【試合詳細】11・29 DEEP&PANCRASE 大阪大会(第2部) アラン“ヒロ”ヤマニハvs福島秀和 赤尾セイジvs高野優樹 中本龍平vs藤田健吾 冨田翔市vsハンセン玲雄
大会名:光野有二朗グループ presents DEEP & PANCRASE 大阪大会(第2部)
日程:2020年11月29日(日)
開始:17:30
会場:大阪・住吉区民センター大ホール
[試合結果]
▼第1試合 DEEP公式戦 63.2kg 契約 5分2R
●綿谷 誠(BLOWS)
2R 4分51秒、腕十字固め
○平澤宏樹(Martial Arts Fighter Team侍)
▼第2試合 PANCRASE公式戦 ウェルター級 3分3R
●網藤雄太(スパーク)
1R 0分52秒、TKO(リアネイキッドチョーク)
○木下憂朔(パンクラス大阪稲垣組)
▼第3試合 PANCRASE公式戦 フライ級 3分3R
○久保健太(GSB多治見)
判定3-0
●大空(パンクラス大阪稲垣組)
▼第4試合 PANCRASE公式戦 フェザー級 3分3R
○冨田翔市(パラエストラ東大阪)
判定3-0
●ハンセン玲雄(総合格闘技道場reliable)
▼第5試合 DEEP公式戦 63.2kg契約 5分2R
○中本龍平(BLOWS)
1R 4分05秒、KO(スタンドのパンチ)
●藤田健吾(総合格闘技道場reliable)
▼第6試合 セミファイナル DEEP公式戦 63.2kg契約 5分3R
●赤尾セイジ(パラエストラ天満)
1R 4分09秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○高野優樹(FIGHT FARM)
▼第7試合 メインイベント PANCRASE公式戦 バンタム級 5分3R
○アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブルテリア・ボンサイ)
判定3-0
●福島秀和(BLOWS)
DEEP&PANCRASE大阪大会でバンタム級1位のヤマニハが快勝しタイトル挑戦をアピール!高野が赤尾を1RTKOで実力発揮!中本が藤田を1RKO!
第1試合
綿谷はパンクラス、DEEPの大阪大会でおなじみ。今年1月には修斗に参戦している。
一方の平澤は空手がバックボーン。MMAのほかキックボクシング、ボクシングにも挑戦している。DEEPには2018年より参戦中。
1R。遠い距離から平澤がボディ。綿谷は長身の平澤の打撃に注意しながら回る。片足タックルに入った綿谷。ロープ際で潰して上に。殴る。コーナーを背に立った平澤。綿谷の投げをこらえる。しかし綿谷が足をかけ投げる。ヒザをついた平澤に乗るようにかぶさり殴る。平澤立ち上がり、綿谷を突き放す。
大きくパンチを振り下ろす綿谷。平澤もパンチを打ち「来い!」のジェスチャー。お互い距離を見るが、綿谷がパンチで前に出る。やや体勢を崩した綿谷が立て直そうとすると、平澤は追って蹴り。綿谷はスリップした平澤に被さり首を捕らえるも、平澤は素早く抜け、ロープ際でロー。しかし、これがローブローとなりタイムストップ。
再開。パンチを出していく綿谷。平澤が飛びヒザからのパンチ。コーナー際で打ち合うが、綿谷が組みつき投げをうつ。立った平澤をコーナーに押し込む綿谷。しかし平澤が向かいのコーナーまで押し込んでいく。抜けようとする綿谷を離さずバックを取る。コーナーへ押し込んだところで終了。
2R。お互いプレッシャーをかけ合う。パンチで前に出る平澤。綿谷はやや下がり気味。平澤右ハイ。隙をついて綿谷が片足タックル。さらに両足を捕らえて倒す。平澤が蹴り上げるが、綿谷は立たせず倒れながら首を取った! しかし、これは絞めきれず。ハーフで固める平澤。マウント! しかし、綿谷が回って後ろから胴を抱えた。立って相手にかぶさる綿谷だが、平澤が下から三角を狙う。パンチを落とし抵抗する綿谷。しかし平澤は腕を取り伸ばすと、綿谷がタップアウト。終了ギリギリで平澤が一本勝ちを挙げた。
第2試合
