アイスリボン7.25道場マッチ 紫春鬼vs.あおい&あかね、寿ゆりラストマッチ、真琴デビュー9周年記念日OG対決
アイスリボン665
日時:2015年7月25日(土)
開場:13:30 開始:14:00
会場:埼玉・アイスリボン道場
観衆 147人(超満員札止め)
▼第1試合 タッグマッチ 15分1本勝負
大畠美咲(WAVE)/○宮城もち
9分38秒 メタボリックサンド→片エビ固め
世羅りさ/●弓李
▼第2試合 真琴デビュー9周年記念日アイスリボンOG対決 シングルマッチ 10分1本勝負
○真琴(REINA)
8分15秒 ジャバニーズ レッグカールクラッチ
●松本都(崖のふち)
▼第3試合 寿ゆりラストマッチ 20分1本勝負
○藤本つかさ
11分54秒 ビーナスシュート→片エビ固め
●寿ゆり
▼第4試合 タッグマッチ 20分1本勝負
紫雷美央/○つくし
14分21秒 でんでんむし
希月あおい/●藤田あかね
第1試合
7.29後楽園でリボンタッグ次期挑戦者決定戦に臨む大畠&もちの宮城県人タッグが本番を前に初タッグを結成した。
開始早々のダブル攻撃では相手をロープに振って戻ってくるところに、もちがタックル、大畠がドロップキックを決め、続けてもう1度トライするも、今度はもちがドロップキック、大畠がタックルと、息の合わない所がいきなり露呈。しかし試合巧者の2人は味方のピンチにはしっかりフォローに回るなど、バランスの良さを徐々に見せ始め、フィニッシュ前にはスパインバスターとフェイスバスターの合体技を鮮やかに決める、試合中できっちりと軌道修正。最後はもちがメタボリックサンドで弓李をフォール。初陣を勝利で飾った。
「宮城もち、29歳になって1発目の初勝利―っ! 次期挑戦者のタッグ・パートナーも決まりましてこの勢いで突っ走っていきたいなと思います」と語れば、大畠は「初めはどうなることかと思ったんですけど。やっぱり私はダブルといえばドロップキック。でももちはダブルといえばタックル。そこの意思疎通さえ出来てないって事が今日わかったので、本番までに意識の共有というか、イメージの共有をしていきたいな思います」と語った。「それに向けてまずタッグチーム名があったほうが点」という大畠に、もちは「もう考えてきましたよ私は!聞きたいか!その名も"オー!トリプルM"(OMMM)」とチーム名を発表。「大畠美咲(Ohasa Misaki)、宮城もち(MIiayagiMochi)のトリプルMってこと?」と尋ねる大畠に「そう捉えられてもいいんですけど、裏テーマがございまして、宮城むちむちタッグ」と名前の意味を伝えるもち。「私はいいと思うよ」とGOサインを出した大畠。最後は2人で後楽園に向けてMポーズを決めた。
また、世羅は「次の試合は後楽園ホールとなっていますが、その次8月1日は三原リボン。8月2日は世羅リボンとなっております。全カード発表になりまして、メインは私の希望するカードになっております。三原は2000人規模の大きい会場となっております。新幹線の駅を降りて徒歩5分くらいの三原リージョンプラザというところなので、お越し頂けたらと思います。よろしくお願いします!」と後楽園はもちろん、地元広島での2連戦をアピールした。
第2試合
2006年7月25日アイスリボンの千本桜ホール大会でプロデビューを果たした真琴が、そのデビュー記念日にプロレスラーとしての原点であるアイスリボンのリングで記念試合を行った。
前半は同じアイスOGである松本都が主導権を握り、淳一レフェリーを巻き込んでのぐだぐだな展開になりかけたが、マンマミーアZを狙ってコーナートップに立った都がバランスを崩して自爆し攻守逆転。雪崩式ダブルアーム・スープレックス、ハイキック、ダブルアーム・スープレックス・ホールドとつないだ真琴が、最後はジャパニーズ・レッグカール・クラッチ・ホールドを決めてフィニッシュ。
試合後、「今日はこんな自分のために記念試合を行わせていただきましてありがとうございました。お祝いなのか災いなのか…だけど楽しかったです」と語った真琴。デビュー9周年記念日、10年目の所詮を自らの勝利で飾った。
第3試合
昨年6月7日、北沢タウンホール大会でデビューを果たした日本初の現役ギャル・プロレスラー寿ゆり。ギャルサー引退式に専念するためにプロレス活動を休止していたが、「ギャルサー卒業と共にプロレスを続けていく意味を見いだせなくなった」寿は、そのままフェイドアウトすることも考えたが、けじめのラストマッチを行うことを決意。
