PANCRASE 3・13ディファ有明大会 【ウエルター級キング・オブ・パンクラス】鈴木槙吾vs村山暁洋 安永有希vsリルデシ・リマ・ディアス

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『PANCRASE 276』
日程:2016年3月13日(日)
会場:東京・ディファ有明
観衆:2016人(満員)

【本戦2部】
▼第1試合 ライト級 3分3R
●原 昭仁(坂口道場一族)
判定0−3
○上田厚志(総合格闘術烏合會 矢野卓見道場)

▼第2試合 ストロー級 3分3R
●三谷敏生(総合格闘技道場コブラ会)
判定0−3
○リトル(GUTSMAN)

▼第3試合 バンタム級 3分3R
●馬場勇気(ロデオスタイル)
1R 29秒 KO(スタンドのパンチ=右ストレート)
○TSUNE(リバーサルジム新宿Me,We)

▼第4試合 バンタム級 3分3R
●清水俊一(宇留野道場/ハイブッリッドファイター)
2R 2分10秒 腕ひしぎ三角固め
○原田惟紘(パラエストラ北九州)

▼第5試合 バンタム級 3分3R
○福島秀和(BLOWS)
判定3−0
●合島大樹(GUTSMAN)

▼第6試合 ストロー級 5分3R
●室伏シンヤ(SUBMIT MMA)
判定0−3
○ 北方大地(パンクラス大阪 稲垣組)

▼第7試合 日本VSブラジル 3対3 先鋒戦 バンタム級 5分3R
○ ハファエル・シウバ(ASTRA FIGHT TEAM)
1R 2分58秒 肩固め
●コンボイ升水(升水組)

▼第8試合 日本VSブラジル 3対3 中堅戦 ウェルター級 5分3R
●手塚裕之(ハイブリッドレスリング山田道場/TGFC)
判定0−3
○ルイス・ドゥトラ(Renovacao Fight Team)

▼第9試合 セミファイナル 日本VSブラジル 3対3 大将戦 フライ級 5分3R
○安永有希(東京イエローマンズ)
判定3−0
●リルデシ・リマ・ディアス(NALDAO TEAM)

▼第10試合 メインイベント ウエルター級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ 5分5R
●鈴木槙吾(ALLIANCE/第8代王者)
4R 3分33秒 TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○村山暁洋(GUTSMAN)
※村山が第9代王者に

【本戦1部】
▼第11試合 フェザー級 3分3R
○清水悠生(パラエストラTB)
1R 2分54秒 フロントチョーク
●小野隆史(GRABAKA)

▼第12試合 フェザー級 3分3R
●渡慶次幸平(P’sLAB吉祥寺)
1R 44秒 フロントチョーク
○新居 卓(マッハ道場)

【2016年ネオブラッド・トーナメント】
▼第13試合 ストロー級 3分3R
○児玉悠也(和術慧舟會トイカツ道場)
2R 56秒 チョークスリーパー
●伊藤夏海(ISHITSUNA MMA GYM)

▼第14試合 ストロー級 3分3R
●MAGISA(ゼロ戦クラブ水島支部)
2R 48秒 腕ひしぎ十字固め
○高島敏哉(U-FILE CAMP)

▼第15試合 フライ級 3分3R
○若松佑弥(TRIBE TOKYO M.M.A)
1R 2分50秒 TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●棚田直樹(棚田道場)

▼第16試合 フライ級 3分3R
○NaveE(GRAND SQUARE)
判定3−0
●小林 優(P’s LAB吉祥寺)

▼第17試合 フライ級 3分3R
●渋谷和樹(NEXUSENSE)
1R 1分49秒 KO(グラウンドでのボディキック)
○鮎田直人(CAVE)

▼第18試合 フライ級 3分3R
●中村龍之(Lotus世田谷)
2R 2分57秒 腕ひしぎ十字固め
○田中千久(パラエストラ八王子)

▼第19試合 バンタム級 3分3R
○河村泰博(和術慧舟會AKZA)
1R 21秒 TKO(フロントチョーク→レフェリーストップ)
●結城大樹(9’s MMA)

▼第20試合 バンタム級 3分3R
○佐藤ヒデキ(リバーサルジム横浜グランドスラム)
判定3−0
●キャプテン禎(修斗GYMS直心会)

▼第21試合 バンタム級 3分3R
○藤野敦史(Tristar Gym)
1R 1分08秒 TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●山本哲也(SUBMIT MMA)