柔術、空手をバックボーンとする網藤は、アウトサイダーを主戦場にして着た。パンクラスには今回が初参戦だ。
183cmの長身が目を引く稲垣組の木下もパンクラスデビュー戦。なんと2000年生まれで、8月に20歳になったばかり。緊張した様子はなく、なぜか貫禄さえ感じる入場だ。どのような闘いぶりを見せてくれるのか。
1R。パンチで出た網藤に木下の右がいきなりヒット! 腰を落とした網藤の首を捕らえた木下。これは決まらないが、スタンドに戻るやいなやパンチを叩き込む。タックルに入った網藤がロープへ詰めるが、左のヒジを当てた木下が崩れる網藤の首を捕らえる。なんとか逃れた網藤。木下はカメになった網藤のバックに回り、バックマウントからパウンド、さらに三度目の首! ガッチリ決まり、レフェリーが止めた。
パンクラスデビューを鮮やかな一本で飾った木下は、全身で喜びを表した。物怖じしないキャラクター、明るい雰囲気、そして極める力。稲垣組からまた一人、イキのいいプロ選手が誕生した。
第3試合
久保はDEEP、CMA KAISERなどに参戦し、パンクラスには今年8月の大阪大会に初参戦。今回が2戦目となる。前戦は稲垣組の桐山康平のデビュー戦。今回もまた、稲垣組の若手デビュー戦だ。
大空は今回がデビュー戦。昨年7月の大阪大会で、道場対抗グラップリングマッチに出場していたが、MMAでのプロデビューとなる。
1R。お互い、ロー、ジャブを打ち様子を見る。久保が組みつく。ロープ際で倒そうとするが、大空が入れ替えてコーナーへ。倒したい大空だが、久保はこらえる。なんとか倒そうとする大空だが、久保が入れ替えてヒザを打ち込むと、大空が離れる。
ローで前に出てプレッシャーをかけていく大空。久保はパンチ。大空はタックルに入ろうとするが、久保は付き合わない。組みつくタイミングをはかる大空。久保がパンチで出ると、回りながら組みつく。ロープ際で久保が殴る。倒したい大空。大空が大きく投げた! しかし上になったのは久保。大空は蹴り飛ばして突き放し立ち上がる。パンチを出す久保に再び組みつき殴って首を取った! そのまま床で絞めあげる。残り10 秒! 入りが浅く、久保はゴングに救われた。
2R。お互いプレッシャーをかける。大空左パンチ。久保の右パンチがヒット! やや効いたか。大空は、もらいながらもタックルに入ろうとするが、久保はパンチで入らせない。逆に久保が組んでコーナーへ押し込む。突き放そうとする大空。久保の連打をもらうが離れることに成功。
お互いパンチを出す。組むタイミングを掴めない大空。バランスを崩し、久保のパンチをもらってしまう。もらいながらも組みにいくが、久保が上に。パンチを落とす。一瞬立った久保がすぐかぶさってパンチ。大空が下から腕を狙う。しかし久保はパンチ連打で防ぐ。大空は足を絡めていくが、久保はパンチを落とす。大空が身体の向きを変えた瞬間、久保がマウント! さらにパウンド連打! 大空は返せないままゴングを聞く。
3R。プレッシャーをかける久保。大空はフェイントをかけ、タックルのタイミングを窺う。久保がパンチを打つと大空がタックル。しかし、久保が潰して上に。引きつける大空だが、蹴ると久保が離れるが、離れ側に久保がグラウンド状態の大空に蹴りを入れてしまいタイムストップ。久保はイエローカード。
再開。両者パンチ。大空が組んでロープへ。しかし久保が投げて倒す。下から仕掛けようとする大空。久保の腕を狙う。久保はパンチを入れて防ぎ、サイドで固めてヒジ。大空を立たせず首を狙う。これは極まらず、大空は素早く立つ。お互い打撃を出し合うがタイムアップ。
判定は28-27、29-27、29-26、3-0で久保が勝利。
大空は敗れはしたものの、積極的に攻め、諦めず狙っていく姿勢を見せた。ほろ苦いデビュー戦となったが、稲垣組新世代として、今後の飛躍に期待したい。
第4試合
冨田は2018年7月よりパンクラスに参戦。同年9月、2戦目でいきなり東京大会進出し、木村一成に判定勝利。同年12月、東京2戦目で杉山和史と激突するも1ラウンドTKO負けを喫してしまう。
復帰戦は昨年7月、大阪でDARANI DATEに判定勝利。連勝し、再び東京への足がかりをつけたいところだ。
