【試合詳細】6・14 小橋建太プロデュース興行後楽園ホール大会 小橋建太vsスタン・ハンセン T-Hawk&青柳優馬&野村卓矢vs遠藤哲哉&田村ハヤト&吉田綾斗 鈴木みのる&秋山準vs橋本千紘&優宇 KAIRIvsウナギ・サヤカ

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小橋建太プロデュース興行『Fortune Dream8』
日程:2023年6月14日(水)
開始:18:30
会場:東京都・後楽園ホール
観衆:1,355人(満員)

▼シングルマッチ 15分1本勝負
△永尾颯樹 (ZERO1)
15分0秒 時間切れ引き分け
△高鹿佑也(DDT)

▼タッグマッチ 20分1本勝負
火野裕士(フリー)/●クワイエット・ストーム(フリー)
11分6秒 ゴーレム・スプラッシュ→体固め
○岡林裕二(大日本)/大門寺崇(ランズエンド)

▼スペシャルトークバトル 30分1本勝負
△小橋建太
30分0秒 時間切れ引き分け
△スタン・ハンセン

▼シングルマッチ 30分1本勝負
○KAIRI(フリー)
14分54秒 インセイン・エルボー→片エビ固め
●ウナギ・サヤカ(フリー)

▼タッグマッチ 30分1本勝負
○鈴木みのる(パンクラスMISSION)/秋山準(DDT)
19分25秒 ゴッチ式パイルドライバー→体固め
[チーム200kg]●橋本千紘(仙女)/優宇(EVE)

▼6人タッグマッチ 30分1本勝負
T-Hawk(GLEAT)/△青柳優馬(全日本)/野村卓矢(大日本)
30分0秒 時間切れ引き分け
△遠藤哲哉(DDT)/田村ハヤト(GLEAT)/吉田綾斗(2AW)

小橋vsハンセンのトークバトルがFDで1年越しに実現し2人のラリアットの“約束”が明かされる!みのる&秋山vsチーム200kgのミクスドマッチは大熱戦!ウナギがKAIRIに敗れるも再査定を宣言!

オープニング


 小橋がサポートしている『がんの子どもを守る会』の面々がリングに登場し、強い体を作るために観衆とともに10回スクワット。この日は13,000人が来場しているということで、13,000人×10回の13万円ががんの子供を守る会へ寄付されることが発表された。

 その後、試合開始前に小橋が挨拶および開会宣言を行った。

小橋「皆さんこんばんは!本日Fortune Dream8、後楽園ホール大会にご来場誠にありがとうございます。まずは、Fortune Dream初の男女ミクスドマッチがあります。その他、本当に期待のできる素晴らしい試合がラインナップされています。僕も楽しみにしています。Fortune Dreamのコンセプト、それは熱い試合です。これは第1回目から変わりません。皆さんの熱い応援、大きな声援、選手たちによろしくお願いします!それでは開会宣言をしたいと思います。皆さん、握りこぶしをお願いします。行くぞ!オーッ!で行きます。いいですか?!行きます!Fortune Dream8、行くぞーッ!オーッ!ありがとうございました!」

第1試合


 ゴングが鳴ると、ロックアップから腕の取り合い、グラウンドでの首の取り合いが展開されクリーンブレイク。
 再び向き合って永尾がヘッドロックでじっくり絞り上げ、ショルダータックル。さらにロープに飛ぶが、高鹿がドロップキックで迎え撃つ。高鹿はロープに飛んでいくが、永尾がバックエルボーで迎撃。さらに永尾がボディスラム、背中へのエルボードロップ連打から連続エビ固めでスタミナを奪い、高鹿の顔面を挑発的に蹴りつけていく。
 高鹿はエルボー連打で反撃も、永尾がエルボー連打でやり返しコーナーへ力任せに叩きつけてからボディスラム3連発。さらにキャメルクラッチで絞り上げるが、高鹿はなんとかロープに足を伸ばす。高鹿はよろよろとエルボー連打で反撃していき、串刺し攻撃を狙う永尾をブートで止めてダイビング・フォアアームを見舞って逆転の狼煙を上げる。
 高鹿はアームブリーカーからの腕固め。永尾がロープに足をかけると、高鹿は引き起こしてショルダーアームブリーカー、アームロック、固めた腕関節へのニードロップと一点集中攻撃。高鹿がロープに振ってヒップトスからキーロック。永尾が足を伸ばしてロープブレイク。
 高鹿が「来い!」と永尾が起き上がるのを待って挑発すると、永尾がチョップを放っていき、高鹿のエルボーも耐えきってバックドロップ。永尾はコーナーに詰めてエルボーを猛連打していくが、高鹿もリバースしてエルボーの猛連打。体勢を入れ替えながら打ち合っていき、これを制した永尾が串刺しジャンピングエルボーから高速ブレーンバスター。バックの取り合いから高鹿が背中へのエルボーから腕へのオーバーヘッドキック、腕へのカーフ・ブランディングを叩き込み、永尾に打撃を促す。

 永尾もエルボー連打からブレーンバスターを狙うが、高鹿が脇固めで切り返し、そのままチキンウィング・アームロックに移行。これをブレイクされると、高鹿は再びエルボー合戦へと誘い、足を止めての打ち合いに。高鹿がロープに飛ぶと、永尾がカウンターのドロップキック。さらに永尾がフィッシャーマンズ・スープレックス・ホールドもカウントは2。永尾が垂直落下式ブレーンバスターもカウントは2。
 残り試合時間1分がコールされると永尾が逆エビ固めに捕らえて絞り上げるが、高鹿がなんとかブレイク。永尾がデスバレーボムで叩きつけたところで時間切れ引き分けを告げるゴングが鳴り響いた。

第2試合


 火野と岡林の対面でゴングが鳴ると、両者しっかりと抱き合ってからゆっくりとリングを回った後に、ショルダータックルで正面衝突。さらに真っ向から逆水平チョップで打ち合っていき、互角と見るや正面からラリアットでのぶつかり合い。これも互いに倒れず耐えると、再びショルダータックルで正面衝突。両者ともにふっとばされる形となり、両者タッチ。
 ストームと大門寺も真っ向からショルダータックルでぶつかり合い、ロープワークを駆使した大門寺がストームをなぎ倒す。さらにコーナーに上がるが、ストームが地対空ラリアットで大門寺を場外に叩き落し、火野が大門寺を逆水平チョップで追撃してからリングに経放り込み、ストームがフェイスバスターから火野にタッチ。
 火野は大門寺に逆水平チョップ。大門寺はエルボーで返していき、正面からの打ち合いに。火野がローリング逆水平で倒してセントーンで追撃し、「大門寺、どうした?」と余裕の笑み。大門寺は右ストレートを叩き込んでからブレーンバスターを狙うが、火野が振り払ってロープへ。大門寺は下からすくい上げてバックフリップで叩きつけ、岡林にタッチ。

