【試合詳細】4・30 PANCRASE立川ガーデンステージ大会 【ライト級KOP】久米鷹介 VS アキラ 【バンタム級KOP】中島太一 VS 田嶋 椋 【女子ストロー級QOP】KAREN VS ソルト 【女子フライ級QOP】端 貴代 VS NØRI
『PANCRASE 333』
日程:2023年4月30日(日)
会場:立川市・立川ガーデンステージ
開始:14:00
【試合結果】
プレリミナリーファイト フェザー級 5分3R
●渡辺謙明(パラエストラ東京)
1R 2分18秒、肩固め
○平田直樹(フリー)
メインカード
▼第1試合 女子ストロー級 5分3R
●高本千代(高本道場)
判定0-3
○重田 ホノカ(パラエストラ柏)
▼第2試合 バンタム級 5分3R
●ジェイク・ムラタ(パラエストラTB・Fighting Nexus/ZST第3代同級王者)
1R 4分33秒、KO(スタンドのパンチ)
○矢澤 諒(パンクラスイズム横浜)
▼第3試合 ライト級 5分3R
○松岡嵩志(パンクラスイズム横浜/6位)
判定3-0
●岡野裕城(マッハ道場/HEAT第6代同級王者)
▼第4試合 ライト級 5分3R
○粕谷優介(総合格闘技道場CROWN/3位)
判定3-0
●葛西和希(マッハ道場/4位)
▼第5試合 フライ級 5分3R
○有川直毅(K-PLACE/5位)
2R 5分00秒、TKO(左顔面の負傷)
●コルトン・キエルバサ(Marrok Force)
▼第6試合 ライト級 5分3R
※ヌルジャノフが50gオーバーのため、キャッチウェイトに。
●松本光史(M PLATIC/2位/修斗第12代同級王者)
2R 1分01秒、KO(スタンドのパンチ)
○ヌルジャノフ・ルスタムベック(SALAH)
▼第7試合 ストロー級 5分3R
●藤野恵実(トライフォース赤坂/2位)
判定0-3
○エジナ・トラキナス(ROCHA TOP TEAM)
▼第8試合 バンタム級 5分3R
○田中路教(TEAM ALPHA MALE/PXC第3代同級王者)
判定3-0
●笹 晋久(パラエストラ柏)
▼第9試合 フェザー級 5分3R
○亀井晨佑(パラエストラ八王子/2位)
判定2-1
●パン・ジェヒョク(Korean Top Team)
▼第10試合 バンタム級 5分3R
○井村 塁(Nexusense/1位)
判定3-0
●石井逸人(TRIBE TOKYO M.M.A/修斗第11代環太平洋王者)
▼第11試合 女子フライ級クイーン・オブ・パンクラシスト チャンピオンシップ 5分5R
○端 貴代(和術慧舟會AKZA/第2代女王)
判定3-0
●NØRI(PRAVAJRA/1位)
※端が初防衛に成功
▼第12試合 女子ストロー級クイーン・オブ・パンクラシスト チャンピオンシップ 5分5R
●KAREN(パラエストラ柏/第4代女王)
判定0-3
○ソルト(マルスジム/1位)
※ソルトが第5代女王に
▼第13試合 コーメイン バンタム級キング・オブ・パンクラシスト チャンピオンシップ 5分5R
○中島太一(Lotus世田谷/第4代王者)
判定3-0
●田嶋 椋(OOTA DOJO/暫定王者)
※中島が初防衛に成功
▼第14試合 メインイベント ライト級キング・オブ・パンクラシスト チャンピオンシップ 5分5R
●久米鷹介(ALIVE/第7代王者)
判定1-2
○アキラ(武蔵村山さいとうクリニック/暫定王者)
※アキラが第8代王者に
4大タイトルマッチは端、中島が初防衛成功、ソルト、アキラが新王者に!注目の亀井vsジェヒョクは3Rとも亀井の優勢で亀井が勝利を飾った!
