【インタビュー】2年半ぶりにPANCRASEに帰還する久米鷹介が雑賀ヤン坊達也とのライト級KOP王座統一戦を前に気炎!「一本、KO。それは格闘技の本質」

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 11月某日、名古屋市東区のALIVEにて、久米鷹介のインタビューを行なった。
 パンクラス第7代ライト級王者・久米は12月12日に開催される『PANCRASE 325』のメインで、暫定王者・雑賀ヤン坊達也(DOBUITA)と王座統一戦が組まれている。
 久米がパンクラスのケージに入るのは、2019年4月のトム・サントス戦以来。2019年10月、ONEで松本光史と闘ったあとは、2020年9月のRIZIN.24で北岡悟に判定勝ち、今年3月のRIZIN.27で武田光司戦で判定負けを喫すなど、強い相手を求めて他団体に上がっていた。
 2年8ヶ月ぶりのパンクラスは、2021年最終戦、USENスタジオコースト閉館前の最終戦と記念尽くしだ。
 暫定王者・雑賀はここまで3戦を全て1ラウンドKOで勝ち上がり、暫定王者のベルトを巻いている。久米が貫禄を見せるか、新鋭がのし上がるのか、パンクラスファンならずとも格闘技好きなら第注目のカードだ。
 統一王座に向け、トレーニングを重ねる久米に話を聞いた。

――ついに正王者の帰還です。
久米「はい。2年半ぶりくらいになるんですかね、パンクラスのケージで闘うっていうのは」

――しばらくぶりに戻ってくるお気持ちはいかがですか。
久米「この先、そんなに何十戦もできる訳ではないと思います。その中で、統一戦っていうのは(残りのキャリアの中で)やりたいことの一つだったんで、気持ちは燃えています」

――外の大会で、別の王者に苦い敗戦を喫しました。
久米「各団体のチャンピオンと闘えるということで、その団体を選ばせて頂いたんですが、パンクラスさんもそれに対しOKを出してくれて挑戦させて頂いたことにはすごく感謝しています。
 でも、その試合に敗れてしまって、パンクラスさんやパンクラスファンの皆さんには悲しい思いをさせてしまいました。でも、負けましたけど、まだ自分はそこで終わりたくないっていう気持ちがありましたし、(他団体に)挑戦している中でも、パンクラスの統一戦っていうのはずっと心に持っていましたので、ここでもう一回挑戦するためにも、良い相手、良い舞台を用意して頂いて、感謝の気持ちでいっぱいです」

――改めて、久米鷹介の強さをもう一度証明したいところですね。
久米「はい。やはり、パンクラスを応援してくれている方々や、普段から自分を応援してくれている方々に、勝つ姿を見せたいという気持ちが強いですね」

――久米選手の留守中に、ライト級に動きがあって、その中から雑賀選手が出てきて暫定王者になりました。その辺の動きや流れをどう見ていらっしゃいますか。
久米「パンクラスを離れている間も動きはチェックしていましたし、強い選手が集まってきていたので、内心ドキドキしながら見ていました。でも、やはり自分は強い選手と闘って行きたいので、少しでも自分の(闘いたい)気持ちが高くなるような状況ができていればいるほど、高いモチベーションでトレーニングにも臨めましたし、試合にも挑んでいけます。
 その部分では本当にありがたいですし、自分の気持ちも身体も引き締まりますね」

――雑賀選手については、どのように評価されていますか。
久米「雑賀選手の試合映像を見ましたが、しっかり倒している試合ばかりなので、一発の破壊力は警戒すべき点だと思います。そして、勝負強さもありますし、実際に勝ち上がって来てベルトを巻いたという部分で、自分も高いモチベーションで臨める相手だと思いますし、ありがたいと思っています」

――雑賀選手のストライキング&フィニッシュという点では、どう感じていますか。
久米「そうですね、やはり一発の破壊力っていうのはあると思います。それをもらわないというのは絶対に大切です。それはもちろんどんな試合でも大切なんですけど、そこをかいくぐって、これまで培ってきたものを全てぶつけるような試合をすれば、自分にとって良い結果が出ると信じて準備しています」

