朱里がPANCRASE参戦を発表!メインで戦う日沖は「もう一度イチから挑戦する気持ちでいる」
1月30日午前、都内港区の「Hard Rock Café」にて、PANCRASE 275の公開計量がおこなわれた。第4試合の神田T800周一(T-BLOOD)、第7試合の高木健太(リバーサルジム川口REDIPS)を除き、全選手が初回パスした。高木は事前計量からの予測が外れ、50gオーバー。すぐに落として無事パスした。神田は15時のリミットまでに落とすことになる。
なお、今年から計量は一般にも公開され、カフェに集まった約30人の熱心なファンは、計量の様子を撮影したり、計量をパスした選手に盛んに拍手を送り、選手らのモチベーションをさらに上げた。
主な選手のコメントは以下。
第5試合 太田駿平(P’sLAB世田谷、VS Bayzet Khatkhokhu)
「最近、筋肉がついて通常体重が増えたので、けっこう減量がきつかった。でも、しっかり戻ったのでコンディションは大丈夫。
映像から、相手はもっと大きい印象があったけど、実際に見てみたらわりと普通だった。寝技の選手という感じだが、ロシア人なので一発もあると思う。そこは気をつけて闘いたい。自分はこちらの得意なグラウンドでいきたい。寝かせての攻めを中心にやって来た。
閉鎖になりそうだったが、練習自体は横浜でできたのでよかった。(3月から北岡悟が引き継ぐため)これまで練習してきた横浜道場がなくならなくて本当によかった。引き続き頑張っていきたい。
(今回から、外国人選手に勝った場合ボーナスが出ることになったが)やはり嬉しい。絶対勝とうとモチベーションが上がる。今年最初の試合でもあるし、いいところを見せたい。この前の試合が終わってから、フルラウンド動ける体力をつけてきた。最後まで動き続けるところを見てほしい」
第9試合 上田将勝(パラエストラ東京、VS Jose Alday)
「最後まで諦めずに一生懸命頑張って勝ちます!」
メインイベント 日沖 発(ALIVE、VS 横山恭典)
「とりあえず計量をパスしてホッとした。明日に向けて作っていく。
パンクラスに初参戦で、ワクワクしている。久しぶりの日本ということもあるし、もう一度イチから挑戦する気持ちでいる。新しい舞台の新しい雰囲気の中でワクワクしている感じ。日本での試合は、移動時間がかからないのがいい。名古屋から東京まで2時間で来られるし、時差もなく、そういう意味で楽。
日本人選手との対戦も久しぶり。パンクラスが選んでくれた相手なので、自分もその人相手にイチからやり直すつもりでぶつかる。相手は必死で来ると思うので、こちらも真正面から受けて立つ。いい動きがしたい。練習してきた動きを出せれば、いい流れを造れると思う。作戦というより、流れに任せて隙ができればどんな形でも狙っていく。
気がついたら若手ではなくなっていた。でも、気持ちは今も若手。こちらが挑んで行くつもりでやる。衰えなどは感じていない。まだまだ、これから。年齢は関係ないし、モチベーションがあれば強くなれる。30歳でも40歳でも関係ないと思う。
パンクラスのフェザー級には、今どんどん強い選手が集まっている。日本の団体では海外選手はなかなか呼べないけど、パンクラスは呼んでいるので、これからも活性化していくと思う。
自分もベストを尽くす。その結果、盛り上げることに一役買えれば、それに越したことはない。
不安もないではないが、ワクワク感や、頑張らなくてはというモチベーションの方が強い。
今年は、結果次第ではあるが、勝てればどんどん試合をやっていきたい。連戦して連勝したい。
パンクラスのお客さんには、結果としてMMAの素晴らしい技術を見せられたらと思う。でも、まずは一生懸命に頑張っている姿を見てほしい」
朱里がMMAへ参戦!『目標はクイーン・オブ・パンクラス』
計量終了後、公開にて記者会見が行なわれ、朱里(ボスジム)のパンクラス参戦が発表された。
朱里は2008年ハッスルでプロレスデビュー。ジュエルス、シュートボクシングを経て酒井代表が設立したSMASHに参加。WNC→REINAとプロレス畑を歩いたあと、2012年Krush.15でキックボクシング初参戦。昨年9月にはKrush女子王者となった。今回のパンクラス参戦で、再び酒井代表のもとで格闘技生活を送ることとなる。
同席した酒井正和・パンクラス代表は「朱里選手は日本の女子格闘技界の逸材。ぜひ世界を目指してやってほしい。経験豊かな選手なので楽しみ」と話した。
朱里は「パンクラスという歴史ある大会に参戦させていただけてうれしい。酒井代表や関係者のみなさん、ありがとうございます。総合をやるからには、絶対にナメられたくない。ボスジムで打撃をやってキックのチャンピオンになり、女子プロレスで強い身体をつくった。目標はクイーン・オブ・パンクラス。そして。世界最高峰のUFCの王者をめざしていく」と心境を語った。
キックでチャンピオンにまで上り詰めながら、ここで総合に転向するのはなぜなのか。朱里は「キックで王者になって次の目標を考えたとき、MMAを新しい目標にしたいと思った。はっきり転向すると決めたのは昨年12月。Krushさんとは年末に話して、ベルトは返上することにした。プロレスは並行しながら続けていく」と、今後の活動について話した。
寝技はどのように練習していくか訊ねると、「ボスジムに所属して、パンクラスに参戦しているハルク大城選手に教わるほか、光岡映二選手、門脇英基選手に個人的に教わっている。また、AACCにも行っている」と、心強い師匠たちの名を挙げた。ファイトスタイルは得意の打撃を活かし、ストライカー系でいきたいと言う。席上で、酒井代表に教わりながら初めてパンクラスのオープンフィンガーグローブを着けた朱里は「ピッタリです」とニッコリ。「酒井代表にまたお世話になることになり、うれしい。こころよく引き受けてくださって感謝している。皆さん、これからよろしくお願いします」と微笑んだ。
パンクラスではストロー級で闘う。酒井代表は「パンクラスで強化していきたいと思っていた階級。世界から選手を集めてトーナメントをやったりして、ストロー級の充実を目指していきたい」と大きな期待を寄せる。
初試合は4月24日の予定だ。
(写真・文/佐佐木 澪)