プレリミナリーファイト
両者ともにパンクラス初参戦。
1R。渡辺がパンチ、ジャブを振る。平田はブロックしながら右パンチを打ち込み、タックルからテイクダウン! 渡辺は下から抱えるが、平田はハーフマウントから足を抜いてサイドポジションに移行。さらに回りながらマウント! 平田は肩固めに入る。渡辺はディフェンスしているが、肩固めが極まった! 渡辺が落ち、レフェリーが止めた。
第1試合
柔術黒帯の高本は、高本裕和レフェリーの愛娘、18歳。重田は柔道がバックボーンの19歳。ともにプロデビュー戦。
1R。いきなり蹴りを見せる高本。ミドル、ロー。重田はローからジャブ。高本がタックル、ケージへ押し込む。重田は殴る。
離れると、高本がパンチ、重田が飛び込んでパンチ。高本がハイキック! パンチから重田が抱えてケージへ押す。高本は首を抱えているが、重田が頭を抜いた。高本は上体を引きつけて三角を狙うが終了。
ジャッジは3名ともに10-9で重田。
2R。高本はローから左右ハイ。左右ジャブから重田が組みにいく。倒した重田が鉄槌、パウンド。
なんとか返して立った高本。左右キック、ジャブ、蹴りとたたみかけていくが、重田が蹴り足を取りテイクダウン! 殴るが、立ってロー。ヒザから乗る。バックに回った高本。残り60秒。高本、殴って離れた。
高本、左右ハイキック。しかし重田がタックルからケージへ押し込む。足を引いて倒すが、高本下から腕十字! しかし重田が腕を抜いたところで終了。
ジャッジは3名ともに10-9で重田。
3R。高本がミドル。パンチから組んだ重田。離れて、重田がパンチ。高本も左右パンチからタックル。がぶった重田。立つと、ケージへ押し込んでヒザ。
高本、離れてハイキック、ロー。引き込むが、重田がマウントに。左足で高本のアゴを押している。高本、足を狙う。重田がサイドからバックへ。高本が上から殴るが、重田立って離れる。高本、最後までパンチで出るがタイムアップ。
ジャッジは3名とも30-27、判定3-0で重田がデビュー戦を飾った。
計量時「高本道場は寝技の道場と思われているが、打撃もできるところを見せたい」と話していた高本。やや打撃にこだわり過ぎたか。
第2試合
1年ぶりのパンクラス参戦となるジェイク。パンクラスでは井村塁に三角絞め(2021年10月)、平田丈二にTKO(昨年4月)で連敗中。ZST王者の意地を見せるか。
対する矢澤は2020年より参戦中。昨年は漆間將生(10月)、木本海人(12月)を1ラウンドでKOしている。今回も矢澤の右が火を噴くか。
1R。両者ペンチで出る。矢澤がタックル。ジェイク倒れずこらえたが、矢澤はケージへ押し込む。足を抜いて離れたジェイクがパンチ。
矢澤はさらに組んでいきケージへ。投げようとするジェイク。こらえる矢澤。ジェイクがバックに回ると、矢澤はヒジを落とし、倒されないようこらえる。ジェイクがヒザ。立ってバックに回るジェイク。
残り1分、矢澤は正対するとヒザを入れ離れた。ここで右パンチを打ち込むと、ジェイクがダウン! 矢澤がKO!
矢澤が初のメインカードを1ラウンドKOで飾り、これで3試合連続KO勝ち。今回はKOするために試合を組み立てており、成長を感じられる一戦となった。
第3試合
2011年からパンクラスに上がっている松岡。ここ2年、粕谷優介(2021年6月=KO勝ち)、松本光史(2021年12月=TKO負け)、冨樫健一郎(昨年4月=TKO勝ち)、雑賀ヤン坊達也(昨年9月=KO負け)と、良いカードが組まれており、見応えのある内容。特に冨樫戦でのヒジ、パウンド地獄は記憶に残るところだ。今回はどのような闘いを見せるのか。
一方の岡野は昨年12月、同門の葛西和希の欠場にともない、代役として粕谷優介と対戦。1Rチョークスリーパーで敗れている。今回、HEAT王者の意地を見せるか。
1R。プレッシャーをかける岡野。松岡は距離を取りロー。岡野は左ジャブを打っていく、松岡も左右パンチ。岡野が左ジャブ。当てている。
ここでタイムストップ。岡野の指が松岡の目に入ったようだ。少し間を置いて再開。
松岡がロー、アッパー。組んだ岡野がケージへ押し込む。松岡が肩パンチ。岡野はボディ、松岡カカト。しかしブレイクがかかった。
松岡がパンチ、ボディブロー。左オーバーハンド。岡野が蹴るが、松岡は蹴り足をキャッチしパンチ! ボディ、ジャブ。パンチで前に出て行き終了。
ジャッジは3名ともに10-9松岡。
2R。松岡がジャブで出る。岡野は片足をつかみケージへ押し込む。殴る松岡。立ったが、岡野がケージへ押し込む。松岡ヒザ。足を取ろうとした岡野だが、松岡が回って投げ! かかえてケージへ押し込む。岡野が入れ替えるが、松岡戻す。
松岡がバックに。しかし岡野が正対してケージへ押す。松岡ヒジ連打。岡野がケージへ押すが、離れた。岡野がパンチを打って終了。
ジャッジは3名ともに10-9松岡。
3R。両者パンチを出し合う。松岡のパンチが押してきた。ケージ際でボディをかかえる。片膝をつく岡野。松岡は立たせない。
残り2分。少しずつ立とうとする岡野。顔面を殴る。しかし松岡は立たせない。
残り30秒。半身をつかせた松岡が殴る。パウンド連打。終了。疲れ果てた様子の岡野。
ジャッジは3名ともに30-27で松岡が勝利。
「いかに自分を貫けるか」がポイントと語っていた松岡。その通り、自分を貫いての勝利。同門の矢澤諒の勝利と合わせ、5月8日に試合を控える所属ジム代表・北岡悟へとつなげた。