対するハンセンは、2018年にパンクラス大阪大会で2戦している。初戦7月は綿谷誠にTKO勝ちを収めたが、同年12月には“聖帝”土肥潤に判定負け。2年ぶりのパンクラスで勝利を挙げたい。
1R。お互い蹴り。ハンセンの右がヒット。冨田が素早くボディ。
残り1分を切ったところで冨田が組み付く。大きく投げてテイクダウン。ハーフマウントに。上体を引きつけようとするハンセン。冨田はヒジ、パンチ。さらに叩きつけ、鉄槌を落として終了。
2R。ハンセンがパンチ&ロー。冨田がパンチを振りタックル。コーナーに押し込み、引き込んで尻もちをつかせる。しかし、ハンセンに抱えられており苦しい体勢。
頭を抜いた冨田がコーナーに押し込み、ゆっくりと床に背をつかせる。ボディ連打。なんとか立とうとするハンセンだが、冨田は立たせない。ひっくり返して立ち上がったハンセン。冨田も同時に立ってヒザを入れ突き放す。
冨田がローを叩き込む。やや足を気にするハンセン。冨田が一気に入って右をヒットさせたところでゴング。
3R。打ち合っていく両者。冨田が左を当てれば、ハンセンも左をヒットさせる。パンチを振った左手でハンセンを捕らえる冨田だが、ハンセンが入れ替えてロープへ。ハンセンが肩パンチ、富田はボディを殴る。ハンセンがコーナーへ押し込んで肩パンチを入れるが、ブレイクがかかる。
冨田がパンチから組み付く。細かく殴る反戦をコーナーへ持っていく。冨田が一気に引き込もうとしたところでタイムアップ。
判定は二者30-17、1人が29-28の3-0で冨田がうれしい勝利。
第5試合
大阪で修斗、DEEP、パンクラスなどに参戦している中本。KO、TKO勝ちも多く、今回もきっちり決着をつけるか。
対する藤田もDEEP、パンクラスなど大阪でおなじみの顔だ。今回はDEEP公式戦。どのような闘いを見せるか。
1R。お互いロー。藤田はパンチも出す。プレッシャーをかけていく藤田。しばらくお見合い状態が続くが、中本が左パンチから右。会場から拍手が起こる。さらに左パンチ。藤田もパンチを返す。お互い様子をうかがう。ローを入れた中本に、藤田がパンチを当てる。やや警戒した中本。藤田が組みつき、コーナーへ押し込む。ヒザを入れる藤田だが、中本は入れ替えながら離れる。会場から拍手。
藤田がジャブ&ロー。中本はフェイントから左パンチ。慎重に距離を詰めていく中本が左パンチ。藤田が組みつき、コーナーへ押し込む。中本はまたも突き放して離れる。残り時間1分。中本の右がヒット、藤田がダウン! カバーに入った中本をレフェリーが止めた。
第6試合
赤尾のバックボーンはレスリング。高校時代から社会人までレスリングで腕を磨く。MMAを始めてからは、レスリングの技をMMYA仕様に改良、強力なタックルを得意とする。修斗、DEEP、HEATで活躍し、HEATでは第3代バンタム級王者となる。この5月、パラエストラ天満をオープンしたばかり。
対する高野もレスリングがバックボーン。国士舘大学レスリング部で揉まれた。2014年よりDEEPに参戦。咲間"不良先輩"ヒロトを判定で下しデビュー。2018年よりハワイ武者修行も敢行している。
レスラーのプライドを懸け、お互い負けられない一戦だ。
1R。赤尾がローからプレッシャーをかける。高野がパンチを振ると、赤尾が組みにいく。しかし、これは高野が切る。
高野がミドル、前蹴り。赤尾が右パンチから素早く低いタックルに入るが、高野はがぶって立ち、ヒザを打ち込んで離れる。赤尾が左パンチを打つと、高野は「もっと来い」のジェスチャー。パンチで出た赤尾に組み付くが、蹴って離れる。赤尾がロー&ジャブ。お互いパンチ、蹴りを出す。赤尾がボディ、高野はジャブがヒット。赤尾が蹴りから組むが、高野が入れ替えてロープへ。さらにコーナーへ押し込んでヒザを入れる。赤尾が入れ替えようとすると、高野離れた。