▼第22試合 バンタム級 3分3R
●村田康大(パラエストラTB)
1R 2分04秒 TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○金太郎(パンクラス大阪 稲垣組)

村山が鈴木を倒しウェルター級新王者に!日本vsブラジルは1勝2敗でブラジルの勝利

第4試合

2016-03-13パンクラス_第4試合 昨年は6試合を闘った清水。特に後半にかけては2ヵ月で3試合、さらに元日から海外と、ハイペースで試合をしてきた。今年最初のパンクラスでは、バンタム級に戻して闘う。減点に返り、動ける身体作りを目指しての再スタートだという。相手の原田は寝技を得意とし、今回はフェザー級から階級を下げての試合となる。両者とも階級を変えての試合は吉と出るか、凶と出るか。また、寝技巧者同士、グラウンド対決も楽しみな1戦だ。

1R、原田のパンチで清水がフラッシュダウン。原田はかぶさり鉄槌を落とすが、清水は返して上に。下から三角絞め、ヒールホールドを狙うが、清水が上のままパウンドを落として終了。

2R、清水はタックルを仕掛けるが、原田がマウントに。ほとんど即座に清水が返すが、原田の頭が立ちぎわに清水のアゴにぶつかりバッティングとなる。試合は中断し、清水に5分間のインターバルが与えられる。何度か確認するようにアゴを動かしていた清水だが、試合再開。原田が清水のタックルを切ると、清水は引き込んで上のポジションへ。しかし、原田が三角絞めを狙う。清水は耐えるが、原田は鉄槌を落とし、さらに腕十字へ。清水がタップした。

第6試合

2016-03-13パンクラス_第6試合 第4代修斗世界フライ級王者・室伏のパンクラス2戦目。室伏は修斗からパンクラスに戦場を移し、新しい道を選んだ。一方の北方はパンクラス旗揚げメンバー・稲垣克臣の愛弟子。10代から稲垣、前田吉朗らの薫陶を受け、2010年パンクラスでデビュー。19戦と経験は多いが、まだ25歳。伸び盛りの北方、デビュー10年を迎えるベテラン・室伏がともに目指すのはパンクラスのベルトだ。勝って1歩先を行くのはどちらか。

1R、パンチを出し合う。北方はよく見ており、一気にパンチのラッシュ。左右フックでダウンを奪ってすかさずかぶさり、パンチ、ヒジを落とす。立とうとする室伏だが、北方のパワーが上回る。ジャッジは3者10-9で北方を支持。

2R、パンチを振る北方は室伏の蹴り足をキャッチ、金網へ押し込むが、室伏がテイクダウン。北方は引き込んでギロチンチョークを狙うも極まらず。室伏はハーフガードからボディへパンチを打ち込み、肩固めへ。しかし北方は脱出! いったん立った北方は、腕十字を狙う。極まるかと思われたが、室伏は外して上に。サイドからヒザ、ヒジを打ち込む。一気に立った北方はテイクダウンしパンチ。室伏が足を取ったところでブザー。ジャッジは3者10-9で室伏。

3R、パンチを振るっていく北方。室伏はタックルから金網へ押し込む。北方は尻もちをつくが、耐えてテイクダウンはさせない。北方はフロントチョークを狙う。室伏は逃れて金網へ押し付け、両足をかかえている。しかし立った北方が入れ替えて上に。ハーフマウントへ移行し、パンチを落とす。室伏もヒジで応戦するが、脱出できないまま終了。判定3−0で北方が元修斗王者に完全勝利した。
<北方大地コメント>
「相手は修斗の王者で格上だと言われるけど、今はパンクラスの方が上。僕はパンクラスのベルトを狙いにいく。次は外国人と闘いたい。外国人は体が強くてデカイけど、僕もフィジカルでは負けない自信がある。でも、とにかく一番はベルト。砂辺(光久)、神部(建斗)と早く闘いたい」

第7試合

2016-03-13パンクラス_第7試合 コンボイは2014年ネオブラッド・トーナメント バンタム級優勝。昨年2月、齊藤曜をスタンドのパンチで倒して今後に大きく期待がかかったが、ヒジの怪我により約1年の欠場を余儀なくされていた。対するシウバは2013年Bellatorのトーナメントで優勝し、ジョー・ウォーレンとタイトルマッチを闘った経験をもつ。30戦25勝、そのうち20勝が1本かKOという強豪だ。柔道時代の経験から外国人に苦手意識はないと言うコンボイ。復帰戦を勝利で飾ることができるか。