【松岡 試合後コメント】
「左は全然見えなかったです。ローを合わせて行くつもりでしたが、けっこうもらってしまいました。でも、自分は貫けたと思います」
第4試合
昨年12月に組まれていたが、葛西が負傷のため中止になったカードが再び組まれた。
12月、粕谷は葛西の同門である岡野裕城と対戦し、1Rチョークスリーパーで一本勝ちを収めている。本来の相手だった葛西にどのように対峙するか。
対する葛西は、昨年は松本光史に判定負け(3月)DARANIに判定勝ち(7月)。本来の対戦相手であった粕谷と仕切り直しの一戦。
1R。ローで様子を見る粕谷、葛西はジャブ、ワンツーを振っていく。パンチをくぐって粕谷がタックル、テイクダウン。右腕を抜いてパウンドを落とす。
残り2分、ハーフマウントから殴る粕谷。ボディ、側頭部を殴る。残り30秒で粕谷がマウント! 腕を狙うが、葛西が凌いで上に。パウンドを落とすと終了。
ジャッジは3名ともに10-9粕谷。
2R。やや距離をとる粕谷。左ハイキック。葛西はパンチで前に出る。粕谷が左ミドル、ストレート。突っ込んできた火災の両足を引きテイクダウン! ハーフマウントから殴る。
残り2分。返せない葛西。粕谷はケージ際へ移動していく。そしてマウント! なんとか立とうとする葛西だが、させない。粕谷の圧倒的な姿に海上から拍手が起こった。このまま粕谷が立たせず殴って終了。
ジャッジは3名ともに10-9粕谷。
3R。火災がロー。粕谷は左ミドル。左右パンチで出る葛西に、粕谷がタックル。尻もちをつかせる。葛西は首を取っているが、粕谷は頭を抜いてハーフマウント、さらにマウント! 殴って立とうとする葛西だが、粕谷は逃さず再びマウントに。
残り1分半、葛西が返した。粕谷ガードポジション。葛西がパウンドを落とし離れてスタンドに。
葛西がパンチで出ると、粕谷が組みつく。葛西は倒れずこらえるが、粕谷はケージへ押し込む。投げを狙うも潰れてしまい下に。すると、葛西がバックに回りパウンド! しかし、立った粕谷。左ハイを入れたところで終了。
ジャッジは29-28が2名、1名が30-27、3-0で粕谷が勝利。
3Rはやや攻められた部分もあったが、1R、2Rは完全に相手をコントロールし、粕谷の圧勝。
第5試合
有川は昨年4月、上田将竜に負けて以来の参戦。その後、GladiatorでNavEに判定負けを喫し、2連敗中。1年ぶりのパンクラスで勝利を挙げることができるか。
一方、キエルバサは初参戦。今年1月のONE Friday Fights 1で藤沢彰博と対戦、勝利している。新天地でどのように闘うのか。
1R。有川はロー。キエルバサのカーフキックで有川がスリップダウン。すぐに立ち上がる。組んで尻もちをつかせたキエルバサ。しかし有川はケージを使っ立った。
キエルバサが投げて尻もちをつかせるが、有川は殴る。再び有川が立ち正対するが、キエルバサめちゃくちゃ強引に首投げ! 有川またも尻もちをつかされるが、立つ。
ヒザを入れた有川。離れて立つ。キエルバサがケージへ押すが、有川は首をかかえてボディ連打。ヒジ、鉄槌と攻める。終了。
ジャッジは3名ともに10-9キエルバサ。キエルバサは左目の下が腫れている。
2R。有川の右パンチがヒット! キエルバサは組みたい様子。しかし有川は右に回り、右パンチを打っていく。キエルバサが出血。しかし組んで倒したキエルバサ。ハーフマウントからオウンド連打、さらにマウント! 肩固めを狙うがこれは成らず。ハーフマウントで固めているが、有川がケージを蹴り立った! 海上から拍手が起こる。
残り1分。キエルバサはケージへ押し込む。細かく殴る有川。終了。
まぶたをカットしたキエルバサ。左目も腫れており、ドクターチェックが入ると、続行不可能と判断され、ドクターストップ。有川が連敗を脱した。
第6試合
松本は2011年にパンクラス初参戦。髙橋“Bancho”良明に判定負けを喫した。しかし、ONE日本大会で久米鷹介に敗戦、リベンジを誓って2020年より再びパンクラスに参戦中。前戦は昨年9月、アキラとの暫定王者決定戦。3ラウンドTKO負けとなった。この大会では久米とアキラの統一戦が行われる。松本の目標である久米戦は実現するか? まずは、この試合に負けるわけにはいかない。
対するヌルジャノフはキルギスからの刺客。しかし、減量に失敗。50gオーバーでキャッチウェイトでの試合となった。
1R。ヌルジャノフが速くて大きいパンチを打ってくる。ローを打つがスリップ。松本が上になる。サイドポジションから立つと、ヌルジャノフがケージへ押し込む。後ろへ引っこ抜いて投げた! しかし立った松本。ヌルジャノフはバックを取ったままケージへ押し込む。
アームロックを狙う松本だが、ヌルジャノフは投げて外す。すぐ立った松本は、再びアームロック狙い。しかしヌルジャノフはまた投げつけて腕を外しパウンド。立った松本をまた投げる。ヌルジャノフが殴る。松本はガード。ヌルジャノフはパウンドを落とすが、立つ松本。ヌルジャノフは逃さないまま終了。
ジャッジは3名10-9ヌルジャノフ。
2R。パンチを振ってくるヌルジャノフ。松本もロー、ジャブ。しかしヌルジャノフの左がアゴにヒット、松本がダウン! ヌルジャノフKO勝ち!
やや大味なきらいはあるが、パワーとレスリング力があるヌルジャノフ。いきなり2位を下した。今後のパンクラス・ライト級に嵐を呼ぶか?
