史上初の後楽園ホール女子ワンマッチ興行は1,603人の超満員札止め!ウナギ・サヤカのマブダチ(?)になった里村明衣子が「死ぬまでプロレス界で闘っていこう」
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16日、東京都・後楽園ホールにて『後楽園ホール ワンマッチ興行 ウナギ・サヤカ 殿はご乱心 我が名は』が開催。史上初の後楽園女子ワンマッチ興行は1,603人(超満員札止め)の大成功に終わった。
ウナギは2019年1月に東京女子プロレスでデビューし、2020年11月からスターダムに参戦。後に所属となるも “ギャン期”に突入してスターダムから飛び出し、現在はプロレス界を股にかけた“査定”の旅を行っている。
数多の女子団体で引っ張りだこである他、全日本プロレスで諏訪魔と壮大な痴話喧嘩を繰り広げたり、大仁田厚と電流爆破戦を行ったり、ZERO1の火祭り参戦を果たしたりと男子プロレス界でも大暴れ。株式会社ウナギカブキの社長としても辣腕を振るっている。
その勇名は海外にも轟き、アメリカの女子団体『KITSUNE』では初代王座を戴冠。JTO GIRLS王座、アイアンマン王座も併せてシングル三冠王として君臨した時期もあり、昨年9月にはCMLL日本女子王座も戴冠。知名度だけではなく確かな結果も残してきた。
破天荒な言動が目を引く行動力の化身であり、そのハングリーな姿勢は男女問わず数多のレジェンド選手たちが高く評価。昨年1月には後楽園ホールで自主興行を開催し、チケット完売という稀有な実績を打ち立てた。同年9月の後楽園自主興行第2弾では2025年4月26日に両国国技館で自主興行『ウナギ絶好調』を行うことを発表。全財産をはたいて破産覚悟で単身国技館進出を決めた傾奇者ぶりには業界内外から尊敬と畏怖の念を集めている。
そんな大勝負にさきがけ、今年4月29日のセンダイガールズ後楽園ホール大会で引退を決めている里村明衣子と最初で最後の一騎打ちを行うことが決定。
後楽園ホールで女子選手がワンマッチ興行を行うのは史上初の快挙だが、この大会は株式会社東京ドームが全力でバックアップ。同社は『後楽園ホール60周年 還暦祭』や『有田哲平の後楽園ホールプロレス噺』などを仕掛けるなど近年はプロレス界へ積極的に関わりを持っており、ウナギはその大波をしっかりと乗りこなしている。
里村はウナギのバイタリティは高く評価するものの、選手としての評価はあまり高くなく戦前の記者会見では「10分……いや、5分もたないんじゃないかなと思う」と酷評。
対するウナギは里村を前にして恐縮した様子であり、いつもの自信満々な言動が鳴りを潜め「査定してやるよ!」の言葉も出ないなど里村の持つオーラに呑まれてしまっていた。そうした経緯もあり、試合が本当に5分で終わってしまうのではないかという危惧を抱えながら当日を迎えた。
今大会の注目度は極めて高く、チケットは大会前日までに完売。立ち見の当日券が緊急発売され、最終的に1,603人を集客。真の超満員札止めを達成した。
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試合はじっくりとしたグラウンドに始まり、里村が圧倒的な地力の違いを見せて制圧。
ならばとウナギは場外戦に持ち込み、客席のド真ん中でゴムパッチン攻撃を敢行。付き合おうとしない里村に対し「みんなは里村明衣子がゴムパッチンされてる姿が見たいんだー!」と絶叫して観客を味方に付け、里村の顔面にゴムパッチンをぶち込む。さらに観客として訪れていた鈴木みのる、中島安里紗&南月たいよう、永島千佳世らを巻き込んで乱闘を展開するなどウナギワールドへと引きずり込んでいく。
しかし、闘いの場がリングに戻ると試合はシリアス一色に。里村が容赦ないミドルキックを腹部に連打し、うずくまるウナギを無理やり引き起こしてさらにミドルキック連打。STFやバックドロップで畳み掛けるが、ウナギも変形腕固めや変形羽折り固めなど独特のサブミッションで里村をあと一歩まで追い込む場面も作り出す。
ウナギは、これより我は修羅に入る!(※マッド・スプラッシュ)、城門突破(※変形ブレードランナー)と大技で畳み掛けていき、トドメのスライディングTANAKA(※スライディングD)を発射。里村はアリキックの要領でヒジを撃ち落とす離れ業を見せ、デスバレーボム2連撃。最後はスコーピオ・ライジングを叩き込んで3カウント。終わってみれば24分21秒の大熱闘となった。
マイクを取った里村は「おいウナギ!ウナギとはな、なんかまだまだ続く気がするわ。あたしは引退したあとも死ぬまでプロレスに人生かける!何があっても、プロレスに人生かけるって決まってるんですよ。今日試合して、なにかウナギにもそういう匂いを感じたなぁ!一人で、何かを背負ってんだろうが!あたしはな、出来る限りウナギの夢を一緒に見たい!」と熱い思いを叫び、ウナギとともに歩む未来を描く。
これを受けたウナギも「今でもたくさんの人が『昔のプロレスは良かった』って言ってる。確かにそうです。昔のプロレスラーは、プロレスを作り上げてきて、後楽園も当たり前にパンパンにして、マジでかっこいいし、めっちゃすごいし。でもさ!今こうやってリングの上で生きて、プロレスをしているのは!今の!現役レスラーなんですよ。だから絶対に何があっても、大きい夢を見て、大口叩いて、先頭で実際に行動して、夢を叶え続けると、お前に誓うよ。里村明衣子の血はな、仙女の奴らだけが継ぐんじゃねーよ、今生きてるプロレスラー全員で繋いで、全員で上に登っていくんだ。今が一番すごいプロレスを、これからもずっと一緒に創らせてください」と呼応し、里村とガッチリ抱き合う。
最後はウナギと観客が「ありがとうメイメイ!」と斉唱して締め、ワンマッチ興行は大団円を迎えた。
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バックステージに戻ったウナギは里村を“マブダチ”として迎えようとするが、里村は「イヤ」と一蹴。
里村は「あたしはね、ず~っとカタブツでカタブツで行くから、ウナギ・サヤカにしか出せないものを創って。あたしはカタブツにしか出来ないものを創っていくんで。それはいつか絶対繋がるんだよ」と同じ未来を目指して違う道を歩いていくビジョンを語った。
そしてウナギの「まだまだ私たちの闘いは続くってことで」という言葉には「マジで死ぬまでだよ!死ぬまでこの世界にいて?」と返すなど重い愛を囁いた。
その後、ウナギは「今回ワンマッチをやると決めて、業界の人たちから『私たちがやろうと思ってたのに』と言われましたよ。ただね、思っただけで、思ってたけどやらねーのがお前ら。やるのがウナギ・サヤカです。これからも、誰よりも犠牲を払ってでも、一番前でプロレスで闘い続けたいと思います。みんなの一番ワクワクする場所、必ず私が創ります。カタブツメイメイと一緒に、カタブツロードとカブキロードでプロレスをもっと盛り上げたいと思いますので。その他のプロレス団体のみなさんも、どうか負けないように頑張ってくださいねぇ~♪」と挑発的な決意表明。死闘を経ていつものウナギ節が戻ってきた。
4月26日に両国国技館で開催する自主興行『ウナギ絶好調』でも、ウナギはさらに明るいプロレス界の未来を見せてくれるだろう。