初の後楽園ホール進出が決まったプロレス団体が解散決定もダフ屋&不法投棄業者を追放して解散回避!
20日、東京都・新木場1stRINGにて『TTT旗揚げ4周年記念興行』が開催。TTTが渡鳥連合を解散に追い込み団体解散を回避した。
TTT(TOTAL TRIUMPH TEAM)とは、故・ターザン後藤さんに薫陶を受け、ミスター雁之助を師に持つ黎明期インディープロレスの後継者的存在であるガッツ石島が2020年1月に“インディープロレス統一”を掲げて旗揚げした団体。
90年代インディーの空気を色濃く残したディープなメンバーが参戦している他、都内の商店会と協力してプロレスでの町おこしに協力。老若男女にプロレスの楽しさを伝える草の根運動を展開。これが実を結んで安定した集客を実現し、旗揚げ4周年を迎えた今年の12月28日には団体初の後楽園ホール大会開催を決定するなど驀進している。
ベテラン勢による牧歌的なプロレスが展開されることが多い平和なTTTだったが、不動産も合わせて数十億に及ぶとも言われる大富豪・TTTの石川会長の個人資産に目をつけた悪の軍団【渡鳥連合】が襲来。
TTTの乗っ取りを宣言して勝手に“チケット販売権”なる事実上の興行権を主張し始め、会場前で堂々とダフ屋行為を行ったり、わざわざ秀旺の地元である岩手県花巻市から輸送してきたゴミを不法投棄したりと数々の嫌がらせを続けてきた。
昨年12月、ガッツ石島は自らのデビュー19周年記念試合として自らの持つTTT認定インディー統一無差別級王座をかけて渡鳥連合の藤原秀旺、ジョニー・ヘイワードJr.と3WAY形式で対戦。しかし、これは渡鳥連合のセコンド陣の無法介入によって無効試合となってしまう。
その後はTTT本隊と渡鳥連合による売り言葉に買い言葉の煽り合いが展開され、【TTTが負けたら団体解散、渡鳥連合が負けたらユニット解散&TTT追放】というなんとも釣り合いが悪い条件での5vs5の総力戦が決定する。
渡鳥連合は、藤原秀旺&塚本拓海&竹田誠志&木村太輔&ジョニー・ヘイワードJr.というフルメンバーを用意。
そして、TTT本隊はガッツ石島&マスクドミステリー&瀧澤晃頼&神崎ユウキという所属4人に黒田哲広を加えた5人を用意したが、大会1周間を切ったところで黒田の脳出血が発覚し緊急欠場。欠場の連絡も黒田本人から来ており、既に退院もしているとのことで大事には至らなかったものの団体解散がかかったTTTにとっては大きな痛手。
秀旺は「本隊が代わりのメンバーを用意するなら俺たちはボイコットする」という理不尽な要求をTTTが認めてしまったため、本試合は4vs5のハンディキャップマッチで試合が行われることが決定。またもTTTは解散の危機を迎えていた。
試合が始まると、数的不利のTTT本隊が不利な大乱戦となるも、瀧澤&神崎の若手コンビが躍動しベテラン勢から勝利を奪う金星で勢いづかせる。
しかし、インディー界の名タッグ“クレイジーラバーズ”を擁する渡鳥連合が地力で勝りじわじわと逆転。竹田&塚本のコンビネーションが光って瀧澤&神崎が敗退に追い込まれていくも、いぶし銀のミステリーが竹田を道連れにOTRする送りバント。ガッツも塚本をゴーストバスターで葬り、最後は長年のライバルであるガッツと秀旺の1vs1に。
ガッツは連撃を決めて勢いに乗り、トドメのラリアットを発射。しかし、秀旺がとっさにレフェリーを盾にしたことでラリアットがレフェリーにクリーンヒット。その衝撃で秀旺はOTRするも、レフェリーはガッツの反則負けを宣言。
秀旺のOTRよりもレフェリー攻撃の方が先に起きたことであるため、ガッツの反則負けが優先。TTT本隊が敗北して団体解散が決定してしまう。
しかし、この試合の請負人(自称)である大家健がリングに飛び込んできて「お前たちだけだよこんなの納得してんの!」とガッツvs秀旺のシングルマッチでの完全決着戦の実施を宣言。
緊急決定された2人のシングルは互いの歩んできた歴史を確かめ合うかのような肉弾戦が展開。
秀旺はお願い魅惑のターゲット(※垂直落下式ブレーンバスター)からチャンス of LOVE(フライング・ニールキック)。さらにロマンチックを突き抜けろ!(※変形バックドロップ)を狙うが、ガッツが振り払ってラリアットからお返しのフライング・ニールキック。
ガッツは大一番でしか出さないダイビング・クロスボディから後頭部へのラリアット、正面からのラリアットと連撃し、最後は必殺のフェイスバスターで叩きつけて3カウントを奪った。
試合後、秀旺が「まあ、色々ありました。2010年、メロン記念日解散。2023年、男闘呼組解散。そして2024年、本日、渡鳥連合、終わります」と潔く解散を宣言すると場内からは「えぇ~っ?!」と残念がる声が上がる。
なんやかんやで無理矢理な理屈を付けて次回以降もTTTに参戦し続けるかと思われていた秀旺だったが、大会後には今後約2年は活動拠点を中国に置いて現地の団体・MKWを中心に参戦していくことを説明。渡鳥は新木場から大陸へと羽ばたいていった。
一方、解散を回避したTTT本隊は大喜び。新たな外敵襲来の危機を感じつつも、今年12月28日に開催する初の後楽園ホールに向けて様々な仕掛けを施していくプランを語り、“拡大”をテーマに2024年の大躍進を誓った。