 岡林は火野に串刺しラリアットから腰を落とした火野の巨体をぶっこ抜くブレーンバスター。さらにアルゼンチン・バックブリーカーで絞り上げた上で後方へ放り捨てる。火野もお返しとばかりにアルゼンチン・バックブリーカーから真後ろに放り捨てて見せるが、岡林が逆水平チョップを見舞うと再び火野との逆水平チョップの打ち合いへ。火野がロープに飛ぶと、岡林はパワースラムで迎撃。火野も即座に起き上がってジャーマン・スープレックスでやり返し、2人共すっくと立ち上がってラリアットを発射。これは正面衝突の相打ちとなり、両者バタリと倒れ込んだ後にタッチへ。
 再びストームと大門寺の対面となり、エルボーの乱打戦から両者ロープの飛びながらの追走エルボーの応酬。ストームがスパインバスターからラリアットを狙うが、大門寺がかわして顔面へのナックルを連打しフライング・ラリアット。大門寺がブロックバスターで叩きつけてからコーナーに上がり、ダイビング・ラリアットを放つも、ストームがかわしてジャーマン・スープレックス。大門寺は即座に起き上がってローリング・ラリアットを叩き込み、岡林にタッチ。

 岡林はストームにブレーンバスターを狙うが、ストームが逆に投げかえし、ロープに飛んでラリアットを狙うが、大門寺が飛び込んできてスーパーマンパンチを叩き込み、ブラックレインで追撃。火野がカットに入って大門寺をFucking Bombで叩きつけるが、岡林が火野をラリアットで撃退。岡林はストームにパワーボムを狙うが、ストームがショルダースルーで切り返してラリアットで叩き伏せる。さらにロープに飛んでラリアットを狙うが、岡林がカウンターのラリアットをクリーンヒット。さらに岡林がコーナートップからゴーレム・スプラッシュを投下して3カウントを奪った。

 試合後、岡林は火野、ストームとガッチリと抱き合い、4人で手を掲げて健闘を称え合った。

<試合後コメント>

岡林裕二&大門寺崇
大門寺「今日の試合見て思いました。岡林さん。これだけいっぱいの応援してくれるお客さんの前なら絶対戻って来てくれるって。僕は今日の試合初めてタッグ組んでわかりましたよ。戻ってきますよね。」
岡林「ありがとう。まあ休業入るけど、本当にこんだけすごいレスラー。火野裕士にクワイエット・ストーム、そして大門寺崇!うん、とりあえず、本当にな。すごいレスラーと戦えて良かったよ。これからのことはわからんけど、な。帰ってくるかもしれんし、大門寺、大門寺がこれからガンガンガンガンシングルプレイヤーとして突っ走っていかないかん。チャンピオンやろ今。出会いがあれば別れもある。でも強い気持ちを持って上に行くだけや!」
大門寺「大門寺のこと、倒したいって思うくらいのレスラーに、僕はあなたが休んでる間なってみせますから」
岡林「そうや!」
大門寺「ちゃんと見といてくださいね。どんなところからでも。どんな遠くからでも、見といてください!」
岡林「OK!よっしゃ!」
大門寺「ありがとうございました!」

第3試合


 小橋が大歓声に迎えられて入場するも、ハンセンの曲がかかると会場が割れんばかりの大歓声に包まれ、ハンセンコール一色に染まる中でハンセンがリングイン。小橋と握手&抱擁を交わす。
 激励賞贈呈式の後に小橋が青コーナー、ハンセンが赤コーナーに立って選手コール。

――まず小橋さん、リング上でハンセンさんと久しぶりに対峙しての気持ちは
小橋「燃えてきました!もうね、昔リングに先に入場するでしょ?そのあとハンセンの音楽が鳴ると、いつも『今日もハンセンか……』というのがあったんですけど、途中から『今日もハンセンだ!』『よし!今日こそやっつけるぞ!』という思いが段々強くなってきた、そういう背中を追える選手でした」

――ハンセンさんは小橋さんと久しぶりに対峙してみていかがですか
ハンセン「若い時から見てますが、若い時から『絶対負けないぞ!』という気持ちで頑張ってきた人で、それを見て『コイツは叩きのめさなきゃ』『コイツはやっつけておかなきゃ』と思って僕も色々やりましたけど、それでも辞めたりしないで頑張って上までのし上がっていきましたよね」

 ここで、今回が小橋がハンセンにひどい目にあわされる映像が用意されていることが明かされ、まずは1993年4月の後楽園ホールでコーナーからダイブしてきた小橋をハンセンがラリアットで叩き落とす映像が流される。

――これは覚えていますか?
小橋「もちろん覚えてます。ここ(目の前の青コーナーを指して)のコーナーです(笑)このときの僕は110kg以上あったはずなんですけど、それが、セカンドロープから飛んできたんで、それをラリアットで返すっていう。『まさか、そんなことはないだろう』って思ってたことを、その時のラリアットで返してきたことはもう、忘れられないですよね……。他の人に出来ることじゃないです。スタン・ハンセンだから出来たことです」

――ハンセンさんはこの場面を覚えていますか
ハンセン「よく覚えてますよ(笑)ただ、あそこに登るのは基本的には反則なんですね。なので、僕はあそこでラリアットを出したんだ(笑)」
小橋「いやあ、反則じゃないです!(笑)」
ハンセン「いや、厳密に言えば反則だぞ(笑)」

 続いて、1993年7月の、コーナーに上った小橋をハンセンがラリアットでリング内に叩き落とす映像が流れる。

小橋「これはひどい」
ハンセン「その前に何回僕のこと叩いた?そこを見落としてやないかい?(笑)」
小橋「いやっ、私が殴ったけど、その前に何発も僕を殴ってますよぉ……」
ハンセン「もしかしたらそうかもね(笑)本当は毎回ロープに飛ばしてラリアットを撃ちたいんだけど、小橋はカウンターが上手だから、いろんな方法で違う角度・方法から入ることを覚えたよ」