――久米選手とは全然違うタイプの相手ですね。
久米「そうですね。身長も全然違いますし、体つき自体が全然違うと思います」

――その中で、久米選手がストライキングの部分だったり、その後の絞めや極めに持っていくのは、どのようにプランニングされているのでしょうか。
久米「そうですね、トータルで闘いたいというのはありますね。自分の中で、今までやってきたことをフルに出して、タイトルマッチなので15分なので、5分5R、自分のあるべきことをやり切るつもりでトレーニングに励んでいます」

――久米選手の鬼神のごとき強さは今回も出るんでしょうか。
久米「ハハハ、そうですね。5分5Rを闘う中でも、常にフィニッシュすることを考えていますし、闘いとして勝てるように、ダメージをしっかり与えることがフィニッシュに繋がると思います。そういう闘いを5分5Rしていくように、しっかり準備を進めています。当日はしっかり暴れたいと思います」

――久米選手は名古屋という地方からチャンピオンになったわけですが、いまはどんな方々と練習されているのでしょうか。
久米「ずっと日沖(発)さんとは週に5〜6回一緒に練習して頂いて、アドバイスもいろいろ頂いていて。今も教えて頂くばかりなんですけど。あとはK-1に出ているANIMAL☆KOJIさんとか、加藤久輝さんとかですね、スパーリングでバチバチにやって、しんどいです(笑)
 あと、パンクラスに出ている透暉鷹くんだったり、DEEPに出ている村元友太郎くんだったり、あとはローカルのチャンピオンたちともいつも練習しています。みんなで切磋琢磨しながらやっていますね」

――日沖選手と久米選手の兄弟子・弟弟子という関係は長いですけど、今は久米選手も名古屋の格闘技を引っ張っていく存在なのではないですか?
久米「どうなんですかね、まだ、未だに引っ張られながら、若手と一緒にガツガツやっているような感じです(笑)」

――最初に、キャリアも限られているということをおっしゃっていましたけど、そんなお話を聞くと、まだまだ(引退には)早いなと思います。
久米「そうですね、そういう(選手生活が終盤に入っているという)気持ちで一戦一戦闘おうとは思っていますけど、もっと強くなりたいという思いが終わっていないので、身体が続く限り闘いたいですね」

――では、統一戦について、この試合のキーになるのは、どんなところでしょうか。
久米「MMAですけど、始まれば打撃の部分があるので、そこで先手を取るのが大切だと思っています。あとは、今まで自分がやってきたものをいかに出すかですね。そこが、自分が闘うことで一番大切だと思っていますし、これをちゃんと出していけば勝利を得られると信じてやっています」

――常にフィニッシュを考えている中で、どんな勝ち方、終わり方をしたいですか。
久米「常に自分の闘いの身上であるフィニッシュ、一本、KOですね。それは格闘技の本質であると思っているので、それがKO勝ちになるのか一本勝ちになるのかはわからないですけど、確実にダメージを与えてそこに辿り着きたいと思っています」

――久米鷹介の強さを証明ですね。
久米「はい。前回の負け(※今年3月、RIZIN.27での武田光司戦)がありますから、ここから上がっていくためにも、自分のやるべきことをやって、しっかり勝利をもぎ取って、統一王者になりたいと思います」

――今大会は、パンクラスのホームだったスタジオコーストのラストとなります。しかも、メインになると思われます。
久米「そうですね。僕、前のホームだったディファ有明のラストでもメインをやらせて頂いて(2017年12月、徳留一樹にKO勝ち)。試合順はまだわからないですけど(※インタビューの時点では未定)、最後の大会という縁起はいいと思っています。
 ファンの方や、応援してくれている方、ずっとスタジオコーストに通ってくれていた方々も、明確な形の勝負を見たいと思いますし、自分としても、もしもメインになるのであれば締めくくれるように、そこに向かって自分の全てをぶつけられる万全の状態を作っていくように仕上げていくだけです」

――パンクラスを代表する選手ですからね。
久米「ハハハ、タイミングも良かったんだと思いますけど、最後になるっていうところだけではなくて、チャンピオンとしての強さをしっかり磨いてぶつけることは重要なことだと思っています。しっかり仕上げていきます」

――ファンにメッセージをお願いします。
久米「はい。自分の身上は最終的にフィニッシュです。一本、KOを常に狙っていく姿勢を見て頂きたいと思いますし、自分の動きを、お客さんに『さすがだな』と思ってもらえるような動きをしっかりと作り上げていきますので、その姿を見ていただけたらありがたいです」

(写真・聞き手:/吉田了至、構成/佐佐木 三桜)

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