第7試合
第3代ストロー級QOP藤野は、2022年3月、KARENに逆転TKO負けし防衛戦ならず。同年10月の再起戦では渡辺彩華に判定勝ちしている。
対するエジナは3度目のパンクラス参戦。2019年9月には女子ストロー級 暫定王者決定4人トーナメント1回戦で藤野と対戦し、拳を負傷してTKO負けしている。
再び藤野が勝ち完勝するか、エジナがリベンジを果たすか。
1R。エジナは距離をとりロー。藤野はジャブを打ちながら距離を詰めていく。藤野がパンチ連打からケージへ押し込む。エジナが入れ替えると離れた。
藤野が再びパンチから組んでケージへ。ボディ。エジナが入れ替えてヒザ。また離れる。
藤野が一気に距離を詰めてパンチ連打からケージへ。またエジナが入れ替え。入れ替え合い、離れる。残り20秒、パンチを打ち合い終了。
ジャッジは3名エジナ。
2R。距離をとるエジナ。藤野はパンチ。エジナはロー。藤野がケージ際で連打するとエジナが組んでケージへ押す。藤野はギロチンに取っている。入れ替えた藤野。エジナはヒザ。また離れた。
エジナがパンチを出してくる。藤野は組んでケージへ。藤野がヒザ、殴って終了。
ジャッジは3名とも10-9エジナ。
3R。藤野はパンチ連打していく。勝つにはKOか一本しかない。ケージへ押し込んでボディ、ヒジ。エジナはヒザ、ボディ。入れ替えるが離れる。
藤野がパンチから組んでケージへ、ボディ連打。エジナが首をかかえているが、藤野は頭を抜いた。ヒザを入れ藤野が離れる。
残り1分。エジナがパンチ、ロー。藤野が左右パンチからケージへ押し込みパンチラッシュ。最後まで追って殴りに行った藤野だが、決定打なく終了。
ジャッジは3名29-28、3-0でエジナがパンクラス初勝利&リベンジ達成。
山北渓人&鶴屋怜あいさつ
3月25日に行われたONEでアレックス・シウバに判定勝ちを収めた、第3代ストロー級KOP山北渓人と、5月のRoad to UFCフライ級トーナメントに参加する第8代フライ級KOP鶴屋怜が、ファンに報告とあいさつを行った。
山北「ストロー級KOPの山北渓人です。先日はONE Championshipでの応援どうもありがとうございました。僕の強いところをしっかり見せられて、自分的にはすごく面白い試合をできたんじゃないかなと思います。
これからはONE を戦場に闘っていくので、しばらく日本でやることはできないと思いますが、ONEでしっかりベルトを獲ってパンクラスに戻って来たいと思いますので、その時はまた、会場で応援よろしくお願いします」
鶴屋「第8代フライ級KOPの鶴屋怜です。5月の上海で行われるRoad to UFCフライ級トーナメントに出場することが決定しました。しっかり優勝して、UFC出場の権利を勝ち取って来たいと思いますので、応援よろしくお願いします」
第8試合
UFCを目指して闘い湯づけている田中。パンクラス初参戦は2019年3月。ウラジミール・レオンティブに判定勝ちを収めた。今回も前戦と同じく1試合契約での参戦。前回は“不甲斐ない試合”と言い、納得がいっていない。4年ぶりのパンクラスで、スッキリ勝てるか。
対する笹はパンクラス初参戦。もともと修斗で闘っており、2017年新人王を獲得。その後、DEEPにも上がっている。
1R。笹がロー。田中はパンチからタックル。笹は尻もちをつきながらもギロチンに取っている。ボディを殴る田中。頭を抜いた。そのままケージへ押し込む。ヒジを落とす笹。お互い立つ。
ヒザを入れた田中がケージへ押し込む。体勢を崩した笹が立つと、その立ち際に田中がヒザを打ち込んだ。さらにパンチを打ち込んでいく。笹は離れるが、田中が強烈なパンチ! さらにケージへ押し込む。方パンチを入れた笹が入れ替え。
残り30秒。ヒザを入れた田中が入れ替えてボディ連打。終了。
ジャッジは3名とも10-9田中。
2R。パンチで出る笹。ケージへ押し込む。田中がボディにヒザ。殴って入れ替え、両足を引いて笹に尻もちをつかせた。そしてマウント! さらにバックマウントからパウンド連打。一瞬チョークを狙うが、またパウンドに。逃れたい笹。しかし田中は逃さず殴り続け、正対してケージへ押し付ける。ボディを殴る笹。お互い立ち、田中が強烈なパンチ! 終了。
ジャッジは3名とも10-9田中。
3R。パンチで前に出る笹。ケージへ押し込むが、田中が首を取っている。これは決まらず、鉄槌、パンチ、ヒジ連打! 笹が離れるが、瞬時に押し込む田中。会場から拍手が沸き起こった。
笹を逃さず殴る。残り2分。さらに殴り続ける田中。バックに回った。逃さず殴り続ける。
残り1分。笹が上になるが、田中がひっくり返した! さらにマウント! そのまま殴り続けて終了。
ジャッジは3名とも30-27、3-0で田中の完勝。しかし、フィニッシュできなかった田中は何度も首を横に振り、納得いかない表情を見せた。
第9試合
昨年12月に行われた透暉鷹VSパン・ジェヒョク戦。透暉鷹が辛くも判定2-1で勝利したが、この試合を見て「次は自分と組んでください!」と直訴したのが亀井だ。
