ママさんレスラーが新王者決定トーナメント決勝戦で反逆者の現シングル王者と対戦決定!
23日、埼玉県・アイスリボン道場にて『アイスリボン1038』の無観客試合が行われ、雪妃真矢がIW19王者決定トーナメントの決勝戦に進出し、星ハム子との対戦が決まった。
IW19王座とは、2010年にアイスリボンの姉妹団体として誕生した『19時女子プロレス』のベルト。当時はUSTREAM配信での無観客興行を中心に、クラウドファンディングもまだ主流でなかった時代に個人協賛を集めて王座戦を行うなど画期的な試みを数多く行っていた。
東日本大震災後に初王座戦が行われると、被災地出身選手を中心にしたトーナメントだったこともあり、アイスリボンが行っていた復興支援の『被災地キャラバン』でも地元出身の王者がベルトを掲げ被災地に勇気を与えていた。
しかし当時は「無観客はプロレスではない」・「配信で王座戦を行うなんてお客さんに失礼」という批判も多く、女子プロレス団体JWP(現:PURE-J)も反発。徐々にお客さんを入れての公開放送形式に移行したが、2013年6月に団体は活動休止に。IW19王座も第10代王者として君臨していた藤本つかさが封印した。
あれから約7年が経過し、現在は新型コロナウイルスの影響で各団体が興行を中止しYoutubeなどでの無観客配信が中心に。アイスリボンもニコニコ生放送やYoutubeで配信を行っており、時代が追いついたこともあって王座復活のトーナメント戦が先月25日から開催。
19時女子経験者であるAブロック6人、未経験者のBブロック6人による12人でのトーナメント戦となり、準決勝は勝ち残り3WAY戦に。ルールは19分1本勝負で引き分けの場合はニコニコ生放送での視聴者投票にて勝者が決定。オーバー・ザ・トップロープありの場外カウント19秒という特殊ルール。
そしてこの日はBブロックの準決勝として雪妃真矢vsトトロさつきvs鈴季すずの3WAYが行われた。
今月4日の横浜文化体育館大会(延期)でICE×∞王座(アイスリボンシングル王座)をかけて戦う予定だった雪妃とすずの対面に注目が集まったが、IW19戴冠に並々ならぬ気迫を見せていたトトロがすずを場外の柵にロープで縛り付けてリングアウト負けさせるというルールを生かした策で雪妃との一騎打ちに持ち込む。
トトロはカミカゼやフォーリング・トトロなどで猛攻をかけていくが、これを凌ぎきった雪妃が紫閃光、スノウトーンボムと畳み掛けて3カウントを奪った。
雪妃の決勝進出が決まると、先にAブロック決勝進出を決めていたハム子がリングに上がり、両者は決戦を前に対峙した。
雪妃は「アイスリボンの最高峰のベルトを持っている人間として負けるわけにはいかない。私はタイトル戦線の最前線を駆け抜けてきた意地とプライドと経験値があるんです。IW19トーナメントだからといって気合を入れ始めた人とは違うんです。だからシングルのベルトはどういうものであっても負けたくないです」とコメント。
しかし、急遽決勝戦の勝敗予想のファン投票を行われると、結果は雪妃が41.3%、ハム子が58.7%とハム子が優勢。現在、雪妃は内部からアイスリボンを変えるために“反逆者”の立場を取っているためか得票率は控えめなものとなった。
対するハム子は1回戦の藤本つかさ戦(藤本:24.6%、ハム子:75.4%)、準決勝のつくし戦(つくし:46.2%、ハム子:53.8%)と時間切れ引き分けからのファン投票で勝ち進んでおり、ファンからの絶大な支持を得て勝ち上がっている選手。“ドロップキッカーズ”としてリボンタッグ王座(アイスリボンタッグ王座)を保持している藤本&つくしから雪辱のために挑戦者として指名されるなど、現在のアイスリボンはハム子を中心に回っていると言っても過言でない状態だ。
IW19の決勝戦ではOTRルールは無くなるものの、19分の試合時間と時間切れ引き分けの場合のファン投票制度は継続。
ICE×∞王者の雪妃がシングル二冠王となるのか、ハム子が悲願のIW19戴冠を果たすのか。そして試合は19分以内に決着するのか、ファン投票に委ねられるのか。トーナメントの結末から目が離せない。