1R、蹴ってくるコンボイの足を取り、シウバが金網へ押す。コンボイは投げを試みるも出来ず、さらに金網へ押し付けられる。シウバはヒジを振るコンボイのバックを取る。いったん脱出したコンボイだが、再びシウバにつかまり、金網へ押し込まれてしまう。シウバはマウントへ移行。脱出しようと回ってうつぶせになったコンボイが仰向けになると、シウバは肩固め! コンボイはあえなくタップ。キャリアの差がものを言い、シウバが圧勝した。
<ハファエル・シウバ コメント>
「日本で試合をすることが、小さい頃からの夢だった。今日は勝てて嬉しい。今後は必ずパンクラスのベルトを獲りたい」

第8試合

2016-03-13パンクラス_第8試合 ドゥトラはUFCにも参戦したことがあるファイター。2014年1月にはストラッサー起一と、2015年5月にトム・ブリーズと闘い、いずれも敗れているが、パンクラス参戦をきっかけに新しいステージへ進むことを宣言している。
手塚は、もともと対戦する予定だった三浦広光の怪我により試合10日前での出場。3年間アメリカで練習し、アマチュアで連勝してきた。バックボーンはキックボクシング。パンクラスでは2戦し、2戦とも豪快に1ラウンドKO勝ちしている。

1R、開始直後から激しくパンチを打ち合う両者。手塚のパンチがヒットし、ドゥトラがダウン! 会場の熱気が一気に加速する。パウンドを落とす手塚。ドゥトラがリバースすると、手塚は下から腕を狙うが、ドゥトラが立つ。再び激しい打ち合いになると、今度は手塚がフラつく。しかしテイクダウンし連打。これを返したドゥトラがサイドからマウントへ。手塚が立ったところで終了。ジャッジは2者が手塚、1人がドゥトラを支持。

2R、開始直後に両選手のドクターチェックが入る。パンチでお互いカットしているようだ。すぐに開始。ドゥトラがタックルから網際でテイクダウン。ヒジを連打。手塚は右こめかみが切れ血が流れ、動けない。しかし、残り時間わずかで下からアームロックを狙う! 怪我をしても全く折れない心が素晴らしい。しかし極まらず終了となる。ジャッジは3者ドゥトラ。
最終ラウンド。ドゥトラがタックルからテイクダウン! 手塚はパスさせず、ガードに。両者攻め手なくブレイクとなる。スタンドに戻ると、打ち合いに両者ともカットして血が出ているが、気持ちは全く折れていない。ドゥトラは少し距離を取りながらパンチを打つ。ドゥトラがタックルからテイクダウンするが、またブレイク。さらにドゥトラがタックル。手塚がスタミナが切れ、タックルを切れない。ドゥトラがテイクダウンしてハーフマウントに。ドゥトラも消耗しているか、攻め手が減り、抑え込んだまま終了。判定は3−0でドゥトラ。圧倒的な経験の差が感じられたが、プロキャリアわずか2戦の手塚の健闘も素晴らしかった。「いつオファーが来てもいいように、常に練習し体を作っている」と話していた手塚。外国人選手にも見劣りしないフィジカルとパワーを持つ手塚の今後の成長に期待したい。尚、日本VSブラジル対抗戦は、この時点でブラジルが勝利した。
<ルイス・ドゥトラ コメント>
「相手選手は、キックもパンチも強くてビックリした。でも、自分も強いし速いので持ちこたえられた。
一昨日は息子のバースデーだったので、すごく気持ちを強く決めて地球の裏側に来た。必ずここに自分の名前を残したい。団体、大会運営、そして優しい日本人たちにありがとうと言いたい。また呼んでもらえたら絶対来たい」

第9試合

2016-03-13パンクラス_第11試合 リルデシはパンクラス3戦目。フライ級にして身長182cm という破格の体格の持ち主だ。カポエイラがバックボーンで、長い手足を駆使した打撃を得意とする。昨年7月からパンクラスに参戦、獅庵、上田将竜から1本勝ちしてファンに強い印象を与えている。
安永は「奇人」朝日昇の愛弟子。相手を翻弄する独特のステップが印象深い。現在5連勝中だが「100連勝くらいしたい」と言う安永。さらに記録を伸ばすことができるか。なお、今回の試合の勝者は、フライ王者決定戦への出場権を得られる。両者とも絶対に勝ちたい一戦だ。