昨年7月、フェザー級暫定王者決定戦で透暉鷹に敗れている亀井は、本サイト掲載の試合前インタビューで「自分の方が噛み合うと思う。また、透暉鷹選手をあれだけ圧倒したパン選手に勝てば、良いアピールになる」と話していた。透暉鷹の強さを知っているからこそのアピールだったのだろう。自ら課した試練、どのように乗り越えて見せるか。
対するパンは、透暉鷹戦の判定に納得がいかず、早い時期での再来日を望んでいたという。今回はスッキリ勝利を挙げられるか。
1R。亀井が左ハイ! パンは距離を詰めてくるが、リーチの長い亀井のジャブがヒット! 左ミドル、ハイキック、ジャブと小気味よく攻めていく。パンは出てきてロー、パンチラッシュをかけるが、亀井は自分の距離とペースで前蹴り、ワンツー。終了間際、パンの右がかすめたか。
ジャッジは3名とも10-9亀井を支持。
2R。亀井のジャブがヒット! パンのパンチはブロックしている。さらにパンチをヒット焦ると、パンが「もっと来い!」とジェスチャー。パンチをさしていく亀井だが、バランスを崩し一瞬ヒザをついた。立ち際にパンがパンチ。
しかし亀井も前に出ていく。亀井の右がヒット! ここでパンが左目をカット、ドクターチェックが入る。
再開。亀井がパンチ、前蹴りと攻める。パンもラッシュをかけるが、亀井はきっちりブロックしている。
パンがタックルに入るが、亀井は切る。パンがバックブロー。ハイキックを亀井がブロックしたところで終了。
ジャッジは2名が10-9亀井、1名が10-9パン。パンはエンジンがかかってきたか。
3R。いきなりパンチで出てきたパン。亀井はブロックして逆にパンチをヒットさせる。右パンチが相打ちになると、「効いてない!」とパンがアピール。
熱くなっているパンに対し、亀井は冷静。飛び込んでくるパンをかわしジャブを打ち込む。パンのパンチはもらわない。
残り20秒、パンがタックル。ケージへ押し込む。バックに回りチョーク! しかし、ここでホーン。
ジャッジは2名が29-28亀井、1名が29-28パン。2-1で亀井がスプリット勝利。Vサインで勝利を喜んだ。
【亀井/塩田歩・パラエストラ八王子館長 試合後コメント】
亀井「最後、テイクダウンが来ましたけど、最後だったんで。でも、あれを、いいやって受けちゃう自分も悪いんですけどね。
闘ってみて、体が強いと思いました。打撃だったからいいんですけど、組んだ時にメッチャ体を振られたんですよ。近いところのヒザとかもすごくイヤで。体の力は超強いと思いました。
打撃も、被せてくるフックがすごくイヤで。でも、うまくは闘えたかなって感じです」
塩田館長「あとで話してたら、パン選手は判定が不服みたいなことを言ってたんですけど、透暉鷹選手より亀井の方が相当やりづらかったって言ってましたね」
亀井「やっぱり相性がいいんだと思います。同じタフな打撃をできる選手と、テイクダウンディフェンスができるストライカーじゃないですか。だから、透暉鷹選手の方がやりやすかったんでしょうね」
塩田館長「でも、すごく強いと思うんで、もう一度呼んで、他の誰かとやってほしいです」
亀井「自分で言うのもなんですけど、自分パッとしないんで(笑)。SNSでも、他の選手が勝ったりすると、すごい、こんなに回るんだって思うんですけど、自分はそんなに回らないんで(笑)。格闘技を知ってる人がちょっと知ってるってくらいで。だから、パッとしない俺が勝ってパン選手そうでもないって思われるのがイヤなんで、マジで誰かとやってほしいです。かと言って、色気を出してSNS頑張ろうとは思わないんですけど(笑)。
ケージを離れると、パン選手ってけっこう良い人なんですよ。昨日も計量の前に挨拶して、今日もケージチェックの時も『今日よろしくね』って挨拶して。試合ではパフォーマンスもあると思うんですよ。悔しがらないといけないみたいな。国を代表して来ているっていうのもあるでしょうし。でも本当にバックステージでは礼儀正しいですし、すごく良い人なんで、怖い人みたいに勘違いされたくないですね。試合が終わった後、めっちゃカットしてて縫ってたんですよ。それ見て心が痛くなっちゃって。勝負だから仕方ないことなんですけど、人が良いのに、ああ……って。自分がやられてもおかしくなかったですから。また頑張ります」
第10試合
2020年、全て一本勝ちでNBT優勝を飾った井村。2021年、ジェイク・ムラタ、平岡将英を下し、中島太一のタイトルに挑戦するもKO負けを喫した。
その後、TSUNEに判定で破れるも(昨年4月)、平田丈二(同9月)、佐久間健太(同12月)に連勝。「よそから来た選手には負けられない」と意気込む。
対する石井は4年半ぶり2度目のパンクラス。前回は2019年11月、瀧澤謙太にTKO負け。明るいイメージだった石井だが、今回はパンクラスでの勝利を誓い、引き締まった表情で計量に臨んでいた。
1R。井村が打撃から組む。しかし石井が投げて上に。鉄槌、ヒジ連打! 井村がカットしており、ドクターチェックが入るが再開。両者打ち合う。石井が片足をつかみケージへ押し込んで尻もちをつかせる。片膝を立てている井村。石井が投げて背中に乗りチョークを狙うが、背中からおりたところで終了。
ジャッジは3名とも10-9石井。
2R。石井が組む。井村が片足をつかむと、石井はこらえてヒジを入れる。井村は足首を捕らえてバックに回る。チョークを狙うが、首に入っていない。これは外れたが、井村はバックをキープしている。
