【会見】PANCRASEとREBELSが完全グループ化!ゲッシングゲーム企画も始動!「日本の格闘技界がガラッと変わる」

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 9月11日午後、都内新宿区のヒルトン東京で、パンクラスとREBELSの完全グループ化に関する発表が行われ、酒井正和・パンクラス代表、山口元気・REBELS代表が出席した。完全グループ化に関しては先行リリースされていたが、今回はその詳細を発表する形。

 これまでパンクラスとREBELSは提携という形で協力関係を結んできたが、今回はそこから一歩進み、運営にも関わっていくこととなる。酒井代表は「来年以降、格闘技業界はガラリと変わると思う。それを見据え、REBELSと完全グループ化することでスケールメリットを生かし、新たなスポンサーの獲得や、選手のさらなるメディア露出を目指していきたい。将来的には資本提携も視野に入れているが、まずは運営面でしっかりした座組みを作っていきたい」と話す。
 現在の格闘技界は、残念ながら格闘技のみで生活していける選手は一握りだ。今回のグループ化によって運営を強化し、両団体の選手育成や格闘技の価値向上を目指す。
 まずは、10月からパンクラスでREBELSの試合を行い、REBELSの選手を地上波に露出させていく。「PANCRASE 300」(10月21日、スタジオコースト)と「PANCRASE 302」(12月9日、スタジオコースト)にて、REBELS提供試合が2試合ずつ行われることが発表された。「300」では古谷野一樹(クロスポイント古賀)VS栗秋祥吾(クロスポイント吉祥寺)が決定している。

 さらに、来年2月17日、9月29日、12月8日、スタジオコーストにリングを置き、パンクラスの全面協力のもと「PANCRASE REBELS RING」(※仮称)が開催される。この大会ではMMAは行われず、完全にREBELSのみのプロ大会となる。
 2月の大会では、梅野源治(PHOENIX/BARK in STYLe)がメインを務めることが既に決定。登壇した梅野は「日本では、MMAの中にムエタイの試合があるような大会は少なかったですが、このグループ化で今後、面白くなると思います。形やルールにこだわり過ぎると発展していきづらい。固定観念にとらわれない試みでいいと思います。来年の試合はまだ相手が決まっていませんが、REBELSとパンクラス、協力体制の大会を盛り上げる存在になりたいです」と話した。
 9月と12月の大会では、他団体との交流戦や、階級でのトーナメント試合を行っていく予定。将来的にはREBELSのみのテレビ中継も目指していく。

 次に、TOKYO MXで10月から始まるスポーツ情報番組「BE-BOP SPORTS」(月曜夜8時)の中で、次世代アスリートを発掘する企画「PANCRASE REBELS TRYOUT」(※仮称)がスタートすることが発表された。
 この企画は、MMA版が10月から、ムエタイ版が11月からスタート。MMA版では北岡悟(パンクラスイズム横浜)と石渡伸太郎(CAVE)がそれぞれ推薦したアマチュア選手を育成、番組の中で毎週4分ほど選手を紹介していく。推薦2選手は11月25日、「PANCRASE 301」の中継枠内で対戦、勝者には賞金とプロデビュー権が待っている。現在、推薦選手は調整中だが、北岡側はパンクラスイズム横浜から、石渡側からはCAVEから推薦される模様だ。
 石渡は「自分は怪我で休んでいて、CAVEの選手を強くしようと思って鍛えていたところです。今、スポーツ界では暴力とかいろんな問題がありますけど、僕のところに来て、地上波が入っていいのか心配しています(笑)。それぐらいバッチリ鍛えますので、期待してください」と話した。
 北岡は「MXさんからお仕事いただいて恐縮です。その節は(笑)。似たような企画を見たことありますが、それ以上のものを見せたいと思っています」。北岡は、かつてMX中継内で、フジテレビのRIZINへの出場希望をマイクアピールしたことがある。それを踏まえ、笑いを誘いながら意気込みを語った。
 酒井代表によると、この2選手を選んだ理由は「パンクラスを象徴する選手だから」。「石渡選手はチャンピオンですし、北岡選手もパンクラスで活躍しています。この企画が上がったときから、スタートはこの2人と決めていました」と話した。

 ムエタイ版では、梅野源治(PHOENIX/BARK in STYLe)育成の岡本瑠奈(りな/STRUGGLE)と不可思(クロスポイント吉祥寺)育成の川島江理沙(同)が激突。岡本と川島が登壇し、「このような大きなチャンスをいただき感謝しています。川島選手とは4月のREBELSで対戦し、試合後に少し話して仲良くなったんですけど、これから闘いモードに変えます」(岡本)、「大きな大会に出られることになり、ありがとうございます。岡本選手とは仲良くなったので、試合では気持ちを切り替えてやっていきます」(川島)と話した。
 梅野は「競技や団体の枠に囚われない試みが、新しいファン層を増やすきっかけになると思います。僕自身、うるさく指導されるのが好きじゃありませんし、うるさい指導者で強い人を見たことがありません。そういう人が現役時代強かったのかと言えば、正直、強くないんですね(笑)。僕はうるさいことは言わず、実体験から、本当に効果のあるトレーニング、本当に必要だと思うことを伝えていきたい。また、自分も成長できるいい機会だと思います。ともに成長する関係性を築いていきたいです」と言う。
 不可思は「川島選手に『行けるか?』と聞いたら『勝てます』と言ってくれたので、コーチとして力が入っています。指導をちゃんとできるか心配ですけど、2人で力を合わせて勝ちに行くので楽しみにしていてください」と話した。
 なお、この企画は1回限りではなく、今後も継続して選手を発掘していく予定。

 最後に、パンクラスとダイヤモンドクリック社が提携し、「ゲッシングゲーム」が始動することが発表された。ゲームのプレイヤーは同社のサイトにて、パンクラスのライブ中継を見ながらゲッシングゲーム(勝敗予想)に参加することが可能。みごと予想が的中すれば、「ダイヤモンドポイント」を獲得、豪華な賞品やSKBの仮想通貨と交換できる。
 会見には同社のネルソン・リー氏が出席し「当社はアジアでスポーツマニアを熱狂させています。日本の格闘技ファンは非常に高い見識を持っているので、受け入れられることを祈っています」と話した。
 酒井正和・パンクラス代表は「ライヴ感覚でリアルとバーチャルが融合します。10月から本格的に始動し、全試合が予想の対象になります。ゲーム性が高く、収益性もあるので、今後が楽しみです。収益は選手の育成や医療などに使えますし、選手もモチベーションが上がると思います。これによって色々な試合を組むことができ、急速に発展しているアジアの格闘技界の中で頭1つ抜けるのではないでしょうか。これによって、日本の格闘技界にも貢献できれば」と話した。

 ゲームも、REBELSとの提携も、根本には来年のONE日本上陸が大きく影響している。酒井代表は「本当に、日本の格闘技界がガラッと変わるんじゃないかと考えています。これまでやって来た概念が大きく変わり、パンクラスにも影響があるのではないかと。また、日本やアジアの格闘技を高めていきたいと思っているので、マッチメイクも含めて細かいところも変わっていくだろうと思います」と語った。
 そんな状況を踏まえ、「動くなら今しかない」と判断したという。提携やゲームにより、今後パンクラスはどう変わっていくのか。大きなターニングポイントとなりそうだ。


(写真・文/佐佐木 澪)

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