1R、お互いリズミカルにステップを踏みサークリングする。安永は距離を取っているが、リルデシが首相撲からヒザを連打する。安永はパンチを打ちながら金網そばでテイクダウン。リルデシは下からヒジ連打。安永は鉄槌、ボディブロー。リルデシは下から腕十字を狙うが安永は外す。リルデシはヒジを打つが、安永が立ちリルデシにもスタンドを促す。スタンドに戻り、リルデシがタックルから金網へ押し付けるとブザー。ジャッジは2者がリルデシ、1人が安永を支持。

2R。安永が回り、パンチを打つ。リルデシが大きく蹴ると、安永は蹴り足を取り転ばせる。猪木アリ状態になり、安永がロー。続いて上になり、サイドポジションから殴る。リルデシは安永の頭部にヒジを連打する。安永、鉄槌。リルデシは下から三角絞めを狙うも極められず。安永が細かくパウンドを打ち続けて終了。ジャッジは3者とも安永。

3R、リルデシが前蹴り。しかし安永は距離を取って動き回り届かない。安永がタックルに入ると同時に放ったリルデシのローがローブローとなり、試合が中断される。2分ほどで再開。リルデシは得意のカポエイラ仕込みの蹴りを見せるが、安永はうまく入り込んでテイクダウン! リルデシの三角絞めを外す。リルデシは再び三角を狙うが、安永はさせず鉄槌。時折口をふさぎ、さらに細かく鉄槌を連打していく。安永は立って猪木アリ状態でローキックを連打。ブレイクがかかる。リルデシはタックルを仕掛けるが、安永は付き合わず、逆にテイクダウン! しかしまた立って猪木アリ状態から蹴る。さらに安永が両足タックルからテイクダウン。リルデシは下からヒジを打つしかない。そのまま安永が上をキープして終了。
判定は3−0で安永が勝利。リルデシの長い手足と打撃を封じた安永が完全勝利した。動きの奇抜とは裏腹に、冷静に賢く闘い抜いた。この勝利により、フライ級王座決定戦挑戦者には安永が決定。対抗戦にも一矢報いた。
<安永有希コメント>
「He is very tall and I am very short. Because my father and my mother…(詰まる)I’m very tired.次は神酒(龍一)選手とやりたいです。そして、世界の皆さん、こんにちは。安永です。よろしくお願いします」

安永のコメントが終わったところで、既にフライ級王座決定戦出場が決まっている神酒龍一(CAVE)がケージイン。「やらないとは言わないけど、(安永の勝利は)意外だった。今日の試合はあまり面白い試合じゃなかったので、次は自分が面白くします」とコメント、安永と並びカメラに収まった。

第10試合

2016-03-13パンクラス_第12試合 王者・鈴木は昨年10月にレッツ豪太をバックチョークで破り、第8代王座に就いた。鈴木はベルトを巻いたその場で初防衛戦の挑戦者に村山を指名、この試合が決まった。鈴木は2014年12月、村山にTKO負けを喫しており、初防衛戦がリベンジ戦となる。
一方の村山は、2014年3月、チアゴ・ジャンボに判定勝ちしタイトルマッチに挑戦したものの、レッツ豪太に破れた。その後、鈴木を破り、2015年はダニエル“ニンジャ”ロバーツ、窪田幸生に勝利して再びタイトルへの挑戦権を手にした。
キャラクター的には正反対の2人だが、調印式ではお互い尊敬し合う者同士、ベルトへの思い、試合への意気込みを熱く語った。鈴木がリベンジと初防衛を果たすか、村山が修斗環太平洋ミドル級王座(第4代)に続き、2本目のベルトを巻くか。

1R、あまり距離を取らず向き合う両者。村山は組んで金網に押し込むが、鈴木が足払いからテイクダウン。村山は下から三角絞めを狙うが、鈴木が振り切って立つ。再び組んで村山が金網へ押し、ボディブロー、ヒザ。入れ替えたい鈴木だが、村山が大外で投げてテイクダウン。鈴木はすぐに脱出、ローキックを打ち合って終了。ジャッジは3者10-9で村山を支持。

2R、鈴木のパンチがヒッとし、村山がダウン! 鈴木が上になりパンチを落とす。鈴木が離れると、村山も立つ。鈴木は前回、スタンドのパンチでKO負けしているため、スタンド勝負で借りを返したいのだろうか、距離を取らない。鈴木が金網へ押し込むと、村山のヒザがローブローとなるが、2分ほどで再開。村山が金網へ押し込むと、鈴木がテイクダウン! 終了間際にスタンドとなる。ジャッジは3者10-9で鈴木。

