「私もまだまだこれからもプロレスのために生きる!」世間に“女子プロレス”を思い出させた上谷沙弥が両国国技館で堂々の王座防衛!

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 29日、東京都・両国国技館にてスターダム『JR東海 推し旅 presents STARDOM DREAM QUEENDOM 2025』が開催。上谷沙弥がワールド・オブ・スターダム王座の8度目の防衛に成功した

 昨年12月に中野たむに引導を渡しワールド王者となった上谷。その後地上波でも大ブレイクし、女子プロレスを一般層に広める役目を一手に担ってきた。
 リングの外での大活躍だけでなく、スターダム最高峰の赤いベルト(ワールド・オブ・スターダム王座)とNJPW STRONGが管理するSTRONG女子王座のシングル二冠王として2025年のスターダムリングを牽引してきた。

 今年11月3日に渡辺桃を相手に二冠防衛を果たした上谷の前に現れたのは、IWGP女子王座を持つ朱里と、以前から上谷を強く意識していた安納サオリ。朱里は1月4日の新日本プロレス東京ドーム大会で互いが持つベルトを全てかけた王座戦を提案し、安納は12月29日の両国国技館での赤いベルト戦を要求。
 これを聞いた上谷は「沙弥様人気者だなぁ!」と高笑いしつつ両方とも承諾。最終的に、両国国技館では安納との赤いベルト戦、東京ドームでは朱里とIWGP女子&STRONG女子王座のダブル王座戦を行うことが決定された。

 その翌日にはタッグリーグの出場選手発表記者会見が行われるも、上谷は年末年始の約1週間で2つの王座戦があるため“会社判断”によってタッグリーグに参加しないことが発表。
 これを受けた安納は「年末年始にタイトルマッチが2つあるから?だからタッグリーグには出ずにタイトルマッチに専念してくださいって。……へぇ、会社は上谷を大切にしてるんやなあ~って。会社は上谷に両国もドームも勝ち切って欲しいって判断なのかなって私は思っちゃった。でも上谷は悪くないで?会社の判断やから。ただ私は、少しでも上谷と闘いたかった」とイヤミ混じりで複雑な心境を吐露。
 安納は上谷への想いを沸々と燃やしていき、上谷もたむが遺したユニットであり安納も属する【COSMIC ANGELS】を根絶することを狙うなど“情念”にあふれた関係が醸成されてきた。


 試合は、ゴングとともに突っ込んでいった安納が大技での速攻決着を狙うというスリリングな立ち上がり。上谷はこれをのらりくらりとかわしながら寝転んでセクシーなポーズを取るなどの挑発を繰り返していく。
 安納はさらに勢いを増して攻め込んでいくも、頭に血が上った安納には上谷のカウンターが面白いように刺さっていく。上谷は安納の顔面を踏みつけながらお決まりの“あっかんべー”のポーズで観衆へ写真撮影を促す。その後は場外に蹴落とし、チェーンを安納の首に巻き付けながら観客席上段の枡席まで連れ込んでいく。階段から安納をチェーンごと投げ落とし、自力で起き上がれなくなった安納を強引にリングまで連行するも、安納のダメージ表現はフェイク。リングに上げられる瞬間にガバリと起き上がってエプロン上でのジャーマン・スープレックスを見舞い、上谷から奪ったチェーンを使った絞首刑に。OZアカデミーで尾崎魔弓と並び立つことで培った“黒安納”の引き出しも開けていく。
 安納はミサイルキック、フィッシャーマンズ・スープレックス・ホールド、あのwring、極楽固めと猛攻をかけ、雪崩式フィッシャーマン・バスター。さらに突っ込んでいくも、上谷がフットスタンプでかわしてニールキック。場外へのスワンダイブ式プランチャも見舞い、1つギアを上げて安納に猛反撃。
 上谷は安納をリングに戻し、ノーザンライト・スープレックスからカミゴェ式ビッグブーツを放つが、これをかわした安納がロコモーション式ジャーマン・スープレックス・ホールドを3連撃。コーナーに上る安納だったが、上谷が雪崩式フランケンシュタイナー。今度は上谷がコーナーに上がると安納も雪崩式フランケンシュタイナーで切り返すという意地を見せ、互いのビッグブーツが互いの顔面にめり込み、相打ちでダブルダウン。
 満身創痍の2人は激しいビンタ合戦を展開。安納が両手を後ろで組んで上谷の連打を敢えて全部受け切り、上谷の必殺技であるスター・クラッシャーを食らっても立ち上がる。
 上谷は奥の手の旋回式スター・クラッシャーを狙うが、これを読んでいた安納が背面着地してドラゴン・スープレックス・ホールドからタンタンドル。さらに豊田真奈美直伝のジャパニーズ・オーシャン・スープレックスまで繰り出すが、それでもカウント3は奪えない。
 ならばと安納は新技と思われるリストクラッチ式の投げ技を狙うが、上谷がフランケンシュタイナーで切り返してスピンキックから旋風脚。さらに顔面へのビッグブーツ猛連打からスクールボーイ・スープレックス、スライディング・バズソーキックと連撃してカミゴェ式ビッグブーツを狙うが、これをヘッドバッドで止めた安納がカミゴェを叩き込む意趣返し。さらに先程狙ったリストクラッチ式の変形ジャパニーズ・オーシャン・スープレックスを成功させる。

