初の公開練習でグラウンドコブラまで披露した安永有希!12.13パンクラス273でのマモル戦に向けて「勝ったらタイトルマッチだと思っている」
11月16日夜、都内北区の東京イエローマンズで、安永有希が公開練習をおこなった。「PANCRASE 273」(12月13日、ディファ有明)でマモル(シューティングジム横浜)と闘う安永は、「奇人」朝日昇の愛弟子。新旧さまざまな大会のポスターと、朝日が描いたカラフルな壁画に囲まれ、3分1ラウンドのスパーリングを披露した。立ち技、特に蹴りを中心とした内容で、パウンドやグラウンドでのヒジも見せる。最後はなぜか(?)グラウンドコブラで締めた。
中学ではバスケット、高校ではラグビーをやっていた安永だが、身体の小ささを考慮し、大学ではラグビーはやらず、ブームだった格闘技を始めたという。その頃ちょうどオープンした東京イエローマンズに入門、朝日昇の指導を受けてきた。修斗に参戦したあと、2011年よりパンクラスに参戦。同年のネオブラッド・トーナメント・スーパーフライ級優勝を果たした。ここ4戦は負けなし。満を持しての一戦だ。勝てばタイトルマッチが組まれることが予想される。さらに、同大会では、チャンピオンである清水清隆(TRIBE TOKYO M.M.A)が、神酒龍一(CAVE)を相手に王者査定試合をおこなう。最激戦区の1つであるパンクラス・フライ級の2016年以降の行方を占う大会となることは間違いない。
安永との質疑応答は以下。
ーー公開練習は初めてですね。
安永 はい。メチャクチャ緊張してガチガチです。
ーー今日は打撃中心の内容でした。
安永 この試合が決まって、マモル選手のムエタイスタイルを意識しています。キックスタイルを意識するようにして、自分の従来のスタイルとミックスして動いているのをお見せしようと思いました。練習でも、基本は同じですが、やはりマモル選手のスタイルを意識してやっています。
ーーマモル選手の印象はいかがでしょうか。
安永 今までの実績がすごいですし、やっぱり強いと思います。これまで闘ってきた相手の中でも特別な選手だという印象を持っています。でも、僕もずっとパンクラスでやらせていただいてきて、自信はあります。
ーー修斗から来た選手ということについては、いかがでしょう。
安永 自分もここ1〜2年負けていませんし、しっかり1つずつ勝って来て今のフライ級1位というポジションに就いています。負けません。
ーーどのように闘いますか。
安永 マモル選手は自分のペースでゲームを作るのが上手ですよね。自分は、マモル選手のリズムに付き合いつつ崩すという感じで闘います。やってみないとわかりませんけど、大丈夫だと思います。
ーー現在、パンクラスのフライ級は激戦区となっています。
安永 そうですね。今度の大会でもフライ級の試合ばかりです(本戦二部11試合中、フライ級が5試合組まれている)。でも、マモル戦で勝ったらどうなるんだって言うか、勝ったらタイトルマッチをやらせていただけると思っています。なので、僕にとってすごく重要な試合ですし、勝たなければいけない試合です。他は関係ないですね。
ーーこの大会では、フライ級KOPが査定試合をします(王者・清水清隆vs.挑戦者・神酒龍一)。
安永 あれだけ他の団体で負けてしまうと、ああいう試合をするのは仕方ないのかな、そんな感じですね。でも、そんなに意識しているわけではないです。僕は、自分がしっかりやることをやるだけ。他のことは気になりません。
ーー理想のフィニッシュは?
安永 際でしっかり取って、打撃での離れ際、テイクダウン際を大切にして、殴って倒したいですね。というか倒します。前回の山本篤戦のように、誰に対しても合わせてしっかり作っていくという自信はあります。
ーーファイトパスでの中継も始まったので、さらに幅広くアピールできますね。
安永 はい。目立ちたいですね。入場も全世界に見てもらいたいです。早めに出なくてはいけなくなっているので、どうなのかというのはありますけど(笑)。あの入場は、緩い感じの曲でリラックスして入場するというコンセプトなんです。ちょっとでも目立てればいいなと思って、楽しんでやっています。
ーー個性的な入場ですよね。個性的と言えば、キックパンツやコンバットショーツの選手が多い中、短いパンツがコスチュームというのも個性的です。
安永 他の選手との差別化の意味も大きいですね。僕がキックパンツとか穿くと、その他大勢になってしまうので。その他大勢にならずに目立つには、人がしていないことをしないと。それに、肌との接触面が少ないので動きやすいです。
ーー最後に、意気込みをお願いします。
安永 僕は中学ではバスケ、高校ではラグビーをやってきましたが、格闘技には団体競技にはないやり甲斐を感じています。団体では、負けてもドンマイみたいな感じですけど、格闘技で負けると、今までのことが全部否定されたような絶望感を感じるんです。でも、そこを工夫したり、人に協力していただいて克服していったりする面白さがあります。格闘技は、僕にとってすごく夢中になれるもの。そう簡単じゃなくて、うまくいかないことがたくさんありますけど、壁を乗り越えて自分が成長できたと感じられるし、やっていて良かったなと思います。
そして、たまたまネオブラッド・トーナメントに欠員が出たからと声をかけていただき、優勝して(2011年、スーパーフライ級優勝)、それからずっとパンクラスで闘わせていただいている。パンクラスは闘いやすいですし、会場の雰囲気もよくて魅力的な場です。もう4年くらいやらせていただいて、パンクラスでやってきたという意地もありますし、ここで1つずつ勝って上がってきたという自負もあります。絶対に負けられません。しっかり勝ってタイトルにつなげます!
【写真・文/佐佐木 澪】