高橋ヒロムが半年ぶりの復帰戦で盟友・DOUKIに激勝!ベルトさんとの会話が実現も「ジュニアとヘビー、違いが分かんねぇ。ジュニアをやりたいと思う人間がいなくなっちゃうんじゃないか」と不安を吐露
27日、東京都・後楽園ホールにて新日本プロレス『映画『ゴジラvsコング』Presents SUMMER STRUGGLE 2021』が開催され、高橋ヒロムが約半年ぶりの復帰戦を勝利で飾った。
この日のメインイベントでは 2月19日の岩手大会で左大胸筋断裂の大怪我を負って約半年の欠場に入っていたヒロムの復帰戦が実施。
ヒロムは当時保持していたIWGPジュニアヘビー級王座も返上し、復帰の目処も立たないほどの負傷によってドン底に叩き落されるも、リハビリ中に解説席でそのトークスキルを生かしたり、大会中のリング消毒係の中にさらりと混じってファンを驚かせたり、前説を担当したりとファンを楽しませ続け、復帰が発表されてから9月5日のメットライフドーム大会で現在ロビー・イーグルスが持つIWGPジュニア王座への挑戦も決まっている。
そして、今回復帰戦の相手となるDOUKIは、18歳で単身メキシコに渡ってデビューし、本人は多くは語らないものの当時を知る選手たちが一様に「泥水をすすって生き延びて来た」と語るほどの苦労を経て約10年間メキシコマットで戦い続けてきた選手。団体の看板に守られながら当たり前のように数々のリングに上がっていく新日本プロレスの選手に対しては思うところがあり、“カマイタチ”としてCMLLで闘っていたヒロムもその怨念の対象の1人。
しかし昨年11月にヒロムとBOSJで対戦が決まった際には「これが俺にとってのメインイベントだ。お前が少しでも俺との対戦、楽しみにしてくれるなら……」と語り、その試合でヒロムからTIME BOMBで敗れた後には「悔しいけど一番楽しかった。今後は俺ん中で一番大事なのはお前との試合だ!」と叫ぶなど、ヒロムに強い強い思い入れを持っている選手でもある。
ヤングライオンたちが掲げる6m弱の寄せ書きをバックにヒロムがポーズを決める中でDOUKIが奇襲。
激しい場外戦の後には互いにティヘラを中心としたメキシコで積み重ねてきた激しい空中技が乱れ飛ぶ展開となり、ヒロムがターンバックルへのフロントスープレックス、デスバレーボムと串刺し技で連撃すれば、DOUKIも土遁の術、デイブレイク、ラ・ケブラーダ、大一番にしか繰り出さないDOUKIボムまで繰り出し、20分を超えても互角の展開。
満身創痍の2人は投げっぱなしジャーマンからのラリアットと全く同じ技で意地を張り合い、DOUKIが土遁の術・改からラリアットを狙うもヒロムがコンプリートショットで迎撃。最後はヒロムがビクトリー・ロイヤルからTIME BOMB IIで叩きつけ、29分43秒の死闘に終止符を打った。
試合後、ヒロムは「DOUKI!お前これでもリハビリ相手としてお前を選んだと思うか?お前は俺にとって唯一初心に返らせてくれる男なんだよ。高橋ヒロムという名の男がメキシコで誕生したとき、お前がいつも横にいてくれてただろ?新しいスタートを切らせてくれてありがとよ!」と思いを叫び、DOUKIはその言葉を背中に受けながら無言で退場。
その後、ロビーがベルトを持ってリングに現れると「プリーズ、ワンミニッツ。トーク!」とベルトを指差し、ベルトさんとの1分間トークを要求。
ベルトさんは「正直ヒロムくんが悪いんじゃないの?2回も怪我してさ、僕のこと返上になっちゃってさ。多分ね、みんなそう思ってるよ?カッコ悪いよ!僕、ヒロムくんのこと嫌い!」とヒロムに辛辣な言葉を投げかけ、ヒロムがショックを受ける中で時間が来てしまい、ロビーがベルトを没収。ヒロムがワンモアミニーーッツ!!プリーーーズ!!」と叫ぶと、ロビーは「時間がほしいなら、俺を倒してみろ」と言い残して去っていった。
改めてマイクを取ったヒロムは、「正直な話、身体痛くてしょうがないんだよ。正直今日さ、後楽園来るときさ、正直な話『今日復帰戦だ、イヤだなあ』って思っちゃったの。でもプロレスをした後ってこんなに気持ちよかったんだなぁ!快感だぜぇ~!この拍手、懐かしいなあ。これに声が加わったらもっと最高になるのに。ちくしょーめ。首の骨で怪我して、ベルトを返上して復活したと思ったら、また胸を切って返上することになった。いくらこのスーパーポジティブなヒロムちゃんでも、会社から『You’re FIRED』って正直言われて首を切られると思ったよ。覚悟した。でもさ、俺ってスーパーポジティブじゃあん?怪我したくらいで、怪我したくらいだよ!こんなことやってんだもん。怪我したくらいでメソメソして『どうしよう、怪我しちゃったよぉ』なんて言ってるレスラー、面白くないとか言って自分に言い聞かせてる俺がいる!でもそれで良いと思ってる!俺は諦めない!ヒロムちゃんファンのみんな、申し訳ない!俺が現役である以上、メチャクチャ心配をかける!でも俺は必ず夢を叶える男だ!だってヒロムだもぉ~ん♪レスラーってさ、メチャクチャ馬鹿なんだよ、でも、この世の中をプロレスの力でどうにかして元気づけようとみんな、みんなが必死に頑張ってんだよ!俺はそんな自分を含めたプロレスラーが大好きだ!」と胸の内を叫び、「もっと!×15楽しもうぜぇ~!」のマイクで締めた。
試合後、ヒロムは「今日、会場に来て、控室、淋しかったよ。やっぱ、L・I・Jのみんながいないと淋しいなぁ〜」とぼやきつつ、「俺はこの欠場期間、約半年、何を考えてプロレスを見てたと思う?ジュニアとは何なのか、ヘビー級とは何なのかを、真剣に考えて見てたよ。いち選手として見るんじゃなくて、ファンの気持ちになって、いちファンとして俺は、見てた。ジュニアとヘビー、違いが分かんねぇな。よくか悪くか、違いが分かんねぇな。でもコレってさぁ、ヤバいんじゃないの?全てが曖昧だとさぁ、これから先、ジュニアをやりたいと思う人間がいなくなっちゃうんじゃないかって、すげぇ不安になったよ。頼みの綱の上村も、『105kgになって帰ってきたい』って言ってたし、デビューしたばっかのあの2人も、ジュニアなのかヘビーなのか分からないけど、どっちなんだろうなぁ。ただ今、この曖昧な状況でジュニアを選択してくれるかどうか、俺はそこが怖い。どれだけすごい試合、必死こいた試合、面白い試合をしようが、どっちを選択してくれるんだろうなぁ」と不安を吐露。
しかし、最後は「だったらさぁ、思いついちゃったんだよ。ジュニアによる、ジュニアのための、ジュニアの入門テストをやろうぜ。トレーナーはそうだなぁ……金丸さんがいいかなぁ? いや、いいんだ、いいんだ、コレを一人のファンの意見として聞くか、それとも、真剣に向き合って、そろそろ考えるべきなんじゃないのか、新日本プロレス。つまり、9・5メットライフドーム、IWGPジュニアヘビー級選手権試合、ロビー・イーグルス、新日本プロレス・ジュニアの戦いを見せた上で、俺が勝つ!」と明るく決意を叫んだ。