『PANCRASE 341』は3大タイトルマッチを開催!2大クイーンとライト級KOP出場の選手へ現在の心境を聞いた!
2月8日夜、都内新宿区のパンクラスにおいて、『PANCRASE 341』(3月31日、立川ステージガーデン)参戦選手の会見があった。会見は第一部ワンマッチ5試合、第二部タイトルマッチ3試合に分けて行われた。第一部に続き、第二部の模様をお届けする。
▼アトム級クイーン・オブ・パンクラス チャンピオンシップ 5分5R
SARAMI(パンクラスイズム横浜/1位)
VS
沙弥子(リイバーサルジム横浜グランドスラム/2位)
▼フライ級クイーン・オブ・パンクラス チャンピオンシップ 5分5R
端 貴代(和術慧舟會AKZA/第2代QOP)
VS
重田 ホノカ(パラエストラ松戸/挑戦者/1位)
▼ライト級キング・オブ・パンクラス チャンピオンシップ 5分5R
アキラ(武蔵村山さいとうクリニック/ALMA FIGHT GYM PUGNUS/第8代KOP)
vs
雑賀“ヤン坊”達也(DOBUITA/挑戦者/1位)
選手との質疑応答は以下。
――まず最初に、選手の皆さまより一言ずついただきます。沙弥子選手お願いします。
沙弥子「いよいよベルトを懸けての闘いになったので、私らしい、ドロドロになっても関係ない闘いをして、しっかり最後、私がベルトを巻きたいと思います。よろしくお願いします」
――ありがとうございます。続いてSARAMI選手へお願いいたします。
SARAMI「こんにちは。パンクラスイズム横浜のサラミです。クリスマスイブに勝利して、今日ここに呼んでもらえたことをとても嬉しく思います。3月31日も勝利して、ベルトを持って、またこうやって会見できるように頑張りたいと思います」
――ありがとうございます。続いて重田選手、お願いします。
重田「こんにちは。パラエストラ松戸の重田ホノカです。この日はベルトを獲って、全体を通しての主役になりたいと思います。よろしくお願いします」
――ありがとうございます。続いて端選手、お願いします。
端「第2代フライ級クイーン・オブ・パンクラシスト、和術慧舟會AKZAの端貴代です。今回、約1年ぶりの試合となりますが、防衛をするのはベルトを持っていれば決まっていることなので、全力をもって闘いたいと思います。応援よろしくお願いします」
――ありがとうございます。続いて雑賀選手、お願いします。
雑賀「前回の試合で初めてのテーマで、立つとすごく疲れたんで、今回は1ラウンドでKOしようかなと思ってます。よろしくお願いします」
――ありがとうございます。最後にアキラ選手、お願いします。
アキラ「アキラです。そうですね、初防衛ということで、チャンピオンの強さをしっかり見せたいと思います」
――ありがとうございます。では、それぞれ対戦相手の印象を一言ずついただければと思います。
沙弥子「そうですね。前回の一夜明け会見でも言ったんですけど、試合運びがすごい上手っていうのが一番あります。でも、なんて言うんですかね、彼女のペースに飲まれなければ大丈夫だと思ってるので、そこは今回見せられたらいいなと思います」
SARAMI「はい、沙弥子選手、勢いがすごいです。でも、それだけと思ってます」
重田「特に何もないです」
端「アグレッシブなファイトと、強気なところがあるなと思います」
雑賀「そうですね、とにかくボディーめっちゃ強いな、みたいな」
アキラ「一発で試合を終わらせられる危険な武器を持っている、そんな強い挑戦者だと思っています。当日は、 日本ライト級最高峰の試合が見せられるんじゃないかと思います」
――ありがとうございました。ちょっと今の話にもかぶりますけれども、沙弥子選手とSARAMI選手、それぞれ前回の対戦相手の試合はご覧になっていましたか。 そして、それを踏まえて、何か印象変わった部分はありますか。
沙弥子「ザックリとしか見てないですね。ほとんど似たような試合展開が3ラウンド続いただけだったので、しっかりは見てないですし、印象も変わってないです。やる練習の内容も全く変わらないかなと思っています」
――ありがとうございます。続いてSARAMI選手お願いします