背中の井村にパンチを入れる石井。井村もバックからパウンドを落とす。チョークを狙うが、入っていない。これは石井が外した。石井はそのまま背負って立ち、前転して逃れようとするも、井村は離さないまま終了。
ジャッジは3名10-9で井村。
2R終了後、井村のドクターチェックが入るが、続行される。
3R。距離を詰める井村。石井はパンチから片足タックル。片腕を差してこらえる井村。
振って一気にバックを狙った石井だが、井村が正対した。井村、タックルからバックに。さらにバックマウント! しかし、石井がリバースして上になる。
井村は立ち上がるが、石井がタックルでテイクダウン! パウンドを落とす。しかし押さえ込んでいないため、井村が立ち上がった。足首を掴んでテイクダウン! 石井は立つ。しかし、井村がまたタックルからバックに回る。
続いてバックマウントからチョーク! 極まっていない。
残り1分。殴る石井に、井村が再びチョーク。絞めたが決まらずタイムアップ。
ジャッジは3名とも29-28で井村が勝利!目まぐるしく展開の変わる激戦だったが、最後に井村が意地を見せ勝利をもぎ取った。
第11試合
2023年より参戦している端は、2021年10月、今回と同じくNØRIと暫定王座を争い、暫定王者となった。その後、端は正王者であるシッジ・ホッシャとの直接対決を何度も望んだが実現せず、ホッシャがタイトルを返上したことで正王者となった。1年半ぶりのパンクラスで防衛戦を行う。
対するNØRIは前回の端戦のあと、昨年7月に栗山葵とドロー。また、11月にはDEEP JEWELSに参戦し、清水美貴子に判定勝ちを収めている。今回は妹のKARENと同じ大会で姉妹揃ってベルトを巻くため、全てを出し切ると話した。
1R。以前と同じ構えのNØRIだが、サイドキックは出さず右ジャブ。端もパンチを返すと、組んでケージへ押す。お互いヒザ。入れ替えたいNØRIだが、端はさせない。橋がボディ連打。NØRIは脱出できないまま終了。
ジャッジは3名10-9端。
2R。NØRIが蹴り。端もパンチ。しかしNØRIが端の蹴りをつかんでバックにつく。ケージへ押し込み、投げて上に。すぐ立とうとする端だが、NØRIがチョーク! 頭を抜く端だが、NØRIは入れ直す。さらに殴って絞め直す。
しかし、橋が回って抜けた! 上になり鉄槌。サイドになったところで終了。
ジャッジは3名10-9 でNØRIを支持。
3R。端がミドル。NØRIはパンチを打っていく。しかし端が組んでケージへ。倒したいが、NØRIはこらえている。投げを打とうとするNØRIだが、端が倒してサイドに。回りながら鉄槌、ヒジを落としまくる。残り20秒でNØRIがバックを取り立ったが終了。
ジャッジは3名10-9端。
4R。両者パンチ。NØRIの蹴り足をキャッチし、端がケージへ押し込む。NØRIは首を抱えているが、端は入れ替えさせない。倒した端。しかしNØRIはまだ首に腕をかけている。橋が腕を外して頭を抜いた。会場から拍手が湧く。
残り30秒、端がパンチを落として終了。
ジャッジは3名10-9で端。
最終ラウンド。端にやや疲れが見えるか。しかし組んでケージへ。足をかけて崩そうとするが、NØRIはこらえている。ももにヒジを落とすNØRI。なかなか振りほどけないが、投げて膝をつかせる。しかし端がバックマウント。カカトを入れ、腕十字を狙ったが終了。
ジャッジは3名49-46で端が初防衛に成功。
女王にはまだ届かなかったNØRIだが、成長を見せた。今後もさらなる成長を期待したい。
第12試合
昨年12月に行われたワンマッチのダイレクトリマッチ。
最年少で女王となったKARENは研究され、得意のサイドキックをヒットさせられず完敗。出稽古先のパラエストラ柏に移籍し、MMAの基礎を学び直して臨む。
ソルトは修斗でプロデビューしたが、1勝2敗での金星。167cmの長身を生かした闘いを見せるか。
1R。サイドキックを使わないKAREN。フェイントをかける。ソルトが踏み込んでパンチ。KARENもジャブ。KARENが左右ジャブからケージへ押し込む。ソルトが入れ替えるとパンチで離れる。
再びKARENがパンチからケージへ押し込むと、両者入れ替え合う。ソルト、KAREN肩パンチ。さらにKARENが殴り、バックを取る。ソルトが立ったところで終了。
ジャッジは3名とも10-9 KAREN。セコンドの声もよく聞こえている様子のKAREN。セコンドの指示通り動けている。
2R。ソルトはジャブ、ロー。KARENはフェイントをかけながらパンチ。一気に寄ってケージへ押し込む。ヒザ。ソルトが入れ替えるが、すぐに戻す。
ソルトが離れ、速攻でケージへ押し込む。またお互い入れ替え合う。ソルトが肩パンチ、ヒザ。終了。
ジャッジは3名10-9でソルト。組んでからの手数で優った。
3R。ソルトがロー、左ジャブ。KARENもパンチから組んでケージへ。何度か入れ替え、ソルトがケージへ押し込んでヒザ、肩パンチ。さらにヒザがアゴにヒット! バックに回って殴る。
脱出して立ったKAREN。ソルトは右ハイキック。KARENがパンチ。ソルトは組んでケージへ。ヒザ、かかとを打つ。