残り2分。お互い打撃を出し合う。赤尾が組むが、高野がコーナーへ押し込む。逃れようとする赤尾のバックに回った高野。投げるが、赤尾はすぐ立ち上がる。赤尾が倒れながら投げて離れた! 高野はすぐ立ちパンチ。赤尾も応戦する。高野は組むがすぐ離しパンチ連打。さらに組みつき、倒してパンチを落とす。パウンドラッシュ! 赤尾の動きが止まり、レフェリーが試合を止めた。
第7試合
ヤマニハは現在パンクラス・バンタム級1位。パンクラス初参戦は2013年12月。当時王者だった石渡伸太郎の相手が欠場し、急きょの代打として参戦し、敗れはしたものの判定0-2とKOPを苦しめ追い詰めてファンを驚かせた。
以降、得意のグラップリングと、グラップラーらしからぬ強い打撃でランキング1位に上り詰めた、2019年はTSUNE、春日井 寒天 たけしに完勝。目指すはベルトだ。
対する福島は2014年からパンクラスに参戦。現在5位につける。東京大会にも多く出場し、おなじみの顔だ。今回は地元・大阪でのメイン。今年8月の前戦に続き、勝って地元を盛り上げたい。
1R。ほとんど同時にヤマニハの蹴りと福島のパンチがぶつかる。打ち合う両者。ヤマニハが前蹴り。蹴り足をキャッチした福島が組み付くが、逆にヤマニハがテイクダウン! パンチを落とすヤマニハ、蹴り上げる福島。両者立つが、ヤマニハの攻撃は止まらない。間をおかずアッパー、フック。福島もパンチを返していく。打ち合う。福島は首相撲に持ち込めない。
組みに入る福島だが、ヤマニハが潰し、素早くバックに回る。抱えて殴るヤマニハ。福島はカメ。ヤマニハは容赦無く鉄槌、ボディへのヒザ。福島は仰向けになると、ヤマニハはハーフマウント。上体を引きつける福島、ヤマニハはボディに強烈なヒジ。ヤマニハが身体を離すが、素早くバックを奪う。膝パンチ。福島を仰向けにさせ、上に。福島は鼻から出血している。首を抱え、上体を引きつける福島。ヤマニハはボディを殴る。福島はカカト。ヤマニハがヒジを落とす。ゴング。
ヤマニハの素晴らしいスピード! 福島もついて行っているが、パワーは一歩及ばないか。
2R。パンチを打ち込む福島。ヤマニハもパンチを返し、蹴るが、福島が足をキャッチ。タックルに入ろうとするが、切られてしまう。
パンチを出していく福島。ヤマニハも重いパンチを振り、左が顔面にヒット。さらにパンチ連打! 福島もパンチを返す。どんどん前に出ていくヤマニハ。ローをもらいバランスを崩した福島に、ヤマニハが素早くかぶさる。ボディを殴る。頭を惹きつけようとする福島を風呂解いて立つ。猪木アリ状態になるが、ブレイクがかかった。
福島は下がらず攻めていく。福島の右パンチがヒット! ヤマニハはアッパー。両者打ち合う。福島はタックルに入れない。ヤマニハの蹴り足を取るが、外されてしまう。福島の左がヒット。ヤマニハはパンチ、ヒザ。福島が組んでコーナーへ押し込むが、ヤマニハが入れ替えてヒザ。これがローブローとなってしまい、タイムストップ。福島はかなり苦しそう。
再開。福島に大きな拍手が送られる。福島が右パンチから前蹴り。ヤマニハもパンチを打ってゴング。
3R。福島が素早く入ってパンチを打つ。ヤマニハもパンチ。福島がパンチから首相撲。しかし、ヤマニハにヒザを入れられ離れる。福島はじわじわと距離を詰めパンチ。コーナーを背にしたヤマニハはパンチをもらうがヒザを入れて突き放す。
ヤマニハのローで福島がバランスを崩す。効いているか。さらに左ミドル。福島はこの足をかかえようとするが、逃げられてしまう。回り、ヤマニハがコーナーを背にしたところで福島がパンチ! ヤマニハも返す。
果敢にパンチを出していく福島。しかしヤマニハは頑丈だ。ローで吹きベートーベン 魔をぐらつかせ、さらにパンチをたたみかける! パンチ連打、木々がアゴに入り福島がうずくまると、かぶさってパンチを叩き込む。立とうとした福島だが、ヤマニハは強引に上に乗りパウンド! カメになった福島を強烈なパンチが襲う。ヤマニハはボディにヒザ連打。首を抱えるが、福島がこれは外す。再び上を取りパンチを落とす。さらにヒジ! タイムアップ。
判定は三者とも30-27、3-0でヤマニハが勝利。
重いパンチとスピードでヤマニハが圧倒。ランキング1位の凄みを大阪のファンに見せつけた。
(写真・文/佐佐木 澪)