SARAMI「試合はしっかり見させてもらいました。えー、印象は、勢いがすごいなっていう。それだけですね」
――SARAMI選手、(所属ジム主宰の)北岡悟選手が『義務教育の卒業だよ』っていうことをおっしゃられていました。タイトルを取ってメジャーに出ることが選手を育てる目標だったというお話をされていたのですが、今回のタイトルは自分のキャリアにとってどういう意味を持つことになりそうでしょうか。
SARAMI「今回のこのベルトを獲ることが、本当に私の、格闘家としてやってきた証明になるんじゃないかなって自分では思います。本当に自分で勝ち取りたいベルトです」
――ありがとうございます。それでは沙弥子選手、今回タイトルを獲ることで目指していきたいものとかあれば、教えてください。
沙弥子「そうですね。私はパンクラスに強くこだわりたいっていう気持ちがあるので、 ベルトを獲ってもこのパンクラスで闘い続けたいし、新しいアトム級の選手がいっぱい増えて、私を倒したいっていう選手がいっぱい出てくることが、ベルトを獲ったあとの目標です」
――ありがとうございます。SARAMI選手と沙弥子選手は、この3ヶ月で会見がもう3回目になります。ということは、これだけの間、相手を見てきた期間って、キャリアの中でもなかったんじゃないかと思います。先ほどまで、お2人とも全然印象は変わってないって言われてたんですけど、でも、これだけ考えてきたんだから実はこういうとこがあったんだっていう風に、このトーナメントを通じて、対戦相手に対して思うところはないでしょうか。
沙弥子「そうですね。SARAM選手は、私が練習環境に困っていた時にすごく助けてくれて。私が練習中に体調が悪かった時もすぐ気づいてくれて、なんか本当に色々助けてもらって、ここまでこうやって来られました。今回この決勝で闘うってことは、彼女に私が今までどれだけ成長できたかっていうのを見せられるタイミングだと思うので、私は誠意を持って彼女を倒したいと思っています」
SARAMI「ここ数年見てきた沙弥子選手は、すごく優しくて本当にいい人で。12月の試合は本当に進化しているなっていうのは思いました。多分、充実した練習ができているなっていうのはあります。多分、充実した練習ができているんだろうなという印象です。ただ、格闘技との向き合い方だったり、深め方っていうところではまだまだ私とは比べ物にならない場所にいると思います。ずっとしっかりMMAをやってきた実力を載せて勝ちたいと思っています」
――ありがとうございます。SARAMI選手、年末年始は里帰りされていたかと思います。元日に能登で大地震があって(※SARAMIは富山県富山市出身)、都市にどういう影響があったでしょうか。地元の格闘技ジムへの影響などはいかがだったでしょうか。
SARAMI「えっと、1月1日は朝から遊んでました。家に帰って、夕方家にいたら本当すごく揺れて。これやばいなって感じだったんですけど、うちは 山の方なので、揺れただけで被害はありませんでした。同じ富山市でも海の方の人は避難してる友達とかもいて。大学が石川県だったので、大学の友達がもう災害に遭っている、避難している状態で大変で。私は大変じゃなかったんですけど、私自身何もちょっとできることがなくて申し訳ないですけど、ちゃんと勝つことで、恩返しになるかなと思っています。
――バーバリアン(※クラブバーバリアン。SARAMIの元所属ジム)はいかがでしょうか。
SARAMI「SNSを見ている限りでは、影響はないと思います」
――ありがとうございます。重田選手は今回初めてのタイトル挑戦です。チャンピオンの端選手は、長い間このパンクラスを支えてきている選手です。先ほどは印象は特にないとおっしゃっていましたけれども、端選手の経験値であったり、そういったところに関してはどういう風に思われていますか。
重田「経験値とかも乗り越えられるのが若さと勢いだと思っているので、若さと勢いで倒しにいこうかなと思います」
――一方、端選手、こういう若い選手がだんだん今、突き上げを図っているというところではあると思うんですけれども、クイーンとしてのプライドもあると思います。え、そのあたりのお気持ちを聞かせてください。