離れたKARENは、ここで初めていつものサイドキック。しかしソルトが潰したところで終了。
ジャッジは3名10-9でソルト。
4R。お互いジャブ。ソルトが右ハイ。KARENがパンチから組んでケージへ押す。ソルトは細かく殴って入れ替えた。KARENに疲れが見えるが、負けずに入れ替え。ソルトがまた入れ替えると、KARENも意地で入れ替えようとするが、ソルトが阻止。ヒザを打ち込む。
バックに回ったソルト。ロー、ヒザ。離れて蹴るとKARENが蹴り足をキャッチしケージへ。しかしソルトはすぐ入れ替えた。KARENの左膝が真っ赤になっている。
苦しいKAREN。ソルトはヒザ連打。
残り30秒。ソルトがボディにヒザを入れると、KARENが入れ替え! しかしすぐに戻したソルトがヒザを打ち込んで終了。
ジャッジは3名とも10-9でソルト。
5R。後がないKAREN。突っ込んで行きケージへ押しこむが、すぐに入れ替えられてしまう。ソルトが離れるとKARENが組んでケージへ。殴るソルト。KARENは片足を抱えて離さない。ソルトがヒザからケージへ押し込む。ボディ連打! さらにバックを取るが引っこ抜けない。
KARENは諦めず足を取りにいく。立ったソルトの片足を掴み、ケージへ。しかし、ソルトは潰してヒジ連打! さらにパウンド! KARENはなんとか立ち、ケージへ押し込んだが、ソルトが入れ替えてヒザを入れたところで終了。
ジャッジは3名49-46で新クイーンとなった。
かなり闘い方を変えてきたKARENだったが、まだ差は開いていた。しかし、まだ発展途上。今後の変化と成長に期待したい。
第13試合
中島は2021年12月、井村塁との暫定王者決定戦で圧勝。その後、正王者ハファエル・シウバの引退により正王者に。昨年4月にはフェザー級でRIZINに出場するも、ウガール・ケラモフに一本負けを喫した。
中島は昨年12月に防衛戦が予定されていたが、怪我のため、暫定王者決定戦が組まれている。
対する田嶋は2021年デビュー、昨年のNBTで優勝、MVPも獲得した。そして、昨年12月、中島の負傷による暫定王座決定戦でTSUNEにTKO勝ちを収め、暫定王者となった。
シンデレラボーイは正王者・中島をも蹴散らすのか。
1R。プレッシャーをかける中島。田嶋はロー。両者、距離を縮めないまま時間が過ぎていく。止まらずに動いてはいるものの、届かない軽いジャブを出しているだけ。
中島がカーフキック。田嶋もカーフ。残り1分、田嶋がロー。中島カーフキックで終了。待つ中島。距離を縮めない田嶋。
ジャッジは3名10-9で中島。
2Rも同様の展開。田嶋はフェイントは見せるものの、遠い間合いで入って行かない。
ようやく出た田嶋に中島がワンツー。速い。田嶋はまだ大きく動かず、中島がワンツーからバックキックを出して終了。
ジャッジは3名ともに10-9中島。
3R。手を出して挑発する中島に対して、田嶋は何もしない。中島が出した手に触るだけ。プレッシャーをかける中島。田嶋がタックル。しかし中島に切られてしまう。田嶋ロー。中島がパンチからロー。効いた。さらに中島がロー、左右パンチ。さらにローと攻める。田嶋がタックルに入るが、中島はすぐに立って突き放した。終了。
ジャッジは3名とも10-9で中島。田嶋は前に出てこず、攻めがない。統一せんで緊張しているのか、中島の圧が強いのか。いずれにせよ、もう一本化KOするしかない。
4R。プレッシャーをかける中島。パンチを振る。
田嶋のタックルを切り、ジャブ、パンチ。田嶋は再びタックルに入るが、中島は付き合わない。中島の左ジャブ。さらに右がヒットして終了。
ジャッジは3名10-9で中島。
5R。田嶋がようやく出るが、中島のパンチやローがヒット。ここまで来てもまだ田嶋は出られない。
田嶋はタックルに入るが中島はがぶる。ケージへ押していく田嶋だが、中島は立つ。残り30秒。最後に中島がパンチラッシュして終了。
ジャッジは3名とも50-45の大差をつけ、中島¥が初防衛した。
待ちの中島、出られない田嶋という図式が最後まで続いた。田嶋はまだ若さもあり、ここは負けたとしても思い切って出てKOされた方が、まだ印象が良かったのではないか。昨年の目覚ましい活躍を打ち消してしまうほどの残念な闘いぶりだった。しかし、暫定とはいえ、一度はベルトを巻いた身。今後の奮起に期待したい。
【中島 ケージ上コメント】
「ありがとうございます。ちゃんとKOするつもりで仕上げてきたんですけど、田嶋選手が強くて、5ラウンドになっちゃいました。田嶋選手、ありがとうございました。
そして、いつも応援してくれる皆さん。本当にありがとうございます。本当に感謝しています。言いたいのは『ありがとうございます』だけです」
最後に「今日は結婚記念日です!」と言うと、愛妻・愛娘がケージイン。ファミリーで防衛を喜んだ。
第14試合
2016年9月、徳留一樹を破ってKOPとなって7年。異例の長期政権を築いてきた久米。2019年10月にはONE日本大会で松本光史を破り、松本にパンクラス参戦を決意させる。その後RIZINにも参戦し、その間に暫定王者となった雑賀ヤン坊達也と2021年12月に統一戦。腕十字で一本勝ちした。
昨年は怪我で試合ができなかったため暫定王座戦が行われ、今回が2度目の統一戦となる。