――小橋さんがハンセンのラリアットを進化させたとも言えますね
小橋「言い方を変えればそうなんですけど、やっぱり、自分は、僕はいろんなことが進化していくことに対して、ハンセンさんはキャリアがあるにも関わらず、トップ選手がその進化に負けないでいこうとしてる、その熱心さ、プロレス魂、プライドにビックリしましたね」

 続いて、1989年4月、試合に負けて荒ぶるハンセンが暴れているところを止めようとした若手時代の小橋がハンセンにラリアットを叩き込まれる映像が流される。

小橋「これはひどい」

――試合に関係ない小橋さんになぜラリアットをしたのか教えてください
ハンセン「今の映像は最高でしたね!(笑)ただ、自分が負けたところだけは気に入らないが、最後のラリアットはよかった。……なぜかって?それは小橋に聞いてくれ」
小橋「いや、よくないでしょ!(笑)」

――映像に残っているもの以外でも、たくさんラリアットをやられているそうですね
小橋「いやあ、テレビ中継がある・なしに関係ないですからね。ハイ。もう、無いとこでもいっぱいやられてます。さっきのVTRで分かる通り、乱闘になったときに誰も(止めに)行こうとしないんです。それはハンセンの暴れっぷりが分かってるからみんな行かないんです。んで、行ったら最後、捕まってしまう……」

――若手の中で小橋さんはラリアットを撃ちたくなるくらい目についた選手だったのですか?
ハンセン「ずーっと目は付けてました。若い頃から『あっ、この人はトップまで行くな』とあのときから分かっていたので、狙っていたよ(笑)おそらく、ジャイアント馬場さんもそう思って、徹底的にやってほしかったんだと思う。絶対やるっていうのは馬場さんも分かっていたことだから」

――馬場さんの指示だった?
ハンセン「そう勝手に思ってます」
小橋「若手の頃ねえ、体中に傷があったんですよ。それは、ハンセンのイス攻撃であったり、パンチであったり、キックであったり……。よく寝技で耳をやってくることあるでしょ?昔、ハンセンと宮城でチャンピオン・カーニバルの試合やったときに、パンチで耳が腫れたんです。もう血を抜かないといけないくらい腫れたんです」
ハンセン「ソーリーソーリー(笑)」
小橋「待って待って。もっと謝ってもらわなきゃいけない!(笑)」

 続いて、1991年7月、ハンセンが流血で逆上し小橋をイスで滅多打ちにしてから逆エビ固め葬にする映像が流れる。

小橋「これはひどい。いやあ、あの、イスであんな殴って良いものですか?」
ハンセン「いいでしょ」
小橋「イスは座るものです!」
ハンセン「そういう考え方もあるね。ちょっとやりすぎちゃったかもしれないけど、そうされてもしょうがないことをしていたと思うよ?(笑)」

 続いて、1999年12月、世界最強タッグリーグ優勝を逃して怒り狂い、小橋を盾で殴って八つ当たりする映像が流れる。

小橋「これはひどいですねえ!(笑)これはね、あれは音が入ってるわけじゃなくて、ホントの音ですよ。あの盾ってメチャクチャ硬くて重いですよね。それ考えたら本当に酷いことをしているんですよ!なぜそれが分かってもらえないのか!なんで僕のほうが悪くなるのか!(笑)なぜあんなことをしちゃうんですか?」
ハンセン「うぅ~ん、しらないなあ~(笑)まあまあ、僕が悪かったよ、認める認める(笑)」 
小橋「あのとき僕は、スタン・ハンセンの衰えない闘志を感じました」
ハンセン「そっちこそ、本当にファイティングスピリットがすごかったからこそ、あそこまでやらなきゃいけなかったんだ」
小橋「すごくその答えは嬉しいんですけど、嬉しいんですけど、なんかこう……嬉しいんですよ?嬉しいんですけど……。まあ、そうですね。スタン・ハンセンという人がいなかったらここまで上がってこれなかったから。僕はハンセンさんのキャリアの最後のライバルと自分は思ってます。そして、僕の先生です。アメリカの先生」
ハンセン「ありがとう、最高の褒め言葉だよ。17歳とか18歳で入ってきて、いったいなにを教えたのかはよくわからないけど、絶対にトップに立つ選手だっていうのは分かってたからね」
小橋「なにを教えたっていうよりも、闘いを通じて、試合を通じて、プロレスラーとしてのプライドと、タフじゃないとこの世界は生き残れないんだということを、試合を通じて教えてもらった。だから、僕はアメリカの先生だと思うんです」
ハンセン「ありがとう。ただ、あのときは本気で潰そうと思って闘ってたよ(笑)でもそのファイティングスピリットでトップに立つことが出来て、本当に行けるところまで言ったと思うよ」
小橋「そのファイティングスピリット、気持ちが無かったら僕は多分、途中で終わってました。その思いがあったから、跳ね返せた。『絶対負けない!』という思いで立ち上がりました。……もうビデオは終わりですか?」

――終わりです(笑)最後の最強タッグの試合では、スタン・ハンセン&田上明vs秋山準&小橋建太の試合で、秋山さんが田上さんに勝って優勝を決めました。なんで小橋さんがやられたんでしょうね
小橋「……それは聞きたいよねえ」
ハンセン「メガネを外すとなにも見えないから小橋だってことも分からなかった!」
小橋「いや、あれは完璧に狙ってましたよ!(笑)」
ハンセン「……まあ、そうだねえ(笑)」
小橋「僕はね、この後楽園という場所、さっきもセカンドロープから飛んでラリアットされたり、そういった思い出がありますけど、ハンセンさんと一番最初にシングルマッチをしたのも後楽園なんです。4分くらいで負けました」

――1990年2月21日、4分8秒で小橋さんが負けています
小橋「そうです。そして、僕がラリアットをフィニッシュホールドにするようになって、ラリアットに自信を持ってラリアットを使うようになって、ここ後楽園で僕は試合前に練習に来て上がろうとしたときに、ジョーさんが僕を呼び止めたんです。ジョーさんが、『小橋、ハンセンが呼んでるよ』って。それで、控室に行くと、ハンセンさんが1人でソファーに座ってたんです。入って、『お前がラリアットを使うのは分かった。でも、ラリアットっていうのは1発で倒すのが本当のラリアットだ。何発も何発もやって倒すのはラリアットじゃない。1発で倒せ。それが本物のラリアットだ』って教えてくれて、アドバイスくれて。それでそのときそのまま部屋を出ていったんですけど、その時の教えをずっと僕は引退するまで守って……フォールを獲れないときはありましたけど、1発でぶっ倒すっていうのは最後まで約束を守れたのかなと思います。どんな相手が大きくたって、ハンセンはアンドレもラリアットで場外にふっ飛ばしましたよね。ああいうのを見てると、やはり、どんな大きな相手でもやる以上は絶対に1発でぶっ倒すという思いでやっていました」

