「俺には時間がない」ガンを克服した山本”KID”徳郁の愛弟子・フジタ”Jr”ハヤトが高橋ヒロム、拳王との王座戦を熱望!

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 15日、東京都・後楽園ホールにて『みちのくプロレス2022年東京大会Vol.2~骨肉相食~』が開催され、フジタ”Jr”ハヤトが高橋ヒロム、拳王との東北ジュニアヘビー級王座戦を熱望した。

 フジタJrハヤトは、高校時代にレスリングの全国大会に出場し、みちのくプロレス入団後に山本”KID”徳郁に師事して総合格闘技も習得したハイブリッドな実力派レスラー。新日本プロレスの『SUPER J-CUP』や『BEST OF THE SUPER Jr.』に出場するなど他団体でも活躍しており、東北ローカル団体の選手ながらその知名度は高い。
 ハヤトは2017年から膝の靭帯完全断裂によりリハビリ生活を続けていたが、その最中でガン(脊髄腫瘍髄内腫瘍上衣腫)が発見されさらなる闘病生活を強いられることになった。それでもハヤトは折れずに「師匠が出来なかったことを俺がちゃんとその想いを背負ってまたリングへ帰って来たいと思います」と復帰を宣言し、一度は2019年6月の後楽園ホール大会での復帰が決まりかけるも抗癌剤治療による体調面から延期に。

 そんなハヤトを元気づけるべく2019年11月にみちのくプロレスがハヤトの支援大会かつプロデュース大会である『ハヤトエール』を開催。その際にハヤトは「上から徳さん(山本“KID”徳郁さん)も見てるしまだやらなきゃいけないことがあるんで、絶対死ねないし。だから戦います」と復帰を宣言。同年12月の後楽園ホール大会でハヤトは盟友・拳剛を相手に1日限定復帰戦を実施も行った。

 その後、リハビリの日々に戻ったハヤトだったが、2021年6月には3度目、4度目の手術を経て約1年半ぶりに後楽園ホールへと姿を見せ、移動は車椅子ながらも自身の足でリングに立ち、「必ずこのリングに帰ってきてみちのくプロレスのチャンピオンと試合がしたい」という夢を叫んだ。

 そして、今年5月の岩手大会でサプライズ登場したハヤトは、MUSASHIが保持していた東北ジュニアヘビー級王座へ挑戦表明。今年7月1日には約5年ぶりの完全復帰戦が実現し、見事復帰戦で勝利して東北ジュニア王座を戴冠。
 悲願の復帰を果たしたハヤトは号泣しつつ、「いつこのリングに立てなくなる日が来るかわからないから、俺のプロレスラー人生一つも悔いが残らない相手と試合をしたい」と、新日本プロレスの高橋ヒロム、NOAHの拳王の名を挙げて東北ジュニア王座戦を熱望。ファンもこの試合の実現に向けて大きな期待を寄せている。

 この日、ハヤトは復帰戦以来約半年ぶりに後楽園ホールに帰還。
 “BAD BOY” フジタ“Jr”ハヤト&卍丸&Ken45°の3人が揃い、MUSASHI&橋本和樹&大瀬良泰貴と6人タッグマッチで対戦した。


 序盤戦では、ハヤトに強いあこがれを抱く大瀬良が気迫のこもったエルボーを連打していくものの、ハヤトは冷酷無比なサッカーボールキック連打で返り討ちにし、顔面に両靴底をめり込ませる強烈なドロップキック。
 中盤戦ではライバルのMUSASHIとのバチバチの打撃戦からBAD BOYの息の合った連携攻撃で攻め込んでいき、現東北タッグ王者のMUSASHI&橋本を圧倒。
 終盤戦では大瀬良が集中砲火を浴びる局面が続き、ハヤトがPK、バズソーキックを叩き込んでも大瀬良が根性でキックアウト。ハヤトは信じられないといった様子でレフェリーに詰め寄るが、大瀬良の意地を認めたか大技のヘルムを叩き込んで3カウントを奪った。

 試合後、ハヤトはメインの宇宙大戦争への導入マイクを行い、「来年もフジタ“Jr”ハヤトはもっともっと仕掛けて、もっともっといろんなことを発言して皆さんを驚かせる1年にしたいと思ってるんで、俺が帰ってきたみちのくプロレス、どうぞよろしくお願いします!」と挨拶。
 かつてはおなじみだったハヤトの宇宙戦争への導入マイクだが、実現したのは2016年以来6年ぶり。ファンが待ち望んでいた“日常”がまた1つ戻ってきた。


 バックステージに戻ったハヤトは、「ベルトを持って5ヶ月くらいか。なんもやってないんで、そろそろ名前出してこいよって思うし、ホントにみちのくの中にいないんだったら、マジで他団体行きますよ俺は。俺にはそのくらいの時間しか無いと思ってるんで。しかも来年、みちのく30周年?いいじゃないですか。来年は1月連戦できるように体調整えて会社とも病院とも話し合っていきたいと思います」と来年からはさらに本格的に動いていく意気込みを語る。

 そして、復帰戦後に挙げた高橋ヒロム、拳王についての話題になると「俺は基本的に名前出した人間とは全員やってきてるから。そろそろね、向こうも俺の映像とかを見てくれたりすれば『やれる』と思うだろうし。まあ、引っ張り出しますよ。来年中には」と不敵な笑みを浮かべた。

 近年、新日本プロレス、NOAHともに他団体との交流が活発化しており、ハヤトが両団体のリングに上がる、または2人がみちのくのリングに上がる可能性は大いに有り得る。
 奇跡の復活を遂げたハヤトが再びプロレス界の中心でトップを目指していけるようになることを願いたい。

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