赤井沙希インタビュー[第2回]プロレスラーとして、愛川ゆず季の存在は意識したのか?
赤井沙希がプロレスラーデビューしたのが2013年8月18日のDDTプロレスリング両国国技館大会。その約4か月前、同じ両国国技館でプロレスを引退した愛川ゆず季。
女子プロレス大賞を2年連続で受賞するなど、愛川さんの活躍はプロレス界だけに留まらず、世間一般でもニュースや話題になることが多かった。それだけに同じようにタレントから女子プロレスラーとなった赤井は、デビュー直後“ポストゆずポン”と呼ばれ、どうしても愛川さんと比べられることが多かった。
だが、ボコボコに腫れ上がった顔、壮絶な試合……愛川さんがタレントレスラー、アイドルレスラーのハードルを一気にあげたのは間違いない。それだけに、赤井にはプレッシャーもあっただろうし、愛川ゆず季という存在をどれくらい意識したのか気になるところ。そこでズバリ聞いてみた!
【取材・文/佐瀬順一】
ーーちょうどプロレスに興味が出てきた頃に、新日本プロレスをいろいろと観られたり、選手に直接疑問をぶつけたり出来たことで、よりプロレスにハマっていったって感じだったんですね。
赤井 あー、そうですね。お芝居とかドラマでもないのに、人の気持ちが動いたりとか、泣いたりとか、「頑張れ!」って叫んだりするのとかって凄いなって思って。リングはステージと違って四方から観られているし、これは凄い世界だなって思ってどんどんハマっていきましたね。これはいい世界を知れたなぁなんて思っていた頃に、番組が終わっちゃったんですよ。
ーー『ラジオ新日本プロレス』は開始からほぼ1年の2013年3月に終了しちゃいましたね。
赤井 このどっぷりハマった私はどうすればいいの?って。仕事関係なく大阪までG1(クライマックス)を観に行ったりとかしてましたからね。
ーーおぉ、ハマってる、ハマってる!
赤井 新日を勉強をするために、他の団体とどう違うのかっていうのを見るためにDDTとかドラゲーとか、あとは……レジェンドプロレスとかノアも観に行ったりしてましたからね。人それぞれ好みがあるとは思うんですけど、私が番組が終わったあとも見続けていたのは新日とDDTとドラゲーでしたね。私みたいに1年間いろいろと勉強はしたけど、まだまだ知識が浅い人にも分かりやすかったし、カッコイイ選手がいたり、華やかやったり。
すっかりプロレスにハマった頃に飛び込んだ仰天オファー
ーープロレス女子だった赤井選手が何をキッカケに、見る側からやる側になったんですか?
赤井 番組が終わったあともインタビューとか、ちょこちょこプロレスのお仕事があって、DDTとか観に行ってたんです。で、高木社長が私が(会場に)来てるってことを耳にしたらしくて。うちの事務所には元々高木さんと知り合いの人もいたので、一度ご挨拶をするってなったんですね。そこで高木社長が「今年は両国(国技館大会)を2日間やるんですけど、1日目はファッションショーをやるのでモデルをやってほしい」って言われて。もうプロレスにそういう形で関われるのは面白いなぁって思っていたら、「2日目はプロレス一色なんですけど、選手として出てもらえないか?」って言われて「えぇ!」って(笑)。
ーー1日目モデルで2日目レスラー! すごいオファーですね(笑)。
赤井 さすがにすぐに「分かりました」とは言えなかったですね。それに私なりに1年間プロレスを見てきて、あんまりレスラーじゃない人がリングにあがって何かするのが好きじゃなかったんで……。だからこそ、そういう思いをDDTファンの人にしてほしくないって思ったし、私がリングに上がることでプロレスを舐めているって思われるのも嫌だったし、プロレスそのものが舐められるのが嫌だった。あと芸能人としてアカンかったからプロレスをやりはじめたって思われるのも嫌やった! 芸能がダメだったからプロレスでとか、プロレスはそんな場所やない! プロレスのリングっていうのは選ばれし者しか立てない尊敬される場やと思っているので、すごく悩みましたね。やっぱりお母さんも反対やったし、電話で朝までいろいろ言いながら。「親子の縁切る」まで言われて。
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赤井沙希(あかいさき)
オスカープロモーション所属のモデル、タレント。1987年1月24日生まれ。京都府出身。身長174センチ。2006年には旭化成せんいキャンペーンモデル、2009年にはK-1イメージガールとなる。2011年にはTBS系ドラマ『マッスルガール!』にビッグデビルこと向日葵役として出演。同年6月1日には埼玉・アイスリボン道場で星薫役だった志田光とタッグを組んで、藤本つかさ&真琴と10分間のエキシビションマッチを行った。ラジオ日本『ラジオ新日本プロレス』(2012年4月〜2013年3月)ではアシスタントを務める。2013年8月18日、DDTの両国国技館大会でプロレスデビュー。