――小橋さんのラリアットについての印象を教えてください
ハンセン「褒め言葉をありがとう。そのときの会話はよく覚えている。本当に、フィニッシュホールドは1発で決めるものなんだ。なぜかと言うと、自分の大事なフィニッシュホールドっていうのは株を下げてはいけない、安物にしてはいけないものなんだ。だから、1発で決められないと思ったら使うべきではないんだ」
小橋「ラリアットに対してのプライドを、すごくそのときに、話してる時間は短かったんですけど、そのときすごくラリアットに対する思いっていうのを感じました。『中途半端には使えないんだ』って」
ハンセン「プロレスだけではなくスポーツはなんでもそうだと思うが、勝てないときは絶対にある。負けたときや、『今日の試合は良くなかったな』と思うときがある。そのときに選手は、どういうふうにすれば次の試合に上手く行かせることが出来るか、相手を仕留めることが出来るんだろうと考えるものだ。だから、自分が言ったことが役に立っているのであれば嬉しく思う」
小橋「役に立ちました!」

――小橋さんが三冠戦でハンセンさんにラリアットでフォール勝ちをした試合がありましたが、ハンセンから見た小橋さんのラリアットはどうでしたか
ハンセン「体格もスゴいし、パワーもあるし、正直言って自分がラリアットで負けた試合はあまり記憶には残っていないんだけど、小橋のラリアットで負けたのはもちろん記憶にある」
小橋「日本人でハンセンにラリアットで勝った人はいないと思うんです。それを、やれたとき、フォールできたときっていうのは本当に感無量でした」

――逆に、小橋さんがハンセンさんにやったひどいことで覚えていることはありますか?
小橋「無いですよぉ!」
ハンセン「数々の激闘はよく覚えてる。僕だって、散々貴方にされてますよ?(笑)ただ、それでも最後の最後まで諦めずにガンガンフルパワーで来たので、僕も結構受けてるよ。頼むからもうやめてくれっ!(笑)」
小橋「ハンセンの胸があったらチョップしたくなるし、ブレーンバスターの体勢になったら持ち上げたくなるし。昔ね、ロープを挟んで持ち上げたときに、バチーって、ハムストリングスが肉離れ起こしたことがあって。でも意地で投げたいって思うような相手でした」

 今回の小橋vsハンセンの試合は、30分時間切れ引き分け。2人はしっかりと抱き合い、記念撮影を実施。2人の次の戦いにも期待が持たれる。

第4試合


 ゴングが鳴ると、KAIRIが握手を求めるが、ウナギはにやりと笑ってすかす。
 互いにじりじりと距離を詰めて組み合うかと思いきや、ウナギが身長差を生かして上から手4つを求める挑発。KAIRIがリストを取っていき、ヘッドロックで絞るもウナギが髪を掴んで脱出。KAIRIもウナギの髪を掴んでロープへ押し込み合い、コーナーへともつれてウナギがコーナーエルボー連打。KAIRIも負けじとウナギをコーナーに叩きつけて胸板へ強烈なチョップから串刺しドロップキック。もう一発を狙ったところへウナギがカウンターのビッグブートを突き刺す。
 ウナギは串刺しバックエルボーから開脚式フェイスクラッシャー。さらにギロチンドロップから顔面を挑発的に蹴りつけていく。さらにウナギはKAIRIを引き起こして顔面にビンタ。すぅっと表情が消えたKAIRIは側頭部に強烈なカットラスを叩き込み、ウナギは場外へ転がり出てダウン。
 ウナギがよろよろとリングに上がろうとすると、KAIRIがエプロンからのフライング・カブキ・エルボー。KAIRIはウナギをリングに放り込み、コーナートップからフライング・カブキ・エルボー。さらに横三角絞めでギブアップを迫るも、ウナギは必死に足を伸ばしてロープブレイク。
 KAIRIは腹部へのフットスタンプを見舞い、エプロンに逃れたウナギを追ってエプロン上での投げ技を狙うが、ウナギが振り払ってビッグブート。KAIRIもビッグブートで返し、コーナーまで吹っ飛んだウナギへスライディングDを狙うが、ウナギが回避したためKAIRIが鉄柱へ誤爆。

 ウナギが鉄柱を使ってKAIRIの腕を絞り上げ、場外でのそんなことより一献くれまいか?。ウナギはKAIRIをリングに放り込み、ストレッチプラムで絞り上げてからカカト落とし。さらにコーナーに上ってこれより我は修羅に入る!を投下もカウントは2。ならばとウナギは大儀であったを狙うが、KAIRIが振り払ってカットラス。KAIRIは「来い!ウナギ!」「こんなチビだぞ!やってみろ!」と挑発。2人は真っ向からのエルボー合戦を展開し、KAIRIが強烈なエルボーで猛連打。さらにロープに飛んだウナギを十字ロープワークで翻弄してインターセプターを突き刺す。
 KAIRIはリング内を行進し、串刺し式のスライディングDを発射も、ウナギがブートでヒジを撃ち落とし、城門突破。さらにウナギが串刺しビッグブートからKAIRIをコーナーに上げてカナディアンバックブリーカーで担いでから東京ピンプス。さらにウナギがKAIRIをコーナーに上げて雪崩式の攻撃を狙うが、KAIRIがヘッドバッドで倒してウナギをコーナーに宙吊りにし、マリンスパイク。さらに引き起こしてカットラス、コーナーに上ってインセイン・エルボーを投下して3カウントを奪った。

 KAIRIとウナギは試合後に握手。KAIRIがなにかを語りかけ、ウナギがうなずく。2人はしっかりと抱き合ってからKAIRIが会場四方へウナギの腕を掲げ上げる。そして、KAIRIがウナギに肩を貸して2人で放送席まで赴いて小橋と握手。そのまま2人で同じ退場口へとへ消えていった。

