7.5『PANCRASE 268』で行われる日本vs.ブラジル4×4で、大将戦を務める上田将勝「レスリング時代から団体戦の方が強かった」
6月26日午後、都内中野区のGOLD’S GYMウェスト東京で、上田将勝(パラエストラ東京)が公開練習をおこなった。パンクラス初参戦の上田は『PANCRASE 268』(7月5日、ディファ有明)でおこなわれる日本vs.ブラジル4×4で、ルイス“ベタオ”ノゲイラを相手に大将戦をつとめることとなった。
また1人、パンクラスに大物選手が参戦する。上田はレスリングをバックグラウンドに持ち、2005年に修斗でプロデビュー。2008年には第5代修斗世界フェザー級王者となり、2010年、勝村周一朗に奪われるまで3度の防衛を果たしている。2012年4月にはBellatorに参戦。同年10月よりONE FCに参戦し、2013年にはONE FCバンタム級グランプリで優勝を果たし、翌年、ビビアーノ・フェルナンデスの持つ王座に挑んだが、残念ながらベルト奪取は成らなかった。今年2月、GRANDSLAM02にて、ビクター・ヘンリーに1本負け。PANCRASE 268は5ヵ月ぶり、出直しの試合となる。
公開練習では、パートナーを交代しながら3Rの総合スパーリングを披露。タックルにこだわる姿勢をうかがわせた。
体調は良い。「いい練習ができたし、調子は良い。気持ちも高まっていて、早く闘いたい気持ち。試合勘も大丈夫」と言う。「今日の動きは、自分としては80%くらい。体重を今まで増やしていたので、今回の減量は少し厳しいかも知れない。あと6kgです」と淡々と語った。
相手のノゲイラはBellatorシーズン6バンタム級トーナメントで中村“アイアン”浩士を破り準優勝している実力派だ。上田は中村から「そこまで強い相手じゃない。丁寧にやれば、上田なら勝てる、と言われた。勝つことに集中してしっかり闘いたい」と話す。前戦は残念な結果に終わっているが、「気持ちの面で弱かった」と自己分析。これを教訓に、スタミナと心を鍛えてきた。「ウェイト、フィジカルを追い込んだ。筋トレも増やしてきた」という上田。身体をつくるとともに、心も鍛え直したようだ。
参戦は初めてだが、高校時代にパンクラスを生で観戦しているという。「高校生のとき初めて見た格闘技がパンクラスの大阪大会だった。メインが船木(誠勝)さん対(ウェイン・)シャムロックで、船木さんが勝ってバッテン(※パンクラスのマーク)を手でやっていた(※1994年9月、大阪府立体育館大会)。初めて見た真剣勝負で、すごいなあと思った。格闘技を自分がやるとも思っていなかったが、まさかパンクラスに出られるとは思っていなかったので、うれしい」とパンクラスとの縁を明かした。また「僕の高校時代は大きい選手ばかりだったが、今のパンクラスは軽量級が盛ん。そこが、昔とは全然ちがうと思う」と現在のイメージを話した。
今回は4×4の対抗戦。「団体戦なので勝たないといけない。レスリング時代から団体戦の方が強かった。負けたくないという気持ちが強い」と意欲を見せる。気になるのは今後だが、「先のことより、今はこの試合にしっかり集中したい」と話すにとどまった。まずは勝利すること。「お客さんに喜んでもらえる試合をしたい。できれば1本で決めたい」と闘志に燃えている。
【写真・文/佐佐木 澪】