【会見】PANCRASE308でライト級暫定KOP戦を行う粕谷優介&サドゥロエフ・ソリホンが調印式に出席!ONE Championship出場の正王者・久米鷹介との統一戦に向け両者気炎
9月26日夕、都内新宿区のパンクラスにて、パンクラス・ライト級暫定王者決定戦の調印式が行われた。
この試合は『PANCRASE 308』(9月29日、スタジオコースト)で行われ、粕谷優介(総合格闘技道場CROWN/6位)と、サドゥロエフ・ソリホン(ロシアパンクラチオン・ハバロフスク/2位)がベルトを懸けて激突する。
パンクラスの現ライト級王者は久米鷹介だ。今年4月、トム・サントスに一本勝ちし2度目の防衛に成功している。次の防衛戦まで1年の猶予があるため、今年10月、ONE Championshipに参戦する。これに伴い、暫定王者を決めることとなった。
粕谷は2010年に修斗でプロデビュー。2011年、7戦無敗で修斗ウェルター級新人王を獲得している。2015年、PXCに続きUFC に参戦。パンクラスには2017年より上がり、フェザー級の松嶋こよみ、ISAOと対戦したが、いずれも判定負けを喫した。しかし、今年4月には階級を上げ、菊入正行に1Rわずか1分で涙のTKO勝利を掴んでいる。
一方のソリホンは2018年11月、パンクラスに初参戦。アキラを2R、TKOで破った。しかし、今年3月の上迫博仁戦では、試合前に胸骨を痛めていたことも影響し、2R開始すぐ、上迫の蹴りをもらって倒れ、TKO負けしている。
スーツ姿で席に着いた両者は、穏やかな表情で記者の質問に答え、出場誓約書にサインをした。
両者のコメントは以下。
――まず、お2人から一言ずつお願いします。
粕谷「ソリホン選手の試合を見て、率直に強いなと思っていて。試合が決まるまではやりたくない相手だなと思ってたんですけど、決まったからにはやるしかないです。
僕も海外の試合が多かったので、外国で闘う大変さがわかります。(ソリホン選手が)日本に来てくれて闘ってくれることにリスペクトを込めて、倒して行きたいと思います」
ソリホン「相手の粕谷選手も非常に良いファイターです。UFCの試合もいくつか拝見しましたが、彼と対戦できることを光栄に思いますし、非常に尊敬している選手です」
――暫定王座が懸かった試合ということについて
粕谷「あんまり、タイトルがどうということより、ソリホン選手に勝てれば評価は上がると思うので、勝ったらベルトがついてくるという感じですね。とにかくソリホン選手を倒したいなと思います」
ソリホン「私は、ベルトが欲しいという強い思いがあります。ですので、日曜日、ぜひ楽しみにしていてください」
――どのような試合になると思いますか。
粕谷「そうですね、お互い極めにいく、倒しにいくタイプだと思うので、判定にはならないんじゃないかなと思います」
ソリホン「私はいつも通りの試合をしていきたいと思います。みなさんがご存知の通りの、“いつもの試合”をしたいです」
――この試合のキーポイントは?
粕谷「ソリホン選手は爆発力があるので、そこを退かず、5ラウンドあるのでどれだけ攻められても諦めないで、ピンチになっても逆転できるというのが僕のスタイルだと思っているので、5ラウンドの中でチャンスを見つけたいなと思います」
ソリホン「私はムエタイがベースにあるので、ヒジでの技をどのように見せていくかだと思っています」
――ソリホン選手は、前回、骨折をしていたという話もあるのですが、今回、その時の無念を晴らしたいというような思いはあるのでしょうか。
ソリホン「当初、上迫選手とこの試合をする形で(ベルトを)狙うのかなと思っていたので、上迫選手と決着をつけられる良い機会になるのかなと思っていました。ですが、粕谷選手と闘うことになったので、前回のことは前回のこととして、この試合に集中していきたいと思っています」
――粕谷選手、今日は奥様やお子さん、ご家族がいらっしゃっていますが、ご家族に対してはどんな思いがあるでしょうか。
粕谷「僕はファイターだけで生活しているわけじゃなくて、普通の会社員なので、家族に対しては、普通の会社員、普通の父親として接しています。格闘技に関しては、そこは切り離して考えていて、その結果、当日勝って喜んでくれればいいかな、というくらいです。試合に関しては、家族のこととかは特に考えずに、まず自分が勝っていい思いをするというのを第一に考えたいと思います」
――この階級の正王者は久米鷹介選手ですが、来月、ONE Championshipの日本大会に出場します。暫定王者を獲れば、正王者との統一戦が待っています。久米選手への思い、またONEに対しての思いはいかがでしょうか。
粕谷「久米選手は本当に強いチャンピオンだと思いますし、(自分が)勝てばやりたいなと思いますし、統一戦をやりたいと思いますけど、現時点ではソリホン選手に集中している感じですね」
ソリホン「久米選手についてですが、残念ながら、まだ私は久米選手の情報を集めていないので、私も粕谷選手同様、今回の試合に集中して挑みたいと思っています」
――この試合、どういった形で勝ちたいですか。
粕谷「お互い判定狙いじゃなく倒しにいくタイプだと思うので、極めて勝ちたいと思ってたんですけど、ヒジがあると言われたのを思い出しました(笑)。ヒジには気をつけて、一本取りたいですね」
ソリホン「私もいい試合を見せたいと思いますし、KOを狙っていければと思っています。皆さんには、ぜひ楽しみにして見ていただけたらと思います」
同じ1989年生まれで、倒しに行くコンプリートファイター同士の対戦。
家族愛が強いことで知られる粕谷は、前回、パンクラス3戦目で初勝利。子供をケージに上げ、嬉し涙を見せた。この会見にも、家族が同席し見守った。当日も快勝して「かっこいいお父さん」の姿を見せられるか。
そして、前回は不本意な形で終わってしまったソリホン。今回はしっかり勝ち、ベルトを巻くことができるのか。見逃せない一戦だ。
(文・佐佐木 澪/写真・吉田了至)