<試合後コメント>

KAIRI
「ありがとうございました。今日は9年前にFortune Dream初めて出場させていただいて、里村明衣子と戦わせていただきましたが、当時は精一杯戦ったものの、到底及ばず、すごくすごく悔しい思いをして、9年間その悔しさを忘れずに今日まで戦ってきました。そして今日、相手はウナギ・サヤカ。私は彼女が強いとか弱いとか、そういうのを判断するために試合をしたんじゃなくて、やっぱり一番は小橋さんがオープニングでも言われていた、熱い気持ちがあるかどうか。それはプロレスラーにとって強い弱いよりも一番大切なことだと思ってます。今日初めてシングルマッチをして、感じましたよ。熱い気持ちを、彼女から私は感じました。口だけじゃなくて、ちゃんと心にも熱い気持ちは持ってるなって思いました。今日の悔しさは忘れずに9年後とは言わず、またすぐに彼女もこれに参戦して今度はぶっちぎりの勝利してくださいよ。ありがとうございました。」

ウナギ・サヤカ
「世界のKAIRI、さすがですね。今日ここで小橋さんと川田さんの推薦選手として、女子でシングルをしたのは、きっとこの先も語り継がれるでしょうが、でも、私はKAIRIと世界の中心で、必ずまたシングルをします。そのときは、私がKAIRIから、勝ちます。そしたら、川田さんに報告にいこうと思います。でもこれはきっと、近い将来ですよ。KAIRI、必ずまた査定してやるよ!ありがとうございました。」

第5試合


 Fortune Dream初のミクスドマッチは、女子最強とも名高いチーム200kgと、みのる&秋山の強力タッチの対戦。2006年3月にGHCヘビー級王座をかけて闘った際には200発を超えるビンタ合戦を展開した秋山とみのるの禁断のタッグ結成にも話題が集まった。

 みのると優宇の対面でゴングが鳴ると、優宇がロープに押し込んで離れ際にみのるの胸板を強く叩いて挑発。次はみのるが押し込み、離れ際に髪をかきあげてキスをするフリから顔面にビンタ。優宇も即座にビンタを叩き込んで反撃すると、みのるは首投げからスリーパーホールド。グラウンドに組み伏せてレッグロックを狙うが、優宇が下から引き込んで三角絞めを狙う。みのるはこれをローリングして脱出し、クリーンブレイク。みのるがガットショットから腕を取っていくと、秋山がタッチを求め、観衆の声に後押しされてみのるがタッチへ。優宇も橋本にチェンジ。
 秋山と橋本の対面となり、互いにタックルと切り合う高度なレスリング戦が展開され、橋本が低空タックルで足を取ろうとするも秋山ががぶって潰しネックロック。橋本はロープに逃れる。再び向き合って手4つから橋本がバックを取るが、秋山がクラッチを切ってアームロックからヘッドロック。橋本がロープに押し込んで離れ際にチョップを見舞ってショルダータックルを発射も、秋山が真っ向から受け止めて仁王立ち。橋本は幾度もぶつかっていくが秋山は倒れず。ならばと橋本はガットショットからブレーンバスターを狙うが、秋山がクラッチを切って脇固め。橋本はなんとか足を伸ばしてロープブレイク。

 秋山が橋本を場外に放り出すと、みのるが橋本を場外鉄柵に叩きつけていたぶっていき、放送席の小橋のもとまで橋本を連行。みのるは「小橋!来い!」とチョップを求め、会場は小橋コール一色。小橋はためらっていたが、橋本がバックを取り返してみのるの胸を突き出すと、笑顔で逆水平チョップ。

 今度は優宇が秋山を連行すると、小橋がノリノリで秋山に逆水平チョップの3連発。場内は大歓声に包まれる。みのるは「テメー!今年も裏切りやがったな!覚えとけ!」と捨て台詞。

 闘いがリング上に戻ると、秋山が橋本に厳しい連続片エビ固めでスタミナを削っていき、みのるにタッチ。

 みのるは橋本に情け容赦ないエルボーを打ち込んでいき、会場には歓声よりも「うわっ……」という声が勝る。そこへ秋山が串刺しランニングニーを叩き込み、パイルドライバーで追い打ち。秋山はブレーンバスターを狙うが、橋本がぶっこ抜いて逆にブレーンバスターで叩きつけてみせると場内は割れんばかりの大歓声。橋本は優宇にタッチ。
 優宇は秋山の胸板にチョップを連打していき、ロープに押し込んでマシンガンチョップ。さすがの秋山も効いた様子を見せ、ヘッドバッド連打からニーアタック、ランニングニーと連撃。さらにエクスプロイダーを狙うが、秋山はなかなか上げられず「重いなあ!?」と突っ込む。その隙に優宇が振り払ってロープに飛ぶが、秋山はカウンターのキチンシンク。みのるにタッチ。

 みのるは優宇を羽交い締めにして「秋山!来い!」と連携を求めるが、秋山のブートがみのるに誤爆。優宇はみのるにマシンガンチョップ。みのるは満面の笑みで「来い!」とさらなる打撃を求めると、優宇がダブルチョップ。みのるはゆっくり溜めてから優宇の胸板に容赦のないチョップ。優宇が「来いよハゲ!」と挑発すると、さらに強いチョップが襲う。そのまま足を止めての打ち合いとなり、みのるがロープに飛ぶが、優宇がカウンターの払い腰で叩きつけて橋本にタッチ。
 橋本はみのるに串刺しラリアットから水車落としを狙う。みのるがゴッチ式パイルドライバーで切り返そうとすると橋本は慌てて振り払う。優宇のサポートから橋本がみのるに水車落とし、優宇がボディプレス、橋本がその上からボディプレスを決める連携から、チーム200kgがダブルのチョークスラムを決めるが、これは秋山がカット。


 優宇は秋山にドロップキックを放ち、着地と同時にみのるへセントーン。さらに秋山とみのるをコーナーに重ねて座らせ、キャノンボールで圧殺。さらにチーム200kgの合体ボディプレスから、橋本がみのるにオブライトを狙うが、みのるは振り払って「来いよ!橋本!」と叫びながらゴツリと音が響く重いエルボー。橋本も負けじと突っ張って2発、3発とラリアットを放っていくもみのるは倒れず。しかし、みのるのブートをかわしての4発目のラリアットをクリーンヒットさせてオブライトを狙うが、みのるが素早くバックを取ってスリーパーホールド、即座にゴッチ式パイルドライバーで突き刺して3カウントを奪った。

 試合後、みのるはチーム200kgの健闘をたたえ、秋山と握手。場内は大歓声に包まれた。

<試合後コメント>

鈴木みのる&秋山準
鈴木「(※勝利者賞を見て)これ何が一年分だ?」
秋山「これは多分、"HAIR"だな」
鈴木「俺たち2人とも関係ねえな。」
秋山「全部俺にくれよ」

