UWFの魂に目覚めた超人声優が毒殺されかけ王座奪取に失敗

15日、東京都・新木場1stRINGにて『ACTwrestling Step67』が開催。青葉ちいがMARUが持つKING王座に挑戦した。
KING王座ことキング・オブ・リングエンターテイメント王座は、プリンセス天功さんのペットであるホワイトライオンのKINGくん(当時1歳)がコミッショナーに就任し2024年10月に創設された王座。
現在のアクトレスガールズは、WWEのように台本があることを公表してプロレスを展開中。【実力】【努力】【人気】【運】といった項目で得たポイントを数値化して大会前に集計し、ポイントで上回った選手が試合で勝利することが決まる『ポイントマッチ』が主流となっている。
そんなアクトレスに於いて、ポイントマッチではない“強さの象徴”とされるベルトがKING王座。過去にはラダーやイスが乱れ飛ぶハードコアマッチで王座戦が行われたこともあり、しっかりとした“プロレス”が出来る選手のみが挑むことを許されていると言っても過言でないベルトだ。
現在の王者は元JDスターのMARU。主催する劇団『水色革命』では舞台上でプロレスの動きをすることはあったが、2022年にアクトレスガールズとして16年ぶりにリング復帰。悪の軍団【蛇道衆】や【アクトレスキラーズ】の首魁として大好きな凶器を駆使して暴れ回っている。
対する挑戦者は、青葉ちい。ちいはシーラカンス・ファクトリー所属の声優であり、水泳とバスケをバックボーンに持つ高い身体能力を秘めた選手。しかし、ほんわかした性格が災いしてかリング上での闘いの結果は振るわぬままデビューから約2年半が過ぎていった。
しかし、ちいはLIDET UWFに出場が決まり格闘技の要素を取り入れた練習を本格的に始動するとついにその素質が開花。リング上での動きは見違えるものとなり、巧みなサブミッションやブリッジが異常なまでに美しいバックドロップ・ホールドを武器にアクトレス戦線の中で勝ち星を重ねていく強者になるまでのし上がった。
みあ朝子率いる【超人朝子軍】のメンバーの中でも勝ち頭となっているちいは先月24日の横浜大会にてMARUに挑戦を表明。MARUも「お前が最近めちゃくちゃ強くなってるのは知ってる。挑戦認めてやるよ」と以前のようにちいを格下扱いせずしっかりと挑戦者として認めた。
これを受けて15日の新木場公演で両者のKING戦が決定。ちいがシングルマッチでメインイベントを飾るのは初めてのことであり、最近の目覚ましい成長を結果に繋げられるかどうかに注目が集まっていた。

ちいはUWFのテーマで入場。コスチュームもアクトレスリングで普段着用しているフリフリのドレスのようなものではなく、LIDET UWFに出場する際に着用するシンプルなもので登場する。
試合は、低空タックルを狙うMARUに対し、ちいは前蹴りを見せて牽制するという緊迫感ある立ち上がり。MARUがビクトル投げからのヒザ十字を狙うも、ちいが抜け出してバックマウント。MARUのタートルポジションを崩してのヒザ十字を決めるなど確かな練習の成果を見せていく。

しかし、セコンドが投げ込んだチェーンを受け取ったMARUがチェーンナックルで強引に脱出すると試合の空気は一変。MARUは場外へと引きずり出し、ちいを観客席に寝かせたうえで壁の上によじ登って放つダイビング・フットスタンプを見舞うなど大暴れ。チェーンでの首絞めや頭部への噛みつき攻撃とやりたい放題。
さらにMARUは水が入ったペットボトルで顔面を殴打。ちいがこれを奪い取って中身を全部飲み干すという荒業で凶器を封じるも、毒でも混ぜられていたのかちいが苦しそうにうずくまる。
その姿を見たMARUは「計画通りだ計画通り!」と高笑いしつつ、ちいの必殺技でもあるバックドロップを連発。さらにストレッチ・マフラー、MARUスピンクラッシュ、MARUMARUスープレックスと大技で畳み掛けるも、ちいはすべて返して「こんなもんかよ!」と絶叫。

これにカチンと来たMARUが鎖を投擲するが、ちいはこれをキャッチした上で投げ返してダメージを与え、オクラホマロールからロコモーション式バックドロップ・ホールドを3連発。MARUは4発目をスタナーで切り返してスピアーで追撃。MARUはバックドロップ、ダイビング・フットスタンプ、MARUロックマフラー(※クロスレッグ式ストレッチ・マフラー)と必殺技のフルコース。これにはちいもたまらずタップし、MARUが3度目の防衛に成功した。
マイクを取ったMARUは「青葉ちい、敵ながら褒めてやるよ。お前の覚悟、すごかったぞ。それとあのバックドロップは、危険すぎる。やめとけ。危険すぎる」と頭を押さえながらちいを称賛。
ちいが「負けました。でも、まだ諦めてませんから!絶対今度勝ちますから!」とノーマイクで絶叫すると、MARUも「いいじゃん、その気持ちだよ。悔しい気持ちを絶対に、お前ら全員忘れるな」とセコンドの若手勢に向けても教訓を残した。
その後、MARUは「私はこのKINGベルトだけじゃなくて、他のタッグもAWGも私が総なめしてやる。ここはさぁ、なんか結局いい人たちばっかりじゃん?本物のヒール?本物の悪者が必要だと思うんだよね」と団体の景色を変えると宣言。
その後は今月20日の大阪176BOX大会でKINGベルト挑戦が決まっている汐月なぎさがリングに上がり、MARUと舌戦を展開。今月29日には後楽園ホール公演も決まっているだけに、どんどん風景が変わっていくアクトレスリングから目が離せない。
















