングは串刺しラリアット、エルボードロップと叩き込むが、ブレーンバスターを逆に投げた宮原は潮崎を呼び込んでSHIN-SEKAI(=宮原のジャーマン+潮崎のラリアット)を狙う。
しかし青木が場外から潮崎の足をすくって倒すと、ドーリングはレボリューションボム(=スパイラルボム)を狙う。これをウラカンホイップで切り替えした宮原はスネークリミット(=三角絞めからの腕十字)。ロープに逃れたドーリングだが、宮原はロープに飛ぶ。追走したドーリングはカウンターのクロスボディーを浴びせるとデスバレーボムの体勢に。
背後に逃れた宮原はジャーマンを狙うが、踏ん張ったドーリングはロープに飛んでラリアット。そしてレボリューションボム(=スパイラルボム)の体勢に入るが、宮原は回転エビ固めで切り返す。カウント2で返したドーリングの顔面に二段式ニーを叩き込んだ宮原。
両者どうにかタッチすると潮崎が青木にブレーンバスター。青木もカウンターエルボーを返すが、潮崎はジャンピングショルダー。青木もミサイルキックからダイビング・ネックブリーカーを返すが、そこに宮原が入ってくる。しかし青木は潮崎を突き飛ばして宮原に叩き付けると、ドーリングを呼び込んで潮崎に青木のジャンピング・フロントキックとドーリングのショルダータックルを同時にブチ込んで吹っ飛ばす。
倒れた潮崎の上にドーリングが青木をフロントブレーンバスターの要領で落とすと、潮崎をコーナーにホイップ。そしてドーリングが力いっぱい青木はホイップしての串刺しラリアット。勝負所と判断したEvolutionはドーリングのデスバレーボム→青木のフロッグスプラッシュ。だが、潮崎はカウント2で何とか肩を上げる。
青木はラリアットを叩き込むが、潮崎は倒れない。ならばと潮崎のラリアットをかわした青木は全体重を乗せたラリアットでなぎ倒してからジャーマン。ハイブリッジで決まったがカウントは2。青木は開幕戦でピンフォールを取ったアサルトポイント(=レッグロック・スープレックス)を狙ったが、必死に防御した潮崎はラリアットでなぎ倒す。
青木もどうにか反撃しようとするが、宮原が飛び込んでくると、ドーリングが宮原にラリアット。4者が倒れたリング上。一番最初に立ち上がった青木は潮崎にヘッドバットでヒザを着かせると一本足頭突き。しかし潮崎は豪腕ラリアットを叩き込むと一気にゴーフラッシャー。
だが、ロープが近かったため、どうにかピンチを脱した青木。潮崎は雄叫びをあげるとダメ押しのラリアットを狙うが、かわした青木は背後から飛び付き横十字で丸め込む。カウント2で返した潮崎は豪腕ラリアット2連発で叩き込むが、青木はカウント2で返す。ならばとコーナーに登っていった潮崎だが、ドーリングがエプロンから足にしがみつく。
そこに宮原が走り込んできてドーリングをバイシクルキックで場外に蹴落とすと、潮崎はムーンサルトプレスを投下して青木からようやく3カウントを奪った。
エンディング
敗れた青木は完全グロッキー状態で光留の肩に担がれて退場。潮崎とドーリングは睨み合い。だが、どうにか王座防衛に成功した潮崎&宮原が世界タッグのベルトを受け取ると、そこに秋山&大森のワイルドバーニングが現れ、秋山はエプロンへ、大森はリングに上がってきてマイクを取る。
「ベルト防衛おめでとう。次にそのベルトに俺たち二人、挑戦させろ!」と世界タッグへの挑戦表明。それを聞いた潮崎は「大森、秋山。お前超えないと全日本プロレスは先に行けないんだよ。だから俺たちが壁を必ず越えてみせる!」と返答。
さらに潮崎はエプロンにとどまりリングに入ってこない秋山に向かって「そして秋山準、全日本プロレスに来て、あなたとシングルでやったことないですよね。前哨戦でもいい、どこでもいい! 一度シングルを組んでください」と要求。それを聞いた秋山は「もうな俺たちは壁じゃないんだよ。お前達がチャンピオンなんだよ! そこはしっかり考えろ! なぁ? 俺はお前のいるところまで戻るから。しっかり俺らも調整してお前たちの前に立つから。分かったな? それまでに綺麗に(ベルトを)磨いておけよ。分かったな」と、若い選手の壁ではなく、あくまでも1チャレンジャーとしてXceedに挑戦すると表明した。
<試合後コメント>
潮崎豪&宮原健斗
ーータイトル防衛おめでとうございます。使い古された言葉ですが、夏の暑さを吹き飛ばすような熱い試合でした。
潮崎「そうですね。Evolutionの青木篤志が大嫌いですけど、今日はあいつのおかげで世界タッグのステージで試合ができたと思います。そこは感謝していますよ。俺自身もここまで追い込まれるとは思わなかったですしね」
ーー諏訪魔、ドーリング組とはまた違った強さのあるチームでしたが?
潮崎「そうだね。やってて苦しいけど、また違うヘビー級のタッグを味わいました」
宮原「今日は主役を獲られちゃったかなって感じですね。悔しいってところもあるんですけど、防衛したことで秋山選手、大森選手が出てきたんで。やっと俺が全日本に上がってから言い続けてきた、時代を変えるということが目の前に現れたんで。秋山選手は「俺らは壁じゃない」って言ってたけど、俺はもう壁だなんて思ってないから。シングルでも勝ってるし。壁だなんて思ってないけどあの人たちをお客さんの前で倒すってことをこの全日本でやらないといけないと。それをやるのは俺らだと思うんで。潮崎さんはそう思ってるかも知れないけど、俺は壁だなんて思ってない」
ーー潮崎選手が壁だという意識があるのは……
潮崎「そうだね。俺はシングルで勝ったのはまだ1回しかない。そこでリング上で言いたいことは言わせてもらったし、本当に全日本に来てからはシングルではまだやってないからね。僕としてはすべてを倒した上で世界タッグ、このベルトを懸けてやりたいなと」
ーー今日はセミファイナルで鼓太郎選手が世界ジュニアの防衛に成功しました。Xceedの2つの王座がまた防衛されました。
潮崎「そうですね。鼓太郎さんの試合も見ていましたし。今日は会場ひとつになったファンのみなさんに感謝したいですね」
ーーこの流れでまた三冠のベルトも獲り返したい?
潮崎「そうだね。そのためにもシングルでのランクアップをしていかないと。三冠ももちろん狙っています」
ーー三冠を狙うという意味では宮原選手も同じかと思いますが。
宮原「俺らはパートナーだけど、同じ意見、同じ気持ちかどうかは分からないからね。全日本でXceedっていうものを盛り上げようっていうのは一緒だけど。いずれ戦う時も来るだろうし。下半期は全日本、そして俺が話題を全部持っていきたいと思っているんで。俺が持っていけばXceedが持っていったということになるんで。そう思って俺は次のシリーズからやっていきたいと思っています。今日は後楽園のメインイベント、2人が最後に立っていたということに意味があると思っているんで。これを続けていくことに意味があると思うんで。俺らXceedが下半期も全日本のモットーである『明るく、楽しく、激しく』。そして俺らが最高のリング、会場の雰囲気にしたいと思っています。ありがとうございました!」