「俺に手を差し伸べるやつなんて1人も居ないだろう」最後のタカタイチ興行を終えたタイチが鈴木軍解散後は“孤独軍”として一匹狼へ

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 19日、東京都・国立代々木競技場にて『タカタイチ2人合わせて50周年記念興行』が開催され、鷹木信悟がタイチを下してKOPW2022の防衛に成功した。

 KOPWとは、オカダ・カズチカが提唱した新日本プロレスのタイトル。特殊ルールでの闘いを経て勝利した者にタイトルが移り、その年の最後の段階で保持していた選手が覇者となる特殊性を持つため、通常のプロレスの強さとはまた違うプロレス脳が求められるこの試合には毎大会注目が集まっている。

 現在の保持者である鷹木信悟は様々な特殊ルールでの試合を制して防衛を続けており、今年のKOPW戦線を大いに盛り上げてきた。
 中でも、タイチとの抗争は大きな盛り上がりを見せ、今年4月には【30カウントピンフォールマッチ】、6月には【鷹木式10分無制限ピンフォールマッチ】で対戦しいずれも鷹木が勝利。しかし、タイチはKOPWを虎視眈々と狙い続け、11月に鷹木から直接ピンフォールを奪って今年3度目のKOPW戦を要求。紆余曲折の末、今回のタカタイチ興行にて実現にこぎつけた。

 今回のルールは、【鷹木式ラストマン・スタンディング・ランバージャックデスマッチ】。3カウントフォールのあとにダウンカウント10を取ったものが勝者となる特殊ルールに、場外に落ちた場合セコンドからリング内に押し戻されるランバージャックマッチが追加されている。


 序盤戦は互いに場外に出てはセコンド陣にリングへ戻されたり相撲合戦を行ったりとコミカルな一面も見られる闘いの中で互いに3カウントを奪い合う一進一退の攻防を展開。
 しかし、中盤からは互いに真っ向からチョップ、ラリアットを打ち合うシリアスな打撃戦が展開されていき、タイチが怒涛の蹴撃から喉輪落とし、デンジャラス・バックドロップと猛攻。鷹木がMADE IN JAPANの2連発で3カウントを奪うも、タイチはなんとか立ち上がって横綱式カチ上げエルボーで反撃しSTAY DREAMを耐え切ってブラックメフィスト。身を削り合う大技の応酬に場内からは大歓声が起きる。
 両者が満身創痍となる中、鷹木がパンピングボンバーを発射も、タイチはドロップキックで迎撃し「オーッ!」と拳を突き上げてからのバックドロップ・ホールド。さらにジャンピング・ハイキック等多彩な蹴り技で追撃していくものの、鷹木がパンピングボンバーをクリーンヒットさせラスト・オブ・ザ・ドラゴン。3カウントが入り、タイチも立ち上がれず10カウントが数えられて死闘に終止符が打たれた。

 タイチに鈴木軍の仲間たちが駆け寄り、マイクを取ったTAKAが「9年前にタカタイチをスタートした時、100人、200人、新宿FACE、新木場、千葉ブルーフィールドなんかもあったな。そっから始まってよ、ジュニアの雑魚一号二号みたいだった俺とタイチがさ、今これだけでかい舞台で、こんなに熱い試合して、こんなにたくさんのお客さん来てくれるようになって、やりたいこといっぱいやって、いろんなドラマが生まれて、タカタイチをやり続けてた意味、すごいあったんじゃねーかなと思うよ。俺とタイチだからこそ、できたことだと思うし、もう、もうやり尽くしたと思う。タイチが居たから、俺は、ここまでやれたと思ってるし、9年間、ありがとな」と盟友へメッセージ。


 タイチも「結局この1年、俺はなんにも残せなかったよ。そして、今年で鈴木軍解散。もはや、俺とやるやつも、俺に手を差し伸べるやつなんて一人も居ないだろう。TAKA、長い間、腐れ縁、ありがとう。感謝してる。いよいよTAKAもここでさよならだ。俺が若手の時からずっと色々やってくれて、ありがとう。世話になった」と感謝の言葉を述べ、「みほ、こんな、こんな情けねぇやつの横にいる必要もう無い。もう俺はお前のこと、こういう舞台に連れていくことができないかもしれない。みほ、長い間世話になった。ありがとう」と長年ディーバとして付き添ったあべみほにも別れの言葉。

 リングにはこの日出場していた鈴木軍メンバーが集合し、ファンからの後押しを受けて最後の最後は「俺たちタカタイチ、イチバーン!」の掛け声で大会を締めた。

 バックステージに戻ったタイチは、「お前とやって、1つも悔いはない。この結果になって、俺も全力出しきった。1つも悔いはない。全力を出し切って、この結果。下手したら東京ドームみたいな試合よりもタフな試合だったかもしれない。それはやっぱり、鷹木だったから出来た」と良きライバルとなった鷹木へ感謝を述べる。

 そして、「バカだ、クソだ、消えろ、ゴミ、カス、死ね、言われ続けて、ここまでやって、こんなデケー舞台やれるようになって、悔いはないよ。タカタイチだってまさかこんなものになる思ってないし、いろんなことがあった。俺がヘビー級になるキッカケになったのもタカタイチだったし、まあ語り尽くせば色んなことがあった。まあ、そんな俺らも来年からはそれぞれ別の道を往くんだろう。鈴木軍が終わるということは、俺らも一旦ケジメ付けなきゃいけないと思う」と語り、来年以降は鈴木軍メンバーとたもとを分かって“孤独軍”として活動していく覚悟を表した。

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