3R。鈴木の体から汗が噴き出し、疲れが見える。それでも鈴木の行く気は衰えない。村山が組んで金網に押し込み、テイクダウン。鈴木が立とうと回ると、村山がバックマウントからチョークスリーパー! 苦しい鈴木だが、1分ほども耐えリバースして外す! 村山のパウンド連打を受けながらブザーに救われる。ジャッジは3者とも村山支持。

4R、疲労の色が濃い鈴木。しかし、ここでポイントを取り最終ラウンドに持ち込むか、1本またはKOで決めなければ虎の子のベルトを失ってしまうことになる。気力を振り絞ってパンチを打つ。村山は金網へ押し込んでテイクダウン。村山は腕十字を狙うが、鈴木は逸機に脱出してパンチをヒットさせる。王者の意地だ! しかし、村山は金網へ押し込んでテイクダウン。バックマウントからチョーク! 絶体絶命の鈴木。しかし回転して脱出! 素晴らしい精神力! 村山は片足タックルを狙うも鈴木は付き合わずパンチを打つ。のしかかるようにして上になった村山がマウントからパウンド連打、鈴木が失神! 村山が鈴木から2連勝して新KOPの座をもぎ取った。

勝った村山はここまで激しく闘っても呼吸もほとんど乱れず、35歳にして驚異のスタミナを見せつけた。鈴木はエネルギー切れしながらも最後まで心は折れず、チャンピオンの意地を見せた。ふだんは控えめな村山が、勝ち名乗りを受け飛び跳ねたのも無理はない。まさしく、全てを滅却し闘うことだけに全てを傾けた者同士の素晴らしい闘いだった。

村山暁洋コメント
「この試合のために、みんな、仲間や友人含めてたくさんの人が協力してくれました。その気持ちに報いることができたと思います。鈴木選手、挑戦させていただいてありがとうございました。すごくパンチが強くてけっこうグルグルしてけど、今まで頑張ってきたことを出そうと思って耐えました。パンクラスのチャンピオンになったからには、世界じゅうの選手、挑戦してきてください!」

<試合後コメント>
村山暁洋
「要所要所で覚えていないところもある。上を取りたいと思っていたけど、最初に鈴木選手に上を取られてしまった。いつもなら焦ってしまうところだが、今回はあまり焦らずにできたのが良かったと思う。以前勝っているけど、鈴木選手の試合を見ていると一発もあるので、自分が勝っているというアドバンテージは感じなかった。
今回、一番力を入れたのはスタミナ面。前回、窪田(幸生)戦で最後の方はスタミナが落ちていたので、5ラウンドでも最後まで闘えるようにと思い強化してきた。5ラウンドを意識してやってきたので、いつもなら4ラウンドでも切れていたと思うけど、今回は大丈夫だった。トレーニングは主に走り込み。中間くらいの距離で400mを3本回を1本として、5本くらいやってきた。
また、(鈴木選手と)同じくらいの体格の選手といい練習ができたのもよかったと思う。
いつもの試合だと、ピンチの時はピンチだと感じていたけど、今日はピンチになっても“まだやれる”と思えた。それが勝ちにつながったと思う。マウントを取れたときにいけるかなと思ったし、絞めも入っていたけど逃げられたが、まだいけると感じた。最後、パウンドで止められたときは嬉しかった。
2団体のベルトを巻くことができて嬉しい。修斗のベルトは、桜田(直樹)会長が巻かれたもので、その次がマッハ(桜井速人)さん。そして次が自分。歴史と伝統のあるベルト。さらに、この歴史あるパンクラスのベルトも巻けて嬉しい。
ベルトまでの道は遠かったし、長かった。パンクラスに上がらせていただいたのは3年前。そのときにベルトを目指しますと話して、ようやくここまで来られた。ベルトを巻いてもらったときは夢のような感じで、試合が終わった今もまだ現実感がないほど。遠いイメージがあったベルトだから、とても嬉しい。
パンクラスには、外国人も日本人も強い人がたくさんいる。そういう人を倒していきたい。強い選手と闘いたい。ダメージは少しあるみたいなので、少しだけ休んで、応援してくれた人たちとご飯に行きたい」

(写真・文/佐佐木 澪)

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