端「そうですね。2018年にパンクラスに初めて出させていただいて、ずっと前からこのパンクラスで試合をさせていただけて、初代のベルトを懸けて闘ったことであったり、ずっとパンクラスで生きてきたと思ってます。なので、この意地というか、あの、パンクラスのベルトをちゃんと守りたいと思っています」
――ありがとうございます。重田選手、もう最近の世の中、性別とか年齢のことを言うとうるさいんですけど、実際26歳の年齢差があって、お母さんとそれほど変わりない年頃の選手と闘うことになるかと思うんですけど、お母さんたちの世代の人がこうやってMMAをずっと続けて、今もチャンピオンでいるっていうことに対してはどういう風に思われてますか。
重田「そうですね。まあ、なるべくしてなってるんだろうなとは思いますけど、まあそこもタイミングとか色々、持ってるものと重なってこうなってると思うので、 今回はそれが自分に回ってくると思ってるんで、全部もらいたいと思っています」
――端選手、この質問をしたら、(重田選手から)もう少し尊敬してる言葉とか出てくるかなと思ったんですけど、それでも強気一点張りなこの彼女を見てどう思いますか。
端「そうですね、気持ちの強さの面では、私もずっと格闘技をやってきた底力があると思うので、(相手が)何を言っても、私は私です」
――ありがとうございます。では、雑賀選手、アキラ選手、それぞれに試合の展開について伺いたいと思います。先ほど雑賀選手は早く終わりたいとおっしゃってたんですが、タイトルマッが5ラウンドというのは避けられない事実です。この辺に関してはかがですか。
雑賀「前回の試合を見ていただいてわかるように、僕は組んでもできるんで。でお、疲れるんで、早く終わらしたいですね」
――前回判定まで行ったということは、ご自分の中でその経験値になりましたか。
雑賀「経験値というか、もともと出来たんで。ただ、試合で出せるようなタイミングがあんまりなかったのかなっていうことです」
――ありがとうございます。ではアキラ選手、ダイトルマッチで5ラウンドということになります。闘い方をどう考えているか、言える範囲で教えてください。
アキラ「5ラウンドだから力をセーブするというのではなくて、1ラウンドから全力で潰しに行きたいと思います。前回、久米(鷹介)さんと5ラウンドやってるんで、5ラウンドまで行ったら、その厳しさを(最下に)教えてあげたいなと思います」
――ベルトを巻かれて、たとえば心境的にとか、周りの影響とか、何か変わったことはあったでしょうか。また、それを踏まえて改めてベルトへの思いを聞かせてください。
アキラ「そうですね。やっぱりチャンピオンになったっていうことで、周りの人から チャンピオンとして見られることが多くなったので、そういうところは変わりましたね。あと、試合内容も、チャンピオンとしてどう闘うのか問われているという風に思います。雑賀選手、強い選手なんですけど、最高峰の試合を見られる立川に来ていただきたいですし、ぜひ配信で見ていただきたいと思っています」
――ありがとうございます。では、再びアキラ選手と雑賀選手にお聞きします。この資料に『アキラの剛腕かヤン坊の右か』って書いてあって、アキラ選手は両方なんですけど、ヤン坊は右。これ、どう思いますか。
雑賀「そのまんまじゃないですか(笑)ありがとうございます(笑)」
アキラ「そうですね(笑)打撃のヤン坊に対してどうするのかみたいな思われ方をしてると思うんですけど、打撃の部分でも全然勝ってると思います。負けてるのはリーチの長さかな。そこをどう勝つかを見てほしいです」
――『俺は左もあるよ』と。
アキラ「もちろんです(笑)」
――ありがとうございました。
笑いも交え、和やかな雰囲気のなか振興した会見だったが、SARAMIと沙弥子には緊張感が漂い、すでに火花が散るのが見えるようだった。もともと仲が良く、練習も一緒にしてきたことのある2人。相手に対する思いも溢れた。しかし、それだけに、負けるわけにはいかない気持ちも一層激しいのだろう。パンクラスを背負っていく沙弥子の覚悟か、ベルトでキャリアの証明をしたいSARAMIか。
また、他の2試合もそれぞれ見逃せない。試合までまだ1ヶ月以上ある。各選手の新たな姿が見られるに違いない。
(写真・構成/佐佐木 澪)