PANCRASEミドル級調印式でロッキー川村が「I must break you!」新村はドラゴが勝つロッキー4別バージョンを予告!

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 9月27日夕、都内新宿区のパンクラスにて、「PANCRASE 281」(10月2日、ディファ有明)で行なわれるミドル級王座決定戦の調印式があった。
 廣瀬隆司コミッショナーの立ち会いのもと、第13代王座を争うロッキー川村(パンクラスism/1位)と新村優貴(TEAM CLIMB/2位)が出場誓約書にサインをした。

 川村は坊主頭の練習生から始めた生え抜きのパンクラシストで、2006年ネオブラッド・トーナメント ライトヘビー級優勝。第4代ライトヘビー級王座、第11代ミドル級王座と二冠を制覇している。しかし、2014年6月に安西信昌(TEAM CLIMB)に敗れ王座陥落してしまう。その後、ケガにより1年半の休養を経て昨年12月、ジバゴ・フランシスコに判定勝利。ここ最近は、先輩の佐藤光留が主宰する「ハードヒット」での試合も多く、パンクラスでの試合はさらに約10ヵ月ぶりとなる。
 一方の新村はキックボクシングからMMAに転向。DEEP、HEATで闘い、9勝中7試合がKOという攻撃力を誇る。打ち合いを身上としている川村とは激しい試合が期待される。パンクラスには2015年より参戦し、2連勝中だ。

 映画「ロッキー」ファンの川村は、グレーのスウェット上下にニット帽という主人公ロッキーを意識した服装、新村は黒のスーツと帽子でシックな服装で着席した。
 ロッキーになりきった(?)川村は、意気込みを訊かれると「I must break you!」とひと言。映画「ロッキー4/炎の友情」のセリフで決めた。さらに、MMAではブランクが空いたが、「毎日、生卵を飲んでるから問題ない! ロッキーは、朝5個飲んでるが、俺はロッキーだけに6個飲んでる! 以上!」と絶好調をアピールした。

 新村は「川村さんには、前回自分が試合をできなかったときに代役をしていただいた借りがあります。しっかり試合をして、ロッキーをグロッキーにして恩返しをしたいです。川村さんと闘うため、3ヵ月半フィジカルをみっちりやってきました。川村さんと5分5ラウンドやり合える体力をつけてきたつもりです。いい試合ができると思います」と話した。

 パンクラス3戦目でタイトルマッチを迎えた新村に、ベルトへの思いを尋ねると「パンクラスのベルトは日本で一番重くて素晴らしいベルトだと思います。キック時代も含めて4度タイトルマッチの機会がありましたが、ベルトを巻くことはできませんでした。理由はいろいろありますが、言い訳になるので言いません。でも今回は全てが整った状態で試合を迎えることができました。ベルトに対しては、川村さんも気持ちがあると思いますが、僕はそれ以上にあります。パンクラスのベルトがどうしても欲しいです。そして、守っていきたいです」と力強く語った。

川村は「俺自身がパンクラス。ベルトもパンクラス。そうなるんじゃないかと思います」と、短い言葉の中に、生え抜きのプライドとベルトへの強い思いを込めた。川村は王者時代、機会あるごとにベルトを持参し、多くの人の目に触れさせ、実際に手に触れさせたりして、パンクラスを知らしめる努力をしてきた。あるときは高校生たちに特別授業をしたり、またある時は大学で講義をしたりと、さまざまな人の目にシルバーに輝くベルトを触れさせてきた。それはパンクラスに所属するパンクラシストだからこそ出来ることであり、また、しなければならないことだと思ってきた。だから、絶対に再び巻かなくてはならないのだ。

 相手の印象を尋ねると、川村は「まるでドラゴみたいだな。背も高いし、強いし、ドラゴみたいだ」と、映画「ロッキー4」の登場人物イワン・ドラゴにたとえた。すると新村は「自分もロッキーが好きなので、川村さんとは気が合うと思います。好きな映画はと訊かれたら、ロッキーですと答えるくらいファンなので、ドラゴと言われてすごく嬉しいです。でも、ドラゴとは違って川村さんをしっかり倒したいと思います」と、意外なところでの共通の趣味を明かした。これを聞いた川村は「いいね、ロッキー4の別バージョンだね、面白いね」と思わず表情を緩めていた。

 それぞれの練習については、新村は「以前、対戦した安西(信昌)さんと対策を立てています。今、岡見(勇信)さんなどハイレベルな人がたくさん集まって来ていて、また、ここ3〜4年、国内の重量級の選手も集まっていい練習ができています。僕は今33歳ですが、今が一番強いと確信を持てます。川村さんには、僕は前回の試合よりも強くなっていると思って向かってきていただけたらと思います」と自信たっぷり。
 道場がパンクラス横浜から、北岡悟の主宰するパンクラスイズム横浜に変わった川村は「ロッキー4みたいな感じ。ジムのトレーナーであるミッキーがいなくなって、新しいトレーナーになって、新しいトレーニングをしたり、新しい動きを覚えたり。それに近い感じ」と話した。

 さて、この大会から、TOKYO MXでの生中継が始まる。メインイベント、セミファイナル、セミ前の試合が放送される予定だ。これまでもUFCファイトパス、LINE LIVEで中継されて来たが、地上波で格闘技を知らない一般ファンの目に触れる意義は大きい。
新村は「目立ってナンボ。こんなにいい機会はないと思います。最高の試合をして、少しでも多くの人に知っていただきたいです。お互い、絶対にKOしますと言うほど若くはない。試合はいろいろな試合があるし、やってみなくては分からないことも分かっています。でも、自分が勝ちます。それぐらい練習してきましたから」と言う。
 川村は「ゴールデンタイムだから、ザッピングしている人も多いとおもいます。その中で、何をやってるんだと人の目を惹き付けなきゃいけない。5分5ラウンド、25分間、1秒も目をそらせないような試合を見せなくてはいけないと思っています」と話した。

 最後に、川村に改名した理由を訊くと「川村亮は名古屋港に沈んだ! 血の海に沈められた!」。7月に名古屋で行なわれた「ハードヒット」で、川村は鈴木みのると対戦し、血祭りに上げられたのだ。尊敬する大先輩の血の洗礼により川村の中の何かが変わった。何が変わったかは、試合を見てのお楽しみというところだろう。

 「ロッキー4」さながらのムードとなってきたセミファイナル。映画のロッキーとドラゴのように、激しい闘いになることは間違いない。

(写真・文/佐佐木 澪)

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