 これを耐え抜いた上谷がスター・クラッシャーから旋回式スター・クラッシャーを狙うが、安納が着地してスペシャル・ポテリング。これを返した上谷がカミゴェ式ビッグブーツを叩き込み、旋回式スター・クラッシャーを決めて3カウントを奪った。

 マイクを取った上谷は「これが現実だよ。残酷だろ?沙弥様のこの可愛い顔を汚くしやがって」と鼻血を拭う。安納が「いつもと変わらんて。アンタこそこんな顔をさらけ出させて。でもここまで出さな上谷沙弥と向き合えへんもんな。覚えとけ。私は諦めへんからな」と返してリングから降りる。
 しかし、そこでこらえきれなくなったのか号泣し、盟友のなつぽいらに肩を借りながら退場していく。


 去っていく安納と入れ違うように、スターライト・キッドがリングへ上がって挑戦を表明。
 上谷は「お前空気読めよ。邪魔なんだよ」とツッコミつつ「可愛い子猫ちゃんよぉ~?いつも沙弥ちゃん沙弥ちゃんってキーキーうるせーんだよ!まあでも、嫌いじゃないよ。いいよ、やろうか。沙弥様を楽しませてくれるなら、いつでもどこでもやってやるよ。こ・ね・こ・ちゃん♡」と挑戦を受諾。

 キッドは「約3年前のワンダー戦の悔しさ、忘れてないからな」とドスの効いた声で言い残して退場。キッドの言う“3年前”とは、2022年7月9日の立川ステージガーデン大会で当時上谷が持っていた白いベルトにキッドが挑戦して敗れた試合。デビューから間もなくチャンピオンになった上谷に対し、当時キャリア7年だったキッドは「私は7年かけてここまで来たのに、今の私でも獲れないのか。今の私になにが足りないんだ!私が一番負けたくない相手は上谷沙弥なのに!」と泣き叫ぶ半狂乱とも呼べる感情の爆発を見せていた。キッドが悲願の赤いベルト初戴冠を果たせるかどうかにも期待が集まる。

 改めて観衆に向き直った上谷は「しもべたちよ!」と叫ぶも、様々な思いが去来したのか涙を流しながらしばらく沈黙。それでも「この1年振り返るといろんなことがあったけど、改めて分かったことがある。この私の生きる場所はスターダムのリングってことだッ!来年もお前らが見たことのない景色、連れてってやるからまだまだ沙弥様から目を離すなよ!しもべたちよ、ひざまずけ!2025年、永遠にさよなら」と叫んで堂々のエンディングを飾った。


 バックステージに現れた上谷はボロボロと泣きながら「本当にいろんなことがあって、毎日気が狂いそうで!逃げ出したいこともいっぱいあったけど!自分から逃げなかったし、プロレスと毎日毎日向き合い続けた!だからこそ誰も手に入れられないものを手に入れられたと思うし、私もまだまだこれからもプロレスのために生きる!そして!スターダムのリングで黒く光り輝き続ける!来年もまだお前らが見たこと無いところまで連れてってやるから、全員沙弥様について来いよ!以上ッ!」と胸中をぶちまけて会場を後にした。

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