対するアキラは2013年より参戦。2020年〜2021年にかけRIZINにも参戦し、阿部大治、鈴木琢仁を破ったが、大原樹理に判定負けを喫した。パンクラスでは田村一聖、松本光史にKO勝ちを収め、昨年9月、松本を破り暫定王者となっている。
1R。久米がロー、アキラがジャブ。お互い速いテンポで進む。アキラがパンチ。久米がボディ! 久米がパンチから片足タックルでケージへ。しかしパンチで離れた。
久米が右ハイキック。さらに右ミドル。アキラもパンチを返し、さらに出る。久米もパンチを返すが、スリップした。すぐに立つ。距離を詰めてパンチを入れるアキラ。久米がハイキック! 久米はタックルに入れず。アキラがローから飛び込んでパンチ。
残り30秒でアキラがタックル、ケージへ押し込む。久米がヒジを入れて終了。
ジャッジは2名が10-9アキラ、1名が10-9久米を支持。
2R。アキラがパンチ。久米は組みたいがタックルに入れず。しかし、パンチを出しながら再びタックル。入れ替え合う。久米は足を引っ掛けながらヒザ。逆の足をかけてテイクダウン! ハーフマウントからヒジを落とす。アキラは回ってカメに。
バックを取る久米。殴っていく。残り30秒。お互いパンチを入れて終了。
ジャッジは3名とも10-9久米。久米が貫禄を見せた。
3R。細かく動く久米。怪我の影響は全く感じられない。アキラが右パンチ。久米がタックル! 首をとっているアキラ。久米が立ってパンチ。アキラは跳びヒザから上に。久米はハーフガード。
アキラは立ってパンチを落とし、上に。アキラがハーフマウントからパンチ、ヒジ、鉄槌を落とす。しかし久米立った。しかしアキラがケージへ。残り20秒。アキラが投げようとしたところで終了。
ジャッジは3名10-9アキラ。
4R。久米はまだまだスタミナがありそう。アキラが大きいパンチを振っていく。久米もパンチ。アキラが跳びヒザ! 久米はパンチ、右ミドル。アキラはおパンチで追いまくる。アキラがパンチから倒して上に。パウンドを落とす。バックをとり尻もち状態にさせると、久米が持ち上げた! しかしアキラが倒して上に。
残り1分。殴るアキラ。しかし入れ替えた久米が殴る! 残り20秒、久米がバックチョークに入ったところで終了。
ジャッジは3名とも10-9アキラ。
いよいよ最終ラウンド。久米はひっくり返せるか。
久米はいきなりパンチ、蹴りで速攻。パンチから捕らえてバックを取る。殴る久米。凌いでいるアキラに、セコンドの石渡から「我慢しろ!!」と声が飛ぶ。殴り続ける久米。
残り2分。苦しいアキラ。消耗している。久米はパウンドを落とし続ける。
残り1分。久米は腕十字を狙うが、アキラが返した。パウンドを入れるアキラ。終了。
ジャッジは2名が48-47アキラ、1名が47-48久米。2-1でアキラが王座を統一した。
4R、5Rの久米の猛攻は素晴らしかった。技術ももちろんだが、何よりもその精神力、人間力に感嘆したファンも多かったのではないだろうか。さすが、長期政権を築いた王者だけのことはある。
対するアキラも、危ないシーンはありながら、最後は精神力で勝ちをもぎ取ったと言ってもいいのではないだろうか。お互いギリギリのところで譲らない意地がヒシヒシと感じられた。勝ち負けを超えたところで、素晴らしい人間力のぶつかり合いを見せ、まさに統一戦にふさわしい内容となった。両選手に素晴らしかったと伝えたい。
【アキラ ケージ上コメント】
「やっぱりチャンピオンの久米さんはめちゃめちゃ強くて、ちょっと5Rは情けない感じになっちゃって……すいません。でも、これで僕はパンクラス・ライト級の新しい歴史を作っていくんで、皆さんこれからも、どうか見守ってください。
本当に応援ありがとうございました。必ずライト級日本一のファイターになるので、これからも応援よろしくお願いします。そして、僕をここまで支えてくれた、さいとうクリニックの斉藤先生、ありがとうございました!」
【アキラ 試合後コメント】
「5Rやっぱりきつくて、久米さんの最後の力がすごくて、完全に防戦一方になっちゃったんですけど。
石渡さんも巻いたこのベルト、暫定からやっと正王者になれました。でも、さっき石渡さんに言ったら『お前、まだ赤ちゃんだよ。俺はこれをどれだけ守ったか』って(笑)。でも、本当にその通りなので。石渡さんの防衛記録に並べるように、いや、越せるように、僕がライト級の歴史を作っていきたいです。
もう、石渡さんのアドバイスしか聞こえてなかったです。今日の点数は……ちょっと低いですね。やっぱり組み負けるところが色々あったので、そういう点を修正しないとこれから先キツイと思います。
久米さんは、強かったし、巧かったですね。特に最後の5Rの疲れたところで猛攻をかけてテイクダウンとか、本当にすごいなと思って。やっぱりそういうところがチャンピオンの底力なんだな、僕も見習わないとなと思いました」
【セコンド・石渡伸太郎コメント】
「今日は100点ですよ。でも、僕はこの勝負で6回勝ってますから。まだまだ赤ちゃんみたいなもんです(笑)」
さまざまな人間ドラマが展開された『PANCRASE 333』。多くの人の心に、忘れられないものを残す大会となった。
(写真・文/佐佐木 澪)