6月からこの一戦のために練習を再開し最後のリングに立った。対戦相手は寿の希望でもあり、デビュー戦の相手でもあった藤本。序盤戦はブランクもあって藤本のペースで試合が進みサッカーキック、キャメルクラッチ、さらに客席にいた寿の両親を巻き込んでの場外戦と苦しい展開を強いられた寿だが、カウンターのワンハンドバックブリーカーを決めたあたりから、徐々に本来の寿のムーブが見られるようになった。定評のあったドロップキックをヒット。さらに得意技である喉輪落としをしっかりと決めた寿は、このラストマッチ用に練習してきた喉輪落としのアレンジ技(=通常の喉輪落としが真下に叩き落とすのに対して、自らのウエイトを浴びせる形で斜めに叩き落とす変化技)も決め、約半年間プロレスラーとして学んだ全てを藤本にぶつけていった。
最後は「ゆるたん、ありがとう!」のメッセージとともに、藤本が最大の敬意を払って繰り出したビーナスシュートにフォール負けを喫した寿。本人の希望によりセレモニーも10カウントゴングもなかったものの、ギャルレスラー寿ゆりの存在意義をアイスリボンの歴史に刻み込むに十分なラストマッチだった。
試合後の座談会では「ありがとうございました! なんとかね、あいつら(=友達)も(試合には)間に合って。(手を振る友達に)遅いんだよ来るの。マジで! 世間の中でギャルとかいい加減思われたりしていて、実際そうなんだけど。でも自分はアイスリボンで中途半端に辞めないで今日を迎えられて本当に良かったと思います。今日色んな人が応援に来てくれて、家族だったり、仲間だったり、ファンの人だったり。本当に今日が迎えられて良かったです。とりあえず後悔はないので。また皆さんに会えたらいいなと思います。今日は本当にありがとうございました」と寿ゆりとしての最後のメッセージ。
藤本も「ちょっとの期間だったんですけど、プロレスラーになってくれてありがとうって言いたいです。本当に唯一無二の存在でした。たぶんこれから先もギャルレスラーというのは現れないと思うので、プロレス界に、すごい印象づけた選手だと思っています。デビュー戦の試合で週プロカラー1ページ大きく載ったのはゆるたんくらいかな。それくらいのインパクトを残したゆるたんを生んでくださったお父さん、お母さん、ありがとうございました」と寿はもちろん、両親に対しても感謝の意を述べた。
第4試合
後楽園でのダブルタイトル戦を前に、前回の道場マッチに続きあおいと美央によるタッグ前哨戦がこの日のメイン。美央はリボンタッグのパートナーであるつくしを配して臨めば、一方のあおいのパートナーは前回の道場マッチで美央に敗れ悔し涙を流し、美央へのリベンジを誓ったあかねが務めた。
試合はあおいvs.美央の直接対決でスタート。4日後に迫ったダブルタイトル戦に向けて両者が熱い攻防を展開すれば、あおい同様に美央をターゲットとするあかねも美央に対して正面から挑みかかる必死の攻防を展開。ここでポイントになったのがつくし。対戦相手の2人の狙いが美央に集中している中、つくしは美央のフォローに回ることなく、あおい、あかねに真っ向から勝負を仕掛けていった。タイトル戦を巡る戦い、あかねの美央へのリベンジという試合のメインテーマに向く観客の目をしかりと自分に向けさせる、つくしらしいファイトが試合の流れを徐々に奪い、最後もつくしがフィニッシュを決め熱戦に終止符を打った。
試合後、美央は「あかね、前よりは気持ちは見えたと思うよ。でもやっぱりまだまだ。うちらチャンピオンには敵わないよ。もうちょっとチャンスを掴めるように頑張んな」とあかねを評した後、あおいに向かって「そしてあおい。そんなデコ腫らしているくせに人に張り手してんじゃねえよ! 頭突き食らって、お前、もうちょっとで切れそうだぞ。血出るんじゃないか?血出した方がへこむぜ、頭突きは。くそーっ! 次で後楽園ホール、タイトルマッチしかねえ。見えたようで、結局お前のハッピー全力は見えへんかった。今日も。本番は楽しむが、私も本番用に色々考えとくわ」と言葉を投げた。
スケジュールの都合で座談会には欠席した美央だが、試合後の美央の言葉にあおいは「今日勝ってホールにつなげたかったんですが、出来ませんでした。たんこぶ1つで満足している紫雷美央には絶対に負けません。今回もあおいが勝ってみなさんをハッピーにします。(美央は)4冠のベルトを持ってますけど、私が勝って3冠にして、自分が2冠になりたいと思います」と淡々とコメント。あえて言葉を荒げなかったところに、あおいの"本気"が感じ取れた。
また座談会後には後楽園でデビュー予定だったな長崎まる子が手術後、すでに肺の状態がほぼ回復をしていることが伝えられた。そして21日に29歳の誕生日を迎えたもちにバースディケーキあり、寿とは同期であった雪妃真矢から寿への思いを綴った手紙が読まれ、さらに本日の観客動員数が過去最高の147人で7月の道場マッチの平均観客数が104人であった事が発表された。
【記事提供/アイスリボン】