北方大地が『PANCRASE 328』でストロー級KOPの2度目の防衛戦へ!挑戦者・山北渓人に対し「気持ちよくブッ飛ばしてあげます」
7月17日午後、都内新宿区のパンクラスで、パンクラス・ストロー級チャンピオンシップの調印式が行われた。この試合は『PANCRASE 328』(7月18日、ベルサール高田馬場)の第1部メインを飾る。
王者・北方大地(パンクラス大阪稲垣組)と挑戦者・山北渓人(リバーサルジム新宿Me,We)は揃って着席。廣瀬隆司キング・オブ・パンクラス評議会評議員長の立ち会いのもと、出場誓約書にサインした。
両選手との質疑応答は以下。
――チャンピオン、挑戦者を前にして、どんな印象、どんな思いがあるでしょうか。
北方「無敗で上がってきてくれたことには価値があるんで。それはナイスかなって。でも、彼のファイトスタイルは多分、一般的にはあんまり面白くないタイプのスタイルだから、僕は面白癖なアカンから、ちょっとハードやなって。まあ、それもチャンピオン(の仕事)かなって。頑張ろうと思います」
――挑戦者の山北選手、挑戦権を手にした気持ちからお願いします。
山北「明日、初めてのメインでタイトルマッチってことで、ベルトを獲るんだったり、面白い試合をするんだったり、いろいろやらなきゃいけないことはいっぱいあるんですけど、ただ単純に、明日の北方選手との試合がすごく楽しみです」
――チャンピオンの印象を教えてください。
山北「打撃も極めも組み技も満遍なくできるタイプで。あと、試合を見ていてすごく劇的な勝ち方をしている選手で、正直、かっこいいなと思うので。僕もそういうかっこいい選手になりたいです」
――チャンピオン、今の言葉を受けていかがですか。
北方「ちゃんと、ええとこ見とるなと(笑)思いますね。彼も、いい雰囲気してるじゃないですか。無敗のそいつをしっかり倒して、僕がさらにパワーアップしたチャンピオンになります。またでかくなっちゃうという。パンクラスにとっても美味しいかなと思います」
――お2人にお聞きします。どんな部分が明日の勝負のキーポイントになるでしょうか。
山北「僕はまだそんなにMMA歴があるとは言えないので、パラメーター的に言うと、きれいな図形になっていないと思います。劣る部分はあるんですけど、しっかり自分の強いところで、そこでずっと闘って、闘い続けて、しっかり極めを狙って行きたいですね」
北方「勝負のポイントはないですよ、別に。僕が無敗の彼をぶっ飛ばして、『ああやっぱり俺が強いな』と。みんなも『ああ、やっぱり北方が絶対チャンピオンだな』と思うだけの日やと思います」
――明日はどんな形で試合を終わらせたいですか。
山北「今回、初めて5分5Rで25分間闘うために体力をつけて来ました。その練習が無駄になるかも知れないですけど、早い段階でしっかりフィニッシュできたら。極め技も打撃もしっかりやってきたので、一本でもKOでも狙ってフィニッシュしたいですね」
北方「気持ちよくブッ飛ばしてあげます」
――パンクラスのベルトに対しては、どんな思いがありますか。
山北「正直、MMAを始める前は、パンクラスのベルトがすごく欲しいって訳ではなかったんですけど、まだ距離がありますけど、実際こうやって見ると、メチャクチャかっこいいんで、欲しくてたまらないですね」
北方「(このベルトは)とりあえず、今の僕の格闘家としての存在そのものなので、これを取られると、僕の全てを否定されることになるので。僕はけっこう背負ってるものがあるから、それを奪わせるわけには絶対にいかない。(このベルトは)僕そのものですね」
王者・北方は昨年、初の防衛に成功。ますますKOPとしての貫禄を増しているのが印象的だった。質疑応答の中でも「背負っているものがある」と話していたが、結婚や怪我、病気など苦しい経験をし、試練を乗り越えてきたからこそ持てる自信なのだろう。
「自分を信じる」とはよく聞く言葉だが、実際にそれを貫き通せる人はそう多くはない。しかし北方は、自分を信じて闘い切れる稀有な存在なのではないだろうか。
計量の際には、近くにいた山北の肩を揉み、緊張をほぐそうとする場面も。ビッグマウスのようでいて、時折のぞかせる相手への気遣いも、器の大きさを感じさせた。
対する山北も、穏やかで控えめな口調ながら、勝利への強い意志を感じさせた。また、チャンピオンに対してストレートに「かっこいい。自分もそうなりたい」と言う素直さにも好感が持てた。
絶対王者がその強さを見せつけるのか、若手が大金星をもぎ取るのか。一瞬も瞬きできないような試合になりそうだ。
(写真・文/佐佐木 澪)