――チーム200kgと戦って感じたことは
鈴木「俺にとっちゃ、チーム200kgもそうだけど、秋山と同じコーナーに立って、一緒に戦うなんて、毛嫌いしてた。嫌だったんだよ!そしたら一緒戦ったらよ、こんな刺激的だった!やったらたしかにその通りだった」
秋山「やっぱりなんだ、リングで相手でやっててもやっぱり目が気になるし、また見てても楽しいし、改めて面白いなと思った。もっと早く決着つけてやろうと思ったけど、いや、面白いチームだよ」
鈴木「あと正直強え。ちゃんと強え。真っ向から行ったんだ。スカすことなく、誤魔化すことなく、真っ向から。まあ、そもそも俺は男とか女とか関係ない。年も関係ない。」

――2人とも小橋さんの逆水平を受けましたが 
鈴木「全部小橋が悪い。全部あいつが悪い。」
秋山「俺は何とも言えないけど、まあ」
鈴木「言ったほうがいい、全部」
秋山「じゃあ全部小橋が悪いんだよ!」
鈴木「全部小橋が悪いんだよ(笑)やめて何年経つんだ?10年経つのにこんなに愛されやがってコノヤロー!チクショー。なにがチクショーかわかんねえよ。それはあいつが作ってきたもんだ。」

――刺激的だったと仰っていた(このタッグ)ですが、また2人が同じコーナーに立つことは? 
鈴木「わかんねえ。これで1回リセットだ。リセットだ。そのあとは知らん。組むのか、闘うのか。ただ、俺はまた必ず、お前と同じリングに立つことになる。あっちが痛え、こっちが痛え、とかジジイみたいなこと言ってんじゃねえよ」
秋山「言ってない言ってない。言ってない言ってない!全然言ってない!俺全然元気だよ。この人以上に俺も元気だよ。」
鈴木「若い奴ら、若い世代、二十歳そこそこのな。"世代交代"とかどこの団体でも言ってんだろう。『年寄りは早くどけ』違うよ。『どいてください』も『どけ』じゃないよ。お前らが弱いからいけねえんだよ。全ての団体のヤングボーイたちよ、お前らが弱すぎるんだよ。『どけ』じゃない。力づくでどかしてみろ。どかねえぞ。俺たちは強い。」

優宇&橋本千紘
優宇「大きな差はなかったと思ってます。あと少しだったと思うし、やっぱり最後私が助けに行けなかったところはやっぱり敗因の大きな一つだと思うから、やっぱりこれは橋本千紘がどうのじゃなくて、やっぱこのチーム200kgっていうタッグワークを、タッグというものをもっと強くしていかなきゃいけないっていうことに気づかされた。悔しいけど、そういう試合だったと思います。正直男とか女とか関係ないです。チーム200kgに。女子プロレスラーと思われないのが目標なんで、あのハゲ2人に。ね。橋本!」
橋本「まあ優宇選手はこう言ってますけど、私には実際、鈴木みのると秋山準に大きな差が試合中見えて、悔しい思いをしたので、また絶対あの2人倒すまでチーム200kgは諦めません。この差は絶対埋まると思います。」
優宇「うん。埋める。埋めよう!舐められたままじゃ終われないからね!」
橋本「もっと頑張ります。」
優宇「今日のことは忘れられないよ」

第6試合


 田村とT-Hawkの対面でゴングが鳴ると、ロックアップからヘッドロック、ショルダータックルでの正面衝突からT-Hawkが逆水平チョップで先制。そのままチョップ合戦が展開されていき、T-Hawkがコンビネーションエルボーから右ストレートを叩き込むも、田村が圧倒的バルクで耐えてショルダータックルでふっとばす。両者タッチ。

 吉田と野村の対面となると、真っ向からのエルボー合戦を展開し、吉田が打ち勝って首投げからのサッカーボールキック。野村も首投げからサッカーボールキックを叩き込んでお返しすると、吉田も再び首投げからのサッカーボールキックを見舞い、自ら長座になって野村にサッカーボールキックを求める。野村はサッカーボールキックの猛連打から自ら長座に。吉田もサッカーボールキックを連打し、ロープに飛んだ野村にビッグブート。のむらも ミドルキックを見舞い、両者タッチ。
 遠藤と青柳の対面となり、青柳が足を叩いてからバッテンを作って痛そうなキックを禁止し、「蹴りとかチョップは無しだ!」と宣言。遠藤がロープに押し込んで逆水平チョップを放とうとすると青柳は「チョップはやめろーッ!」と叫び、遠藤はなにもせずブレイク。今度は青柳がロープに押し込むと、遠藤にガットショットを見舞いショルダータックル。場内から青柳へのブーイングが飛ぶ中、遠藤と青柳がアームドラッグ合戦を展開し、青柳が見事なショルダースルーを決めるとブーイングが歓声に変わる。

 6人それぞれ場外に出て行って乱闘を展開し、T-Hawkと田村は南側客席へとなだれ込み、青柳と遠藤は西側客席へと飛び込んでいき、野村と吉田は場外でサッカーボールキック合戦を継続。場外カウントギリギリになって全員慌てて帰ってくる。

 リング上では野村と遠藤の対面となり、エルボー合戦を展開。野村がスリーパーホールドを狙うと遠藤がバックドロップで切り返し、田村にタッチ。
 田村は野村をコーナーにくくりつけ、チョップ&エルボーを交互に連打。さらにロープにくくりつけて左右のボディブロー連打からラリアット。遠藤にタッチ。
 遠藤は野村にストンピングを連打していくと、野村は「エンテツこの野郎!」と掴みかかるも、遠藤は首投げからローリング・ネックブリーカー、スリーパーホールドと畳み掛ける。青柳は「反則だ反則!小橋さんに申し訳ないと思わないのか!」と叫ぶと、遠藤は多少バツが悪そうな表情を浮かべつつ、野村にチンクラッシャーを見舞ってロープに飛ぶが、野村がカウンターのドロップキックを叩き込み、T-Hawkにタッチ。
 T-Hawkは遠藤をゆっくりとコーナーにくくりつけ、胸板へ逆水平チョップ。さらに遠藤に一発行くと見せかけて相手コーナーに控える田村の顔面にビンタ。T-Hawkは遠藤をコーナーに振ってヒップトスからロホ。レフェリーの目を盗んで遠藤にサミングを見舞い、レフェリーにバレると「小橋さんがやったんだ!」と理不尽な言い訳。T-Hawkが青柳にタッチ。

