がん手術乗り超えたワイルド・セブンが“邪道魂”でHERO7・1両国にて奇跡の復帰!再発のリスクを抱えながら「1度はリングに戻らなければならないと思った」

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 “邪道”大仁田厚氏の愛弟子で、昨年がんの手術を受けたワイルド・セブン(年齢不詳)がバリアフリープロレスHEROの7月1日、東京・両国KFCホール大会(正午開始)で、奇跡の復帰を果たすことになった。

 セブンは、ワイルド・ベアー、ワイルド・シューターとのワイルド軍で、友龍(聴覚障害プロレスラー)、田中稔、雷電のHERO正規軍との6人タッグ戦に臨む。
 昨年8月に体調の異変を覚えたセブンは何度も精密検査を受けた結果、同10月半ばに内臓に悪性腫瘍ができていることが発覚。それでも、ドクターストップを振り切って、同月31日に後楽園ホールで開催された,師・大仁田氏の引退興行に強行参戦。同11月から、治療に専念し、同月16日に都内の病院で10時間に及ぶ手術を受けた。
 腫瘍ができていたのは十二指腸で、術前には「ステージ2」と告知されていたが、術後の検査の結果、「ステージ4」と宣告され、体内にがんが転移していることが判明したという。従って、今もがん細胞が存在するが、それが悪い作用をもたらすかどうかは不明。担当医から、そのがん細胞が動き出す可能性は「30%」と告げられている。

 がんの告知を受け、一時は師匠の引退興行を最後に引退することも考えたという。しかし、セブンは「師匠である大仁田さんは常々『人生は1度きりだから、胸いっぱい生きろ!』とおっしゃっています。自分に残された時間がどれだけあるかわからない。だったら、今できることを胸いっぱいやろうと決意しました。大仁田さん、お世話になった高杉正彦さん(湘南プロレス)、がんの手術を受けられた小林邦昭さん(元新日本プロレス)からも、『続けられるなら続けた方がいい』と言われて・・・。それに、多くのファン、関係者から激励のメッセージをもらって、『1度はリングに戻らなければならない』と思った」と話す。

 術後、今年2月にトレーニングを開始し、3月から本格的な練習を再開。体力、体重が戻ってきたことで、5月には復帰することを決断した。ただ、体内にはがん細胞が現存しており、3カ月に1回の定期検診は欠かせない。

セブン「30%のリスクがあるんだから、正直怖いですよ。でも、3月、6月の検査はパスしたんで。担当医は復帰に賛成してくれています。プロレスをすることで、がんが悪くなるわけではないので。目標を持って、前に進むことで免疫力が高くなって、健康的に過ごせるし、それがいちばんの薬だと言われています。『ステージ4』でも、プロレスをやる。がんで苦しんでいる人たちに、少しでも勇気、希望を与えたい。それから、プロレス界に入る前からの盟友だった、篠眞一さん(2代目覆面太郎=元レッスル夢ファクトリー)が昨年12月に胆管がんで亡くなった。お世話になったキックボクサーの上田勝次さんも、昨年5月に急に亡くなった。きっと無念だったと思うし、あの人たちの気持ちを込めても、リングに上がりたい」

 復帰戦の舞台がHEROマットになったのは、同団体を主宰するGPSプロモーション・豊島修二会長のオファーからだった。
 豊島会長は、覆面マネジャーのワイルド・コモンとしての顔も持ち、かつてはセブンが属するワイルド軍と手を組んで、ともに悪の限りを尽くしていた時期もあった。その後、コモンはHERO正規軍と和解して、現在は敵対関係にある。だが、リング外では話は別のようだ。

セブン「豊島から、ICUに入っているとき、『復帰戦はウチのリングで』と言ってもらって、それには感謝してる。だからHEROのリングで復帰することになった。だけど、あのカードは何だったんだ?」

 当初、HEROから発表された復帰戦の対戦カードは、ベアー、セブンvsシューター、大野“ワイルド”翔士のワイルド軍同士による身内対決だった。
 HEROの2月10日、東京・高島平大会で、コモンを巡って、セブンとほかのワイルド軍メンバーが反目する一幕があった。HERO側が身内対決を組んだ理由は、それを踏まえてのものだった可能性もあるようだ。

セブン「確かに、あの日、コモンが試合中に乱入して、イスでベアーを殴って負けた。試合後、ほかのメンバーがコモンをボコボコにして、大野はデスバレーボムまで見舞った。素人に毛の生えた程度のコモンに、そこまでやるのは、『やりすぎ』でしょ。だから、私は制止に入ったけど、私たちは鉄の結束を誇っているし、仲間割れなんてあり得ない。だから身内対決なんて、意図がまるでわからなかった」

 セブンがHERO側に抗議した結果、対戦カードは前述の6人タッグマッチに変更された。
 この一戦に向け、セブンは「友龍が見違えるほど成長したのはわかってるけど、この3人の中では狙い目。雷電とは邪道軍で一緒にやってきた仲だけど、A-TEAMでWEWジュニア・ヘビー級のベルトを巻いた。チャンピオンになった雷電を肌で感じたい。稔は、去年の9月16日、高島平大会で、友龍とラテン・アメリカ選手権の防衛戦をやったとき、レフェリーだったんです。ところが、公明正大どころか、友龍びいきのレフェリングで、ハイキックを食らわされたんです。あの痛みは忘れてないし、ターゲットは稔。もちろんワイルド軍が勝ちます」と必勝を期した。
 復帰にあたって、セブンにはこの先の目標もあるようだ。

セブン「ワイルド軍の人気も高くなってるんで、もう1度、HEROを乗っ取って、『WILD HERO』興行をまたやりたい。そうなれば、お客さんももっと入るでしょ。それから、がんで療養するため返上したラテン・アメリカ王座を取り戻して、またHEROで防衛戦をしてやるよ」

 プロレス界で、がんの手術を受けて復帰した例は、胃がんを克服した藤原喜明のケースがあるが極めてまれ。“奇跡の復帰”に向け、セブンは7・1両国のリングに上がる。

バリアフリープロレス『HERO1』(主催=GPSプロモーション)
日時:2018年7月1日(日)
開始:12:00
会場:東京・両国KFCホール

▼イーグルプロレス提供試合
大野“ワイルド” 翔士
vs
香取貴大

▼3WAYマッチ
藤田峰雄
vs
UTAMARO
vs

▼女子プロレス
小波/高瀬みゆき
vs
真琴/茉莉

▼ミクスドマッチ
百太聾
vs
パンディータ

▼ワイルド・セブン復帰戦
友龍/田中稔/雷電
VS
ワイルド・ベアー/ワイルド・セブン/ワイルド・シューター

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