「狂ってやがる!」どしゃ降りの公園で商店街が街興しプロレス!ジャガー横田が路上で凶器を持って大暴れ!落語家女子プロレスラーと小平市の英雄が王座戴冠!
9日、東京都・たかの台地区商店会の小平中央公園。噴水広場にて『闘強商店会プロレス~三都物語~』が開催された。
『闘強商店会プロレス』とは、東京都の3つの商店会が協力して行っているプロレスを軸に街を活性化させることを目的とした商店街周遊イベント。
それぞれの商店街を周ってスタンプを集めることで景品がもらえるスタンプラリー企画を基幹とし、各商店会がプロレスラーを集めてチームを結成して対抗戦を行っていくストーリー性のあるプロレス大会を開催。
東久留米駅前商店会にあるラジオ局『TOKYO854くるめラ』内の番組『たまプロレス情報局』が管理するタッグベルト・たまプロタッグ王座を巡る男子&女子のミクスドタッグでの闘いが行われることになっている。
このイベントの基となったのは、新宿三丁目の末広通り商店会(新宿区)が商店街活性イベントの一環として公道にリングを立てて行っているオールスタンディング形式かつ観戦無料のプロレス大会。
2022年にはこのプロレス祭りの輪を広げていくべく、たかの台地区商店会(小平市)、東久留米駅前商店会(東久留米市)も合わせた3つの商店会でタッグを結成し『闘強商店会プロレス』を実施。昨年の当該イベントは大盛況の内に終わり、今年も連続開催に至った。
9月23日には末広通り商店会で開幕戦が実施。新宿三丁目のド真ん中にリングが立てられ、ジャガー横田もサプライズ参戦。雨降る朝10時開始のイベントだったにも関わらず約500人の観衆が集まる大賑わいに。
10月1日には東久留米駅前商店会で第2戦が実施。ジャガー横田の継続参戦にも驚きの声が上がり、女子デスマッチファイターの雄・世羅りさがマスクドミステリーとともにたまプロタッグ王座を戴冠するなど大いに盛り上がりを見せた。
この日は、小平中央公園の噴水の水を全部抜いた空間にリングが立つという非日常的な光景が広がり、そんな空間にジャガー横田が降り立ったことで今はプロレスを見なくなってしまった往年のファンも大興奮。「狂ってやがる……」と呟いた通りすがりの子連れ客の姿もあった。
また、今大会には「3連休の最終日に大雨が降る公園でプロレスをやるちょっとアレな連中がいるらしい」という噂を聞きつけた某有名地上波ワイドショー番組が六本木の方から取材に来ており、災い転じて福となす結果となった。
この日のメインイベントでは、ジャガー横田&藪下めぐみvs藤田あかね&夏実もちという“CRYSISvsプロミネンス”の構図となる対抗戦が実施。
無料興行でやるにはもったいないこの豪華な試合は、早速ジャガーが場外戦で街灯やベンチにもちを叩きつける大暴れ。さらにはイスで滅多打ちにしていき、薮下も“格闘女神”の異名に恥じない巧みなサブミッションでリング内を支配。
あかね&もちも連携攻撃で逆転を狙うが、薮下が水をたっぷり吸って重くなった黒帯で滅多打ちにして撃退。最後はジャガーがコーナーからのダイビング・カカト落としであかねから3カウントを奪った。
なお、この日のセミファイナルでは小平で生まれ育った“小平の英雄”トランザム★ヒロシと、プロレスと総合格闘技のリングで活躍し落語家としての顔も持つ唯我がたまプロタッグ王座に挑戦。見事東久留米軍のマスクドミステリー&世羅りさから王座奪取を果たし、故郷に錦を飾った。
商店会プロレスのようなオープンな場で行われる無料のプロレス大会は、プロレスの裾野を広げていくことにつながる。会場には初めてプロレスを見るという子供も数多く訪れており、この出会いが将来のプロレス界の風景を変えることも有り得る。大きな団体のビッグマッチだけではなく、こうした草の根運動もプロレスの発展には必要不可欠だ。
プロレス界に於いて“10・9”というのは特別な日であり、全国各地で華々しいビッグマッチが数多く開催されていた。そんな中で雨に濡れながらプロレス界の地盤を固めるこのような小さな大会にも目を向けていきたい。