 遠藤はエルボーを連打も、青柳はエルボースマッシュ一発で吹き飛ばし、「小橋さんよく見といて!」とマシンガンチョップ。さらに「行くぞー!」とラリアットを狙うが、遠藤がエプロンからジャンピングハイキックを見舞い、ダイビング・フォアアームを叩き込んで田村にタッチ。

 田村は相手3人を次々とショルダータックルで吹き飛ばしボディスラムで投げ捨てる無双状態を見せ、3人をそれぞれのコーナーに振って串刺しラリアット、T-Hawk&野村が2人で向かってくるとダブルラリアットで蹴散らし、青柳には滞空時間の長いブレーンバスター。田村は青柳をロープに振るが、青柳は攻撃をかわして走り、フライング・フォアアーム。野村にタッチ。
 野村は「小橋さん!僕もチョップ行きます!」と田村にマシンガンチョップも、田村は全く効いていない様子。田村が逆にコーナーに押し込んでエルボー連打も、野村がリバースしてマシンガンキック。さらに串刺しランニングエルボーからブレーンバスター。さらにPKを叩き込むも、田村は涼しい表情。野村がPK連打も、田村は顔面にツバを吐きかけて反抗し、顔面へのビンタからロープに飛んで強烈なラリアット。吉田にタッチ。

 吉田は田村と2人で野村をコーナーに振ってトレイン攻撃。さらに田村のベアハッグ+吉田のランニングネックブリーカードロップを合わせる合体攻撃。さらに吉田は野村のハンマースローから飛びついてのコブラツイスト、遠藤が青柳にコブラツイスト、田村がT-Hawkにベアハッグをかけるサブミッション競演。
 吉田がバズソーキックで仕留めにかかるが、野村がキャッチしてキャプチュード。T-Hawkにタッチ。
 T-Hawkは、吉田に逆水平チョップを連打し、小橋を指さしてアピール。T-Hawkが変形スパインバスターを狙うが、吉田がプッシュして振り払い、バズソーキック。さらにAERIALIT放つが、T-Hawkが回避。吉田は即座にスピンキックを放つが、T-Hawkも負けじとケルベロス。両者バタリと倒れ込み、タッチへ。

 遠藤と青柳の対面となると、チョップ、エルボーと打撃の応酬から青柳がドロップキック。さらに青柳がブレーンバスターを狙うが、遠藤が振り払いホップアップ式パワーボム。T-Hawk&野村をハンドスプリング式オーバーヘッドキックで場外へとふっ飛ばし、遠藤スペシャル。リングに青柳を放り込み吉田のトラースキック、田村のエルボー、遠藤のエクスプロイダーと3連撃が決まるもカウントは2。遠藤は青柳を引き起こしてトーチャーラック・ボムで叩きつけ、エルボー連打で粘る青柳に「やかましい!」とヘッドバッド。そこへT-Hawkが飛び込んできて逆水平チョップ、野村がハイキック、T-Hawkがウラジゴク、青柳がジャーマン・スープレックス・ホールドと決めるもカウントは2。

 吉田がT-Hawkをランニングネックブリーカードロップで蹴散らし、青柳にトラースキックからバズソーキックを発射も、青柳がブレーンバスター。そこへ遠藤がファイヤーバードスプラッシュもT-Hawkがケルベロスでカット。野村が吉田にハーフネルソンスープレックス 吉田が野村にAERIALIT。青柳が遠藤に変形ロックボトム、遠藤が青柳にラリアット。
 さらに遠藤がバーニングスター・プレスを狙うが、青柳が追って行って雪崩式ブレーンバスター。よろよろとカバーに向かうも、カウント1が叩かれるか叩かれないかといったところで30分時間切れ引き分けを告げるゴングが鳴り響いた。

 試合後には出場全選手がリングに集まり、小橋がマイクを取る。

小橋「皆さん、Fortune Dream8どうもありがとうございました!どうでしたか?!ありがとうございます!来年、またやります!ありがとうございました!選手の皆さん、本当に素晴らしい試合をありがとうございました。ハンセンさん、どうもありがとう!サンキューベリマッチ!来年またやりますのでよろしくお願いします!ありがとうございました!」

 最後はGRAND SWORDに乗って退場していく小橋を観衆が大・小橋コールで見送った。

<試合後コメント>

T-Hawk&青柳優馬&野村卓矢
青柳「ダメだった!申し訳ない!」
T-Hawk「でも結構これ、どう?優馬と卓矢」
野村「良かったっしょ!めちゃめちゃ良かった!」
T-Hawk「カメラの前で見てた皆さんもね、お客さんも会社も、これアゲインあんじゃないの?これ」
青柳「あるよ。2度目もあるよ。来年小橋さんがやるって言ってたんだから、来年もこの組み合わせを!」
一同「うおおお!」
青柳「行くしかないでしょ」
T-Hawk「これLINEグループ作っちゃう?」
青柳「やろう。LINEグループ作るわ。なんて名前にします?」
T-Hawk「後で招待して。」
青柳「わかりました。じゃあFortune KKっていう名前でLINEグループ作りましょう。」
T-Hawk「最後は小橋さんで!」
青柳「じゃあ3人で、いっせーのーで、でやるよ」
一同「いっせーのーせ!いくぞー!(※3人で握りこぶし)」

遠藤哲哉&吉田綾斗&田村ハヤト
田村「いやあ。疲れた。ああ、疲れた。すごいでも大熱狂で。遠藤選手の頑張りでしょ。」
遠藤「いやいやいや。吉田選手の・・・」
吉田「いやいやいやいや、ハヤト君が頑張るから。」
遠藤「いやでも初めて組んで。ね。」
吉田「できるっていうのはね、やっぱりまた次はあるんやったら、いいんじゃないかなと。もちろん戦っても良いけど、やっぱり勝ってないから、もう一回この3人あって良いと思うから。」
遠藤「今日の前にここ(遠藤・田村の2人)で特訓をしたんで、次はもう吉田選手も。」
吉田「込みで。まあまあまあ。行けたらね。」
田村「筋肉の力で勝ちますよ。」
吉田「行けたら行くわ。」
遠藤「なんか質問的なのは、ありますか。」

――ファンの声援が会場に帰ってきたが、歓声を受けてどうだったか
田村「そりゃね、声援は気持ちいいでしょ、あんな超満員の後楽園であんなにも声援もらったらね、すごい気持ちいいしやっぱやっててすごい楽しかったし、30分あっという間でしたね。」
遠藤「僕はね去年出場決まってたんですけど、直前にちょっと欠場になってしまって、残念ながら出れなかったっていう思いもあって。2年分の思いを背負って、リングに立って、お客さんの声援を浴びれて。エスクタシーですね。エクスタシーを感じました。」
吉田「自分も勝ちはできんかったにしても声援のおかげで間違いなく今日はいつも以上の力を出せたから、うん、また、次、Fortune Dreamでこれ以上の声援、待ってますよ。」

――今日初めてFortune Dreamを見た方がいると思うが、熱い試合を届けることができたか
吉田「いや、好きになったんじゃないすか、今日の試合見たら。っていう試合は見せれたと思ってるんで、プロレスファン増やせたんじゃないすかね。」
田村「田村ハヤトの大胸筋をみんなに届けられたと思うんで、それだけで満足です。」
遠藤「遠藤哲哉の腹筋を届けられたので。あとは遠藤哲哉のバーニングスタープレスを届ければ。虜になる。」
吉田「次やな。次。」

――改めて応援してくれているファンの皆様にメッセージをお願いします
遠藤「まあ・・・」
吉田「まあ・・・」 (話し出すのが何度も重なってしまい)
遠藤「合わないすね。」
吉田「噛み合わんけど!みんなの声援が力になるのは間違いないから。これからも会場に来て会場で声を出して、俺たちプロレスラーに力を与えてくれれば俺たちプロレスラーもリングから皆さんに元気を与えますんで、みなさん必ず会場で応援よろしくお願いします」
田村「よーし。次、Fortune Dreamがある時は、今より15倍ぐらいパンプアップして出てくるから、その姿を楽しみに。」
吉田「(遠藤へ)さあ、リーダー!」
田村「(遠藤へ)リーダー!」
遠藤「リーダーなんすか!?じゃあ、俺は15倍と行かずに、小橋さん以上に、デカくなって戻ってくるんで。遠藤哲哉、田村ハヤト、吉田綾斗、そしてFortuneDreamから目を離すな。(※3人で遠藤のポーズ)」

<大会総括>

小橋建太
「声出しもOKで、1試合目から盛り上がってみんなも楽しんでくれて自分自身もあの試合を見て、楽しめた。そんな空間でした」

――小橋さん自身としてやっぱりハンセンさんと再会というのは大きい出来事ですか。
「そうですね。昨年6月に呼んでコロナで来れなくなって、9月にトークショーしたんですけど、いや、やっぱりリングで、『ハンセンとやるならリングで』という思いが強くて、今回オファーしたんです。それが叶って、本当にいい空間になったんじゃないかなと。」

――リング上でハンセンさんと一緒になることで、戦っていた当時の気持ちが蘇りました?
「いや、それはない(笑)もうお互いにね、引退してるし、それはもう、ただたまに見せるあのすごい眼光がちょっと僕の胸に突き刺さる何か、ムッという。なんかこう、湧いてくるものがありましたね。というわけで、いい刺激でしたよ。」

――鈴木さんと秋山さんに逆水平チョップを撃っていましたが
「試合を見てて、やっぱりチーム200kgに最初、鈴木は橋本選手にこう持っていって、それはチョップする訳にはいかないので。でも体勢入れ替えたから。『これはチョップしないといけないな』って。チーム200kgも目立ったし、そこはこう、うん、なんかこうね。まあ頑張りが目立ったっていうのもありますよ。もし、それが見えなかったら、チョップはしなかったと思うよ。まあ手を出しちゃいけないかもわかんないけど、それは鈴木の吸引力でしょう。鈴木みのるの吸引力というか。それが俺の手を動かしましたよ。チーム200kgというか、鈴木みのるの雰囲気だよ。」

――来年もこういった良い空間を作られるのか?
「そういう空間を作れるよう、作りたい。やっぱりプロレスね、やっぱり元気にしたいし、またALL TOGETHERとは違った形で、本当に一生懸命プロレスしてるのが見てるファンにも伝わる。それがやっぱりそういう空間を作ったということがやっぱり嬉しいよね。プロレスがみんなを元気にしてるっていうのが嬉しい、と思います。」

――今回初めてのミクスドマッチだったが来年もまた組みたいと思うか?
「いやあ、面白かった。これは結構ミクスドマッチは良い評価をね、良い評価があるんじゃないかと。どうでした?」

――面白かったです、会場も盛り上がっていました


(※ハンセンが通りがかり、小橋が談笑しつつしっかり握手)

――KAIRI選手とウナギ選手はいかがでしたか
「やっぱりKAIRIちゃん、KAIRI選手がこう、試合を操ってたっていう技術というのがやっぱり見えた試合でしたね。試合だったし、そのウナギ選手のこうもっと将来性というのを感じた。感じられる試合。ウナギ選手はキャリアを積んだらもっといい選手に、すごく体格的には長い足を使ったキックとか良いものがあったし。粘り強さ。っていう点では、やっぱり、今後面白くなってくんじゃないかと。面白い選手だよウナギ。うん。どうでした?」

――ウナギ選手の試合の中でも今回はかなりベストバウトに近いんじゃないかと
「だから、手足の長さ、技をもっと上手く使えれば、もっとよくなるっていうか、そういうもの、可能性を感じましたね。やっぱり行動力とかの良さとかそういうものをプラスしてこれからもっともっと伸びてくるんじゃないかなという可能性をすごく感じた。KAIRIちゃんは本当にその場の空気を持ってくのが本当に上手くなったな、と。いや面白い試合だった。」

――川田選手の推薦選手に小橋さんの推薦選手が勝ったんで気持ちいいんじゃないですか?
「いいえ。そういう気分はやっぱりない。それはやっぱり推薦選手っていう・・・そういう気分が良いってのは無いけども、相手としっかりぶつかり合ってくれっていう。推薦選手ってことで、途中ストレッチプラムとか出たから、『あっ、これは意識してるな』っていうのはありましたけどね。でも、その推薦選手って言うよりもこれからの2人の純粋な戦いを見てみたい。今度は推薦選手っていうのも無しにさ、部分でまだ見てみたいかなと。」

――お客さんの入りもよく、来年は満員札止めなど狙っていきたいか?
「本当に今年もいっぱい入ってくれたし、また1年後ってプロレス界の風景も変わってるだろうし。どういう選手がリングに入ってくれるのか。まあ見当つかないけれども、またいい空間にしたい。プロレス界、Fortune Dreamのリング、良いリングにしたいと思います。」

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